鍼灸の効果の出し方【自律神経反射の解説】

自律神経について詳しくなりたい方

  • 自律神経ってなに?
  • 内臓反射とは?
  • 自律神経失調症て、言われたけどよくわからない。

 

 

自律神経の解説と鍼灸の効果についてお話します。

○本ページの内容
  1. 自律神経について理解できる。
  2. 自律神経反射がわかる。
  3. 痛みと自律神経についてわかる。
  4. 鍼と自律神経がわかる。
  5. 自律神経失調症についてわかる。

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

自律神経について

自律神経とは?

 
 
自律神経は、循環器、消化器、呼吸器などの活動を調整するために、24時間働き続けている神経です。
 
すべての内臓、全身の血管や分泌腺を支配し、自分の意思ではコントロールが難しいです。
体の活動時や昼間に活発になる交感神経と、安静時や夜に活発になる副交感神経があります。
 
交感神経副交感神経の働きは実際に目で確かめることができるのでしょうか?
 
 
実は意識して見ようとすれば見えるのです。

交感神経  ⇒ 瞳孔が拡大

副交感神経 ⇒ 瞳孔が縮小

怒ってる人の目をみると、交感神経が働いているのできっと瞳孔は開いていると思います。
なかなか怒ってる人の瞳孔を確認する余裕はないかと思いますが・・・。
他人が怒ってるのを凝視するのが恐ければ、自分が激怒してる時に鏡をみてみると違いがわかるかもしれません。
 
 
交感神経
脳の興奮=緊張状態と考えてみてください。
 
喉がカラカラに乾き、心拍数は上がりドキドキします。
こんな状態のときに、なかなかトイレいに行こうかなとか思わないはず。
交感神経が働くと胃の消化の働きが起こりにくくなります。
胃液や腸液の分泌が減り、それが長く続くと便秘になります。
気管支は呼吸がしやすいように広がります。
副交感神経

副交感神経は交感神経の反対です。

喘息の人が夜に症状がでやすいのは副交感神経が優位になって気管支が狭くなることも理由の一つです。

 

過度なストレスにより自律神経が乱れることによっていいろいろな体の不調が現れます。

自律神経の反射

自律神経の反射は次の3つに分けられます。
1.内臓-内臓反射
2.内臓-体制反射
3.体制-内臓反射
内臓反射ってあまり聞きなれない言葉だと思いますので、まずは自律神経について簡単に説明します。
自律神経って何?と聞かれると説明できる人は少ないかもしれません。
 
目に見えないものを説明するってちょっと難しいですよね。
 
 
まずは自律神経と痛みについて簡単に書いていきます。

痛みと自律神経

 
 
ヒトの体は全身に神経がはりめぐらせています。
サボテンの棘に触って痛い!と感じるのも神経が脳に痛みを伝えています。
 
 
 
 
受容器
 
鍼灸を受ける時、痛い時と痛くない時がありますね。
 
鍼を刺す深さや場所によっても痛みの感じ方が違います。
 
 
例えば、手のひらは背中よりずっと敏感です。
それは手のひらの方が、痛みの神経を感じる受容器とよばれるものの密度が高いからです。
 
 
 
 
 
神経の太さ
 
 
痛みの感じ方は神経の太さによって変わります。
 
表のAδとCを比べてみてください。Aδの方が神経が太いです。
太い方が先に刺すような痛みを脳に伝えます。
 
Cの細い神経はうずくような痛みをつたえます。
 
 
【神経の種類直径(μm) 機能】

α 12~20 筋・腱・骨格筋
β 8~10 皮膚の触覚・圧覚
γ 2~8 皮膚の触覚・圧覚
δ 1.5~3 痛覚(刺すような痛み)、圧覚・温冷覚
1~3 交感神経の節前繊維
0.2~1 痛覚(うずくような痛み)・圧覚・温冷覚・アトピー性皮膚炎など痒み
 
 
 
指などで感じた痛みなどの感覚は神経を伝わって脳に伝わります。
感情も同様に脳が関連しています。
このことから痛みの感覚とその時の感情は関係があると言われています。
 
 
実際に皆さんも肩や首の痛みが、何かに集中しているときや遊びに行った時はあまり痛みを感じないなんて経験があるのではないでしょうか。
 
 
 
 
 
《余談》
 
痛みについてはまだ解明できていないことが多くあります。
 
例えば最近まで魚は痛覚がないのではないかと考えられていました。
なので、魚の踊り食いもスポーツフィッシングも特に大きな批判がなく行われていたとも考えられますが、最近の研究では魚も痛覚があるのではという疑問がでているようです。
 
もし痛覚があるとはっきりわかれば魚の踊り食いなどは禁止されるかもしれませんね。

鍼と自律神経

鍼灸と自律神経について

 
 
まずは自律神経の反射をまとめた表を見てください。
 
内臓-内臓反射

これは食べ物を口にしたあと胃にそれが到達し、

その刺激によって消化液などが出ます。

内臓ー体制反射
激しい腹痛が起きた時、腹筋が緊張することがあります。
また膀胱に尿がたくさん溜まると、尿意を感じて尿道の筋肉
が調整されるのもこの反射になります。
 
体制ー内臓反射
鍼灸治療はこのメカニズムを利用した治療です。
皮膚や、筋肉からの感覚を体制感覚といいます。
鍼をするとどうなる?
 
例えば寒いという外からの刺激は、体の中にはる血管を収縮させます。
そうすると末端にまで血液が行きにくくなり指先が冷たくなったりする現象が起きます。
 
鍼を刺すことで、ホルモンが出たり、筋肉の痛みが軽減されることがあります。
刺す場所によって、その反応は変わります。
 
 
鍼灸の歴史は古く、今から二千年以上前に、古代の中国で誕生しました。
体の仕組みがまだ解明されていないころから、身体のどこを刺激すれば、病気が治るのかが経験の積み重ねによって書物にされました。

具体的な効果

 
 
 
副交感神経交感神経の切り替えは通常自分の意思とは関係なく行われますが、例えばリラックスできる音楽を流したり、深呼吸をすることで副交感神経を優位にすることはできます。
 
 
副交感神経の刺激によって分泌される唾液は、血管が拡張するために水分が多くなります。
交感神経の刺激によって分泌される唾液は、血管が収縮するため、水分が少なくなって粘度が増します。
 
そこのように刺激される神経によって唾液の量や組成が異なってきます。
うたた寝して、たら〜と流れるよだれは副交感神経によるものといえます。
 
 
 
 
唾液は口の中をうるおすだけでなく、口内の細菌の増殖を抑え、口臭、虫歯、歯周病などさまざまなトラブルから私たちを守っています。
 
重症なドライマウスが鍼で緩和されたとの研究発表もされています。
 
 
鍼灸業界だけでなく、医師、歯科医師の間でも注目されてきています。
耳の後ろにある完骨というつぼがあります。
ここを刺激すると唾液腺が刺激されて、唾液の分泌が促されます。
完骨と言われると東洋医学的表現でわかりにくいかもしれませんが、耳下腺のすぐ後ろと言われれば効果が現れるメカニズムが理解しやすいかもしれません。
唾液の減少は逆流性食道炎を引き起こす原因のひとつです。
 
 
 
すなわち鍼で唾液を増やすことができれば逆流性食道炎の症状を緩和できるともいえるのです。
完骨は不眠や、頭痛、耳鳴りなどにも使う方が多いようです。

自律神経失調症

自律神経系失調症とは交感神経系副交感神経系の2つが体内でうまくコントロールされていないことによって引き起こされる、数々の症状を指します。
 
 
【症状】

・慢性的な疲労・だるさ・めまい・偏頭痛

・動悸・ほてり・不眠・便秘

 ・下痢・微熱・耳鳴り・手足のしびれ

・口やのどの不快感・精神症状・うつ病・不安症

自律神経失調症内科や整形外科などでも悪いところが発見されず、神経科、心療内科などの専門医を紹介してくれるケースが多くなりました。
 
 
 
鍼灸は、自律神経の働きを整えることができる方法です。WHO(世界保健機関)の鍼灸に関する報告書の「臨床試験によって有効性が証明された」という疾患・症状に自律神経失調症があります。
 

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