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公開日:2023年 3月 3日
更新日:2025年 9月10日
本日はトリコチロマニアについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
トリコチロマニアの原因は、不安やイライラなどのストレスであるとされています。家族や友人、学校関係などによって起こる問題が原因になることが多いのです。
ストレスから一時的に解放されるために毛を抜く行為が始まり、毛を抜くことが癖になってしまったことによって、トリコチロマニアにつながると考えられているのです。
元々、髪を触る癖があるということが発症に繋がったり、遺伝的な要素が発症に関係しているともいわれています。
・生物学的要因
遺伝的要素: トリコチロマニアは家族内で見られることがあり、遺伝的な素因が関与している可能性があります。研究では、特定の遺伝子の変異が抜毛症のリスクを高めることが示唆されています。
脳の構造と機能の異常: MRIなどの脳イメージング研究から、トリコチロマニア患者における脳の一部領域(特に前頭葉や線条体)の構造や機能に異常があることが示されています。これらの部分は衝動制御やハビット(習慣)形成に関与しています。
・心理的・行動的要因
ストレスと不安: 強いストレスや不安は、多くの場合、トリコチロマニアの発症や悪化に関連しています。髪を引き抜く行為は、一時的にストレスや不安を軽減する手段として利用されることがあります。
感情的な調節の問題: 感情的な困難や対人関係の問題に対処する方法として、髪を引き抜く行為が利用されることがあります。
・環境的要因
家族環境: 家族内の対立やストレスが高い環境は、トリコチロマニアの発症に影響を及ぼすことがあります。
生活上の大きな変化やトラウマ: 人生の大きな変化やトラウマティックな出来事も、トリコチロマニアの引き金となることがあります。
・その他の要因
年齢と性別: トリコチロマニアは、特に思春期の女性に多く見られますが、男性や他の年齢層の人々にも発症することがあります。
トリコチロマニアの症状は、抜毛をすることで起こる脱毛です。脱毛が起きる場所で1番多いのは頭毛です。他にも、眉毛や睫毛などで見られることもあります。
脱毛斑の境界は鮮明ではなく、形も色々な形をしています。抜毛で起こる脱毛のため、円形脱毛症のように完全脱毛斑にはならず、抜毛によって切られた毛が不規則に残っている状態になることが多いです。
髪の毛を引き抜く行為: 最も一般的な症状で、頭髪、まゆ毛、まつ毛、ひげ、体毛など、特定の部位から髪の毛を引き抜きます。これはしばしば特定の儀式やパターンに従って行われます。
衝動に抗えない感覚: 引き抜く行為を止めようとするものの、衝動に抗えずに行為を続けてしまいます。
引き抜いた後の満足感や緊張の解消: 髪の毛を引き抜くことで一時的に緊張が解消され、満足感を得ることがあります。
髪の毛の不均一な長さや脱毛部位: 頻繁に髪の毛を引き抜くことで、髪の毛の長さが不均一になったり、明らかな脱毛部位ができたりします。
皮膚の損傷: 髪の毛を引き抜く過程で、皮膚に損傷を与えることがあります。
社会的・職業的な機能の障害: 引き抜く行為やその結果生じる外見の変化によって、社交活動や職場での機能に支障をきたすことがあります。
隠蔽行為: 帽子やスカーフ、化粧などを使って脱毛部位を隠そうとします。
髪の毛をいじったり、引き抜いた髪の毛を触ったりする: 引き抜いた髪の毛をいじったり、口に入れたりする行為が伴うことがあります。
感情的な問題: 不安、抑うつ、自己嫌悪感などの感情的な問題が伴うことがあります。
引き抜く行為を隠す: 引き抜く行為を他人に知られたくないために、行為を隠すことがあります。
トリコチロマニアの改善方法は、原因となっているストレスを改善することです。子供がトリコチロマニアの場合は、周りの大人がストレスの原因となっている人間関係や環境変化を理解してあげることが大事です。
また、抜毛行為をが見られた時に叱るのではなく優しく注意することを心がけることも大事です。
改善を行う時に、精神科医に相談に行くこともお勧めです。
・心理的な方法
認知行動法:トリコチロマニアの改善において最も広く推奨されている方法の一つです。抜毛行為に至る感情や思考パターンを理解し、それらを変える技術を学びます。抜毛行為の代わりになる健康的なストレス対処法を開発します。
ハビットリバーサルトレーニング:認知行動法の一部として、または単独で用いられることがあります。抜毛の衝動を感じたときに実行する代替行動を学びます。自己監視やリラクゼーション技術も教えられます。
・薬
抗うつ薬:特に選択的セロトニン再取り込み阻害薬が用いられることがあります。
例:フルオキセチン(プロザック)、セルトラリン(ゾロフト)など。
不安やうつ症状を軽減し、抜毛行為を減少させる効果があります。
非定型抗精神病薬:一部のケースでは、非定型抗精神病薬が抜毛行為の減少に役立つことがあります。
例:オランザピン(ザイプレクサ)、リスペリドン(リスパダール)など。
・自己管理戦略
ストレス管理:ストレスや不安が抜毛行為を促進することがあるため、瞑想、ヨガ、運動などのリラクゼーション技術を学ぶことが有効です。
環境の調整:抜毛行為を引き起こす可能性のある環境要因を特定し、それを避けるか調整します。
サポートグループ:トリコチロマニアを発症している人同士の交流は、理解と共感を深め、孤独感を減少させることができます。
・抗不安薬
効果: トリコチロマニアに関連する不安や緊張を軽減するのに役立つことがあります。
一般的な薬物: バスピロン(バスパー)などがありますが、依存性のリスクが低いとされています。
副作用: 眠気、めまい、頭痛、吐き気などがあります。
・N-アセチルシステイン(NAC)
効果: 抗酸化物質であり、神経伝達物質のバランスに影響を与えることで、衝動制御を助けると考えられています。一部の研究では、トリコチロマニアの症状を軽減する効果が報告されています。
副作用: 通常はよく耐容されますが、腹痛、下痢、吐き気などの消化器系の副作用が発生する可能性があります。
・オメガ3脂肪酸
効果: 抗炎症作用があり、脳の健康をサポートすることで、トリコチロマニアの管理に役立つ可能性があります。
副作用: 高用量での使用は、出血傾向を高める可能性があります。また、胃の不快感や魚のげっぷなどが報告されることがあります。
・グルタミン酸調節薬
効果: トリコチロマニアの改善においては一般的ではありませんが、神経系に作用して衝動制御に影響を与える可能性がある薬物です。
副作用: 薬物によって異なりますが、神経系の副作用、胃腸の不快感、体重の変化などが起こる可能性があります。
トリコチロマニアを改善するために、皮膚に対する抗ヒスタミン薬やステロイド薬を使うこともあります。薬を使うことで症状が和らぐこともあるのです。
初期の段階では、SSRIなどの抗うつ薬が有効であるという報告も多いです。
トリコチロマニアを改善するためには、その人の状況に合わせて色々な改善方法を行うことが大事なのです。
・完骨
・合谷
・神門
完骨は、自律神経を整える効果のあるツボです。セロトニンという幸せホルモンの分泌を安定させる効果もあり、穏やかな気持ちにしてくれます。さらに、寝る前に完骨を刺激することで睡眠の質を高め、質の良い睡眠ができるでしょう。
合谷は、自律神経を整える効果があり、イライラしている時に効果を発揮します。他にも、肩こりや頭痛、便秘などにも効果的なツボです。高血圧や花粉症、いびきや耳鳴りなどにも効果を発揮するツボのため、万能のツボと言われています。
神門は、精神状態を安定させる効果があり、不安やイライラを和らげてくれます。
さらに、スムーズな寝つきを助けてリラックス効果を高めてくれたり、疲れやストレス、更年期による動悸を和らげてくれたりします。
完骨は、耳の後ろの出っぱっている骨の下側のくぼんでいる場所にあります。丸い骨の突起とへこんだ位置を探し、親指を使って押します。
斜め上の方向にゆっくり上に押し上げるようなイメージで押しましょう。
合谷は、親指と人さし指の間にあります。押した時に、痛みを感じたり、コリコリしたりする部分を探しましょう。
親指を使って押します。少し痛みを感じるくらいの強さで5秒押してゆっくり離します。
神門は、手のひらを上にしたときの手首の小指寄りにあります。手首のシワの小指側にあるくぼんでいる場所にあります。
親指で痛気持ちいいと感じるくらいの強さで押しましょう。