ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  1月11日

更新日:2023年  8月22日

本日はウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群とは
  • ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の原因
  • ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の症状
  • ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の改善方法
  • ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

生まれつき、心房と心室の間に副伝導路があることで起こる

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は、生まれつき、心房と心室の間に電気刺激を伝える余分な伝導路があることで起こる病気です。省略してWPW症候群と言われることもあります。

 

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は、副伝導路が関係する病気の中で一番よく見られる病気です。副伝導路は、心臓の正常な伝導経路ではないもう一つの伝導経路のことです。

 

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群では、多くの場合、動悸が現れます。脱力感や息切れを感じることもあります。心拍数が異常に速くなることもあります。

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は先天性の病気

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は先天性の病気です。比較的頻度の高い不整脈で、頻度は1000人あたり数人程度と言われています。

 

一般的に不整脈は10代から20代前半で明らかになります。しかし、1歳未満で不整脈が現れることや60歳以上になってから不整脈が現れることもあります。

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は心臓の特定の部分に存在する余分な経路(通常は存在しないもの)が原因で起こるものです。

 

1. 心臓の電気的構造

心臓は、特定のリズムで収縮し、血液を全身に送り出す役割を持っています。このリズムは、心臓の特定の部分で発生する電気的信号によって制御されています。正常な場合、心房からの信号は心室へと伝わる前に、心房室結節という「ゲート」を通過します。このゲートの役割は、信号の速度を適切に制御し、心室の収縮が順序良く行われるようにすることです。

 

2. WPW症候群の特異性

WPW症候群では、この心房と心室の間に余分な経路が存在します。これはアクセサリー経路やケント束とも呼ばれます。この経路の存在により、心房からの信号が心房室結節を経由せずに直接心室に伝わってしまうことがあります。結果として、心室が予期せず早く収縮することがあり、これが不整脈の一因となります。

 

3. アクセサリー経路の形成

WPW症候群の正確な原因は不明ですが、先天的な要因が関与していると考えられています。研究によれば、アクセサリー経路の存在は生まれつきのもので、発育過程での何らかの原因により形成されると考えられています。しかし、その具体的なメカニズムはまだ完全には解明されていません。

 

4. リスク因子

特定の家族歴や遺伝的要因がWPW症候群のリスクを高めることが示唆されています。つまり、WPW症候群を発症した人の親や兄弟が同じ症状を持っている場合、リスクが高まる可能性があります。

 

5. WPW症候群と他の病気

WPW症候群は、特定の先天性の心臓の病気や他の病態と一緒に存在することが報告されています。これにより、WPW症候群の発症リスクや病態の進行に影響を及ぼす可能性が考えられます。

 

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の原因は、心臓の電気的信号の伝達に関与する余分な経路の存在にあります。この経路の形成の背後にある正確なメカニズムや要因はまだ完全には解明されていませんが、家族歴や遺伝的要因が関与している可能性が考えられます。

主な症状は、頻脈や疲労感、動悸、息切れ、不安感、上室性頻拍

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の主な症状は、頻脈や疲労感、動悸、息切れ、不安感、上室性頻拍などです。

 

上室性頻拍は、不整脈の一種で、心拍数が150-250bpm程度まで上がることを言います。

 

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群で現れる不整脈は、突然始まり、数分から数時間で突然不整脈が止まることもあります。不整脈の発作は数秒間しか続かないこともあれば、数時間続くこともあります。

 

10代または20代前半でウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群による不整脈が初めて現れる場合は、一般的には突然の動悸の発作になります。運動中にみられることが多いです。

 

非常に速い心拍によって失神することもあります。高齢者の場合、失神や息切れ、胸の痛みなどの症状が現れます。高齢者の方がより多くの症状が現れる傾向にあります。

1. 不整脈(特に頻拍)

WPW症候群の最も一般的な症状は不整脈です。これは心室頻拍や心房細動として現れることが多いです。心拍が異常に速くなることで、一般的には脈拍が100~250拍/分の範囲となります。

 

2. 動悸

不整脈の発作が起こると、患者は突然の強い動悸を感じることがあります。これは心臓が異常に速く鼓動している感覚や、不規則な鼓動を感じることを指します。

 

3. 乏しさや息切れ

不整脈の発作中に、心臓が効率的に血液を体に送り出せなくなると、乏しさや息切れを感じることがあります。

 

4. 胸の痛みや不快感

一部では、胸の痛みや圧迫感を伴うことがあります。しかし、これは全てのWPW症候群の発症者に共通する症状ではありません。

 

5. 意識喪失やめまい

重度の不整脈や心停止が起こると、意識を失うことがあります。これは一時的なものであることが多いですが、注意が必要です。

 

6. その他の症状

一部では、冷や汗、顔面蒼白、不安感などの症状を報告しています。これらの症状は不整脈の発作時に特に顕著になることが多いです。

 

7. 症状の発現頻度

WPW症候群の症状は突然現れることが多く、数秒から数時間、稀に数日続くこともあります。症状の発現頻度は個人によって異なり、ある人は毎日のように症状を経験する一方で、ある人は数ヶ月に一度のペースで症状が出ることもあります。

 

8. 症状の誘発

特定の要因、例えばカフェインやアルコールの摂取、過度な運動、ストレスなどが不整脈の発作を引き起こすトリガーとなることが知られています。

 

9. 症状のない場合

WPW症候群のある人々は、生涯にわたって症状を経験しないこともあります。これは、特に病態が軽度であり、不整脈の発作が非常にまれであるか、またはまったく発生しない場合に見られます。

 

10. 突然の重篤な合併症

WPW症候群は、大部分では生命を脅かすものではありません。しかし、稀に重大な不整脈が発生し、突然の死につながる可能性があります。このようなリスクがあるため、不整脈の兆候や症状に対する知識と認識は非常に重要です。

 

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は、心臓の電気的経路の異常に関連した状態であり、その結果として不整脈が発生します。症状は個人によって異なるが、動悸、胸の痛み、息切れなどの典型的な症状が見られます。

改善方法は、抗不整脈薬やカテーテルアブレーション

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群の改善方法は、抗不整脈薬やカテーテルアブレーションです。

 

抗不整脈薬は不整脈の発作を止めるために使われる方法です。発作を抑えるためには長い期間使うことが必要になることもあります。

 

カテーテルアブレーションは、余計な電気の通り道を焼き再び発作が起こることを防ぐために行います。近年では95%以上が不整脈の発生を予防できているという報告もあります。

 

発作性上室頻拍の発作の多くは、迷走神経を刺激する手技で心拍数を低下させることによって改善ができます。不整脈が始まった直後に迷走神経を刺激する手技を行うことも発作の改善に効果が期待できます。

1. 薬

アンチアリスズミック薬: これらは不整脈を制御するための薬物です。プロパフェノンやフレカイニドなどの薬がWPW症候群の場合に処方されることがあります。

β遮断薬: 心拍数を減少させる薬物で、特に動悸や不整脈の症状が強い場合に用いられます。

ジギタリス: WPW症候群には通常推奨されませんが、他の心臓の病気と合併している場合には使用されることがあります。

 

2. カテーテルアブレーション

これは、WPW症候群の場合において最も一般的に推奨される改善法です。この手術では、心臓内に細いカテーテルを挿入し、電気的にアクセサリ経路を破壊することで、異常な電気信号の伝導を阻止します。多くの場合、この改善方法によってWPW症候群は完全に改善します。

 

3. 電気的除細動

重篤な不整脈が発生した場合、外部から電気ショックを与えて心臓のリズムを正常化する方法です。この治療は、生命を脅かす状況で迅速な介入が必要な場合に行われます。

 

4. パシング

一時的なペースメーカーを使用して、心臓のリズムを制御します。この方法は、不整脈の発作を止めるため、またはカテーテルアブレーション前の一時的な措置として使用されることがあります。

 

5. 生活習慣の改善

不整脈を引き起こす可能性のある刺激物(カフェイン、アルコール、一部の薬物など)を避ける。

ストレスを軽減するためのテクニック(瞑想、深呼吸、リラクゼーションなど)を取り入れる。

 

6. 定期的なフォローアップ

WPW症候群の改善を行なった後も、定期的に医師に見てもらうことが必要です。心電図やホルター心電図などを定期的に受けることで、効果を確認し、必要に応じて方法を調整します。

特定の刺激物や状況は、WPW症候群の場合において不整脈を引き起こすリスクを高める可能性があります。

 

以下は、不整脈を引き起こす可能性のある刺激物や要因についてのリストです。

 

カフェイン:コーヒー、紅茶、緑茶、コーラなどの飲み物に含まれているカフェインは、心臓のリズムを速める作用があります。WPW症候群では、過度なカフェイン摂取は不整脈のリスクを増加させる可能性があります。

 

アルコール:アルコール摂取は、特に大量に摂取した場合、心臓のリズムを乱す可能性があります。

 

タバコ:ニコチンは、心臓のリズムに影響を与える可能性があるため、喫煙は避けるべきです。

 

一部の薬物:

一部の風邪薬や鼻炎薬に含まれる成分(例:エフェドリンやプソイドエフェドリン)

アステムィゾールやテロフェニルピリジンといった抗ヒスタミン薬

アミオダロンやフレカイニドのような不整脈治療薬(皮肉にも、これらは不整脈を引き起こす可能性もあります)

 

ストリートドラッグ:コカインやメタンフェタミンなどの違法ドラッグは、心臓に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

エネルギードリンク:カフェインやその他の刺激性の成分が含まれているため、不整脈のリスクを増加させる可能性があります。

 

過度な運動:極端な身体活動は、心臓に過度な負荷をかけ、不整脈を引き起こすリスクがあります。

 

WPW症候群を発症している場合は、上記の刺激物や要因を避けることで、不整脈のリスクを低減することができる可能性があります。しかし、個々のリスクは状態や体質により異なるため、改善の方針や生活習慣の変更については、専門の医師と相談することが重要です。

不整脈の病気の中でも比較的頻度の高い不整脈

ウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群は不整脈の病気の中でも比較的頻度の高い不整脈です。そのため、不整脈の自覚がある人は一度調べてみることをおすすめします。

 

珍しいケースではありますが、血液を全身に上手に送ることができなくなることでめまいが起きたり意識を消失したりすることもあります。症状は人によって違うため、注意が必要です。

 

不整脈の自覚がありウォルフ・パーキンソン・ホワイト症候群が疑われる人や気になることがある人は、循環器内科に相談に行くことをお勧めします。

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