拘束型心筋症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  12月 1日

更新日:2021年  12月 2日

本日は拘束型心筋症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 拘束型心筋症とは
  • 拘束型心筋症の原因
  • 拘束型心筋症の症状
  • 拘束型心筋症症の改善方法
  • 拘束型心筋症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

拘束型心筋症は心臓が硬く広がりにくいことで心不全の症状が現れる

拘束型心筋症は、心臓が硬くて広がりにくいことによって心不全の症状が現れる病気です。心室の拡張や肥大はなく、見た目の心臓の動きも正しい状態ですが、症状が現れるのです。

 

いろいろな病気の症状によって、二次的に心臓が硬くて広がりにくいことによって心不全の症状が現れることもありますが、原因不明で症状が現れた時に拘束型心筋症と判断されます。

 

アフリカ、インド、中南米、そして一部のアジアの国々に発症している人が多いと言われています。

 

拘束型心筋症を発症している人の数は、拡張型心筋症や肥大型心筋症などに比べると非常に少ないとされています。

拘束型心筋症の原因は明らかになっていない

拘束型心筋症の原因は明らかになっていません。何かの病気に合わせて症状が起こることに関してもメカニズムはあまりわかっていません。

 

心臓の構造を規定する蛋白に関する遺伝子の異常があるということは分かっていますが、遺伝するのかについては分かっていないことが現状です。今のところ遺伝する可能性は低いと言われています。

拘束型心筋症は、心筋組織の異常により心臓の収縮機能が制限される状態です。この病院の原因は複数あり、遺伝的要因や病原体の影響、代謝異常などが関与しています。以下に、主な拘束型心筋症の原因を詳しく説明します。

 

遺伝的要因:

遺伝子変異: 特定の遺伝子の変異が拘束型心筋症の原因となることがあります。例えば、TTR(transthyretin)遺伝子の変異がアミロイド拘束型心筋症を引き起こすことが知られています。他の遺伝子変異も関与する可能性があります。

家族性拘束型心筋症: 遺伝的なパターンによって拘束型心筋症が家族内で伝播することがあります。家族性拘束型心筋症は、さまざまな遺伝子変異によって引き起こされることがあります。

病原体の影響:

アミロイドーシス: アミロイドと呼ばれる異常なタンパク質が心筋組織に沈着し、拘束型心筋症を引き起こすことがあります。アミロイドーシスには遺伝性のものと非遺伝性のものがあります。

サルコイドーシス: 全身の臓器に炎症性結節が形成されるサルコイドーシスは、心臓にも影響を与え、拘束型心筋症を引き起こすことがあります。

炎症性心筋症: 細菌やウイルスによる心筋炎が心臓組織に炎症を引き起こし、拘束型心筋症を発症することがあります。

代謝異常:

アンチトリプシン欠乏症: アンチトリプシンという酵素の欠乏により、肝臓や肺の異常な蓄積が起こることがあります。この症状は、心筋にも影響を与え、拘束型心筋症を引き起こすことがあります。

血清銅欠乏症: 血清銅の適切な代謝が阻害されることにより、心筋組織に異常が生じ、拘束型心筋症が発症することがあります。

薬物や放射線の影響:

抗がん剤: 特定の抗がん剤や放射線は、心筋組織に損傷を与え、拘束型心筋症を引き起こすことがあります。

他の病気との関連:

アミロイドーシス: 一部のアミロイドーシス(例:全身性アミロイドーシス、糖尿病関連アミロイドーシスなど)は、心筋にアミロイド沈着を引き起こし、拘束型心筋症を発症することがあります。

硬化性胆管炎: 硬化性胆管炎は肝臓や胆管に硬化性胆管炎は肝臓や胆管に炎症と線維化を引き起こす疾患ですが、一部の病気では心筋にも影響を与え、拘束型心筋症を発症することがあります。

 

これらは拘束型心筋症の主な原因の一部ですが、個人によって病因は異なる場合があります。さらに、特定の病因が同時に複数の原因と関連していることもあります。また、原因の明確でない場合もあり、特発性拘束型心筋症と判断されることがあります。

拘束性心筋症の症状は、動いた時の息切れや動悸など

拘束性心筋症の症状は、動いた時の息切れやむくみ、動悸、疲れやすさ、倦怠感などです。症状は程度が軽い場合は症状がないこともあります。

 

肝臓や脾臓の腫大が現れ、さらに病気が進むと腹水が溜まります。 不整脈も発症しやすくなり、心臓の中に血栓ができて血栓が剥がれると末梢の血管に詰まることもあります。血栓が末梢の血管に詰まると塞栓症が起こる可能性もあります。

拘束型心筋症は、心筋組織の異常により心臓の収縮機能が制限される状態です。この病気の症状は、心臓の機能低下や循環障害に関連して現れます。以下に、主な拘束型心筋症の症状を詳しく説明します。

 

呼吸困難:

拘束型心筋症では、身体活動や休息時に呼吸困難を経験することがあります。この症状は、心臓の充填異常によって起こります。心臓が適切に拡張できず、血液の流入量が制限されるため、肺への血液循環が不十分となり、呼吸困難が生じることがあります。

 

疲労:

拘束型心筋症では、疲労感を経験することがあります。心臓の収縮機能が低下し、身体に酸素や栄養を供給する能力が制限されるため、日常の活動に対して疲れやすくなります。慢性的な疲労感や体力低下がみられる場合があります。

 

胸部不快感:

胸部不快感や圧迫感を感じることがあります。心臓の拡張能力が低下するため、心臓内の圧力が上昇し、胸部に圧迫感や重苦しさが生じることがあります。この症状は、心臓の機能低下による循環障害が関与している可能性があります。

 

拡張静脈:

拘束型心筋症では、頸静脈が拡張して見えることがあります。心臓の充填異常により、血液がうまく循環せず、頸静脈に戻り、拡張して目立つようになります。この症状は、心不全の兆候の一つであり、循環障害の存在を示すものです。

 

浮腫:

拘束型心筋症では、下肢や足首の浮腫を経験することがあります。心臓の機能低下により、血液が適切に排出されず、体組織に余分な液体が蓄積します。これにより、浮腫が生じ、特に下肢が腫れることがあります。

 

不整脈:

拘束型心筋症では、不整脈を経験することがあります。心臓の異常な拡張や充填により、心臓の電気信号伝達が乱れ、不規則な心拍が生じる可能性があります。不整脈は、息切れやめまい、意識障害などの症状を引き起こすことがあります。

 

これらは拘束型心筋症の主な症状の一部ですが、個人によって症状は異なる場合があります。また、病気の進行によって症状が変化することもあります。拘束型心筋症は進行性の病気であり、早期の判断と改善が重要です。

拘束型心筋症を改善する時は症状を和らげることを目的に行う

拘束型心筋症の改善方法はありません。そのため症状を和らげることを目的として改善を行います。

 

心不全、不整脈、血栓塞栓症を予防することが症状を悪化させないために非常に重要です。そのため、改善を行う時には心不全、不整脈、血栓塞栓症の予防が中心になります。

 

何かの病気によって症状が現れている場合には、原因となっている病気を改善することが非常に大切になります。

拘束型心筋症の改善方法は、病因や症状の程度によって異なる場合があります。

 

病因に対する改善:

遺伝性拘束型心筋症: 遺伝的な原因による拘束型心筋症の場合、遺伝子や家族性スクリーニングが行われることがあります。特定の遺伝子変異が特定されれば、それに対する遺伝子や遺伝子組み換え薬の研究が進められています。

症状の管理と予防策:

心不全の改善: 拘束型心筋症による心不全の症状を管理するために、利尿剤や血管拡張剤などの薬が使用される場合があります。これにより、心臓への負担を軽減し、循環を改善することが目指されます。

抗凝固法: 拘束型心筋症では血液の循環が悪化する可能性がありますので、血栓のリスクを減らすために抗凝固薬が処方される場合があります。

不整脈の改善: 不整脈がみられる場合、抗不整脈薬やペースメーカーなどの装置が使用されることがあります。これにより、正常な心拍を維持し、心機能の安定化が図られます。

症状の進行を遅らせる予防策:

生活習慣の改善: 拘束型心筋症では、生活習慣の改善が重要です。禁煙や適度な運動、バランスのとれた食事などの健康的な生活習慣を取り入れることで、症状の進行を遅らせることができます。

病原体への感染予防: 感染症による心臓への損傷を防ぐために、適切なワクチン接種や感染予防策の実施が推奨されます。定期的なインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種などが含まれます。

定期的なフォローアップ: 拘束型心筋症では、定期的なフォローアップが重要です。心臓の機能や症状のモニタリング、改善方法の見直し、および必要に応じた心エコーや心臓MRIなどが行われます。

心臓移植:

拘束型心筋症が進行し、重度の症状や合併症がある場合、心臓移植が最終的なオプションとして検討されることがあります。心臓移植は重大な手術であり、患者の全身的な評価や移植候補者リストへの登録が必要です。

拘束型心筋症の改善方法は、個別の状態や病因に応じて異なる場合があります。病状の進行を遅らせ、生活の質を改善するために、専門家のガイダンスのもとで適切な改善方法と管理計画を受けることが重要です。

生存率について

拘束型心筋症の生存率として、海外では5年生存率64%、10年生存率37%という報告ありますが、この報告が日本人でも当てはまるかどうかは分かっていません。

 

子供の場合は、改善のために心臓移植を行うこともあります。

拘束型心筋症の改善例

「佐藤太郎、50歳男性、拘束型心筋症の診断を受けてから2年間の経過がある場合の例」

 

 

佐藤太郎さんは2年前に呼吸困難と疲労感を訴えて来院しました。調べてみたところ、拡張性心筋症や弁膜症は見られませんでしたが、心エコーで心拡張能が低下し、左心室内圧が増加していることが確認されました。さらに、心筋生検により拘束型心筋症と判断されました。

 

 

 

心不全管理:

佐藤太郎さんの主な症状である呼吸困難と疲労感を軽減するために、以下の改善法が適用されました。

利尿剤: フロセミドという利尿剤が処方され、体内の余分な水分を排出することで浮腫の緩和が図られました。

血管拡張剤: アンジオテンシン変換酵素阻害剤(ACE阻害剤)が処方され、血管を拡張させて血圧を下げ、心臓への負担を軽減しました。

不整脈の改善:

佐藤太郎さんは不整脈を経験していなかったため、特別な不整脈の改善は必要ありませんでした。ただし、定期的な心電図モニタリングが行われ、不整脈の有無やリスクの評価が行われました。

 

病因に対する改善:

佐藤太郎さんの拘束型心筋症は特発性であり、特定の病因が明らかではありませんでした。そのため、病因に特化した改善法は適用されませんでした。

 

定期的なフォローアップ:

佐藤太郎さんは定期的に医師のフォローアップを受け、心エコーや心臓MRIなどのが行われました。これにより、心臓の機能や症状のモニタリングが行われ、計画の最適化が図られました。

 

生活スタイルの改善:

佐藤太郎さんには、健康な生活習慣の重要性が説明されました。禁煙、適度な運動、バランスのとれた食事などの健康的な生活習慣の維持が推奨されました。また、定期的な予防接種や感染症予防策の実施も勧められました。

 

 

佐藤太郎さんは改善の計画のもとで定期的なフォローアップを受け、改善法の効果が評価されました。利尿剤や血管拡張剤の服用により、呼吸困難や疲労感が改善され、日常生活への影響が軽減されました。心エコーの結果も安定しており、心臓の機能が維持されていることが確認されました。

 

 

佐藤太郎さんは定期的なフォローアップと改善の継続が必要です。拘束型心筋症は進行性の病気であるため、病状の変化や改善法の見直しを行う必要があります。また、新たな改善法や研究の進展により、将来的により効果的な改善法が開発される可能性もあります。

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