公開日:2020年 12月23日
更新日:2021年 5月 15日
本日は熱中症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
人間は体温を調節する機能があります。通常、汗をかいて汗が蒸発することや皮膚に血液を集めることで皮膚の温度が上がり、外への熱を伝えることによって体温を下げているのです。
しかし、体の中のバランスが崩れてしまうと、体の中の温度が調節できなくなり、体に熱がたまって体温が上がり、熱中症になってしまいます。
熱中症は、長い時間にわたって炎天下にいたことや真夏の暑い時に運動をしていたことで起こることが多いです。しかし、梅雨の合間の突然気温が上がる時期など、体が暑さに慣れていない時期にも起こることが非常に多いです。
気温が高い時や湿度が高い時、風が弱い時、日差しが強い時、突然暑くなった時や照り返しの強い場所は熱中症が起こりやすいため要注意です。気温が低い日であっても湿度が高い時は熱中症にかかりやすいのです。
最近では室内型熱中症が注目されており、家の中にいても、部屋の温度や部屋の湿度の高さから熱中症にかかるケースも非常に多いです。
運動や作業をすると、体の中では熱が生まれます。熱が生まれて体温が上がりすぎた時は、人間の体にある体温調節機能によって、自律神経の働きで末梢の血管が広がり、たくさんの血液が皮膚に流れ込むことで、体の外に熱を出しています。
体の外に熱を出している時には同時に汗をかき、汗が蒸発するときに体の表面から熱を奪うことによっても上がった体温を下げようとします。
長い時間暑い環境にいると、体温調節機能が乱れて体の外への熱を出すことができなくなります。すると、体の中に熱がこもって体温が上がってしまうのです。
一気に大量の汗をかき体の中の水分と塩分がなくなってしまうことによって、体液のバランスも崩れてしまいます。すると、筋肉や血流、神経などの体の色々な部分に影響が出ます。そして、頭痛やけいれん、めまい、意識障害など熱中症の症状が現れます。
熱中症は、段階によって症状が見られます。症状は、軽いものから命にかかわるくらいの重いものまで様々です。
軽いものでは、立ちくらみや、呼吸や脈が速くなる、くちびるのしびれ、腕や足などの筋肉に痛みの伴うけいれん、だるさ、頭痛、めまい、吐き気などの症状が起こります。
重いものになると、40度以上の高熱、意識障害、けいれん、異常行動などが起こります。脳の中の温度が上がると中枢神経に異常が起こり、体の色々な臓器に障害が出て、命を落とすこともあります。
熱中症でも、初めの軽症の時は体温が高くならないこともあります。最初は軽くでも、放っておくとすぐに重症化する可能性もあります。熱が高くないからと言って放っておかず、他に体に症状はないか注意して観察してください。
違和感をと感じた時はまず体温を測ると良いでしょう。いつもよりも1度以上高い場合は注意が必要です。涼しいところで体を休めて様子を見てください。
熱中症の症状があった時は、まずは涼しい場所で安静にして水分と塩分を補給することが大事です。また、激しい頭痛や高熱などの重い症状がある時は、すぐ病院へ行くことも非常に大事です。
熱中症は命を落とすこともある病気です。熱中症が起こった時は、症状に応じた素早い対応をすることが非常に重要です。
熱中症の症状が軽い場合は、自分で改善できることもあります。
自分で改善するためには、まず涼しいところに移動する必要があります。外であれば風通しのよい日陰、屋内に入れるのであればエアコンのきいた部屋などの涼しい場所に移動しましょう。
移動したら、すぐに冷たい水や塩水、スポーツドリンクなどで水分と塩分を補給し、横になって体を休めることが大事です。
衣類をゆるめたり衣類を脱いだりすることや扇風機で風をあてること、体を氷などで体を冷やすこともお勧めです。冷やす時には首筋やわきの下、足の付け根、足首などを冷やすとより効果を発揮します。
熱中症は、熱中症が重症化してしまったり、対応が遅かったりすると、場合によって脳や脊髄などの中枢神経、肝臓、腎臓、心筋、肺などの色々な臓器に障害が起こることで後遺症が残ってしまうこともあります。
後遺症は、高い体温で細胞に障害が起きたり、体温が上がることで体の中の水分が減利、臓器に十分な血液が行きわたらなくなることによって起こります。
臓器が損害を受けてしまうと、めまいやうまく歩けないなどの小脳に異常が現れたり、手が震えたり、筋肉がこわばって動かなくなるようなパーキンソンの症状が出ることがあります。
熱中症後遺症の人の中には、記憶できる量が少なくなったり、腎機能に障害が起きたりしている人もいます。熱中症後遺症では、遷延性せんえんせい意識障害や高次脳機能障害、小脳失調やパーキンソン症候群などの報告があります。
暑い日は気がつかない間に汗をかいて体の中の水分がなくなっています。熱中症を予防するためにも、喉が渇く前にこまめに水分補給することが大事です。
コーヒーや緑茶などのカフェインが多く含まれている飲み物やアルコールは利尿作用があるため、水を飲むようにしましょう。水分とミネラルや塩分を同時に補給できる経口補水液やスポーツドリンクなどがお勧めです。
十分に睡眠をとり、栄養のある食事をして体力をつけておくことが大切です。こまめに水分補給をし、暑さに負けない体を作りましょう。
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