公開日:2019年 12月23日
更新日:2024年 4月 3日
本日は薬の効かない咳喘息について解説させていただきます。
目次
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
喘息は機動が炎症を起こして腫れて狭くなることで発症します。喘息によって起こる症状は、呼吸困難、喘鳴、咳、胸部の圧迫感などです。
喘鳴とは呼吸の最中にゼイゼイやヒューヒューと音がなることです。咳喘息になると、1ヶ月以上咳が続き、ひどい場合は咳が1年以上続くこともあります。咳の発作が激しい場合は、胸の痛みを感じたり、嘔吐、失神したりすることもあります。
咳喘息とは、喘鳴、呼吸困難、胸が苦しいなどの症状がないにもかかわらず、急に空咳が繰り返しみられるようになる呼吸器の病気です。
咳喘息を発症するきっかけは、黄砂や硫酸エアロゾルなどの中国からの大気汚染物質、タバコの受動喫煙、防虫剤の薬物によるもの、スギやハウスダストなどのアレルゲン、冷たい空気や運動、ストレスなど様々な刺激です。
遺伝的な要素や環境的な要素が複雑に絡み合って発症しますが、咳喘息の発症の根本の原因は気道の炎症です。
体内で過剰な免疫反応が起こり、炎症細胞が活性化し気道を攻撃することによって起こります。薬の効かない咳喘息は自分の免疫細胞によって自分の体を攻撃する過程で狭窄を引き起こして発症する自己免疫疾患の1つなのです。
・不適切な判断
咳が喘息以外の上気道咳嗽症候群、胃食道逆流症、慢性閉塞性肺疾患、心不全などの病気によって起こっている可能性があります。これらの状態は、喘息と似たような咳の症状を引き起こすことがあるためです。
・改善計画の不適切さ
使用している薬剤が症状に適していない、または処方された薬の種類、用量、投与方法が適切でない可能性があります。吸入器の使用技術が不適切であることも薬剤が十分に効果を発揮しない一因となります。
・改善方法への非遵守
処方された薬を正しく、定期的に使用していない場合、効果が得られない可能性があります。日常の忙しさや薬に対する誤解が原因で、改善の計画に従わないことがあります。
・環境やライフスタイル
タバコの煙、動物のフケ、ダニ、花粉、職場の刺激物など、環境要因が咳を悪化させている場合があります。これらのトリガーから適切に避難する措置を行なっていない場合は症状はなかなか改善しません。
・合併症
時に胃食道逆流症や副鼻腔炎といった合併症を抱えていることがあり、これらが咳を悪化させることがあります。
・生物学的変数
年齢や性別、遺伝的要素など、個々の生物学的変数によっても薬の効果は影響を受けます。
・薬剤耐性
長期にわたる同一薬剤の使用によって、その薬剤に対する効果が低下する場合があります。
咳喘息の簡易判断法があります。カウンセリングによって咳喘息か判断できます。
・頻繁な喘鳴
呼吸時に特有のヒューヒューという音が聞こえることが多いです。これは、気道が狭くなり、空気の通り道が制限されるために起こります。
・持続する呼吸困難
日常的に呼吸が困難で特に活動時に顕著になることがあります。深呼吸ができない、息を吸い込むのが難しい、息苦しさがある、などの症状が挙げられます。
・頻繁な咳
特に夜間や早朝に悪化することがあり、この咳はしばしば長引きます。咳によって睡眠が妨げられることもあります。
・慢性的な胸の圧迫感
胸が締め付けられる感じや重さを感じることがあり、呼吸困難につながることも多いです。
西洋医学的に考えると、咳喘息の改善には原因である気道の炎症を抑えることが最も重要です。
そのためには、ステロイド薬を使います。喘息の症状を抑え、呼吸機能を改善し生活の質を上げていくということが現代の改善方法の基本です。
喘息に対するアプローチで1番重要なのは早期介入です。喘息の症状は発症初期から始めることが最も効果的であるとされており、早期の介入を行うことで進行を遅らせ、重症化を防ぐことができます。
喘息症状に悩んでいる人は基本的に毎日吸入をしています。このステロイドによって胃酸が出やすくなったり胃と食道をつなぐ噴門という筋肉が緩んだりします。そのため、逆流性食道炎を発症することがあるのです。
逆流性食道炎を発症すると、食道の壁や気管支の壁を傷つけてしまい、喘息が悪化するのです。
ステロイド吸入薬による二次障害の喘息があるのです。この二次障害で起こる喘息は、当院にいらっしゃる喘息の方の中でも多いです。
ステロイドが効かない人などは逆流性食道炎を引き起こして起こる二次障害であったというケースが多いため、当院では吸入も良いが逆流性食道炎を改善するという考え方で改善を行います。
薬の効かない咳喘息で1番多いケースは、自律神経失調症によって気管支の圧迫が起きているケースや気管支神経の過剰興奮があるケースです。
気管内で炎症が起きているわけではなく、自律神経が原因で気管が閉まったり、気管支神経という神経が単独で興奮して吸った空気に過剰に反応したりして、咳がひどくなったり喘息を引き起こしたりするのです。
鍼灸で改善する場合は、逆流性食道炎や自律神経の状態や気管支神経の状態を把握することが大事になります。
わかりやすい判断材料は、背中の第1胸椎から第3胸椎に小さいニキビがたくさんできることです。この症状は、人は自律神経からくる喘息症状の人に多いです。
改善するとニキビがだんだん減っていき、完全になくなると喘息も落ちつきます。体を整えることによって喘息症状がなくなるのです。
ニキビや体内の内臓の調子などにも着目することが大事です。
・判断の再評価
最初に、判断の正確性を確認します。咳喘息以外の原因が咳の原因でないか検討し、必要に応じて追加で調べることが大事です。
・吸入技術の確認と教育
不適切な吸入技術は薬の効果を低下させるため、吸入器の使用方法を再度確認し、必要に応じて正しい技術を教育します。
・薬の最適化
高用量の吸入ステロイド:標準用量での効果が不十分な場合、用量を増やすことが検討されます。
長期作用型β2刺激薬(LABA)の追加:吸入ステロイド単独で効果が不十分な場合、LABAを追加します。
ロイコトリエン受容体拮抗薬:アレルギー性の喘息に関連する咳に効果的なことがあります。
経口ステロイド:短期間、重症の喘息の症状を抑制するために使用されることがありますが、長期使用には副作用のリスクがあります。
生物学的製剤:重症の喘息に対して特定の炎症経路を標的とする新しい薬が登場しています。特定のタイプの重症喘息に適用される可能性があります。
・トリガーの管理と回避
喘息のトリガーを特定し、これらをできるだけ避けるように努めます。
・合併症の改善
GERDや副鼻腔炎などの喘息の症状を悪化させる可能性のある状態を改善します。
・リハビリテーションと運動
呼吸リハビリテーションや運動を通じて、呼吸筋の強化と全身のコンディショニングを図ります。
・心理的サポート
慢性的な咳や喘息の管理によるストレスや不安を軽減するための心理的サポートやカウンセリングを検討します。
〈長期管理薬〉
・吸入ステロイド(ICS)
用途: 喘息の長期管理に最も一般的に使用される薬。気道の炎症を減少させ、症状をコントロールします。
例: フルチカゾン(フロベント)、ブデソニド(プルミコート)、ベクロメタゾン(クレナイル)など。
・長期作用型β2刺激薬(LABA)
用途: 吸入ステロイドと組み合わせて使用され、気道を開くことにより呼吸を楽にします。単独での使用は推奨されていません。
例: サルメテロール(セレベント)、フォルモテロール(フォルミスト)、インダカテロール(オンブレズ)など。
・ロイコトリエン修飾薬
用途: 気道の炎症と収縮を減少させます。特にアレルギー性喘息に有効です。
例: モンテルカスト(シングレア)、ザフィルルカスト(アコラート)など。
・吸入長期作用型抗コリン薬
用途: 気道の筋肉をリラックスさせ、気道を広げることで呼吸を楽にします。COPDにも使用されますが、喘息治療にも有効な場合があります。
例: チオトロピウム(スピリーバ)、ウメクリジニウム(インクルーズ)など。
・経口ステロイド
用途: 重症の喘息の短期間の管理や、他の方法が効かない場合に使用されます。長期使用は副作用のリスクがあるため、避けられるべきです。
例: プレドニゾン、プレドニゾロンなど。
・生物学的製剤
用途: 重症の喘息を対象とした、特定の炎症経路を標的とする薬。標準的な改善に反応しない場合に使用されます。
例: オマリズマブ(ザレルト)、メポリズマブ(ヌーカラ)、ベンラリズマブ(ファセンラ)、デュピルマブ(デュピクセント)など。
〈急性発作の薬〉
・短期作用型β2刺激薬(SABA)
用途: 喘息の急性発作の際の第一選択薬。速やかに気道を開き、即時の症状緩和を提供します。
例: サルブタモール(ベントリン)、テルブタリン(ブリカニル)など。
・抗コリン薬
用途: SABAと組み合わせて使用されることがあり、気道の拡張を助けます。
例: イプラトロピウム(アトロベント)など。
・システミックステロイド
用途: 重度の喘息発作や中等度の発作が他の方法に反応しない場合に使用されます。炎症を迅速に抑えることができます。
例: プレドニゾン、プレドニゾロンの経口投与。より重症の場合は静脈内投与を行うこともあります。
当院では、咳喘息の改善は東洋医学の西洋医学の両面からアプローチを行います。
体の興奮を司る神経とリラックスを司る神経のバランスを正常に戻すために自律神経に対して施術を行ったり、逆流性食道炎の改善から施術を行ったりするのです。
人によっては怖いため吸入を止めることが怖いため、吸入を続ける人もいます。その場合は、吸入を続けても構いません。ステロイドを使ってコントロールしている人もたくさんいて、悪い方法ではありません。
しかし、ステロイドを使っても改善しない場合や悪くなる場合は実は多いということを知っておきましょう。喘息が怖いためにステロイドを続けて悪くなっている人で当院に来院する人は非常に多いです。気道の炎症以外にも起こる可能性があるということをぜひ知っておいてほしいです。
その場合は体を整えることによって喘息症状がなくなることもあるため、ニキビや体内の内臓の調子などにも着目して改善を行なっていきます。
当院の咳喘息の回復率は90%です。薬の効かない咳喘息は、約5回の施術で回復することが多いです。
・尺沢
・中府
・孔最
尺沢は、肺の経絡によるツボで上記3つのツボの中でも薬の効かない咳喘息に非常に効果があるツボです。ぜひぐりぐり痛みが出るまでもんでいただきたいです。
尺沢は、寸法の基準点で沢のようなくぼみという意味を持っています。呼吸器全般に効果を発揮します。中でも、喘息や呼吸困難、咳やたん、喉の痛みを改善する時に効果的です。特に咳を止めるときに使われることが多いです。
中府は肺の経絡の中でも、特に臓腑の経気が集まるところで、肺経の気が集まるところという意味があります。
中府は呼吸器の問題に効果的であるため、風邪や喘息、花粉症などの改善に使われることが多いです。
中府への刺激は、胸の筋肉の緊張を緩め、胸を広げて姿勢をよくする効果もあります。そのため、肩が前に出て背中が丸く見える猫背の姿勢を改善したい場合にも有効です。
孔最の孔はツボを意味しており、最は第一を意味しています。孔最は、非常に重要なツボなのです。孔最は、肺経上にあるツボで、発汗を促す作用があります。
そのため、風邪や咳や喉の痛みなどがあり熱が出ている時に汗が出ない場合に使われることがあります。
他にも、肘の痛みや痔の痛みなどにも効果的です。孔最は痛みを感じやすいツボであるとも言われています。軽く押さえても痛みを感じることが多いため、押すときは慎重に押しましょう。
尺沢は、肘を曲げた時にできる内側のシワの上にあるツボです。探すときは、肘の皺をなぞって親指側を押したときに痛みを感じる場所を探しましょう。押すと、あまりの痛みで若干親指まで響くことがあります。
押すときは、力加減は強めで押しましょう。お灸もオススメです。持続的な刺激を与えた方がより効果が期待できるため、鍼のシールやピップエレキバンなどを貼ると良いです。左右両方に貼りましょう。
中府は、鎖骨の外側の下のくぼみから、親指1本分下に下がったところにあります。
押すときは、ツボの反対側の人差し指と中指と薬指の3本を横にそろえて、ゆっくりと押します。気持ちが良いと思う程度の強さで、息を吐いた時にゆっくりとツボを押すことをお勧めします。
孔最は、手のひらを上に向けた状態で、肘を曲げて出来る線の外端から指5本分指先の方向に進んだ部分にあります。
押すときは親指で痛い場所を揉みましょう。お灸を行うことも効果的です。
呼吸器が弱い体質であったり日頃からこの孔最に圧痛やこりがあったりする場合は、お灸や指圧などでセルフケアを行うことで体調が整うことが期待できます。
11時から21時
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11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始