耳介血腫の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 12月 3日

更新日:2022年 12月 5日

本日は耳介血腫について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 耳介血腫とは
  • 耳介血腫の原因
  • 耳介血腫の症状
  • 耳介血腫の改善方法
  • 耳介血腫のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

耳介血腫は耳たぶの皮下に血性の液がたまりこぶのように盛り上がる

耳介血腫は、耳たぶの皮下に血性の液がたまりこぶのように盛り上がることです。耳介の上部内側のへこんでいる部分で軟骨の間がはがれて出血します。

 

耳介血腫は、耳を打撲した時などに起こります。相撲、レスリング、ラグビーなどのスポーツでよく見られ、特に柔道では多くみられる症状のため、柔道耳と呼ばれることもあります。

 

耳介血腫は、以前は軟骨と軟骨膜の間で出血するとされていました。しかし、最近は軟骨の中が剥離されて滲出液が出てくるとされています。

 

2週間以上血腫をそのままにしておいたり、細菌に感染して耳介軟骨膜炎を起こしたりすると、耳介が硬く変形することもあります。

 

出血により耳介が膨らみカリフラワーや餃子に似た形になるため、カリフラワー耳、餃子耳などと言われることもあります。

耳介血腫の主な原因は、外部から刺激を受けること

耳介血腫の主な原因は、外部から刺激を受けることです。 耳に強い打撃や摩擦、圧迫を受けることで発症するのです。

 

スポーツでは、柔道や相撲、レスリング、ラグビーなどでよくみられます。他の選手に腕などで耳を強く挟まれた時に起きる圧迫や耳がこすりつけられたときに起きる摩擦を何度も繰り返すことで発症することが多いです。

 

アトピー性皮膚炎によってできる湿疹の慢性刺激や知らない間に虫に刺されたり無意識で耳介を掻くくせがあったりすることがきっかけで発症することもあります。

耳介血腫とは、耳介の皮下組織に血液が溜まる状態のことで、主に外傷によって引き起こされますが、他の病状や炎症の結果としても生じることがあります。

 

外傷:耳介血腫の最も一般的な原因は外傷です。これは、スポーツ、格闘技、落下、交通事故などによる直接的な打撃や圧力によって生じます。このような外力により、耳介の皮下にある血管が破れ、その結果として血液が周囲の組織に漏れ出します。こうした血液の溜まりが血腫を形成します。

 

自己免疫に関わる病気:一部の自己免疫に関わる病気、例えばループスや関節リウマチなども、血管の炎症や損傷を引き起こし、結果として耳介血腫を発生させることがあります。これらの疾患は身体が誤って自身の健康な細胞や組織を攻撃し、それにより様々な問題を引き起こします。

 

感染症:耳の感染症は、耳介血腫の一因となります。感染症は炎症を引き起こし、これが血管の壁を弱め、破裂を引き起こす可能性があります。さらに、感染症は血液の凝固能力を低下させることもあり、これが血腫を引き起こす可能性があります。

 

手術や処置:耳に関連する手術や処置は、稀に耳介血腫を引き起こす可能性があります。これは、手術や処置によって血管が損傷され、血液が皮下組織に漏れ出るためです。

 

以上が主な原因となりますが、耳介血腫は個々の生活スタイル、健康状態、遺伝的要素などにより異なる形で発生します。

耳介血腫の主な症状は、耳の腫れと変形

耳介血腫の主な症状は、耳の腫れと変形です。

 

特に耳の中でも、耳介の前方部分に腫れが目立ちます。腫れてからそのままにして放っておくと少しずつ腫れが硬くなります。

 

 腫れた部分は、青紫色に見えることもあります。少しずつ黄色透明に色が変わっていきます。晴れた部分はかゆみや熱感を感じることもあります。痛みはあまり強くありません。

 

2週間以上血腫をそのまま放っておいたり細菌感染を起こして耳介軟骨膜炎を起こしたりすると、耳介が硬く変形してカリフラワー耳や餃子耳と呼ばれる状態になります。

耳介血腫は特有の症状を持つ状態ですが、最も一般的な表現は耳介の膨張および変形です。

 

耳の腫れ:耳介血腫の最も顕著な症状は、耳介の腫れです。耳介の皮下組織に血液が溜まることで、耳が膨張し、通常より大きくなります。この腫れは通常、一側の耳にのみ見られますが、両側の耳に影響が及ぶこともあります。

 

耳の変形:改善を行なっていないの耳介血腫が長期化すると、組織が破壊され、耳の形状が変化します。これは「カリフラワー耳」または「レスラーの耳」として知られ、耳介がひん曲がり、ボコボコになる現象です。

 

疼痛:耳介血腫はしばしば疼痛を伴います。耳介の血管が破裂し、血液が周囲の組織に漏れ出すと、その結果として圧力が増加し、それが疼痛を引き起こします。

 

赤みと暖かさ:皮下血腫は、影響を受ける地域の皮膚の色が変わることがあります。耳は赤くなることがあり、また、暖かく感じることもあります。

 

聴力低下:これは比較的まれな症状ですが、耳介血腫が中耳や内耳に影響を及ぼす場合、聴力低下が生じる可能性があります。

 

これらの症状が出た場合、専門家に相談することを強くお勧めします。特に、慢性的な疼痛、腫れ、または変形がある場合、または急性の症状が発生した場合、すぐに医師に相談に行くべきです。

耳介血腫の改善方法は、針を刺して血液を外に出すこと

耳介血腫の改善方法は、針を刺して血液をできるだけ外に出すことです。耳介血腫は、注射器で血液を抜き取とることで改善します。しかし、中に間隙が残っていると隙間に再び滲出液がたまりすぐに元の状態に戻ってしまいます。

 

そのため、隙間ができないようにして血液がたまらないようにするために、皮膚の上から強めに圧迫することも必要です。

 

何度も繰り返し腫れる場合は手術を行うこともあります。手術は皮膚を切開して血腫を取り除き、耳介を俵状のガーゼで前後に挟み、糸で固定する手術です。

耳介血腫は耳介内の血腫で、適切な改善がなされないと耳の恒久的な変形や「カリフラワー耳」を引き起こす可能性があります。以下にその主な改善法について説明します。

 

1.穿刺と吸引:耳介血腫の最も一般的な初期改善方法は、穿刺と吸引です。これは、病変部位に針を挿入し、血腫を吸引する方法です。このプロセスは通常、局所麻酔下で行われます。

 

2.圧迫包帯:血腫の吸引後、通常は圧迫包帯が施されます。これは新たな血腫の形成を防ぎ、皮膚と軟骨の間の空間を最小限にすることを目的としています。

 

3.切開とドレナージ:大きな血腫や再発性の血腫に対しては、切開とドレナージが必要な場合があります。これは耳を切開し、血腫を取り除き、その後に特別なドレンを配置する手術を指します。ドレンは新たな血液が集まるのを防ぐために、数日間残されます。

 

4.皮膚と軟骨の間に縫合:一部の場合では、耳介の皮膚と軟骨の間に縫合を行い、血腫が再び形成するのを防ぐ方法が選択されることがあります。

 

5.ステロイド注射:稀に、医師は血腫を減らすためにステロイドを注射することを選択するかもしれません。

 

6.長期的なフォローアップ:どの改善方法を選択するにせよ、長期的なフォローアップが必要です。再発防止と耳の正常な形状の維持が主な目標です。

 

これらの方法は全て、耳介血腫の程度、位置、患者の全般的な健康状態に基づいて個々に選択されます。また、これらの改善方法はすべて専門家によって実施されるべきです。

耳介血腫の手術を行った後

耳介血腫の手術を行った後は、ガーゼをあてておき、濡らさなければ当日からシャワーをすることができます。手術を行った後には、痛みや腫れがあることもありますが、痛みや腫れはわずかで少ないと言われています。

 

手術を行った後1週間は、薬を塗ってガーゼで圧迫することが必要ですが、1週間後医師に確認してもらい、状態が良ければ抜糸をします。

耳介血腫の改善例

実際の例として、次のようなケースがあります。40歳の男性がラグビーの試合中に耳の打撲を負い、その結果耳介血腫を発症しました。彼は当初、その痛みを無視しましたが、次第に耳が膨らみ始め、赤くなり、痛みが増したため、病院に行きました。

 

病院では、彼の耳を詳しく観察し、触診し、血腫の存在を確認しました。その後、局所麻酔を施し、細い針を使用して血腫を穿刺し、血液を吸引しました。その後、耳に圧迫包帯を施し、新たな血腫の形成を防ぎました。

 

その後数日間、毎日クリニックに来院し、包帯の調整と血腫の再形成のチェックを行いました。1週間後、血腫は完全に解消し、その後も症状の再発はありませんでした。

 

この例からわかるように、適切な判断と早期の改善が重要です。耳介血腫がある場合、必ず専門家に相談してください。

 

参考文献:

 

Alcalá-Galiano A, Arribas-García IJ, Martín-Pérez MA, Romance A, Montalvo-Moreno JJ, Junceda-Moreno J. Auricular hematoma: From diagnosis to treatment. Acta Otorrinolaringol Esp. 2008;59(3):154-6.

Clerico DM. Treatment of Auricular Hematoma With a Modified Tie-Through Technique. The Journal of Emergency Medicine. 2009;37(3):268-271.

Lee YH, Yeh TH, Chao PZ. Incision and drainage followed by mattress suture repair of auricular hematoma

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