公開日:2021年 4月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日は筋萎縮性側索硬化症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
筋萎縮性側索硬化症の原因は、いまだに詳しく明らかになっていません。
関係があるとされているものは神経の老化で、興奮性アミノ酸の代謝の異常が関係しているという説やフリーラジカルと関係しているという説ありますが、決定的な根拠があり解明されているものはありません。
筋肉が少しずつ痩せていく症状の原因は、筋肉を動かす運動神経であるニューロンが広く変異することによって障害を受けることで脳の指令が伝わらなくなることです。
筋萎縮性側索硬化症の人の中で全体の約5%の人は、遺伝性のものと言われており家族性ALSと呼ばれています。
家族性ALSの中で約20%はスーパーオキシド・ジスムターゼという酵素遺伝子の異常が関係していると考えられています。
他にも原因となる遺伝子について、少しずつですがわかってきています。
筋萎縮性側索硬化症の症状は、体が動かなくなり、四肢の筋力が下がることです。
腕に症状が現れた場合は、ふたを開けることや手を挙げることなどが難しくなり、足に僧正が現れた場合は歩くことや立つこと、座ることなどがが難しくなります。
話したり食べたりすることにも運動神経は関係しています。そのため、声を出しにくくなり構音障害が起こったり、水や食べ物を飲み込むことが難しくなり嚥下障害が起こったりします。
よだれや痰が増えることで、呼吸が難しくなる場合もあります。
中でも、約20%の人は認知症を発症すると言われています。認知症を発症すると、性格が変化することもあります。
眼球の筋肉は保たれるため、感覚神経や自律神経に異常が起きることはありません。視力や聴力、内臓機能、排尿機能などに関係する筋肉が痩せることもないため、視力や聴力、内臓機能、排尿機能などにも異常は現れません。
現在、筋萎縮性側索硬化症が完全に回復することは期待できません。筋萎縮性側索硬化症の改善の目的は、病気の進行を遅らせて症状を軽くすることです。
リルゾールという内服薬やエダラボンという点滴薬などを使うことで病気の進行を遅らせる効果が期待できます。
筋肉や関節に対しては、毎日のリハビリテーションで残っている機能を保つことや、補助具やロボットスーツを使ってリハビリを行います。
呼吸に関しては、症状が出る前に呼吸筋を鍛えることで呼吸障害を遅らせることができます。呼吸困難が起きた場合は、鼻マスクや気管の切開などの方法で、呼吸を補助します。
嚥下障害に対しては、食べ物の形態を工夫したり食べ方を工夫したりします。病気が進行し、食事ができなくなった場合は、一般的には胃ろうで栄養を補給します。
症状が進むと、会話や動作が難しくなります。その前に、親しい人とコミュニケーションをとる手段を考えて行っておくと良いでしょう。
筋萎縮性側索硬化症によって起きる機能の障害は、神経細胞の異常が原因です。そのため、鍼灸による効果も期待ができると言われています。
鍼によって筋肉や自律神経を刺激することで、血流を改善したり神経を活性化したりする効果が期待できるのです。
注意する点としては、鍼による改善はあくまでその人自身の治癒力を上げるということを目的に行うということです。鍼灸は、病気が進行して悪化していくことを抑えることを目的とした改善方法なのです。
病院に行った上で、サポートとして鍼灸を利用することをお勧めします。