公開日:2025年 4月23日
更新日:2026年 5月 5日
本日は脳過敏症候群の鍼灸について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、頭鳴りを担当して11年、担当数2000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
YOUTUBEで解説しておりますので、こちらもご参考くださいませ。
頭鳴りは脳からくる耳鳴りの悪化版です。脳の側頭葉にある聴覚野が過剰興奮した場合、脳からくる耳鳴りになります。
聴力や耳の構造には全く問題がなく、ウイルスの感染や交通事故、精神的ストレスなどの色々な要因で発症します。ストレスがかかると目がピクピクしたり過敏性腸症候群が起こったり顎や背中のニキビが発生したり毛嚢炎が起こったりなどの症状が起こるように、脳が過剰に興奮すると色々な症状が出るのです。
症状は人によって違います。脳が興奮するエリアによって肩こりが起こったり、腰痛や頭痛が現れたりというようにエリアによって症状の出方が変わります。
頭鳴りの1番有力な発生機序はグルタミンサイクルの変調です。
脳のシナプスが神経を伝達する際にするグルタミン酸という物質を出して受け取って興奮を伝えていきます。グルタミンを出して受け取るグルタミンサイクルが何らかの影響で止まってしまうと停滞箇所で興奮が持続します。側頭葉の聴覚野で興奮が続いてしまい、それを音として認識して脳からくる耳鳴りが起こるのです。
範囲が広くなっているのか場所によって違うのか把握できませんが、悪化していくと音がどんどん上にずれて行ったり後ろにずれていき頭鳴りになります。
頭鳴り・耳鳴りに悩む人は心の問題を抱えている場合がほとんどです。
また、常に考え事や忙しさに追われ脳が過剰に働きすぎているのも原因の一つといえます。症状を落ち着かせるためためには、まず大前提として休息が重要です。
リラックス効果のある音楽は、不快な音から気を逸らすアプローチがあります。ただし、心の持ちようによって効果が期待できない場合もあります。
大切なのは、気持ちをリラックスさせ、決して原因を突き詰めようとしないことです。神経質になると、更に症状を悪化させてしまいます。
「病は気から」という言葉があるように、頭鳴り・耳鳴り症状の最大の原因は心の疲れと言われております。1日の中で何も考えずにいる時間を5分からでも作ってみましょう。α波などヒーリング効果の高い音楽を流すのも有効な方法です。
脳波による脳過敏症候群の判断はあまり有効ではありません。鍼灸師の立場では脳過敏症候群は脳の興奮であることは間違いありませんが、興奮させる要因を1個1個取っていくことが鍼灸の考え方です。
体の構造でもある筋肉、神経、リンパ、内臓的な要因である肺や食道、心臓や胃、膀胱、前立腺、卵巣や子宮などの色々な要因を考えなければ脳が興奮する要因を取ることができないとことを最近強く感じています。
東洋医学は全体で見るものです。東洋医学の概念は円で考えます。球体で全てバランスよく整っていることがベストです。あれを改善しよう、これを改善しよう、これが原因だということではないのです。
凸凹や歪みが生じると症状が生まれるという考え方のため、この円を作り出す施術をしなければいけないと昔師匠に教わったことがあります。
医者を否定するわけではありませんが、現実問題、脳波と症状は一致しないことがほとんどです。一致していれば脳波の状態を改善したりそれをゴールにしたりしたいのですが結果を見てみたら全然関係がないのがリアルです。
当院に来院される方は、耳鳴り頭鳴りの人が1番多いです。そのような人が1番悩むポイントはどこで鍼灸を終えれば良いのかということです。うるさい状態から良くなってきて安定した状態を壊したくないため、どこで卒業したら良いのか、卒業後はどうなのか、という悩みを漠然と抱えています。
当院に通院されている耳鳴り頭鳴りの方のほぼ半数は1番辛い時を10とした時の辛さでいうと、0と2をうろうろしています。耳鳴りの症状の特徴を理解することで施術から卒業しやすくなります。
脳からくる頭鳴り耳鳴りの改善には、神経の可塑性という脳の素晴らしい能力が重要です。神経の可塑性は脳が新しい経験や刺激を受けることで脳の構造や機能を変化させる能力のことです。これにより脳自身を再構成し機能を回復させることができるのです。鍼の刺激を受けることで脳の可塑性を上げ、脳からくる耳鳴りが落ち着いていくという回復過程をたどります。
当院では、耳鳴り頭鳴りは脳の側頭葉にある聴覚野が異常に働くことで起きると考えています。病院で処方される薬はSSRIやリボトールなどが多いですがこれらも脳の過覚醒、過剰興奮を落ち着かせる薬です。サウンドセラピーは特定の音を使って脳の新しい反応を学習させることで、脳は耳鳴りの音をより脳は耳鳴りの音を無視する方法を学び異常な神経活動を正常化する新しい経路を形成する改善方法です。
鍼は神経フィードバック療法とも言われていて、皮膚に存在するツボや特定の領域を刺激することで脳にポジティブな影響を与えることができ神経回路の再構成を助けてくれる方法です。
耳鳴りや頭鳴りの症状は人によってゴール設定が全然違います。人によって考え方や症状との向き合い方が違うのです。その方の目指すゴールに向かって施術をしますが、ここで理解しないといけないことがあります。
耳鳴りと頭鳴りの改善の経過と安定化についてです。耳鳴りの改善の経過では変動があります。1番辛いのは変動期でうるさい時と楽な時に大きな差があり、この差によって悩んでしまうのです。
鍼をすることでどんどん音が下がっていきますが、下がってきてもうるさい時はうるさいです。楽な時とうるさい時の差が少なくなってくると、多くの場合慣れてきたというリアクションをもらいます。
1番うるさい時を10とすると、うるさい時が2くらいまで下がってきて静かな時が0になるともう卒業で良いかなと思うのですが、そうはいきません。耳鳴りの静かな時を感じてしまうとうるさい時の2が煩わしくなるのです。当院では多くの人がこの2を下げるための施術を行なっています。
頭鳴り耳鳴りは下がってきたら施術の間隔を必ず空けることが大事です。鍼をすると体に変化が起きるため施術の影響を受けた脳神経は少なからず興奮します。脳の再編成に関しては時間がかかるため待つ時間が必要なのです。待つ時間を作ることで安定してきて0と1をうろうろしたり0.5が続くようになります。これが安定化です。
当院での施術間隔は最長2ヶ月に1回で、多くの場合は1ヶ月に1回です。
安定化すると不規則な刺激や体の負荷に対して耳鳴りや頭鳴りとして反応しなくなります。そうなると気にならなくなります。そこが卒業のタイミングです。
施術の期間を空けてほしいというのは、体の悪い箇所や回復を妨げるフックがなくなっている人に、神経の可塑性、再編成を促すためにお願いしています。
中には勘違いする人もいます。2くらいになるともうほとんど改善したと思い、整体に行って改善をしようとするのです。それによって悪化して戻ってくる人も多いです。2まで音が下がることと安定していることは違います。
間隔を空けるべき人は、
・悪いフックが取れて0〜10の幅が狭くなった人
・低気圧や体の負荷、新しい挑戦で音の変動がない人
です。
期間を空ける提案は、決して見捨てたりしているわけではありません。当院では安心して卒業してもらえる施術をしています。改善するためには安定させる必要がありそのためには期間を空けなければいけないのです。
頭鳴りは精神の病気の1つで、脳波を測定し抗うつ剤を飲んでも10年20年改善しない人もいます。実際に改善しないタイプ人もいます。改善しないタイプが悪いわけではありませんが、改善するタイプの人は安心して施術を続けてほしいと思います。
Q.キーンとなる頭鳴りに6年悩まされています。いろんな病院や鍼灸にも行きましたが良くならず仕事もできず実家で過ごしています。今は漢方を飲んでいますが、少しでも改善するための情報を教えてほしいです。
A.当院では頭鳴りに効く漢方はないと考えています。病気はこうすることでこういう症状が出るということがある程度決まっていますが、漢方は狙っている概念が違います。漢方を処方されたということは体質を変えて行こうという狙い方だと思いますが、当院では頭鳴りを体質から改善したことがないためなんとも言えないというのが本音です。
自分でできる頭鳴り対策はとにかく寝ることです。睡眠導入剤や安定剤、抗うつ剤など寝るためには何を使っても良いので、とにかく寝てほしいです。頭鳴りは体の構造が改善しないと改善していきません。
先日、ゲップとオナラが止まらないという人がいらっしゃいました。病院では原因が自律神経からきていると言われたと言いますが、自律神経の薬を処方されていませんでした。先生の本音で判断と本音が少し違うこともあるのです。自律神経失調症という判断でも、漢方を渡したり何もせずに休むようにいうこともあります。その方は脳の過覚醒からくる腸の蠕動運動の過剰活動だったためそのアプローチを行いました。
同じように頭鳴りも色々な原因から起きるのです。そのため、原因を潰していかないといけません。ただし、原因の捉え方は担当する先生によって違うためそこが難しいのです。
鍼灸は一人一流派と言われるくらいやり方と考え方、鍼の仕方が違います。そのためどこの鍼灸院が良いというお勧めはできませんがとにか薬を使ってでも寝てほしいです。
ただし、頭鳴りが起こる体になっている場合は改善が難しいため、体の構造から改善に取り組むことをお勧めします。
《頭鳴りを感じた時期》
頭鳴りは2024年1月に発症。セルフケアをしたがなかなか効果がなく、アドバイスしたサプリも効果がなかったため、日本に来て来院することを決意。3月に来院。
《頭鳴りが酷くなるきっかけ》
なっている音の度合いは10を最大にすると7くらい。体に悪いところが3つあった。
《銀座そうぜん鍼灸院の来院経緯》
YouTubeをみて来院
《悩んでいる症状》
脳過敏と聴覚過敏。耳鳴り継続中。肩こりもあり。
《発症した時期》
昨年の5月に脳過敏を発症。その時に比べるとはるかに良くなっている。
《現在の体調》
今回は7回目の施術で、前回から4ヶ月経っていて耳鳴りも脳過敏も落ち着いてきている感覚がある。今までは朝起きて憂鬱だったが、最近は自分が脳過敏であることを忘れている日もある。
抗てんかん薬の副作用が辛くてやめたら頭痛が起きていて毎日痛み止めを飲んでいる。耳栓はしないといけないがライブも行けるようになった。頭痛は全体に起きるもので、閃輝暗点が起きやすく痛み止めがあまり効かない。前は1分でも早くなおしたいという気持ちでなおすことに囚われていたが、逆効果だと気づき、最近はあまり自分が病気なことを考えないようにしたら落ち着いてきた。
日によって睡眠不足や疲れなどで悪化することがあり、寝る前に耳鳴りが強くて寝付けない、朝から足音が響く、などの症状を感じると元に戻ってしまったのかと思い不安になることがある。
前は24時間寝る直前まで辛かったが今は気にならなくなった。仕事中も周りの人のタイピングの音や遠くの音も気になってノイローゼになりそうだったが今はそこまでパニックにならなくなった。音が大きいところは耳栓をすれば楽しめるようになった。大好きなライブにも行けるようになった。
院長としては、Tさんのケースは首の状態が良くなれば頭痛も良くなると考えています。このタイプの頭痛は、筋肉が固まっているパターンと三半規管からくるパターンがあ流ため、筋肉と三半規管にアプローチを行います。
当院は、体が整えば勝手に改善するという考え方です。症状が軽くなっても首が取れないと復活してしまいます。
Tさんは肩や首の凝りはあるが前より良くなったと言ってくれました。Tさんは肩こりを感じていると言いますが、これは病的ではありません。そのため、肩こりによる症状にも鍼と温灸でアプローチを行います。
Tさんはなおると信じてたがなおる気配を感じられなくて怖かったと言いますが、なおる前提が大事で、その前提が整わない状態で、抗てんかん薬を毎日飲んでいる人は多いです。以前は悪い首のサインが残っていました。これがあると打開しにくいですが、今日は確認してもそのサインがなかったので今日の施術で頭痛の回数が半分になってくれたらと思っています。
Tさんの現状は、首よりは三半規管が良くないと考えられます。気象病といい、気圧の変化で頭痛が起きることも多いです。
耳鳴りと電気鍼はあまり相性が良くないため感じるくらいの優しいアプローチをおこないます。
頭鳴りに使われたツボをご紹介します。
・百会
・天柱
・神門
・神泉
・不容
・太衝
・肩井
百会の百は多種多様という意味で、会は出会うや交わるという意味です。百会は、多種多様なのツボの道が交わるという意味のツボなのです。そのため、百会は、全身の様々な症状に対して効果が期待できます。
百会には自律神経の働きを整える効果もあります。そのため、ストレスを感じている人やなかなか眠りにつくことができない人にもおすすめのツボです。
自律神経の働きを整えることで、全身の血行の促進にもつながります。そのため、頭痛や目の疲れ、めまいや肩こりなどいろいろな症状の軽減につながるのです。
天柱の天は頭部の意味で、柱は支えるという意味です。天柱は、頭を支えているツボで、頭にあるツボの中でも大事なツボなのです。
天柱は、自律神経を整える働きがあります。自律神経が乱れているときや、頭痛や肩こり、めまいなどによく使われます。眼精疲労や寝違えに効果的です。
神門は、東洋医学でいう心に関係する問題に効果のあるツボです。
東洋医学の心は、心臓だけではなく、血や精神などのことも含んでいます。神は神様という意味だけではなく、自分らしく考えて行動する意識というような意味を持っています。そのため、神門は、心配事や緊張から思考が上手にまとまらない時にもお勧めのツボです。
さらに、血には神経が高ぶることを抑える働きがあります。血の消耗は怒りや神経過敏につながります。怒りや神経過敏は不眠にもつながります。自律神経を整えてストレスを和らげ、不眠を解消する効果が神門にはあるのです。動悸などの改善にもよく使われます。
百会は、頭頂部にあるツボです。両耳の一番高い場所を結んだ線と、鼻から後頭部中央を結んだ線が交わる頭頂部にあります。
押すときは、両手の中指を重ねて、体の中心に向かってゆっくりと垂直に押します。
天柱は後頭部の生え際にあるツボです。首の骨の際と髪の生え際が交わったところにあるくぼみの部分にあります。
押すときは、両手を使って左右の天柱を同時にゆっくりと押し込みます。
神門は、手掌側の手首のしわの上にあるツボです。小指側にある腱の内側の少しくぼんだ場所にあります。
押すときは、親指をツボに当て、残りの指で手首をつかみ、約30回押します。痛気持ちいい程の強さで軽く圧迫する程度に押しましょう。
GABAはガンマアミノ酪酸のことで、主に中枢神経で働く抑制系の神経伝達物質です。自然界に多く分布して食品やサプリメントとして摂取できます。
効果は、リラックス効果、睡眠の質の向上、筋肉の緊張緩和で、脳過敏症候群の人にオススメのサプリメントです。
デメリットに吸収率の問題があります。GABAのサプリメントの吸収率には個人差があり、摂取したGABAが血液脳関門を通過して効果を発揮するかどうかは議論が分かれています。血液脳関門は脳のフィルターのような役割をしており、体の内部からウイルスや摂取したサプリメントを分けています。GABAの分子が大きいため、血液脳関門に引っかかって脳に行かないようにしてしまうのです。
また、妊娠中や授乳中向精神薬や抗不安薬など特定の薬物を服薬中の人は医師と相談してからサプリメントを摂取することが大事です。
GABAは、神経細胞の興奮を抑制しリラックス効果やストレスの緩和、睡眠の質の向上に寄与しています。これは、細胞内に存在するGABA受容体と結合し細胞内の塩化イオンチャンネルを開くことで興奮シグナル伝達を抑制するためです。これにより神経細胞の情報伝達が抑制されるためにリラックス効果が起き、リラックスする方向に仕向けてくれるのです。
GABAは小腸のGABA受容体に効きます。小腸にもGABA受容体は存在し、GABAのサプリメントを摂取することで小腸のGABA受容体と結合し腸内環境が調整されます。脳と腸の密接に関係する脳腸相関という役割があります。脳腸相関はストレスや不安が消化器系の働きに影響を与えることを示しており、小腸の受容体に作用することでストレスによる消化器系の不調が緩和される可能性があります。小腸に効かせることにより脳に効かせることができるのが脳腸相関なのです。
過剰摂取による副作用が心配なため適切な摂取量を守って使用してください。日本人の適切な摂取量は100〜300mgです。