公開日:2021年 2月6日
更新日:2024年 1月15日
本日はバーナー症候群について解説させていただきます。
目次
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
バーナー症候群とは、身体に大きな衝撃が重なり頚部とそこから出ている腕神経叢が傷害し、首に痛みやしびれが生じる疾患です。
柔道や相撲、アメリカンフットボールやラグビーなどと、対戦相手との接触が多いコンタクトスポーツでよく見られます。
重大な後遺症を残すことは少ないですが、受傷を繰り返すことも多い為、予防をしっかり行うことが求められます。
神経障害によるものなので、画像所見の変形は一般的に認められません。
コンタクトスポーツの激突時に首から腕にかけて電撃痛が走り、握力低下や筋力低下などの神経症状を引き起こします。
経験年数が長いほど発生頻度が高く、日々のトレーニングによる予防が求められます。
首は、7つの骨によって構成される脊柱の一部です。それぞれ7つの椎骨の間からは神経が出ています。特に頚椎の5番目(C5)~胸椎の1番目(T1)の間から出ている神経は、繋がったり分岐したりしていて、手・腕・肩を支配しています。
これらの神経の事を総称し腕神経叢と言い、バーナー症候群では腕神経叢に衝撃がかかることにより神経が圧迫され、しびれや激痛を引き起こします。
バーナー症候群は、主にスポーツ中の接触や衝撃によって、首から肩にかけての神経が圧迫または牽引されることで発生する症状です。この症候群の主な原因は以下の通りです。
神経の圧迫または牽引:スポーツ中の衝撃や急激な動作により、頚椎(首の骨)が異常に動き、神経根が圧迫または牽引されることが原因です。これは、特にアメリカンフットボール、レスリング、ラグビーなどの接触スポーツで発生しやすいです。
首と肩の間の急激な動き:首を急激に横に曲げたり、肩が下に押し下げられたりすると、神経が伸ばされすぎて損傷を受けることがあります。
頚椎の外傷:頚椎への直接的な衝撃や外傷が、神経組織にダメージを与えることがあります。
過剰な筋肉の緊張:スポーツ中の過剰な筋肉の緊張が、神経を圧迫することがあります。
不適切なスポーツ技術:スポーツ技術の不適切な実行が、首への負担を増加させ、バーナー症候群を引き起こす可能性があります。
バーナー症候群を引き起こす要因は4つ
外部からの慢性的なストレスにより椎間板が変性、椎間板の膨隆・骨棘の形成などによる椎間板ヘルニア、椎間孔の狭窄が存在する上に側屈外力が加わることにより発症。
首をどちらかに側屈をした際に曲げた側で神経を挟み込むような衝撃がかかる事で神経根刺激症状を発症。
衝突した方の肩が引き下げと首の側屈により腕神経叢部で神経が過伸張され、神経根症状を発症。
ラグビーやアメフトでのタックル、相撲で対戦相手との衝突などによる直達外力により、鎖骨と第1肋骨に挟まれている腕神経叢が障害を受け発症。
を調べます。試合や練習の継続が可能かどうかは、主に筋力で判断します。
首を左右どちらかに傾けて少し反らした状態で頭の上を手で押さえ、垂直に力を加えた際に、手にかけて痛みや痺れが生じる場合陽性となります。
頭を後ろに軽く倒した状態で上から下に押し下げます。 その際、肩や上腕、前腕、手などに痛みやしびれが生じた場合陽性となります。
重症度が3つに分類されており、それにより復帰時が大きく左右されます。
グレード1ー受傷直後数分で知覚運動障害が改善し、2週間以内に完全に症状が回復
グレード2-三角筋、上腕二頭筋、棘上筋、棘下筋の筋力低下が数週間~数ヶ月持続
グレード3-筋力低下、知覚障害が1年以上残存
バーナー症候群は首や肩に影響を及ぼす神経損傷に関連した状態で、主に特定のスポーツ活動中に発生します。この症候群の典型的な症状は以下の通りです。
一時的な鋭い痛み: 首から肩、腕にかけて鋭い痛みが生じることが特徴的です。この痛みはしばしば「焼けるような」または「刺すような」と表現されます。
しびれやピリピリ感: 損傷した神経により、首から肩、腕、手にかけてしびれやピリピリ感を感じることがあります。
筋力の低下: 特に肩や腕の筋力が一時的に低下することがあります。
感覚の減少: 損傷した神経の影響で、首から腕にかけての皮膚の感覚が減少することがあります。
運動範囲の制限: 症状が発生した側の首や肩の動きが制限されることがあります。
バーナー症候群の症状は通常、数秒から数分続き、多くの場合は自然に改善します。しかし、症状が繰り返し発生する場合や持続する場合は、より深刻な神経損傷や他の医学的問題の可能性があるため、専門家による評価と改善が必要です。
痛み、痺れが消えるまでは安静にします。
場合によってはカラー固定を使用しますがカラー固定は頚部の筋力低下を促進するので数日でやめます。内服薬はステロイド、痺れが強い場合は注射になります。
症状が消えず、ヘルニアがある場合手術が必要になるケースもあります。
重大な後遺症を残すことはなく、重症例においても95%でスポーツ復帰しています。
症状の軽減に伴い再発予防を目的とした筋力強化が大事になります。
バーナー症候群は、症状の重さや個々の状態に応じて異なりますが、一般的には以下のような改善法があります。
休息:症状が出ている間は、関連する活動やスポーツから一時的に休息を取ることが重要です。これにより、神経の回復を促進し、再発を防ぐことができます。
氷の使用:損傷した部位に氷を当てることで、炎症を減少させ、痛みを和らげることができます。
軽度のストレッチや運動:筋肉の柔軟性と力を回復させるために、軽度のストレッチや運動が行われることがあります。
物理的な方法:専門家による指導のもと、首や肩の筋力を強化し、運動範囲を改善するためのエクササイズが行われます。
痛み管理:痛みが強い場合は、医師の指示に従って鎮痛剤が処方されることがあります。
姿勢の改善:姿勢の改善や適切な体の使い方の指導が行われることがあります。
保護具の使用:スポーツに復帰する際は、適切な保護具を使用することが推奨されます。
徐々に活動への復帰:症状が改善した後、徐々に通常の活動やスポーツに復帰することが重要です。
外科的方法:通常、バーナー症候群は外科的改善を必要としませんが、重度の場合や症状が慢性化している場合は、さらなる医学的評価が必要です。
バーナー症候群の改善に使用される薬は、主に症状の緩和を目的としています。以下に、一般的に使用される薬について詳しく説明します。
・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)
効果: 痛みと炎症を和らげる。
例: イブプロフェン、ナプロキセンなど。
注意点: 長期使用は胃腸障害や腎機能障害などの副作用を引き起こす可能性がある。
・鎮痛剤
効果: 軽度から中等度の痛みを和らげる。
例: アセトアミノフェン(パラセタモール)など。
注意点: 過剰摂取は肝臓にダメージを与える可能性があるため、用量を守ることが重要。
・筋弛緩剤
効果: 筋肉の緊張を和らげる。
例: シクロベンザプリンなど。
注意点: 眠気やめまいなどの副作用があるため、使用時は慎重に行う。
これらの薬剤は、バーナー症候群の症状を緩和し、快適な回復をサポートするために使用されます。ただし、これらの薬剤はあくまで症状に対する対処であり、神経の損傷そのものを改善するものではありません。
バーナー症候群は神経根の損傷による症状のため、鍼灸施術は非常に有効です。
痛みやしびれ、そして筋力低下が生じている場所から、障害されている神経根を見極め、施術にあたります。
・頚部から肩に痛み・しびれがある場合
→C4神経根の損傷が考えられます。
・肩から上腕外側に痛み・しびれ、三角筋、棘下筋、上腕二頭筋の筋力低下が見られる場合
→C5神経根の損傷が考えられます。
・前腕外側から母指に痛み・しびれ、腕橈骨筋、橈側手根伸筋の筋力低下が見られる場合
→C6神経根の損傷が考えられます。
・示指、中指に痛み・しびれ、橈側手根屈筋、総指伸筋の筋力低下が見られる場合
→C7神経根の損傷が考えられます。
・薬指、小指に痛み・しびれ、母指、総指屈筋、橈側手根屈筋、薬指・小指の深指屈筋の筋力低下が見られる場合
→C8神経根の損傷が考えられます。
・手、前腕尺側に痛み・しびれ、示指、中指の深指屈筋、長母指屈筋の筋力低下が見られる場合
→T1神経根の損傷が考えられます。
このように障害されている箇所を見極め、局所の疼痛改善を図り、早期復帰を目指します。
11時から21時
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