公開日:2021年 7月23日
更新日:2023年 12月11日
本日は尿失禁について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
尿失禁は、自分の意思と関係なく尿が漏れてしまうことです。尿失禁にはいくつかの種類があります。
1つ目は腹圧性尿失禁です。これは、重い物を持ち上げた時や急に走った時、笑った時や咳やくしゃみをした時などに起こります。お腹に力を入れたことによって漏れてしまう場合が腹圧性尿失禁なのです。
2つ目は切迫性尿失禁です。これは、急に強い尿意が起こります。急に起こるため、トイレに行く前に漏れてしまいます。過活動膀胱という病気の症状として現れることもあります。
腹圧性失禁と切迫性失禁の両方を合わせて持っている場合もあります。
他にも基礎疾患があることによって尿塀状態で尿が溢れてしまう溢流性尿失禁や、運動機能の障害や認知症などによってトイレが分からなかったり排泄の行為ができなかったりすることで起こる機能性尿失禁があります。
尿失禁の原因は、種類によって様々です。主に加齢や骨盤底筋の衰え、骨盤臓器脱、前立腺肥大症、膀胱過剰な活動などです。
膀胱が過剰になっていることが原因の場合、根本の原因として脳梗塞や脳出血、パーキンソン病、脊柱管狭窄症などの神経に関係する病気が関係していることもあります。
いろいろな原因がありますが、原因不明の場合も多く、ストレスがきっかけとなって起こることもあると考えられています。
女性の場合、膀胱や尿道、子宮などの骨盤の中の臓器を支えるための骨盤底筋群が緩むことが原因となることも多いです。骨盤底筋が緩むと、骨盤の中にある臓器がきちんと支えられなくなるため尿失禁が起こるのです。
骨盤底筋群が緩む要因としては、妊娠や出産、加齢や肥満、閉経などで女性ホルモンが低下することなどがあります。
病気などによって脳と膀胱での情報の伝達がきちんとできていない場合に起こることもあります。
尿失禁は、さまざまな原因で尿が意図せずに漏れる状態を指します。主要な原因は次の通りです。
ストレス性尿失禁:咳、くしゃみ、笑う、運動するなどの際に腹圧が上昇し、尿が漏れる状態。主に骨盤底筋の弱化が原因で、出産、手術、加齢などが要因です。
切迫性尿失禁:突然の強い尿意と同時に尿が漏れる状態。膀胱過活動症など、膀胱の筋肉が異常に収縮することが原因です。
混合型尿失禁:ストレス性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の特徴を持つ状態。
過負荷性(溢流性)尿失禁:膀胱が過剰に満たされ、尿が漏れる状態。前立腺肥大、神経障害、尿道の閉塞などが原因です。
機能的尿失禁:身体的または精神的な問題により、トイレに間に合わせることができない状態。高齢者や認知症の患者に多く見られます。
膀胱の拡張不全:膀胱が十分に拡張しない、または尿を完全に排出しきれない状態。
神経障害:脊髄損傷、多発性硬化症、糖尿病性神経障害など、神経系の障害が尿失禁を引き起こすことがあります。
薬剤の副作用:利尿剤や精神安定剤、抗コリン薬など、特定の薬剤が尿失禁を引き起こすことがあります。
尿失禁の症状は、尿が漏れてしまうことです。種類によって尿が漏れる状況や伴う症状に少しずつ違いがあります。
多くの切迫性尿失禁の場合は、頻尿が現れます。そのため、トイレに行く回数が増えたり、外出している時に不安やを感じたりすることもあります。
尿失禁は、意図せずに尿が漏れる状態で、様々な形で現れることがあります。主な症状は以下の通りです。
ストレス性尿失禁:咳、くしゃみ、笑う、運動するといった活動時に尿が漏れる。軽い身体活動でも尿が漏れることがある。
切迫性尿失禁:突然の強い尿意があり、トイレに間に合わないうちに尿が漏れる。夜間も頻繁に尿意を感じ、尿が漏れることがある(夜間頻尿)。
混合型尿失禁:ストレス性尿失禁と切迫性尿失禁の両方の症状がある。
過負荷性(溢流性)尿失禁:常に尿道に圧力がかかっているため、常に少量の尿が漏れる。尿流が細い、尿が完全に排出しきれない感じがする。
機能的尿失禁:身体的または認知的な障害により、トイレに間に合わせることができない。
夜間尿失禁(夜尿症):主に子どもに見られ、夜間にベッドで尿を失禁する。
尿失禁は多くの場合、社会的または心理的な問題を引き起こす可能性があるため、適切な判断と改善が重要です。症状が見られる場合は、泌尿器科や婦人科の専門医に相談することをお勧めします。
尿失禁の改善方法は、原因を改善することです。
腹圧性尿失禁の場合、骨盤底筋を鍛えるトレーニングを行い改善に取り組みます。改善が見られない場合には手術を行うこともあります。
切迫性尿失禁の場合は、主に薬を使って改善を行います。膀胱の過剰な収縮を抑えるために抗コリン薬を使ったり膀胱の筋肉を緩めるためにβ3受容作動薬を使ったりします。
膀胱のトレーニングを行うことも大切です。飲む水の量をコントロールしたり尿意を我慢する訓練を行ったりするのです。
病気が原因の場合は病気を改善することが尿失禁の改善につながります。機能性尿失禁の場合は、決まった時間にトイレに行く習慣を身につけることが大切です。
尿失禁の改善法は、尿失禁のタイプおよび原因に基づいて異なります。以下に、尿失禁の一般的な改善法を紹介します。
生活習慣の改善:尿失禁に影響を与える可能性のある要因(例:カフェインやアルコールの摂取、喫煙、過剰な水分摂取)を減らす。体重管理と適度な運動。定期的な排尿スケジュールの設定。
骨盤底筋トレーニング:ケーゲル運動としても知られる、骨盤底筋を強化するエクササイズ。特にストレス性尿失禁に有効です。
薬:切迫性尿失禁には、抗コリン薬(オキシブトニン、トルテロジン)やベータ3アドレナリン受容体作動薬(ミラベグロン)が使用されることがあります。ストレス性尿失禁の場合、局所的なエストロゲンが有効な場合があります。
外科的手術:他の方法が効果がない場合、特にストレス性尿失禁に対して外科的手術が検討されます。スリング手術やブラダーネックサスペンション手術が一般的です。
尿道挿入デバイス:尿道プラグやペッサリーなど、尿道を物理的に支えるデバイスが用いられることがあります。
神経刺激法:脊髄神経刺激や仙骨神経刺激など、神経を刺激して膀胱の機能を改善する方法があります。
ビオフィードバック:尿失禁の管理に役立つ骨盤底筋の適切な使い方を学ぶための技術。
尿失禁の改善は個々の状況やニーズに合わせて行われるべきです。症状がある場合は、専門医に相談することが重要です。
尿失禁の改善に使用される薬は、尿失禁のタイプ(切迫性尿失禁、ストレス性尿失禁、混合型尿失禁)によって異なります。以下に、それぞれのタイプに対して一般的に使用される薬を挙げます。
・切迫性尿失禁(過活動膀胱)に対する薬
抗コリン薬: 膀胱の筋肉の過剰な活動を抑える。例えばオキシブトニン(ディトロパン)、トルテロジン(デトロール)、ソリフェナシン(ベシケア)、ダリフェナシン(エネブレックス)など。
ベータ3アドレナリン受容体作動薬: 膀胱の平滑筋をリラックスさせる。例えばミラベグロン(ミラベトリック)。
・ストレス性尿失禁に対する薬
ストレス性尿失禁に対する特定の薬は限られていますが、場合によっては以下のような薬が用いられることがあります。
局所エストロゲン: 膣内のエストロゲンクリームやリングを使用して、尿道周囲の組織を強化します。
・混合型尿失禁に対する薬
混合型尿失禁では、上記の切迫性尿失禁とストレス性尿失禁の薬が組み合わせて使用されることがあります。
これらの薬は副作用を伴うことがあり、特に高齢者では注意が必要です。抗コリン薬は口渇、便秘、視覚障害などの副作用があります。ミラベグロンは高血圧のリスクを高めることがあります。
特に女性は閉経をすると骨盤底筋が弱くなることが多いです。そのため、閉経が近づいた時、骨盤底筋を鍛えるトレーニングを習慣にすることで骨盤底筋の衰えによる尿閉塞の予防をすることができます。
骨盤底筋を鍛える簡単なトレーニングとしては、あお向けに寝て足を肩幅にひらき、両膝を曲げて立て、尿道と肛門と膣を閉めて止めて緩めることを繰り返すことがお勧めです。
尿失禁が起きると、外出することが難しくなったり苦痛を感じたりしてしまいます。早くから予防に取り組み、症状があった場合は我慢せず病院に行くことをお勧めいたします。
・中極
・次髎
・水泉
中極は、尿のトラブルに特に効果的であるとされています。中極は、下腹部にあり膀胱にも近い位置にあるツボであることから、刺激することで、尿の排出のリズムが整います。
尿失禁の他にも、頻尿や生理痛、生理不順、前立腺肥大症などにも効果的です。
次髎は、骨盤や臓器の血流に関係しているツボです。そのため、排尿障害や生殖器の問題、腰痛や冷え性などに効果的です。
子供の夜尿症の改善のためにもよく使われるツボです。
水泉は、体の中の水分代謝を助ける作用があります。そのため、排尿障害や浮腫などに効果的なツボです。
さらに、ホルモンバランスを整える効果もあります。生理の期間によく浮腫という悩みがある人にはおすすめのツボなのです。
中極は、恥骨の上にあるツボです。恥骨から指2本分上に上がったところにあります。
押すときは、仰向けになり、中指を中心に3本指を使って押します。骨盤に向けて押すことを意識して押すと良いでしょう。
次髎は、仙骨にあるくぼみにあります。
押すときは、仰向けの状態になると押しやすいです。押すだけではなく、カイロで温める方法も効果的です。
水泉は、かかとと内くるぶしを結んだ線の中間にある骨のへこみにあります。
押すときは、親指の腹を使って押します。3秒間かけてゆっくりと押し込むようにツボを押しましょう。2~3回繰り返して押すことをお勧めします。
11時から21時
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11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始