公開日:2021年 4月 3日
更新日:2024年 4月15日
本日は緊張性頭痛について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
緊張性頭痛は、頭や顔周りの筋肉が原因で起こる頭痛です。
頭痛の頻度が少ない反復性緊張型頭痛の原因は、肩こりなどの筋肉の緊張が多いと言われていますが、ほとんど毎日の頻度で頭痛が起こる慢性緊張型頭痛の原因は、筋肉の緊張だけでなく精神的なストレスも大きく関係していると考えられています。
緊張性頭痛の原因はいろいろあります。多くの場合は身体的なストレスと精神的ストレスが関係していると言われています。
原因となることのある身体的ストレスの例は、長い時間パソコンやスマートフォンやゲームなどの電子機器を使うこと、長い時間車の運転をすることなど、長い時間不自然な姿勢を続けること、前かがみの姿勢やうつむいた姿勢、高さの合わない枕の使用、冷えなどです。
原因となる精神的ストレスの例は、不安や緊張、仕事のプレッシャーなどです。
緊張型頭痛は、男性より女性の方が多く発症します。年代では働き盛りの年齢の人に多いですが、比較的幅広い年代で起こっている頭痛です。緊張性頭痛には、ストレスが大きく関わっているため、働き盛りに多いと考えられています。
家族の中で緊張性頭痛を発生する割合を調べた研究では、緊張型頭痛にも遺伝的な素因が関係しているということもわかっています。しかし、特定する遺伝子はいまだにわかっていません。
・筋肉の緊張
筋肉の過剰な緊張:長時間のデスクワークや不適切な姿勢、ストレスなどが筋肉の緊張を引き起こし、頭痛を誘発することがあります。特に、首や肩、頭の筋肉が関係しています。
・ストレス
心理的ストレス:心理的なストレスは、筋肉の緊張を高めることが知られており、これが直接的に筋緊張性頭痛を引き起こすことがあります。日常生活の中でのストレスや、感情的な問題がこの種の頭痛のトリガーとなることが多いです。
・姿勢の問題
悪い姿勢:コンピューター作業やスマートフォンの使用などで長時間同じ姿勢を続けることは、首や肩の筋肉に過剰な負担をかけ、緊張性頭痛を引き起こす原因となります。
・睡眠障害
不適切な睡眠:質の悪い睡眠や睡眠不足も、筋緊張性頭痛の発生に寄与します。適切な睡眠を取ることができないと、身体的および精神的なストレスが増大し、筋肉の緊張を引き起こす可能性が高まります。
・その他の要因
眼の疲労:長時間の読書や画面の見過ぎは眼の疲労を引き起こし、これが頭痛のトリガーとなることがあります。
脱水:水分不足も体内の緊張を高め、頭痛を誘発することがあります。
食生活の問題:不規則な食事やカフェインの過剰摂取なども、緊張性頭痛の発生に関与することがあります。
緊張性頭痛の症状は、頭の両側が締めつけられるような痛みです。緊張性頭痛は、痛みが数十分~数日間続くことが特徴です。この痛みが続く時間には個人差も大きいです。
後頭部から首にかけての圧迫感があり、痛みの感覚を、鉢巻きをしているような感覚、帽子で頭が締めつけられる感覚、という人もいます。
頭痛と合わせて、首や肩、後頭部のこり、めまいなどの症状があることもあります。
頭痛の始まるきっかけは特になく、一般的には片頭痛のような拍動性や吐き気、嘔吐などの症状は起こりません。緊張性頭痛の痛みは動いてひどくなることはないため、日常生活に大きく影響を及ぼすことはありません。
緊張型頭痛の原因はストレスの場合がほとんどのため、多くの場合は夕方の仕事での負担がたまりやすい時間帯に痛みが出ます。
・圧迫感や締め付け感
頭にバンドを巻かれているような、またはヘルメットを被っているような感覚になります。痛みは通常、頭全体に感じられますが特に前頭部や側頭部、頭頂部、後頭部に強く現れることが多いです。
・軽度から中等度の痛み
痛みは脈打つような激しいものではなく、むしろ持続的な軽度から中等度のものです。活動をしていても痛みが増すことは少ないが、日常生活には支障をきたすことがあります。
・長時間にわたる痛み
痛みは数時間から数日続くことがあります。時には慢性的に感じる人もいます。
・筋肉の硬直
頭や首の周囲の筋肉、特に肩や首筋が硬くなり、触ると痛みを感じることがあります。
・感覚過敏
音や光に対する過敏は、緊張性頭痛の場合は一般的ではありません。しかし、疲れやストレスが原因でこれらに敏感になることがあります。
・その他の症状
睡眠障害、疲労感、集中力の低下などが伴うことがあります。これらの症状は、日常生活の質に影響を与えます。
・頭が締め付けられているような痛み
・両側でおこる
緊張性頭痛は、筋肉が引き締まって重くなる頭痛です。
そのため、基本的には温めることで改善します。暖かいタオルを首や頭に当てると血流が良くなり痛みがなくなります。
緊張性頭痛を改善するためには、薬を使うことがほとんどです。鎮痛薬や筋弛緩薬、漢方薬などで痛みを和らげます。精神的なストレスが大きい場合には、不安やストレスを取り除くための抗うつ薬などを使うこともあります。
しかし、あくまで薬は根本的な解決にはなりません。鎮痛剤や抗うつ薬は使いすぎると副作用が出る可能性もあるため注意してください。
根本的な解決のためには、緊張を高めないためにリラックスできる時間を持つこと、生活習慣を改善することが大切です。そのために大きなストレスが原因で頭痛が起きている時は、病院でメンタルケアをすることもあります。
デスクワークや長い時間の運転などによって不自然な姿勢を長い時間続けることが原因の場合、肩や首に負担のかかる姿勢で長い時間過ごすことをなるべく避けて、運動やストレッチ、入浴などを行い血行を良くすることも大切です。
・ライフスタイルによる改善方法
ストレス管理:ストレスは緊張性頭痛の主要な引き金です。瞑想、ヨガ、深呼吸などのリラクゼーション技法を用いて、日常的なストレスを管理することが効果的です。
適切な睡眠:規則正しい睡眠スケジュールを保ち、十分な睡眠を取ることで頭痛の頻度と強度を減らすことができます。
運動:定期的な運動は全体的な健康を改善し、ストレスを軽減するのに役立ちます。軽い有酸素運動やストレッチングが推奨されます。
姿勢の改善:日常生活での姿勢に注意を払い、特に長時間同じ姿勢でいることを避けるようにします。適切な椅子やデスクの設定が役立ちます。
・薬を使わない改善方法
物理的改善法:専門家による指導のもと、首や肩の筋肉をリラックスさせるためのストレッチや筋肉強化運動が行われます。
マッサージ:頭部、首、肩のマッサージは筋肉の緊張を解放し、血流を改善するのに役立ちます。
バイオフィードバック:筋肉の緊張や体の生理的な状態を視覚的にフィードバックすることで、リラックスする方法を学びます。
・薬での改善方法
鎮痛薬:非ステロイド性抗炎症薬であるイブプロフェンやナプロキセンが一般的です。これらは痛みと炎症を減少させます。アセトアミノフェンも痛みの管理に用いられることがあります。
筋弛緩薬:頭痛の原因となる筋肉の緊張を緩和するために使用されることがあります。ただし、長期的な使用は依存症を引き起こすリスクがあります。
抗うつ薬:低用量の三環系抗うつ薬が長期的な頭痛管理に役立つことがあります。これらは特に慢性の緊張性頭痛に推奨されることが多いです。
緊張性頭痛では、一般的な鎮痛薬、筋弛緩薬、抗うつ薬に加えて、いくつかの追加的な選択肢があります。
・抗けいれん薬
抗てんかん薬は、緊張性頭痛の予防にも利用されることがあります。これらの薬は神経系の興奮を抑制することで、頭痛の発生頻度を減らす効果が期待されます。
ガバペンチン: 神経痛に用いられることが多いガバペンチンは、慢性的な緊張性頭痛の管理にも効果的であることが示されています。
トピラマート: 抗てんかん薬でありながら、片頭痛の予防にも使用され、緊張性頭痛の予防においても効果を示すことがあります。
・抗不安薬
不安障害の改善に使われる抗不安薬も、筋肉の緊張を和らげ、ストレスを減少させることで、緊張性頭痛の症状緩和に役立つことがあります。
ブスピロン: 長期的な不安管理に用いられ、副作用が比較的少ないため、緊張性頭痛の患者に推奨されることがあります。
・ベンゾジアゼピン系
短期間の使用に限定されることが多いですが、特に睡眠障害や高度な筋緊張が伴う場合に有効です。
ディアゼパム: 筋弛緩作用があり、極めて緊張が高い場合に一時的に使用されることがあります。
クロナゼパム: 緊張を緩和し、睡眠を改善する効果があるため、慢性的な緊張性頭痛に対して短期間使用されることがあります。
緊張性頭痛と片頭痛を合わせて起こすことも多いです。その場合、緊張性頭痛では現れない吐き気や嘔吐などの片頭痛の症状が起こることもあり、個別にアプローチをしても改善が見られません。
緊張性頭痛と片頭痛を同時に起こしているときは、体の土台が悪い人が多いです。体が一方向にずれてしまってそれに対して体が緊張するのです。神経が圧迫したり体が反応してしまうと、片頭痛のような痛みと緊張性頭痛のような痛みを両方発生させます。
体のずれを整えてあげた後に温めることをお勧めします。
デスクワークが多いと前傾姿勢になるなど、体は生活スタイルに合わせて歪んでいます。特に、前傾姿勢の人は多く、前傾姿勢になると顔は前にいき、肩甲骨は外に開いて猫背になります。
人間には前傾姿勢になる時間が長いと戻りにくくなるという特徴があり、前傾姿勢以前の体に戻さなければ症状として現れます。
【首回りの循環や筋肉をほぐす方法】
両手を首に合わせて下に下げながら天井を見るエクササイズを30秒、朝昼晩の1日3回行いましょう。首、喉、顎の隙間を開けることができます。
【肩甲骨の位置を中に入れる方法】
両手を肩に置いてゆっくり回すエクササイズを朝昼晩の1日3回行います。背中の内側に力を入れることで肩甲骨が内側に入りやすくなり、肩甲骨の間に力を入れると胸の筋肉が緩まります。
顔の筋肉をほぐすと筋緊張性頭痛は楽になりやすいため、人差し指と中指で耳の上を滑らすようにほぐしましょう。
側頭筋に続いて、前頭筋、鼻根筋もほぐしましょう。押すよりも滑らす方が理想です。
頬筋と口筋にもアプローチを行います。頬筋は頬骨の下あたりにあるため、頬骨の下を大きくほぐしていきます。頬筋は細い筋肉と太い筋肉に分かれており、2種類ありますが、難しいことは考えずに人差し指と中指でぐりぐりすることが大事です。コリコリを感じる場所や痛みが強い場所は強めに滑らすように押し込むのが効果的です。
基本的に頭痛は関連痛と言い、こりからくる神経痛みたいなものであるため、こりが解れると神経痛は落ち着きます。
口筋は、顎の出っ張ったところにある太い筋肉です。ここも大きくほぐしていきましょう。
緊張性頭痛を予防するためには、ゆっくりとリラックスできる時間を持ち、ストレスを上手に解消することが大切です。休みの日や趣味の時間をする日を作り、ストレスと上手に付き合っていきましょう。
緊張型頭痛には肩こりが関係していることも多いです。そのため、肩の筋肉をほぐすことも重要です。できるだけ日常生活の中に運動を取り入れて同じ姿勢を長い時間続けないことを心がけましょう。
ストレッチやウォーキング、湯船に浸かることや、十分な睡眠時間を取ることなどを習慣にすることも大事です。
頭痛は慢性化しやすため、予防のために薬を大量に飲んでいる人もいます。しかし、国際頭痛学会では頭痛薬を飲むことによって起こる薬物乱用性頭痛を危険視しており、頭痛外来の医師に警鐘を鳴らしています。
薬に頼ることは決して間違いではありませんが、セルフケアで症状を軽くしたり頭痛の頻度を減らしたりすることで薬を飲む頻度を減らすことが大事です。
・完骨
・肩井
・風池
完骨は、頭痛に対して1番効果的なツボです。血流を良くする効果があり、こりを和らげてくれます。
神経の興奮を抑える効果があるため頭痛の改善だけではなく、安眠に対しても効果的です。リラックス効果が高いため、ストレスにも有効です。
肩井は、刺激をすることで緊張した肩の筋肉を和らげる効果があります。そのため、肩こりの改善にとても有効です。四十肩、五十肩の改善にもよく使われます。
肩の筋肉を和らげてくれるため、肩こりの他にも首の痛みや頭痛にも効果的です。
風池は、首や肩の周りや頭部の血行を良くする効果があるため、頭痛に効果を発揮します。
他にも、眼精疲労や肩こり、鼻炎や耳鳴りにも効果があると言われています。
完骨は、胸鎖乳突筋という筋肉が首の前側に斜めに走っている場がちょうど頭にくっつくところの5ミリ後ろにあります。押した時に少し痛い場所です。
押すときは、両サイドのツボを押します。強く押しすぎると痛む可能性があるため注意しましょう。
肩井は首の骨の根元と肩先を結んだ線の中間あたりにあります。
押すときは、右肩のツボは左手の中指で左肩のツボは右手の中指で押しましょう。肩がこったときはまずここを刺激してみることがお勧めです。
風池は、首の後ろにある大きなくぼみの外側、髪の生えぎわあたりにあるツボです。耳の後ろにある骨から少し下がっていったときにあるくぼみです。
指で押したとき、後頭部にも心地良い刺激を感じます。
11時から21時
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11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始