踵骨骨端症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  7月23日

更新日:2021年  8月15日

本日は踵骨骨端症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 踵骨骨端症とは
  • 踵骨骨端症の原因
  • 踵骨骨端症の症状
  • 踵骨骨端症の改善方法
  • 踵骨骨端症のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

踵骨骨端症は、踵が痛くなる症状が現れる子供の病気

踵骨骨端症は、踵が痛くなる症状が現れる子供の病気です。踵の軽い腫れや踵を押した時の痛み、歩いた時の踵の痛みなどが現れます。セーバー病やシーバー病と呼ばれることもあります。

 

特徴は、激しい運動をした後に症状が現れることが多いということです。1番多く見られる年代は10歳前後で男の子に多いです。

踵骨骨端症の原因は、踵への大きな負担

踵骨骨端症の原因は、踵への大きな負担です。子供の骨はまだ発達の途中です。中でも踵の骨は骨端線にアキレス腱と足底腱膜の組織がくっついているため、非常に大きな力がかかります。

 

ランニングやジャンプなどの動きをすると、踵の成長軟骨の部分とと踵骨骨端核がアキレス腱や足底腱膜によって引っ張られます。この負担が何度もかかることで炎症が起き、痛みが起こります。

 

しっかりと体重を支えられないために歪んだり大きく負荷がかかったりする部分ができてしまい痛みが起きるのです。

踵骨骨端症は、子どもや若者のかかとの痛みを引き起こす病気です。踵骨は足のかかと部分に位置しており、全身の体重を支える重要な役割を果たしています。

 

踵骨骨端症の原因について詳しく解説します。

 

・成長期における骨の成長速度と筋肉・腱の柔軟性のバランスの乱れ

踵骨骨端症は、通常、成長期の子どもや若者に発症します。成長期には骨が急速に成長するため、筋肉や腱の柔軟性が追いつかないことがあります。この結果、踵骨に過度のストレスがかかり、炎症や痛みを引き起こすことがあります。

 

・過度な運動やスポーツ

スポーツや運動を行う子どもや若者には、特に踵骨骨端症が見られることがあります。運動中に足にかかる衝撃やストレスが増加し、踵骨への負担が大きくなるためです。特に、走る、ジャンプする、方向転換を伴うスポーツは踵骨骨端症のリスクが高まります。

 

・足の構造やバランスの問題

足の構造やバランスの問題も、踵骨骨端症の原因となることがあります。扁平足や外反母趾、アーチが低い足などの状態は、踵骨に過度なストレスがかかりやすくなります。これにより、踵骨の炎症や痛みが引き起こされることがあります。

 

・過体重

過体重の子どもや若者は、踵骨骨端症になりやすいとされています。体重が重いほど、足にかかる負担が増え、踵骨へのストレスが大きくなるためです。適切な体重管理が、踵骨骨端症の予防や症状の軽減に役立つことがあります。

 

・不適切な靴の使用

靴が適切なサイズや形状でない場合、踵骨に過度なストレスがかかることがあります。特に、スポーツ用の靴が適切なクッションやサポートを提供していない場合、踵骨骨端症のリスクが高まります。適切な靴選びが、足の健康を保ち、踵骨骨端症の発症リスクを低減することがあります。

 

踵骨骨端症の原因を理解することは、適切な改善や予防策を講じる上で重要です。症状が現れた場合は、早めに医師に相談することも大切です。

踵骨骨端症の症状は、踵の腫れや痛み

踵骨骨端症の症状は、踵の腫れや踵を押したときの痛み、歩く時の踵の痛みなどです。症状が軽い場合は少し踵が少し痛む程度ですが、症状が重くなると痛みで足を地面につけなくなることもあります。

 

急激に運動をした後に症状が出ることが多いという特徴があり、特にジャンプをしたり長く走ったりする野球などの競技や裸足や踵の薄い靴で行う体操やバレエなどの競技をしている子供に多く見られます。

 

踵の痛みから、つま先歩きになることもあります。

踵骨骨端症は、通常、成長期の子どもや若者に見られる足の痛みを引き起こす病気です。踵骨は足のかかと部分に位置しており、全身の体重を支える重要な役割を果たしています。この記事では、踵骨骨端症の主な症状について詳しく解説します。

 

・かかとの痛み

踵骨骨端症の最も一般的な症状は、かかとの痛みです。痛みは通常、運動や活動を行う際に強くなり、特に走る、ジャンプする、方向転換を伴うスポーツで症状が現れやすくなります。休息を取ることで痛みは軽減されることがありますが、活動を再開すると痛みが戻ることがあります。

 

・かかとの腫れや赤み

かかとの腫れや赤みは、踵骨骨端症の症状として現れることがあります。踵骨に過度のストレスがかかると、炎症が引き起こされることがあり、これが腫れや赤みの原因となります。

 

・圧痛

かかとを触ると痛みが強くなる場合、圧痛があると言われます。踵骨骨端症の場合、かかとの圧痛が特徴的です。特に、かかとの後ろや横に位置する踵骨の成長板周辺が痛みやすくなります。

 

・運動能力の低下

踵骨骨端症によって、運動能力が低下することがあります。かかとの痛みや腫れが悪化すると、子どもや若者は運動時のパフォーマンスが低下し、普段の活動にも影響を及ぼすことがあります。

 

・足の動きの制限

踵骨骨端症が進行すると、足の動きが制限されることがあります。かかとの痛みが強くなると、足首の可動域が狭まり、歩行や運動が困難になることがあります。

 

踵骨骨端症の症状は個々によって異なりますが、早期に対処すればほとんどの場合、改善な回復が期待できます。しかし、放置してしまうと症状が悪化することもあります。

踵骨骨端症の改善には安静が1番大切

踵骨骨端症の主な原因はスポーツを行いすぎることです。そのため、改善には安静が1番大切です。過度な運動はやめ、踵に負担がかからないようにします。

 

痛みが強く続く場合は、松葉杖を使い踵に体重がかからないようにします。扁平足であったり靴のクッションが悪い場合は、靴のインソーやアーチサポートを使って改善を行います。

 

症状の程度には個人差があります。症状に合わせて、運動を完全にやめ安静にしたり運動の量を減らしたり内容を変えたりします。

 

体幹の使い方や姿勢の取り方が上手にできない場合、踵に大きく負担がかかってしまいます。そのため、スポーツのフォームのチェックなども行って踵に痛みが出ないようなフォームを身につけることも大切です。

 

強い痛みがある場合は、安静にしておくことが1番大切ですが、踵に負担をかけないようにするために筋トレやストレッチを行うことも非常に大切です。

踵骨骨端症は、適切な改善を行うことで、症状を軽減し、足の健康を維持することができます。

 

 

踵骨骨端症の初期の改善方法としては、保存をする方法が一般的です。

 

アイシング: 痛みや腫れを軽減するために、かかとに氷を当てます。1日数回、15-20分間程度行うことが推奨されます。

休息: 症状が改善するまで運動や活動を休むことが大切です。痛みがなくなるまで、適切な休息を取りましょう。

抗炎症薬: 医師の指示に従って、非ステロイド性抗炎症薬などの炎症や痛みを軽減する薬を使用します。

足首ストレッチ: 足首の筋肉や腱を柔らかくするストレッチングを行います。ストレッチは1日数回、ゆっくりと行いましょう。

 

痛みや腫れがひどい場合、医師は装具を使うことを提案することがあります。装具には、以下のようなものが含まれます。

 

足底筋膜サポート: 足底筋膜をサポートするために、市販のゲルやクッション入りのインソールを使用します。

踵クッション: 踵に適切なクッション性を提供するために、専用の踵クッションを使用します。

足首サポート: 足首の動きを制限し、踵骨への負担を軽減するために、足首サポートを使用します。

 

踵骨骨端症の改善には足首や足底筋膜のストレッチや筋力トレーニングも有効です。これにより、足の筋肉や腱の柔軟性が向上し、踵骨への負担が軽減されます。

 

足首ストレッチ: アキレス腱やふくらはぎの筋肉をストレッチします。適切なストレッチを行うことで、足首の可動域が向上し、踵骨への負担が軽減されます。

足底筋膜ストレッチ: 足底筋膜をストレッチすることで、足の筋肉や腱の柔軟性が向上します。これにより、踵骨への負担が軽減されることが期待されます。

筋力トレーニング: 足の筋肉を強化することで、踵骨への負担を分散させ、症状の改善が期待できます。

 

踵骨骨端症の改善には、足のケアと適切な靴の選択が重要です。以下のポイントに注意しましょう。

 

適切なサイズの靴を選ぶ: 靴が小さすぎると足に過度な圧力がかかり、症状が悪化する可能性があります。足に合ったサイズの靴を選びましょう。

クッション性のある靴を選ぶ: クッション性のある靴は、かかとへの衝撃を軽減し、踵骨骨端症の症状を緩和することが期待されます。

靴の中敷きを利用する: 足に適切なサポートを提供するために、市販の中敷きを利用することが効果的です。

根本的な原因の対処

踵骨骨端症の根本的な原因に対処することで、症状の再発を防ぐことができます。以下のような方法があります。

 

運動量の調整: 運動量が過度である場合、適切な休息と回復期間を確保することが重要です。

適切なウォームアップとクールダウン: 運動前のウォームアップと運動後のクールダウンを行うことで、筋肉や腱の柔軟性を維持し、怪我のリスクを減らすことができます。ウォームアップには、軽いストレッチやジョギングが効果的です。クールダウンでは、筋肉の緊張を緩和するために、適切なストレッチを行いましょう。

 

体重管理: 過体重が踵骨骨端症の原因となることがあります。健康的な体重を維持することで、踵骨への負担を軽減し、症状の改善が期待できます。

 

姿勢や歩行の改善: 歩行時の姿勢が悪いと、踵骨への負担が増加します。歩行時の姿勢を改善することで、踵骨骨端症の症状が軽減されることがあります。必要に応じて、専門家の指導を受けることを検討しましょう。

 

最後に、踵骨骨端症の改善方法は状態や症状によって異なります。症状が改善しない場合や悪化する場合は、医師に相談しましょう。

予防には、自分に合った靴を履くこととストレッチが大事

踵骨骨端症を予防するためには、自分に合った靴を履くことが大切です。運動をする時はしっかり靴紐を締める習慣を付け、足が靴の中で滑らないようにしましょう。

 

靴が大きい時や扁平足などの場合には自分に合ったインソールを使うことがお勧めです。

 

日頃から体幹のトレーニングやストレッチなどをしておくことも非常に大切です。踵骨骨端症を防ぐためにはアキレス腱や足底腱膜のストレッチが非常に重要です。

 

運動をする前や運動をした後、お風呂上りなどにストレッチをして体を柔軟にしておくことで怪我をしにくい体を作りましょう。

踵骨骨端症の改善例

踵骨骨端症は、成長期の子どもや若者に見られるかかとの痛みを引き起こす病気です。適切な改善を行うことにより症状が改善し、足の健康を維持できることがあります。

 

改善例)13歳の男の子が、サッカーをしている最中に急にかかとに痛みを感じるようになりました。彼の両足のかかとが腫れ、歩くと痛みが増すため、小児科医に相談しました。診察の結果、踵骨骨端症と判断されました。

 

改善には以下の方法が行われました。

アイシング: 1日数回、15〜20分間氷をかかとに当てることで、痛みや腫れが軽減されました[1]。

休息: サッカーを一時的に休止し、痛みが和らぐまで運動を控えました。

抗炎症薬: 医師の指示に従い、非ステロイド性抗炎症薬を使用し、炎症や痛みが軽減されました[1]。

足首ストレッチ: 足首の筋肉や腱を柔らかくするストレッチを行いました。

数週間後、彼の症状は大幅に改善し、サッカーに復帰することができました。

 

引用元:

[1] American Academy of Pediatrics. (2016). Heel Pain: Calcaneal Apophysitis (Sever's Disease). Retrieved from https://patiented.solutions.aap.org/handout.aspx?gbosid=166227

 

この例では、保存をする方法によって症状が改善されました。ただし、改善方法は、状態や症状によって異なります。症状が改善しない場合や悪化する場合は、医師に相談しましょう。医師は、症状や状態に応じて、最適な方法を提案してくれます。

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