紫斑病性腎炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 8月10日

更新日:2024年 1月 7日

本日は紫斑病性腎炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 紫斑病性腎炎とは
  • 紫斑病性腎炎の原因
  • 紫斑病性腎炎の症状
  • 紫斑病性腎炎の改善方法
  • 紫斑病性腎炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

紫斑病性腎炎は、IgA血管炎に合わせて発症する腎炎

紫斑病性腎炎は、IgA血管炎に合わせて発症する腎炎のことです。IgA血管炎は、毛細血管にIgAという免疫グロブリンが沈着することで発症する血管炎のことです。

 

IgA血管炎を発症した人の約5割の人は、紫斑病性腎炎を合わせて発症するといわれており、1年で約10万人に20人の発症が見られると言われています。紫斑病性腎炎を発症すると、必ず紫斑が現れます

紫斑病性腎炎の原因は明らかになっていない

紫斑病性腎炎の原因は明らかになっていません。

 

考えられている可能性として、感染症との関係があります。これは、紫斑病性腎炎の発症が秋から冬に多いことや上気道感染症が先行して発症することが多いことなどがわかっているためです。しかし、今のところ詳しいことはわかっていません。

 

紫斑病性腎炎は、遺伝する病気ではありませんが、家族の中での発症の報告も一部あります。そのため、遺伝因子が何か関係している可能性があるとも言われています。

紫斑病性腎炎は、主に子供に見られる病気で、血管炎の一種です。この病気は、免疫系が異常に活性化されることによって起こります。原因としては以下のようなものがあります。

 

免疫応答の異常:HSPNは、体の免疫システムが自身の血管に対して攻撃を開始する自己免疫の過程と関連しています。これにより、小血管が炎症を起こし、特に皮膚、腸、関節、腎臓に影響を及ぼします。

 

感染症:多くの場合、紫斑病性腎炎の発症には上気道感染が先行しています。これらの感染症が免疫システムの異常反応を引き起こすことがあります。

 

遺伝的要因:遺伝的素因もHSPNのリスクを高める可能性がありますが、この点についてはまだ詳しく研究が進んでいません。

 

薬物や食品:特定の薬物や食品がHSPNの引き金になることがあります。

紫斑病性腎炎の症状は、紫斑

紫斑病性腎炎の症状は、紫斑です。紫斑とは、紫紅色や暗紫褐色の点状や斑状の皮下出血です。紫斑病性腎炎では、紫斑が必ず現れます。紫斑は下腿に現れることが多いです。

 

他にも、関節痛や腹痛も現れます。関節痛は約8割の人に見られ、軽い腫れが見られることもあります。腹痛は約6割の人に見られ、便に出血が見られることもあります。

 

多くの場合は、血尿や蛋白尿も現れます。全身倦怠感や微熱などが現れることもあります。

紫斑病性腎炎は、紫斑病の合併症として現れる腎臓の病気です。HSPNの主な症状は以下の通りです。

 

腎機能の障害:これはHSPNの最も重要な症状で、腎臓のフィルタリング能力が損なわれることによって起こります。尿中に血液(血尿)やタンパク質(蛋白尿)が現れることがあります。

高血圧:腎臓の機能障害により血圧が上昇することがあります。

浮腫:腎臓の機能不全によって体内に水分が滞留し、特に足や顔周りに浮腫が見られることがあります。

腹痛:HSPの一般的な症状で、HSPNでも見られることがあります。

関節痛:関節の痛みや腫れもHSPの典型的な症状で、HSPNにも見られる可能性があります。

皮膚の紫斑:紫斑はHSPの代表的な症状で、小さな赤い点や斑点として皮膚に現れます。これらは通常、下肢に多く見られます。

消化器症状:腹部の不快感、吐き気、嘔吐、または下痢などが起こることがあります。

倦怠感:全体的な体の不調や倦怠感を感じることがあります。

 

HSPNの判断は、これらの症状、血液や尿などを調べることによって行われます。

IgA腎症に対して行う扁桃摘出術とステロイドの点滴を行う

紫斑病性腎炎の改善方法は、安静にして現れている症状に対して改善を行うことです。症状の程度によっては、副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬を使って改善を行うこともあります。

 

最近ではIgA腎症に対して行う扁桃摘出術とステロイドの点滴を行うことが紫斑病性腎炎の改善にも効果を発揮するという報告もあります。

紫斑病性腎炎の改善方法は、症状の重さや腎臓の機能への影響の程度によって異なります。以下はHSPNの改善に用いられる主な方法です。

 

・症状に対する対処

疼痛管理:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)が関節痛や腹痛の管理に用いられることがあります。ただし、腎機能への影響を考慮して慎重に使用されるべきです。

高血圧の管理:血圧をコントロールするために、ACE阻害薬やARBといった降圧薬が処方されることがあります。

 

ステロイド

腎症状が中程度から重度の場合、経口ステロイド(例:プレドニゾロン)が使用されることがあります。ステロイドは炎症を抑える効果があり、腎臓へのダメージを軽減することが期待されます。

 

免疫抑制薬

重症の場合やステロイドに反応しない場合、免疫抑制薬(例:シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル)が考慮されることがあります。これらの薬は免疫システムを抑制することで、炎症の原因となる過剰な免疫反応を抑えます。

 

プラズマ交換

非常に重度の症状を示す場合、プラズマ交換が検討されることがあります。この方法では、血液中のプラズマを除去し、新しいプラズマやプラズマ代替物質で置き換えます。

 

対症的なサポート

適切な水分摂取、栄養バランスの取れた食事、安静などが重要です。

 

フォローアップとモニタリング

定期的に血液と尿を調べ、血圧を測定することが必要です。腎機能の変化をモニタリングし、計画の調整が行われます。

 

改善は個々の状態に応じて個別化されるため、専門医の指導のもとで行われるべきです。また、副作用や長期的な影響を考慮し、継続的なフォローアップが重要です。

紫斑病性腎炎の改善に使用される薬剤は、病状の重さ特定のニーズに基づいて選択されます。以下に、一般的に使用される主な薬剤の種類とその特徴を説明します。

 

・非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)

用途:関節痛や腹痛などの症状の緩和。

例:イブプロフェン、ナプロキセン。

注意点:NSAIDsは腎機能に影響を与える可能性があるため、HSPN患者では慎重に使用される必要があります。

 

ステロイド

用途:炎症を抑制し、腎臓の損傷を減少させる。

例:プレドニゾロン、プレドニゾン。

注意点:長期使用による骨粗鬆症、免疫抑制、体重増加、高血糖などの副作用があるため、通常は短期間で使用が制限されます。

 

免疫抑制薬

用途:重症のHSPNやステロイドに反応しない症例に使用。

例:シクロホスファミド、アザチオプリン、ミコフェノール酸モフェチル。

注意点:感染リスクの増加、骨髄抑制、胎児への影響などの重篤な副作用があるため、厳密な医師の監視の下で使用されます。

 

ACE阻害薬またはARB

用途:高血圧の管理と蛋白尿の減少。

例:リシノプリル(ACE阻害薬)、ロサルタン(ARB)。

注意点:妊娠中の女性や特定の腎臓の病気を持つ場合には適さない場合があります。

 

これらの薬は、状態、年齢、既存の健康状態、他の薬剤との相互作用などを考慮して、医師によって慎重に選択されます。病状の変化に応じて調整されることが一般的で、定期的なチェックと症状のモニタリングが必要です。

紫斑病性腎炎を発症したら

紫斑病性腎炎を発症して初期段階では安静にしておくことが必要です。改善した後は、日常生活を送る上で制限が必要になることはありません。

 

腎機能障害や蛋白尿が続いている場合は、食事の改善や高血圧の改善を行うことも大事になります。

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