公開日:2022年 5月23日
更新日:2023年 10月15日
本日は慢性閉塞性肺疾患について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
慢性閉塞性肺疾患の原因は、有害物質を肺に吸い込むことです。中でも1番多い原因はタバコで、慢性閉塞性肺疾患の原因の約9割を占めていると言われています。
喫煙している人全体の約2割が慢性閉塞性肺疾患をを発症するといわれていますが、長い期間喫煙を続け、年齢を重ねると発症の頻度が高くなります。
これは、慢性閉塞性肺疾患の発症は、長い期間、有害物質が肺を刺激することで気管支に炎症が起き、気管支が細くなり、多くの痰が分泌され、空気の流れが悪くなることで起きるためです。
タバコ以外には、大気汚染などが原因となることもあります。
慢性閉塞性肺疾患は、気管支炎や肺気腫といった病気の集合体であり、慢性的な呼吸器症状と肺機能の低下が特徴です。COPDの主要な原因は喫煙であり、長期にわたるタバコの使用が肺組織の損傷を引き起こし、最終的にCOPDを発症させる場合が多いです。
・喫煙
喫煙はCOPDの最も一般的な原因であり、多くは現在もしくは過去に喫煙歴があります。タバコの煙に含まれる化学物質や刺激物が気道に炎症を引き起こし、長期にわたって肺組織を損傷することで、肺機能の低下を引き起こします。
・大気汚染
大気汚染もまた、COPDの原因の一つです。排気ガスや工業排出物、さらには家庭内での煮炊きや暖房の際に発生する煙などが、気道に炎症を引き起こし、肺機能を低下させることがあります。
・職場の有害物質
一部の職業において、有害な物質や粉塵に長期間曝露することで、COPDの発症リスクが高まります。例えば、石炭鉱山や金属加工、建築業などで働く人々は、肺機能の低下を引き起こす可能性があります。
・呼吸器感染症
小児期や青年期に重度の呼吸器感染症にかかると、肺組織が損傷し、成人後にCOPDを発症するリスクが高まります。
・遺伝
遺伝的な要因もCOPDのリスクを高める可能性があります。例えば、α1-アンチトリプシン欠損症という遺伝性の病気があると、肺気腫を発症するリスクが高まります。
・年齢
年齢もCOPDのリスク因子の一つです。加齢に伴い、肺の弾力性が低下し、呼吸器の機能が衰えることで、COPDを発症しやすくなります。
これらがCOPDの主な原因となりますが、それぞれの原因が複雑に絡み合って病気を引き起こす場合もあります。例えば、喫煙歴があり、かつ大気汚染の影響を受けている場合、COPDを発症するリスクがさらに高まる可能性があります。
慢性閉塞性肺疾患の代表的な症状は、息切れや長い期間続く咳や痰です。息切れは、階段を上ったり下りたりしている時や少し長い時間歩いた時に現れます。人によっては、喘息のような症状が出ることもあります。
慢性閉塞性肺疾患は進行性のため、放っておくとだんだんと悪くなっていきます。症状が進むと、少し体を動かしただけで息苦しさが現れるようになり、日常生活に大きな影響を及ぼします。
慢性閉塞性肺疾患が及ぼす影響は、肺だけではありません。全身性の炎症や心血管に関わる病気、糖尿病、骨粗しょう症などにも影響すると言われています。
場合によっては、呼吸不全や心不全などの命に危険があります。
COPDは、呼吸器症状と肺機能の低下が特徴的な病気です。COPDの症状は病状の進行や個人差によって異なるため、ひとりひとりの症状が異なります。ここでは、COPDの一般的な症状について詳しく解説いたします。
・咳
COPDの症状の一つとして、慢性的な咳があります。特に喫煙者や元喫煙者のCOPDの発症者に多く見られ、そのため「喫煙者の咳」とも呼ばれることがあります。咳は気道の炎症や狭窄、分泌物の増加などが原因で引き起こされます。
・喀痰
喀痰はCOPDの主要な症状の一つであり、咳とともに痰が出ることが一般的です。痰の色や量は病状や感染の有無によって異なります。感染がある場合、痰は黄色や緑色を呈することがあります。
呼吸困難:
呼吸困難はCOPDの代表的な症状であり、活動時や安静時にも呼吸が苦しいと感じることがあります。これは、肺の弾力性の低下や気道の狭窄、炎症などが原因で発生します。
・息切れ
息切れもCOPDの主要な症状の一つであり、特に運動時に顕著になることがあります。息切れは、肺の酸素交換能力の低下や心機能の低下が原因で発生することがあります。
・胸の圧迫感
胸の圧迫感や痛みもCOPDの症状の一つであり、気道の狭窄や肺気腫による肺の膨張が原因で発生することがあります。
・喘鳴
喘鳴は、気道の狭窄による空気の乱流が原因で発生し、呼吸時にヒューヒューという音がすることを指します。喘鳴は通常、運動時や夜間に顕著になることがあります。
・鼻づまり
鼻づまりもCOPDの症状の一つであり、気道の炎症や粘膜の腫れが原因で発生することがあります。
これらの症状はCOPDの一般的なものであり、個人差があります。症状の程度や頻度は病状や合併症の有無によって異なります。また、COPDの進行によって症状が悪化することがあります。
慢性閉塞性肺疾患の根本的な改善方法は今のところありません。しかし、将来的なリスクを減らすことはできます。
薬を使って改善に取り組むときは、気管支を広げて呼吸を楽にするために気管支拡張薬を使います。多くの場合は、いくつかの吸入薬を組み合わせて使います。
他にも、痰が出ている場合はを抑えるための薬を使ったり、症状の程度が重い場合は吸入ステロイド薬を使ったりすることもあります。
喫煙している場合は、禁煙をすることが大事です。薬を使った改善方法以外では、呼吸法のリハビリテーションが行われます。さらに、薬を使っても症状が改善しない場合は手術によって膨張した肺の一部を切除することもあります。
慢性閉塞性肺疾患の改善には、薬、酸素の補充、リハビリテーション、手術などが含まれます。これらの方法は、症状の軽減、合併症の予防、生活の質の向上を目的としています。
・薬
COPDの薬は、気道の拡張、炎症の抑制、感染症の予防や改善などが主な目的です。
長時間作用型β2刺激薬(LABA)と長時間作用型抗コリン薬(LAMA):これらの薬剤は気道の拡張を助け、呼吸を楽にします。一般的には吸入型の薬剤が使用されます。
短時間作用型β2刺激薬(SABA)と短時間作用型抗コリン薬(SAMA):これらの薬剤も気道の拡張を助けますが、作用時間が短いため、症状が悪化した際の「救急薬」として使用されます。
吸入ステロイド:吸入ステロイドは炎症を抑制し、呼吸を楽にします。ただし、長期使用には副作用があるため、注意が必要です。
ロホスチンキナーゼ阻害薬:これは新しい薬剤で、気道の炎症を抑制し、気道リモデリングを防ぐことで、COPDの進行を遅らせる可能性があります。
・酸素の補充
COPDの進行により、体内の酸素濃度が低下することがあります。酸素療法は、体内の酸素濃度を適切なレベルに保つことで、呼吸困難を軽減し、生活の質を向上させます。
・リハビリテーション
COPDのリハビリテーションには、運動、呼吸法、栄養指導などが含まれます。運動は、体力の向上と呼吸困難の軽減を目的としています。呼吸法は、効率的な呼吸を行い、呼吸困難を軽減することを目的としています。栄養指導は、適切な栄養状態を保ち、体力の向上を目的としています。
・手術
COPDの手術には、肺気腫の手術、気管支形成術、肺移植などがあります。これらの手術は、病状が進行している場合や薬などの非外科的方法が効果を示さない場合に検討されます。
以上がCOPDの主な改善法です。COPDの改善方法は、病状や状態により異なりますので、医師とよく相談し、適切な方法を選択することが重要です。
慢性閉塞性肺疾患の改善方法では、病状の進行や症状の重篤度によって手術が検討されることがあります。
・肺容量減少手術(LVRS)
肺容量減少手術(Lung Volume Reduction Surgery, LVRS)は、肺気腫のある部分を切除して肺の容量を減少させ、残りの健康な肺組織の機能を向上させることを目的とした手術です。この手術は、肺気腫が局所的にある場合や、全体的な肺気腫の中でも特定の部分が進行している場合に適しています。
・気管支形成術
気管支形成術は、気管支の拡張や形成を行い、気道の通りを良くする手術です。気管支の狭窄や閉塞がある場合に行われます。
・肺移植
肺移植は、COPDの進行が著しい場合や他の方法が効果を示さない場合に検討されることがあります。肺移植では、健康な肺を提供者から受け取り、患者さんの病気の肺と交換します。
・その他の手術
他にも、気胸の改善や感染症の改善のために手術が行われることがあります。
これらの手術は、リスクが伴うこともあり、適応条件が厳しい場合があります。そのため、病状や症状の程度、全身状態などを総合的に評価し、医師とよく相談の上で適切な手術方法を選択することが重要です。
慢性閉塞性肺疾患を防ぐために1番大事なことは、禁煙をすることです。最近は、病院でも禁煙の相談を受けてくれる病院が多いです。そのため、呼吸器内科の医師などに相談することをお勧めします。
さらに、インフルエンザや細菌性肺炎を合わせて発症してしまうと、悪化することが多いと言われています。そのため、慢性閉塞性肺疾患を発症した場合はインフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種が勧められています。
家族や介助する人も感染させることを避けるためにワクチンの接種が勧められています。
・天突
・太淵
・少沢
天突の効果は、喉の痛みや息切れ、しゃっくりや咳、喉の違和感や声の掠れなどです。天突は、喉に現れる色々な症状を和らげることに効果を発揮するのです。
慢性閉塞性肺疾患では、息切れが現れたり長い期間咳が現れたりします。そのような症状を改善するために、効果が期待できるツボなのです。
太淵は、肺の元となるツボです。慢性閉塞性肺疾患の主な原因はタバコです。そのため、大淵を刺激をすることによって症状を和らげることが期待できるのです。
効果のあるとされている症状としては、喉の痛みや痰などの喉に現れる症状や鼻づまりや鼻水などの鼻に現れる症状です。
少沢の効果は、胸の苦しさや咳を和らげることです。慢性閉塞性肺疾患では長い期間咳や痰が続くことがあります。このような症状を改善するために役立つツボなのです。
少沢は他にも、頭痛や目の病気、口の渇き、扁桃腺炎などにも効果を発揮すると言われています。
天突の場所は、 左右の鎖骨を直線で結んだとき、中央にあたる部分にあるくぼんでいる場所です。
押すときに注意をすることは強く押しすぎないことです。天突は喉の部分にあるツボで、喉は体の中でも繊細な部分のため、押しすぎには注意が必要なのです。静かに押しましょう。
太淵のある場所は手首で、親指側の付け根のくぼんでいる場所です。探すときは、手首の親指側の付け根のくぼみを触り、動脈の脈を感じることができる場所を探しましょう。
かぜがなかなか改善しない時には、米粒などの小さなものを絆創膏でツボに貼ることでより高い効果が期待できます。
少沢の場所は、小指の外側の爪の付け根です。
症状が強い方を強くない方の親指の爪で痛いと感じるくらいの力加減で押すと、より症状の改善に効果を発揮すると言われています。