公開日:2023年 3月 3日
更新日:2024年 2月20日
本日はトリコチロマニアについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
トリコチロマニアの原因は、不安やイライラなどのストレスであるとされています。家族や友人、学校関係などによって起こる問題が原因になることが多いのです。
ストレスから一時的に解放されるために毛を抜く行為が始まり、毛を抜くことが癖になってしまったことによって、トリコチロマニアにつながると考えられているのです。
元々、髪を触る癖があるということが発症に繋がったり、遺伝的な要素が発症に関係しているともいわれています。
トリコチロマニア、または抜毛症は、自分の髪の毛を引き抜く衝動的な行為を伴う精神障害です。この行為はしばしば強い衝動や不安解消の手段として行われ、頭髪、まゆ毛、まつ毛などが対象になります。トリコチロマニアの原因は完全には解明されていませんが、複数の要因が組み合わさって発症すると考えられています。
・生物学的要因
遺伝的要素: トリコチロマニアは家族内で見られることがあり、遺伝的な素因が関与している可能性があります。研究では、特定の遺伝子の変異が抜毛症のリスクを高めることが示唆されています。
脳の構造と機能の異常: MRIなどの脳イメージング研究から、トリコチロマニア患者における脳の一部領域(特に前頭葉や線条体)の構造や機能に異常があることが示されています。これらの部分は衝動制御やハビット(習慣)形成に関与しています。
・心理的・行動的要因
ストレスと不安: 強いストレスや不安は、多くの場合、トリコチロマニアの発症や悪化に関連しています。髪を引き抜く行為は、一時的にストレスや不安を軽減する手段として利用されることがあります。
感情的な調節の問題: 感情的な困難や対人関係の問題に対処する方法として、髪を引き抜く行為が利用されることがあります。
・環境的要因
家族環境: 家族内の対立やストレスが高い環境は、トリコチロマニアの発症に影響を及ぼすことがあります。
生活上の大きな変化やトラウマ: 人生の大きな変化やトラウマティックな出来事も、トリコチロマニアの引き金となることがあります。
・その他の要因
年齢と性別: トリコチロマニアは、特に思春期の女性に多く見られますが、男性や他の年齢層の人々にも発症することがあります。
トリコチロマニアの症状は、抜毛をすることで起こる脱毛です。脱毛が起きる場所で1番多いのは頭毛です。他にも、眉毛や睫毛などで見られることもあります。
脱毛斑の境界は鮮明ではなく、形も色々な形をしています。抜毛で起こる脱毛のため、円形脱毛症のように完全脱毛斑にはならず、抜毛によって切られた毛が不規則に残っている状態になることが多いです。
トリコチロマニア、または抜毛症は、自分の髪の毛を引き抜く衝動的な行為に特徴づけられる精神障害です。この行動は、強い衝動や不安を感じる時に行われることが多く、一時的な緊張の解消や満足感を得るために行われます。トリコチロマニアの症状は個人差がありますが、以下に主な特徴を挙げます。
髪の毛を引き抜く行為: 最も一般的な症状で、頭髪、まゆ毛、まつ毛、ひげ、体毛など、特定の部位から髪の毛を引き抜きます。これはしばしば特定の儀式やパターンに従って行われます。
衝動に抗えない感覚: 引き抜く行為を止めようとするものの、衝動に抗えずに行為を続けてしまいます。
引き抜いた後の満足感や緊張の解消: 髪の毛を引き抜くことで一時的に緊張が解消され、満足感を得ることがあります。
髪の毛の不均一な長さや脱毛部位: 頻繁に髪の毛を引き抜くことで、髪の毛の長さが不均一になったり、明らかな脱毛部位ができたりします。
皮膚の損傷: 髪の毛を引き抜く過程で、皮膚に損傷を与えることがあります。
社会的・職業的な機能の障害: 引き抜く行為やその結果生じる外見の変化によって、社交活動や職場での機能に支障をきたすことがあります。
隠蔽行為: 帽子やスカーフ、化粧などを使って脱毛部位を隠そうとします。
髪の毛をいじったり、引き抜いた髪の毛を触ったりする: 引き抜いた髪の毛をいじったり、口に入れたりする行為が伴うことがあります。
感情的な問題: 不安、抑うつ、自己嫌悪感などの感情的な問題が伴うことがあります。
引き抜く行為を隠す: 引き抜く行為を他人に知られたくないために、行為を隠すことがあります。
トリコチロマニアの改善方法は、原因となっているストレスを改善することです。子供がトリコチロマニアの場合は、周りの大人がストレスの原因となっている人間関係や環境変化を理解してあげることが大事です。
また、抜毛行為をが見られた時に叱るのではなく優しく注意することを心がけることも大事です。
改善を行う時に、精神科医に相談に行くこともお勧めです。
トリコチロマニア、または抜毛症の改善は、心理的な方法、薬、および自己管理戦略が含まれます。これらのアプローチは、症状や生活状況、および個々のニーズに応じてカスタマイズされます。最も効果的な改善法は、しばしば複数のアプローチを組み合わせることです。
・心理的な方法
認知行動法:トリコチロマニアの改善において最も広く推奨されている方法の一つです。抜毛行為に至る感情や思考パターンを理解し、それらを変える技術を学びます。抜毛行為の代わりになる健康的なストレス対処法を開発します。
ハビットリバーサルトレーニング:認知行動法の一部として、または単独で用いられることがあります。抜毛の衝動を感じたときに実行する代替行動を学びます。自己監視やリラクゼーション技術も教えられます。
・薬
抗うつ薬:特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬が用いられることがあります。
例:フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)など。
不安やうつ症状を軽減し、抜毛行為を減少させる効果があります。
非定型抗精神病薬:一部のケースでは、非定型抗精神病薬が抜毛行為の減少に役立つことがあります。
例:オランザピン(ザイプレクサ)、リスペリドン(リスパダール)など。
・自己管理戦略
ストレス管理:ストレスや不安が抜毛行為を促進することがあるため、瞑想、ヨガ、運動などのリラクゼーション技術を学ぶことが有効です。
環境の調整:抜毛行為を引き起こす可能性のある環境要因を特定し、それを避けるか調整します。
サポートグループ:トリコチロマニアを発症している人同士の交流は、理解と共感を深め、孤独感を減少させることができます。
トリコチロマニアの改善において、抗うつ薬や非定型抗精神病薬以外に使用される薬物は限られていますが、症状の管理に役立つ可能性のあるいくつかのオプションがあります。これらの薬物は、特定の人において効果を示すことがあり、医師の裁量によって処方されることがあります。
・抗不安薬
効果: トリコチロマニアに関連する不安や緊張を軽減するのに役立つことがあります。
一般的な薬物: バスピロン(バスパー)などがありますが、依存性のリスクが低いとされています。
副作用: 眠気、めまい、頭痛、吐き気などがあります。
・N-アセチルシステイン(NAC)
効果: 抗酸化物質であり、神経伝達物質のバランスに影響を与えることで、衝動制御を助けると考えられています。一部の研究では、トリコチロマニアの症状を軽減する効果が報告されています。
副作用: 通常はよく耐容されますが、腹痛、下痢、吐き気などの消化器系の副作用が発生する可能性があります。
・オメガ3脂肪酸
効果: 抗炎症作用があり、脳の健康をサポートすることで、トリコチロマニアの管理に役立つ可能性があります。
副作用: 高用量での使用は、出血傾向を高める可能性があります。また、胃の不快感や魚のげっぷなどが報告されることがあります。
・グルタミン酸調節薬
効果: トリコチロマニアの改善においては一般的ではありませんが、神経系に作用して衝動制御に影響を与える可能性がある薬物です。
副作用: 薬物によって異なりますが、神経系の副作用、胃腸の不快感、体重の変化などが起こる可能性があります。
トリコチロマニアを改善するために、皮膚に対する抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使うこともあります。薬を使うことで症状が和らぐこともあるのです。
初期の段階では、SSRIなどの抗うつ薬が有効であるという報告も多いです。
トリコチロマニアを改善するためには、その人の状況に合わせて色々な改善方法を行うことが大事なのです。
・完骨
・合谷
・神門
完骨は、頭痛や不眠、めまいなどに対して効果を発揮するツボです。 自律神経を整えるために役立つツボで、セロトニンの分泌を安定させる効果があります。セロトニンは幸せホルモンと呼ばれているホルモンです。
セロトニンが分泌されることで、ネガティブな思考の加速を止めることにつながり、加速思考症候群の改善にも効果が期待できます。
加速思考症候群では症状として不眠が現れることもあるため、寝る前に完骨を刺激することで睡眠の質を高め、良い眠りにつくことも期待できます。
合谷は、首から上の疲れに効果を発揮するツボで、首こりや目の疲れなどによく使われます。 さらに、自律神経を整える効果もあるため、加速思考症候群でイライラしている時に効果を発揮します。
自律神経が整うと、リラックスをすることもあできるようになるため、休みをを楽しむこともできるでしょう。
他にも、風邪のひきはじめや頭痛、鼻血、鼻水、疲れやストレスなど色々な症状に対して効果的なツボです。
神門は、精神状態を安定させる効果があります。そのため、不眠やイライラなど加速思考症候群で現れる症状に非常に効果が期待できるのです。
物忘れや不安、動悸などにも効果的だと言われています。加速思考症候群では、不安が大きくなり、気持ちがネガティブになっていくため、神門を刺激し、精神を安定させることは非常に有効です。
完骨の場所は、耳の後ろの出っぱっている骨の下側のくぼんでいる場所です。探すときは、丸い骨の突起とへこんだ位置を探すと探しやすいです。
押すときは、親指を使います。押す方向は、斜め上の方向です。頭皮を逆目に押してみると良いでしょう。ゆっくり上に押し上げるようなイメージで押しましょう。
合谷は、親指と人さし指の間にあります。人によって若干場所が違いますが、押してみれば必ず見つけられると言われています。押した時に、痛みを感じたり、コリコリしたりする部分を探しましょう。
押すときは、親指を使って、残りの指は手のひらに当てましょう。力加減は少し痛みを感じるくらいの強さにし、5秒押してゆっくり離します。
神門は、手のひらを上にしたときの手首の小指寄りにあります。押さえるとへこむ部分を探しましょう。
気持ちが落ち着かないときなどに軽く圧迫するように押すことをお勧めします。