網膜色素変性症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 2月 1日

更新日:2021年 5月 15日

本日は網膜色素変性症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 網膜色素変性症とは
  • 網膜色素変性症の原因
  • 網膜色素変性症の症状
  • 網膜色素変性症の改善方法
  • 網膜色素変性症のまとめ
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銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

網膜色素変性症は、遺伝性で進行性の病気

網膜色素変性症は、遺伝性で進行性の病気で、網膜に異常が起きます。網膜はカメラのフィルムの役割をしている膜のことです。ここに遺伝によって異常が起きる病気なのです。

 

網膜色素変性症は4000人~8000人に1人の発症率と言われています。病気を発症する時期や病気の進むスピードは人によって違います。

 

例として、幼少期に発症し40代で視力を失ってしまう人や、発症する年齢が遅く高齢になっても視力はきちんと持っている人などがいます。網膜色素変性症は、個人の差が大きく色々なケースがあるのです。

網膜色素変性症の症状は、夜盲や周辺の視野狭窄、視力の低下です。症状は急に悪化するのではなく、少しずつ進んで行きます。強い光を浴びると、症状が悪くなることもあります。

 

網膜色素変性症は、遺伝による病気です。そのため、今のところ改善する方法はありません。

網膜色素変性症の原因は遺伝子の異常

網膜色素変性症の原因は、遺伝子の異常であるということが分かっています。遺伝の形によって症状や進むスピードは人によって違います。

 

常染色体優性遺伝の場合、両親のどちらかが網膜性色素変性症であれば50%程の確率で遺伝します。性別によっての違いはありません。

 

常染色体劣性遺伝の場合、両親は網膜色素変性症の遺伝を持っていても病気自体は発症していません。両親がどちらも遺伝を持っていれば25%程の確率で発症します。

 

他にも色々な形があり、孤発型と言われる突然網膜色素変性症を発症するケースもあります。

網膜色素変性症の原因は、光の刺激を電気信号に変える視細胞や、視細胞にくっついている網膜色素上皮細胞の中にある遺伝子の異常だと言われています。

 

網膜色素変性症は遺伝性の病気です。しかし、明らかに遺伝で網膜色素変性症を発症している人は全体のうちでも約半数で、残りの半数の人は遺伝であるということが証明されていません。

 

遺伝で網膜色素変性症を発症している人の中で1番多いタイプは、常染色体劣性遺伝を示すタイプで、全体の約35%を占めています。次に多いタイプが常染色体優性遺伝を示すタイプで、全体の約10%、最も少ないのがX連鎖性遺伝を示すタイプで約5%と言われています。

 

網膜色素変性症の原因になる遺伝子は特定されているものありますが、現在特定されているものは一部で、今後まだまだ増えていくと考えられています。

網膜色素変性症は、網膜の視細胞が変性して死滅する遺伝性の病気です。網膜の視細胞には、ロッド細胞とコーン細胞という2つのタイプがありますが、この病気では主にロッド細胞が影響を受けます。その結果、夜間や暗い場所での視力が低下する夜盲をはじめとするさまざまな視覚障害が生じます。

 

 

網膜色素変性症は、遺伝子変異に起因することが多い。これまでに、RPの発症と関連する多数の遺伝子が特定されています。これらの遺伝子に変異が生じると、網膜の視細胞が正常に機能しなくなり、次第に変性して死滅します。

 

 

常染色体優性遺伝:1つの異常な遺伝子が親から子に伝わると、症状が現れるタイプ。この場合、片方の親がRPを持っていると、子供がRPを発症するリスクが50%になります。

 

常染色体劣性遺伝:2つの異常な遺伝子(両親から1つずつ受け継いだ場合)が必要で、両親が変異を保有しているキャリアの場合、子供がRPを発症するリスクは25%になります。

 

X連鎖遺伝:X染色体に関連するRP。母親が変異を持つキャリアの場合、男の子にRPを伝えるリスクが50%あります。

 

 

 

これまでに100種類以上の遺伝子がRPの原因として特定されています。これらの遺伝子は、視細胞の光を感知するメカニズムや、視細胞の構造や機能を維持するためのプロセスに関与しています。

 

 

網膜色素変性症は遺伝的要因が主であるものの、すべてのRPが遺伝によるものではありません。環境要因や他の病気、特定の薬剤の影響でRP様の網膜変性が発症することも報告されています。

 

網膜色素変性症の主な原因は遺伝的要因によるもので、多数の遺伝子が関与していることが分かっています。遺伝のパターンや関連する遺伝子により、発症の仕方や病状の進行にも個体差が見られるため、判断を行ったり改善を行ったりする時には専門的な知識が求められます。

網膜色素変性症の主な症状は、夜盲、視野狭窄、視力低下

網膜色素変性症の主な症状は、暗いところで物が見えにくい夜盲、視野が段々と狭くなる視野狭窄、視力の低下です。早い段階で白内障を合わせて起こすこともあります。

 

夜盲は、体細胞が機能をなくすことによって起こります。そのため、症状が現れるタイミングとしては初期の段階で現れることが多いです。

 

視野の狭窄も初期の段階で現れることもありますが、多くの場合は病気がある程度進んでから現れます。見える範囲の中で中央の部分しか見えなくなることがほとんどですが、中央の部分だけが欠けているように見えたり、下側だけ見えていたりということもあります。

網膜色素変性症の症状は少しずつ進行していきます。まず初めに暗いところで物が見えにくくなる夜盲が現れ、段々と見える範囲が狭まっていくのです。

 

視力に影響する黄斑部に関しては、病気が末期になるまで症状は起こりません。そのため、視力は比較的長い間なくなることはありませんが、視野は段々と狭くなっていきます。

 

病気がさらに進んだ場合は、視力が下がり文字が読みにくくなったり物がかすんで見えたりする症状も出てきます。個人差はありますが、まぶしさを感じる、全体的に白っぽく見える、視界で光が明滅する、などの症状があることもあります。

網膜色素変性症は、網膜の視細胞の変性を主な特徴とする遺伝性の病気です。網膜にはロッド細胞とコーン細胞の2つの主要な視細胞が存在しますが、RPでは特にロッド細胞が影響を受けます。これが網膜色素変性症の症状に多大な影響を及ぼします。

 

・夜盲

最も初期に現れる症状の1つが夜盲です。ロッド細胞は低照度下での視覚に関与しているため、その変性により暗い場所での視力が低下します。夕方や夜の早い時間に外出する際に、周りが見えにくくなったり、階段の段差が認識しにくくなるなどの症状が現れることが多いです。

 

視野狭窄

進行すると、視野の外側から次第に狭まってきます。これは「トンネルビジョン」とも称される症状で、中心の視野は保たれているものの、周囲が見えにくくなります。これが進行すると、日常生活での動作が困難になることもあります。

 

中心視減退

病気がさらに進行すると、中心視も徐々に低下します。これにより、文字の読み取りや細かい作業が難しくなります。中心視が低下する原因は、コーン細胞の変性や変性したロッド細胞による影響などが考えられます。

 

光のまぶしさ

一部では、明るい場所や強い日差しの下でのまぶしさを感じることがあります。これは、網膜の機能低下や視細胞の変性によるものと考えられます。

 

視力低下

病気の進行とともに、全体的な視力の低下が進行します。一部の人では、高度な視力障害に進展する可能性もあります。

 

色の識別困難

進行の度合いや個人差によりますが、色の識別が難しくなることも報告されています。特に、青や緑の識別に困難を感じることが多いとされます。

 

微細な変動

一部では、視覚の微細な変動を経験します。例えば、ある日は視力が低下しているように感じ、翌日は普段通りの視力に戻る、といった症状がある場合もあります。

 

他の症状

RPは、聴覚障害や平衡感覚の障害を伴うことがある遺伝性の病気も存在します。これらの症状が現れるかどうかは、RPの原因となる遺伝子の種類や変異の位置によることが多いです。

 

網膜色素変性症は、多様な症状を伴う遺伝性の眼の病気です。初期には夜盲が現れ、進行とともに視野狭窄や中心視減退、色の識別困難などの症状が現れることが多いです。症状の出方や進行速度は、人によって異なるため、定期的に病院に行くことが大事です。

改善の目的は病気を遅らせること

現在は網膜色素変性症を根本的に改善する方法はありません。そのため、改善の目的は病気を遅らせることです。

 

網膜色素変性症の改善のためには、ビタミンAやビタミンE剤、血管拡張剤などが使われていますが、確実な効果があるかどうかについては未だ確認されていません今のところは視細胞を保護するために遮光眼鏡を使うことが有効であると言われています。

 

遮光眼鏡は、明るい場所でのまぶしさを軽くするための効果ではなく、明るい場所から急に暗い場所に移動した時に感じる暗順応障害に対しても有効です。より鮮やかなコントラストにするためにも効果を発揮するのです。

日常生活を送る上では、ルーペや拡大読書器などの補助具の使用が効果を発揮することもあります。

 

ルーペは文字を読みやすくするために効果的で、拡大読書器は読みたいページをテレビ画面に映し出すもので読書をする時や資料を読むときに効果的です。

網膜色素変性症は、網膜の視細胞が変性・喪失していく遺伝性の眼の病気です。改善の目的は病気のの進行を遅らせ、視力の低下を抑えることです。

 

1. 栄養補助

ビタミンA:一部において、ビタミンAの摂取が病状の進行を遅らせる可能性が示唆されています。ただし、過剰摂取は有害なため、専門家の指示のもとで摂取することが重要です。

オメガ3脂肪酸:オメガ3脂肪酸は、ビタミンA摂取と併用することで、RPの進行をさらに遅らせることが期待されています。

 

2. 補助的改善

色付きの眼鏡やサングラス:外部の光を適切に調整し、眼の疲れを軽減します。

拡大鏡や読書用の照明器具:中心視が低下してきた際に役立ちます。

 

3. 技術的改善

移植:網膜の視細胞を再生・補完するためのステムセル法や細胞移植法が研究段階として進められています。

遺伝子:特定の遺伝子変異に起因するRPに対して、正常な遺伝子を導入し機能を補完するアプローチが進行中です。

レチナルプロテーシス:網膜に電子デバイスを植え付けて、視覚を一部回復させる方法です。このデバイスは、光を電気信号に変換し、網膜の残存している細胞に信号を送ることで視覚情報を伝達します。

 

4. その他の方法

アンチオキシダント:酸化ストレスがRPの進行に関与すると考えられているため、アンチオキシダントの投与が検討されています。

視覚リハビリテーション:進行する視覚障害に対応し、日常生活の質を向上させるためにトレーニングやサポートを行います。

 

5. 予防とサポート

日常生活の工夫:視野狭窄や夜盲のための工夫をします。例として、家の中の照明を適切に調整したり、障害物の配置を変更することで安全性を向上させるなどがあります。

 

支援団体やグループ:RPや他の視覚障害に対する理解を深め、情報交換やサポートを受けられるコミュニティの参加が推奨されます。

 

 

網膜色素変性症の改善は、病状の進行を遅らせることや、生活の質を維持・向上させることを目的としています。現在、多岐にわたる改善法が提案されており、その中でも遺伝子やステムセル法などの新しい改善法に関する研究が進行中です。

網膜色素変性症は主に遺伝的要因によって網膜の視細胞が変性し、喪失していく病気で、薬による改善を含むいくつかのアプローチで症状の進行を遅らせたり、生活の質を向上させる努力が続けられています。以下に網膜色素変性症に関連する薬による改善のアプローチとその目的を詳しく説明します。

 

ビタミンA補給

種類: ビタミンA(レチノール)

目的: 研究により、ビタミンAの適切な摂取がRPの進行を遅らせる可能性が示されています。ただし、過剰摂取は有害となるため、医師の指導の下での摂取が必要です。

 

・アンチオキシダント

種類: ビタミンC、ビタミンE、アセトアミノフェンなど

目的: 酸化ストレスが網膜の視細胞の変性や死に関与すると考えられているため、アンチオキシダントの投与が考慮されることがあります。

 

・視覚補助薬

種類: バリディア (valproic acid)

目的: 一部において視覚の一時的な改善が報告されています。しかし、その効果や安全性に関するデータは限られており、使用する際は十分な注意が必要です。

 

・神経保護薬

種類: カシメチン (cysteamine)

目的: 網膜の視細胞の保護と病態の進行を遅らせることを目的としています。

 

・遺伝子関連薬

種類: Luxturna(voretigene neparvovec)

目的: 特定のRPの遺伝子変異(RPE65変異)を有する場合に対して、正常な遺伝子を眼内に導入し、視細胞の機能を回復させることを目的とした薬です。

 

網膜色素変性症の薬での改善は、病気の進行を遅らせたり、一時的に視覚を改善する目的で行われます。しかし、効果や安全性は個人差があり、すべての人に適用することはできません。改善を検討する際は、専門医との相談を行い、適切なプランを策定することが重要です。

網膜色素変性症について理解しておくべきこと

網膜色素変性症は難病指定疾患に指定されています。そのため、改善にかかる費用には、助成制度を受けることができます。助成制度を利用するためには申請が必要になります。

 

また、視力や視野の障害が進んでしまった場合、視覚障害認定を受けて公的な支援を受けることも可能ですこの支援に関しても申請が必要になります。

網膜色素変性症は原則、進行性です。しかし、病気の進む早さは、非常に大きな個人差があります。

 

個人差は、網膜色素変性症の原因となっている遺伝子異常が非常に色々あり、遺伝子異常も人によって異なったものであることによって起きている可能性があります。

 

しかし、最近では同じ家系で同じ遺伝子異常と考えられる人でも病気の進む速さや病気の程度に差があることもわかっています。そのため、未だに明らかになっていない色々な要因があり、病気の進む早さや病気の程度が変わっているという可能性もあります。

 

同じ網膜色素変性症でも同じ症状や程度、進む早さではないということをきちんと理解しておくことが大事です。

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