公開日:2021年 2月 3日
更新日:2022年 3月 3日
本日はドライアイについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ドライアイは、涙の病気です。
涙は、目を守るために絶対に必要なものです。ドライアイになると、涙の量が減ったり涙の質のバランスが崩れたりして、涙が均等に行きわたらなくなり目の表面に傷ができたり疲れ目などの症状が出てきます。
高齢化やエアコンの使用、パソコンやスマートフォンの使用、コンタクトレンズの使用など、生活環境の変化によってドライアイの割合も増えています。最近行われた日本人の疫学調査では、40歳以上の成人の17.4%がドライアイであったということもわかっています。
涙は非常に重要な役割をしており、ドライアイとも大きく関係しています。涙の働きは、外から入ってくる異物や乾燥などから目を守る働きと、角膜に栄養や酸素を届ける働きです。
瞬きをすることによって涙は分泌され、一般的に瞬きの回数が少なくなると必要な量の涙が出てきません。瞬きも涙も目に対して非常に重要なのです。
ドライアイの主な原因は、年齢を重ねるにつれて涙の分泌量が減ったり質が下がったりすること、パソコンやスマートフォンなどを長い時間使うことによってまばたきが減ること、コンタクトレンズを使うこと、空調で部屋の中が乾燥することです。
血圧を下げる薬や向精神薬、抗がん剤などの薬の作用によって涙の分泌量が減り、ドライアイになることもあります。点眼薬の中には涙の安定性を不安定にさせてしまう成分の入っている点眼薬があり、点眼薬がドライアイを引き起こす原因となることもあります。
ドライアイの原因となる明らかなことはまだ確立されていません。しかし、慢性化したドライアイを完全に回復させることは難しいといわれています。
ドライアイが慢性化してしまい感染に回復することが難しくなる前に、早めに対処することが大切です。目の疲れや乾燥を感じたら医療機関に相談に行くことをお勧めします。
1. 年齢
年齢の増加に伴い、涙液の分泌量が減少する傾向があります。特に40歳以上の中高年層では、涙液の蒸発が進み、ドライアイのリスクが高まります。加齢によって涙腺の機能が低下し、涙の質も変化することが原因の一つとして考えられます。
2. 環境要因
ドライアイの原因の一つに、外部環境が関与しています。乾燥した空気や風、加湿器の不適切な使用、エアコンの強い風などが、涙液の蒸発を促進しドライアイを引き起こすことがあります。特に冬季や乾燥した気候の地域でドライアイの発症が増加する傾向があります。
3. デバイスの使用
近年、スマートフォンやコンピュータなどのデバイスの使用が増えています。長時間の画面を見続けることは、まばたき回数が減少し、涙液の蒸発を促進する原因となります。このため、スマートフォンやコンピュータの過度な使用がドライアイのリスクを高めることが考えられます。
4. 目の使用頻度
目の使用頻度が低い場合も、ドライアイの原因となることがあります。例えば、長時間の睡眠や目を凝視する作業のためにまばたきを控えてしまうと、涙液の分泌が十分に行われず、ドライアイを引き起こす可能性があります。
5. 他の眼の病気
他の眼の病気がドライアイを誘発することがあります。例えば、結膜炎や角膜炎などの炎症が、涙液の質や量を悪化させることがあります。また、アレルギー性結膜炎や眼精疲労なども、ドライアイを引き起こす要因となることがあります。
6. ホルモンの変化
ホルモンの変化も、ドライアイの原因となることがあります。特に女性は、妊娠、出産、更年期などのホルモンの変化によって涙液の分泌量が変動することがあります。
7. 病気や薬物
一部の病気や薬物も、ドライアイの原因となることがあります。例えば、自己免疫の病気や糖尿病などの慢性的な病気は、涙液の分泌量や質に影響を与えることがあります。また、抗うつ薬や抗ヒスタミン薬などの一部の薬物もドライアイのリスクを増加させることがあります。
以上が、ドライアイの主な原因についての解説です。ドライアイの発症は一つの原因だけではなく、複数の要因が組み合わさって引き起こされることが多いです。正確な原因を特定して適切な改善を行うためには、眼科に行くことと指導が重要です。
ドライアイになると目に様々な症状が現れます。目が疲れやすい、目が重い、目に痛みを感じる、光をみるとまぶしく感じる、目ヤニがでる、目が乾く、充血する、目がかすむ、異物感がある、目に不快感がある、涙がでる、目がかゆいなどです。
ドライアイは目が乾く、目が疲れるのような症状だけでなく、見え方にも影響があることもあります。視力が良くてもかすんで見えたりするのです。
目が乾燥した状態の場合、目の表面に傷がつきやすくなり、放っておくと目の表面だけでなく、角膜や結膜にも影響が出ることがあります。
ドライアイの症状は、いろいろあります。症状が一時の不調なのか、眼球の表面に障害が起きているのか、眼科できちんと調べる必要があります。
放っておくと症状が悪くなり合併症を起こすこともあるため注意が必要です。中年女性を中心に多く見られるシェーグレン症候群はドライアイの合併症としてよく見られます。
1. 目の乾燥感
ドライアイの最も一般的な症状は、目の乾燥感です。まるで砂が目に入ったような感覚やゴロゴロした感じがし、不快な痛みや刺激を伴うことがあります。この乾燥感は、特に朝や夜間、長時間の目の使用後、空調の効いた部屋など、涙液の蒸発が増加する状況で悪化することがあります。
2. 眼の充血
ドライアイによる涙液の不足は、目の表面が適切に潤滑されないため、眼の充血を引き起こすことがあります。充血は、目の血管が拡張し、目の表面が赤くなる状態を指します。眼の充血は一時的なものである場合もありますが、継続的なドライアイによって慢性的な充血が引き起こされることがあります。
3. 涙の分泌量の減少
ドライアイでは、涙の分泌量が減少していることがあります。涙は、目の表面を潤滑するために常に分泌されていますが、ドライアイの場合はこの分泌量が不十分になります。目が乾燥しているときに涙を感じることが少なくなります。
4. 眼の痒みや痛み
ドライアイは、目の表面が乾燥しているために、痒みや痛みを引き起こすことがあります。まばたきすることで涙液を目に供給することが困難になり、眼の表面が刺激されることでこれらの症状が生じます。
5. まぶたの腫れ
ドライアイによる眼の乾燥は、まぶたの腫れを引き起こすことがあります。涙液が不足していると、まぶたが適切に潤滑されず、まぶたが腫れることがあります。特に朝に腫れが目立つことがあります。
6. 視覚の障害
ドライアイによって、涙液が目の表面に十分に供給されないために、視覚に障害を感じることがあります。視界がぼやける、光がまぶしいと感じる、目の前にもやがかかっているように感じるなどの症状が生じることがあります。
7. 眼瞼炎
ドライアイは眼瞼炎を引き起こす原因となることがあります。眼瞼炎は、まぶたの付け根やまぶたの縁の部分の炎症を指します。目の乾燥により、まぶたの縁の皮膚が荒れたり、赤く腫れたりすることがあります。
8. 長時間の目の使用による症状
ドライアイは、スマートフォンやコンピュータなどの長時間の目の使用によって悪化することがあります。これはまばたき回数が減少し、涙液の蒸発が増加するためです。
これらの症状が全ての人に現れるわけではなく、症状の程度や頻度は個人差があります。ドライアイは慢性的な状態となることがあるため、症状が持続する場合は早めに眼科に行くことが重要です。
ドライアイの症状が軽い場合、改善には点眼薬を使います。点眼薬で目に潤いを与えます。使用する点眼薬は、人工涙液やヒアルロン酸製剤、ムチンや水分の分泌を促進する点眼薬、ムチンを増加させる点眼薬などです。
点眼薬だけでは改善しない場合、涙点プラグという器具を使います。涙点プラグで涙腺に栓をして涙が生理的に出てしまうことを止めることで、目に涙が溜まるようにするのです。
キープティアという器具を使うこともあります。キープティアは涙点プラグに比べて違和感がほとんどありません。
目を温めると血行が良くなり、目の筋肉の緊張が和らぐため、ドライアイには効果的です。蒸しタオルなどを使って温めると良いでしょう。
しかし、充血しているときは冷やした方が炎症をとる効果があるため効果的です。暑い季節も冷やすと目がスッキリするため冷やしても良いでしょう。
目の周りの筋肉のこりをほぐすこともドライアイには効果を発揮します。ストレッチを行い、筋肉をほぐしてこりを解消すると良いでしょう。
1. 人工涙液の使用
人工涙液は、目の乾燥を補うために一般的に用いられる改善法です。ドライアイによって涙液の分泌が不足している場合や、涙液の質が低下している場合に、人工的に涙液を点眼することで目を潤すことができます。人工涙液はさまざまな形態で市販されており、使用頻度やタイプに応じて選択できます。
2. 点眼薬の使用
ドライアイの改善には、炎症を抑える点眼薬が使用されることがあります。炎症は涙液の質や量に影響を与える要因の一つであり、炎症を抑制することで目の乾燥を改善することが期待されます。ただし、点眼薬の使用には医師の指示に従う必要があります。過剰な使用や誤った使用は、逆効果をもたらす可能性があります。
3. 温湿布の利用
ドライアイによる目の乾燥を和らげるために、温湿布を利用することがあります。温湿布は、まぶたの上に数分間置くことで、目の周囲を温めることができます。温湿布により、目の表面が潤滑され、乾燥が緩和されることが期待されます。
4. アイマスクの使用
アイマスクは、眼の周囲に保湿効果をもたらすために用いられます。特に就寝時に使用することで、涙液の蒸発を抑える効果があります。アイマスクにはさまざまなタイプがあり、選択肢が豊富です。
5. 環境整備
ドライアイの改善には、周囲の環境整備も重要です。空調や加湿器の適切な設定、長時間のデバイス使用時の休憩などが有効です。特に乾燥した環境では、涙液の蒸発が増加し、ドライアイの症状が悪化する可能性があるため、環境を湿度が適切な状態に保つことが大切です。
6. 睡眠と目の休息
十分な睡眠と目の休息は、ドライアイの改善に重要です。長時間の目の使用や不規則な生活リズムは、涙液の供給を妨げる要因となります。適切な睡眠と目の休息をとることで、涙液の分泌が正常化し、目の乾燥を緩和することが期待されます。
7. 食生活の改善
栄養バランスの良い食生活は、目の健康にも重要です。特にビタミンAやオメガ3脂肪酸などの栄養素は、目の涙液の生成や質に影響を与えるとされています。健康的な食生活を心掛けることで、目の健康をサポートすることができます。
8. ホルモン補充
ホルモンの変動がドライアイの原因になる場合、ホルモン補充が検討されることがあります。特に女性の更年期障害によるドライアイには、ホルモン補充が有効な場合があります。ただし、ホルモン補充には副作用やリスクがあるため、医師の指示に従う必要があります。
ドライアイを予防するにはドライアイになりにくい生活を送ることが大事です。長い時間にわたってパソコンやスマートフォンの画面を見ていると、まばたきが少なくなり、涙が蒸発する時間が長くなってしまいます。
目の使いすぎで辛いと感じる時は、まばたきをするように意識することが大切です。もちろん、画面を長時間見ないように気をつけることも大事ですが、瞬きも意識をして行うようにしましょう。
他にも、パソコンを使う時、画面との距離を40cm以上とる、モニターの位置を少し見下ろす高さに設定する、使う時は正しい姿勢意識するなどの注意をすることでドライアイの対策になります。
エアコンを使用する際も目に直接風が当たらないように注意したり、部屋の乾燥によって目が乾燥した時は、加湿器や市販の目薬で対策するとドライアイの予防につながります。
コンタクトレンズをつけているときも注意が必要です。コンタクトレンズをつけている時は、目の表面を覆っている涙の膜が薄く不安定になり涙が蒸発しやすいため、できるだけメガネにするなどつけている時間を短くすることをお勧めします。
・魚腰
・魚尾
・志室
魚腰の効果は、眼精疲労や目のむくみ、たるみ、偏頭痛などです。美容効果のあるツボで、顔の色つやを良くしたり、眉が生えるのを促進したり、額と目の周りのシワを改善したり、額のニキビを改善したりする効果も期待できます。
目に対して非常に効果を発揮するため、ドライアイの改善も期待できます。
魚尾はシワ取りに対して効果を発揮するツボとしてよく使われます。
魚尾を刺激すると、目の周りの骨のつなぎ目が緩むため、目が潤います。そのため、ドライアイの改善に効果が期待できるのです。
志室は、生命力の源である腎の力を強くする作用があるツボです。そのため、刺激をすることで目に送られる精気を強くしてくれるのです。
他に、腰痛や疲れにも有効です。婦人科系の問題にも効果を発揮するツボで、生理中の腰の痛みにお勧めです。
魚腰は、瞳の真上で眉毛の上にあります。
押すときは、目を閉じて押します。奥にじんわりと響くくらいの強さで押すことが大事です。魚腰は目の近くにあるツボのため、強く押さないように注意してください。
小さな円を描くように眉毛の周りを刺激する方法もお勧めです。
魚尾は、目じりにあるツボです。
押すときは目を閉じて押します。奥にじんわりと響くくらいの力加減で押すことが大事です。目の近くにあるため、強く押さないように注意することが非常に大事です。
志室は、ウエストラインの背骨から左右に5cm進んだところにあります。探すときは、両手を開いて背中に回し腰に手を当ててさがしましょう。そのとき、親指が当たる場所にあります。
目に対する症状だけではなく、腰痛などにも効果的なツボのため、パソコン作業などで目も腰も疲れた時に押すことをお勧めします。
佐藤さんは40歳の女性で、最近目の乾燥や疲れを感じるようになりました。特にコンピュータ作業をするときや空調の効いた部屋での滞在時に症状が悪化すると感じています。佐藤さんは通常まばたきを忘れがちで、スマートフォンをよく使用しています。さらに、最近の体調不良や更年期障害の症状も気になっています。
佐藤さんはドライアイの症状が気になり、近くの眼科に行きました。眼科医は詳細な症状を伺い、眼を調べました。その結果、佐藤さんの涙液の量が不足しており、涙液の質も低下していることが判明しました。また、まばたきが不十分であることも分かりました。医師は佐藤さんに対してドライアイの判断をし、改善のプランを提案しました。
人工涙液の使用: 佐藤さんには、ドライアイの症状を軽減するために人工涙液を点眼することを勧められます。医師は、使用頻度やタイミング、最適な人工涙液の種類についてアドバイスします。
コンピュータ作業の休憩: 佐藤さんがコンピュータ作業をするときは、20分に一度目を休めるために休憩を取るように指導されます。目の使用頻度を下げることで、涙液の蒸発を減らすことができます。
スマートフォンの使用に注意: スマートフォンの使用時にもまばたきを意識するように指導されます。スマートフォンの画面を見る際にまばたき回数が減ることで、目の乾燥が進行することがあります。
睡眠と目の休息の改善: 佐藤さんには十分な睡眠と目の休息をとるように指導されます。規則正しい生活リズムを整えることで、涙液の供給を改善することが期待されます。
栄養バランスの改善: 医師は佐藤さんに健康的な食生活を心掛けることを勧めます。特にビタミンAやオメガ3脂肪酸を含む食品を摂取することで、目の涙液の生成をサポートすることができます。
加湿器の使用: 佐藤さんは自宅やオフィスで加湿器を使用することを検討します。適切な湿度を保つことで、目の乾燥を防ぐことができます。
ホルモン補充の検討: 佐藤さんの更年期障害の症状によるドライアイが顕著な場合、ホルモン補充の適応が検討されることがあります。ホルモン補充は、女性ホルモン(エストロゲン)の補充により、更年期障害症状の緩和を目指す改善法です。ホルモン補充には、経口薬、パッチ、ゲル剤、注射剤などの様々な形態があります。ただし、ホルモン補充には副作用やリスクがあるため、佐藤さんの個別の状態や適応については、専門医の判断による必要があります。
定期的なフォローアップと調整: 佐藤さんは改善が開始された後も、定期的なフォローアップを受けることが重要です。症状の変化や改善効果の確認、方針の調整などが行われます。佐藤さんの状態に合わせて、計画が適宜調整されることで、より効果的な改善が行われるでしょう。
ライフスタイルの改善: 佐藤さんはドライアイの改善のために、ライフスタイルの改善にも取り組みます。例えば、適度な運動やストレスの管理、十分な水分摂取などが目の健康をサポートする重要な要素となります。
佐藤さんは改善を続けることで、目の乾燥や不快感の症状が改善していくことを実感するでしょう。改善が進むにつれて、目の乾燥や充血の頻度が減り、視力のクリアさや目の快適さが回復していくことが期待されます。
ドライアイの改善は、個々の症状や原因に合わせて行われます。佐藤さんの場合、涙液の不足と涙液の質の低下によるドライアイが確認され、人工涙液の使用、コンピュータ作業の休憩、睡眠と目の休息の改善、栄養バランスの改善などが改善の中心となりました。更年期障害による症状が顕著な場合には、ホルモン補充の検討も行われました。
重要なのは、改善は単発の処置ではなく、定期的なフォローアップやライフスタイルの改善といった継続的な取り組みが求められることです。
11時から21時
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11時~21時迄 | × | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
月曜、年末年始