仙腸関節痛の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 10月23日

更新日:2024年  1月10日

本日は仙腸関節痛について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 仙腸関節痛とは
  • 仙腸関節痛の原因
  • 仙腸関節痛の症状
  • 仙腸関節痛の改善方法
  • 仙腸関節痛のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

仙腸関節痛は、仙腸関節の部分に痛みが現れること

仙腸関節痛は、仙腸関節の部分に痛みが現れることです。仙腸関節痛では、仙腸関節だけではなく、その他にも腰やお尻や鼠径部、脚にまで痛みが現れることもあります。

 

仙腸関節痛では、日常生活を送る上で辛いと感じる症状が現れます。長く座っていることが難しくなったり、痛い方を下にして寝ることができなくなったり、動き始めた時に痛みが現れたりなどの症状があります。

仙腸関節痛の原因は、骨盤に左右非対称の力が加わること

仙腸関節痛の原因は、骨盤に左右非対称の力が加わることです。左右の脚を前後に開いたり腰を大きく捻ったりすることが原因となることが多いと考えられています。

 

他にも、いつも鞄を同じ方の腕で持ったり、足を組んで座る癖があったりするというような左右非対称になってしまう癖がある場合も骨盤に左右非対称の負担がかかりやすく仙腸関節痛につながってしまう可能性があります。

仙腸関節痛は、仙腸関節に由来する痛みです。この痛みはさまざまな原因によって引き起こされることがあり、以下に主な原因を挙げます。

 

過度のストレスや圧力: 重い物を持ち上げる動作、激しい運動、または長時間の立ち仕事などによって、仙腸関節に過度のストレスがかかると痛みを感じることがあります。

 

妊娠と出産: 妊娠中は体の重心が変わり、仙腸関節に余分な圧力がかかります。また、出産時のストレスが仙腸関節に影響を与えることもあります。

 

加齢による変化: 加齢によって関節の柔軟性が低下し、関節炎などの問題が生じることがあります。

 

関節炎: 炎症性関節症や変形性関節症など、関節炎が仙腸関節に影響を及ぼすことがあります。

 

外傷や事故: 落下、交通事故、スポーツ事故などによる外傷が仙腸関節に影響を与えることがあります。

 

姿勢の問題: 不適切な姿勢や体の使い方が長期にわたって続くと、仙腸関節にストレスがかかり、痛みの原因となることがあります。

 

筋肉の不均衡: 特定の筋肉群の過度な緊張や弱さが、仙腸関節の機能に影響を与えることがあります

仙腸関節痛の症状は、片側の腰臀部痛や下肢痛

仙腸関節痛の症状は、片側の腰臀部痛や下肢痛です。

 

仙腸関節痛によって現れる痛みは、仙腸関節の部分に現れます。仙腸関節は、背骨の下部にある仙骨が、骨盤の左右の腸骨と組み合わさってできている関節のことです。

 

しかし、臀部や鼠径部、下肢などにも痛みが現れることもあります。

仙腸関節痛の症状は、人によって異なることがありますが、以下に一般的な症状を挙げます。

 

痛みの位置: 痛みは通常、腰の下部に位置し、仙腸関節周辺、臀部、腰部、または大腿部の後面に感じられます。この痛みは片側に限局することが多いです。

 

痛みの性質: 痛みは鈍い、痛むような感じが一般的ですが、時には尖ったり刺すような痛みを感じることもあります。

 

動作による痛みの変化: 立ち上がる時、階段を登る時、歩く時、または長時間座っている時など、特定の動作で痛みが悪化することがあります。

 

こわばりや不快感: 仙腸関節周辺の筋肉がこわばることで、運動範囲が制限されたり、不快感が生じることがあります。

 

放散痛: 痛みが仙腸関節から腰部、臀部、太もも、さらには足に放散することがあります。

 

夜間痛や休息時の痛み: 仙腸関節痛では、夜間や休息時にも痛みを感じることがあります。

 

姿勢による痛みの変化: 特定の姿勢を取ることで痛みが軽減したり、逆に悪化したりすることがあります。

仙腸関節痛を改善するには仙腸関節に負担がかかる動きは制限する

仙腸関節痛を改善するためには、仙腸関節に負担がかかるような動きは制限することが大事です。場合によってはコルセットを使って安定性させることも大事です。

 

また、痛みを和らげるために、湿布を貼ったり内服薬を使ったり、ブロック注射やリハビリテーションを行なったりします。

仙腸関節痛の改善方法は、症状の重さや原因に応じて異なりますが、一般的には以下のような方法があります。

 

物理的な方法: 筋肉の強化、関節の安定性向上、痛みの軽減、運動範囲の改善を目的としたエクササイズが行われます。

 

運動: 自分で行う特定のストレッチや筋力トレーニングが推奨されることがあります。これらの運動は、仙腸関節の柔軟性を高め、痛みを軽減するのに役立ちます。

 

痛みの管理: NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)などの薬物療法が痛みの管理に用いられることがあります。重度の痛みの場合は、より強力な鎮痛剤が処方されることもあります。

 

局所注射: コルチコステロイドや麻酔薬の注射を仙腸関節に直接行うことで、炎症を抑え、痛みを軽減することができます。

 

手技: カイロプラクティックや整体などの手技が、仙腸関節の機能を改善し、痛みを軽減するのに役立つことがあります。

 

サポートデバイス: 腰部や骨盤をサポートするためのベルトやサポートデバイスが役立つことがあります。

 

外科手術: 非外科的方法で改善が見られない場合、仙腸関節固定術などの外科手術が考慮されることもあります。

仙腸関節痛の改善における手術方法には、主に仙腸関節固定術があります。この手術は、非外科的な方法で十分な改善が得られない重度の症例に対して行われることがあります。手術の具体的なプロセスは次のように進みます。

 

手術の目的: 仙腸関節固定術の主な目的は、痛みの原因となっている仙腸関節の動きを制限し、安定させることです。これにより、痛みの軽減を図ります。

 

手術方法: 手術は通常、全身麻酔下で行われます。仰向けまたは横向きに寝かされ、手術部位の皮膚を切開します。

 

関節の固定: 手術中、医師は仙腸関節に小さな金属製のインプラント(スクリューやロッドなど)を挿入します。これらのインプラントは、仙骨と腸骨を一緒に固定し、関節の動きを制限します。

 

骨の融合: 長期的には、仙骨と腸骨が自然に融合することを目指します。骨の成長を促進するために、骨移植材料や生物学的補助材料を使用することがあります。

 

回復期間: 手術後は数週間から数ヶ月の回復期間が必要です。この間、物理療法やリハビリテーションが行われ、徐々に活動レベルを上げていきます。

 

合併症のリスク: 任意の手術にはリスクが伴います。仙腸関節固定術のリスクには、感染症、出血、神経損傷、インプラントの問題、骨の非融合などが含まれます。

改善にかかる期間

仙腸関節痛は、普段腰痛がない人の場合は約1週間で改善します。

 

しかし、慢性的に痛みがあったり、骨盤が大きく歪んでいたりする場合は約1~3ヶ月かかることもあります。

 

ただし、日常生活を送る上でどのくらい安静にしているかによっても改善にかかる期間は変わります。長い場合は、約6〜12ヶ月かかることもあります。

仙腸関節痛に効果的なツボ

上髎

次髎

小腸兪

中膂兪

上髎

上髎坐骨神経痛に効果があるツボです。女性の場合は、子宮の分野に相当する部位にあるため、生理痛や子宮内膜炎、子宮後屈にも効果的であるとされています。

 

また、腰の血行をよくする働きをするため、冷えを和らげるためにも有効です。

次髎

次髎は、仙骨に空いた孔にあるツボで、刺激をすることで副交感神経を優位にする働きがあります。これは、首と仙骨に副交感神経節があるためです。

 

さらに、次髎は汚血中枢といわれるツボであるように血液や体液の汚れの病気に関係しているため、排尿障害、生殖器疾患、腰痛、冷え性改善に効果があります。 

小腸兪

小腸兪は、生殖器、膀胱、下部の病気に対して効果があるといわれているツボです。腸出血、便秘、尿閉、月経不順、子宮血、膝関節炎などの病気に対して使われています。

 

さらに、小腸兪は、関節リウマチの改善に使われることもあります。

ツボの場所と押し方

上髎

上髎は、ひざのお皿の上端内側から2寸上にあります。ひざを伸ばした時、そのあたりにできるくぼみのやや上方にあるツボです。

 

腰の調子が悪いと感じた時、温めたりほぐしたりすることをお勧めします。

次髎

次髎は、骨盤の中央の仙骨にあるくぼみの上から2番目のくぼみの部分にあるツボです。ツボは左右両方にあります。

 

押すときは、親指以外の4本の指を骨盤の上側に引っ掛け、親指を左右の次髎にあて、5秒押して緩める押し方を5回行います。 

小腸兪

小腸兪は、第4腰椎から背骨の出っ張りを二つ下にさがると第1仙骨があり、 その左右1・5寸のところにあります。

 

押すときは、押して気持ちがいいと感じるくらいの強さで押します。5秒かけて少しずつ力を加えた後、ゆっくり力を抜いていきましょう。

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