公開日:2023年 1月 3日
更新日:2023年 10月 4日
本日は過敏性肺炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
過敏性肺炎は、有機物の粉塵や化学物質などの抗原が原因で発症するアレルギー性肺炎のことです。過敏性肺炎の発症がよく見られる年齢は、30~50歳代といわれています。
発症は、どの季節でも年間を通じて発症は見られますが、中でも春から秋にかけて発症が多く見られます。特に高温多湿になる夏に発症することが多いとされています。夏型過敏性肺炎と呼ばれることもあります。
何度も繰り返して原因になる抗原を吸い込むことによってアレルギー反応が起こり、肺胞や細気管支の中や周りに炎症が起こり、過敏性肺炎を発症します。過敏性肺炎を発症すると、咳や息切れ、発熱などの症状が現れます。
過敏性肺炎の原因は、有機物の粉塵や化学物質などの抗原です。過敏性肺炎は、抗原を吸い込むことによって、リンパ球が抗原に対して反応し、肺の中にリンパ球が増えて炎症が起こることで発症すると考えられているのです。
原因となる抗原は300以上あると言われています。
カビの生えた穀物や干し草の中にいる菌、エアコンや加湿器にいる菌など色々な菌が原因となりますが、中でも原因になる頻度が高いものはカビで、カビの中でも木造の古い家に生息するトリコスポロンという真菌が原因になることが多いです。
菌の好む環境は、一般的に高温多湿です。そのため、過敏性肺炎は夏に発症することが多く、夏型過敏性肺炎と呼ばれることもあります。
他にも、きのこの胞子、鳥類の糞または羽に含まれるタンパク質、イソシアネートなども過敏性肺炎の原因となることのある抗原です。
過敏性肺炎は、アレルゲンや有害物質への過敏反応が原因で起こる肺の炎症反応であり、さまざまな物質が原因となります。
・有機性粉塵への曝露
過敏性肺炎の原因として最も一般的なものが、農業や飼育環境で見られる有機性粉塵への曝露です。これには、カビやバクテリア、動物の毛やふんなどが含まれます。例えば、農業従事者がカビの生えた穀物や干草に触れることで発症する「農夫肺」や、鳥の羽やふんに含まれるアレルゲンに反応して発症する「鳥飼い肺」などがあります。
・化学物質や薬剤への曝露
化学物質や薬剤が原因で過敏性肺炎を引き起こすこともあります。これには、塗料や接着剤、溶剤などの有害な化学物質や、薬剤の粉末などが含まれます。例えば、ペンキや接着剤の蒸気を吸入することで発症する「ペンキ職人肺」や、薬剤の粉末を吸入することで発症する「薬剤師肺」などがあります。
・金属や無機物への曝露
金属や無機物が原因で過敏性肺炎を引き起こすこともあります。これには、鉱石の粉塵や金属の蒸気などが含まれます。例えば、アルミニウムやバリウムなどの金属粉末を吸入することで発症する「金属熱肺」や、無機物の粉末を吸入することで発症する「無機物肺」などがあります。
・室内環境の悪化
近年、室内環境の悪化が原因で過敏性肺炎が発症するケースも増えています。これには、エアコンや加湿器から発生するカビやバクテリア、ペットの毛やふんなどが含まれます。例えば、エアコンや加湿器の水槽に繁殖したカビやバクテリアに反応して発症する「家庭内肺炎」や、ペットの毛やふんに含まれるアレルゲンに反応して発症する「ペット肺」などがあります。
以上が、過敏性肺炎の主な原因となるものですが、他にもさまざまな物質が原因となりうるため、環境や生活習慣を詳しく調査し、原因を特定することが重要です。
過敏性肺炎の典型的な症状は、乾いた咳や運動時の息切れ、発熱などです。ただし、症状やどのように発症するのかということについては急性か亜急性か慢性によって違います。
急性の場合、高濃度の抗原を吸い込んでから4~8時間後に咳や息切れ、発熱、悪寒、胸の痛みなどが現れます。場合によっては吐き気や嘔吐、食欲不振が見られることもあります。
亜急性の場合、数日から数週間、咳や息切れ、疲労や食欲不振などの症状が現れます。
慢性の場合、長い期間にかけて低濃度の抗原にさらされることで、数ヶ月から数年かけて咳や息切れ、疲労、体重減少の症状が現れます。慢性的な炎症によって少しずつ肺の線維化が進み、呼吸不全に陥る危険もあります。
過敏性肺炎は、特定のアレルゲンや有害物質に反応して肺に炎症が起こる病気です。これにより、多種多様な症状が引き起こされます。以下は、過敏性肺炎の主な症状についての詳細な説明です。
・呼吸困難
過敏性肺炎の代表的な症状の一つが呼吸困難です。肺に炎症が起こると、肺胞の壁が厚くなり、ガス交換が困難になります。これにより、体内の酸素濃度が低下し、呼吸が困難になるのです。呼吸困難の程度は軽度から重度まで様々であり、悪化すると生命を脅かすこともあります。
・咳
咳も過敏性肺炎の一般的な症状であり、炎症により気道が刺激されることで起こります。咳は通常乾いた咳であり、痰を伴うことは少ないですが、場合によっては黄色や緑色の痰が出ることもあります。
・発熱
過敏性肺炎では、体温が上昇することがあります。これは炎症反応によるもので、体温が38度以上になることもあります。発熱の程度や持続時間は個人の状態や病状によって異なります。
・体重減少
過敏性肺炎により、食欲が低下し、体重が減少することがあります。これは病気の進行に伴い、栄養状態が悪化するためです。
・全身倦怠感
過敏性肺炎にかかると、全身倦怠感を感じることがあります。これは体が炎症と戦うためにエネルギーを消費するためであり、疲れやすくなります。
・胸痛
胸痛も過敏性肺炎の症状の一つであり、胸の痛みや圧迫感を感じることがあります。これは肺の炎症が胸膜に及ぶために起こります。
・関節痛
過敏性肺炎では関節痛を感じることがあります。これは炎症が関節に影響を及ぼすためであり、関節が赤く腫れることもあります。
これらの症状は、過敏性肺炎の進行や状態によって異なることがあります。また、過敏性肺炎の原因となる物質には個人差があるため、同じ物質に反応しても症状が異なることがあります。
過敏性肺炎を改善するためには抗原を避けることが大事です。抗原を避けることで症状が軽い場合は改善します。
再び過敏性肺炎を起こさないためにも、抗原を避けることは大事です。原因になる抗原が家や職場にある場合には環境を変えることが必要になることもあります。
症状が中等度以上の場合は、ステロイド薬を使って改善を行います。また、肺の酸素を取り込む能力が下がっている場合は、自宅で酸素を投与する方法を行うこともあります。
過敏性肺炎は、アレルゲンや有害物質に対する過敏反応が原因で起こる肺の炎症で、改善方法は多岐にわたります。
・原因物質の避難
過敏性肺炎の最も重要な改善法の一つが、原因物質からの避難です。原因物質を避けることで、肺への刺激が減少し、炎症が抑えられるため、症状が軽快します。具体的には、原因物質がカビやバクテリアの場合は、湿気を避けて室内環境を改善し、ペットが原因の場合はペットとの接触を避けるなどがあります。
・薬
過敏性肺炎の症状を抑えるために、薬での改善が行われることがあります。、ステロイド薬、免疫抑制薬、症状や病状によっては、抗生物質や抗真菌薬、抗ウイルス薬などが用いられることもあります。
・酸素の補充
呼吸困難が強い場合、酸素の補充が行われることがあります。この方法では、体内の酸素濃度が増加し、呼吸が楽になります。
・リハビリテーション
過敏性肺炎に対して、呼吸リハビリテーションが行われることがあります。呼吸リハビリテーションは、呼吸筋の強化や呼吸法の指導を通じて、呼吸困難の軽減を図ります。
・生活習慣の改善
過敏性肺炎では、喫煙の禁止や運動の促進など、生活習慣の改善が求められます。喫煙は肺の炎症を悪化させるため、避けるべきです。
過敏性肺炎の改善方法は、症状や病状によって異なります。適切な改善法を選択するためには、医師の診断や指導が不可欠です。
過敏性肺炎の改善には様々な薬が使用されます。主な薬とその特徴について以下に説明します。
・ステロイド薬
過敏性肺炎の改善において最も一般的に使用されるのがステロイド薬です。ステロイド薬は強力な抗炎症作用があり、肺の炎症を抑えることで症状の改善を図ります。代表的なステロイド薬にはプレドニゾロンがあります。ただし、ステロイド薬は長期間使用すると副作用が心配されるため、医師の指示に従い適切な用量と期間で使用することが重要です。
・免疫抑制薬
ステロイド薬だけでは効果が不十分な場合や、副作用が心配される場合には、免疫抑制薬が使用されることがあります。免疫抑制薬は、免疫反応を抑制することで炎症を抑える効果があります。代表的な免疫抑制薬にはアザチオプリンやシクロフォスファミドなどがあります。
・抗生物質
過敏性肺炎の原因となるバクテリアに対しては、抗生物質が使用されることがあります。代表的な抗生物質にはペニシリンやマクロライド系などがあります。
・抗真菌薬
過敏性肺炎の原因となる真菌に対しては、抗真菌薬が使用されることがあります。代表的な抗真菌薬にはイトラコナゾールやアムホテリシンBなどがあります。
・その他の薬剤
過敏性肺炎に伴って発症する可能性のあるその他の症状に対しても薬での改善が行われることがあります。例えば、咳を抑えるために抗咳嗽薬が使用されることがあります。
過敏性肺炎は、症状が現れる速さによって急性、亜急性、慢性に分かれています。
急性の過敏性肺炎は原因になる抗原を吸い込んでから4~8時間経った後に症状が現れます。亜急性の過敏性肺炎の場合は原因になる抗原を吸い込んでから数日から数週間経った後、発症します。
慢性の過敏性肺炎の場合は、長い期間をかけて何度も繰り返し抗原を吸い込むことで発症します。その期間は、数ヶ月のこともあれば数年のこともあります。慢性の場合は、少しずつ症状が進んでいきます。
また、慢性的な炎症が起こることによって肺が厚く硬くなる線維化が起こり、呼吸不全に陥る可能性があります。
・肺兪
・尺沢
・雲門
肺兪は、ツボの名前に肺が入っているように、風邪をひいた時や咳がひどい時、喘息で息苦しい時などに効果を発揮するツボです。
肺兪は、風邪をひきやすい人、関谷鼻水、首や肩のこりなど風邪によって現れている症状で困っている人、気管支炎を発症している人、ぜんそくなど呼吸器の弱い人などにおすすめのツボなのです。
他にも、肌荒れやニキビ、吹き出物に悩んでいる人にもおすすめです。
尺沢は、咳や鼻水、口や喉の渇きなどの風邪の症状を和らげたり精神の高ぶりを抑えたりする効果があります。そのため過敏性肺炎にも効果を発揮します。
他にも、憂鬱な気分である時や気が重い状態の時にもおすすめのツボです。
雲門は、喘息や喉の痛み、長く続く咳や風邪、花粉症などに効果を発揮するツボです。
肺の問題に効果を発揮するのは、雲門が肺の気と手足の熱を瀉す作用があるとされているためです。そのため、肺の症状の他にも、肩の痛みや風邪などによる手足の熱などにも効果的です。
肺兪は、左右両側にあるツボで、 肩甲骨と背骨の中間で肩甲骨の縦の長さの中間にあります。
押すこともようですが、お灸や使い捨てカイロなどで温めることで胸まで温まるため、呼吸が苦しい時などにはより効果的です。
尺沢は、ひじの内側にあるツボです。軽くひじを曲げた時、太い腱が出てくるところのすぐ外側のくぼんだ場所にあります。
押すときは、親指で少し強めに約20回押しましょう。尺沢を押した時、痛みを感じる場合は、外邪に負けかかっているかもしれません。軽く刺激をしましょう。
雲門は、左右の鎖骨の下から肩の関節へ向けて指をすべらせたとき指が止まる少しへこんだ場所にあります。
押すときは、ゆっくりと痛気持ちいいくらいの力加減で押しましょう。3秒押し、3秒かけて離すことをお勧めします。
11時から21時
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11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始