眼瞼下垂の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 2月11日

更新日:2021年 6月 5日

本日は眼瞼下垂について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 眼瞼下垂とは
  • 眼瞼下垂の原因
  • 眼瞼下垂の症状
  • 眼瞼下垂の改善方法
  • 眼瞼下垂のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

眼瞼下垂は、瞼を持ち上げることが難しくなる病気

眼瞼下垂は、瞼を持ち上げることが難しくなる疾患です。眼瞼下垂では、目が見えにくくなります。

 

目が見えにくくなる病気は多くあります。その場合、基本的には眼科にいきます。しかし、もし眼科で眼球に問題がないと判断された場合、瞼のせいで見えにくくなっている可能性があるのです。

 

眼瞼下垂の場合、形成外科で手術をすることで症状が改善する可能性があります。

眼瞼は、瞼のことです。垂れ下がることを下垂と言います。眼瞼下垂は瞼が垂れ下がり上げにくくなっている状態のことなのです。

 

日常で瞼を開けたり閉じたりする時、あまり意識することはありません。しかし、眼瞼下垂が起こると、通常意識していない瞼の開け閉めが難しくなるのです。

 

物を見る働きをしている瞳孔が、上げにくくなった上まぶたで隠されてしまうと、目が見えにくくなるのです。

筋肉の緩み、皮膚が被さる、生まれつきが主な眼瞼下垂の原因

眼瞼下垂には種類があります。種類によって原因も違うのです。主な眼瞼下垂の1つである腱膜性眼瞼下垂は、筋肉が緩んでいることによって起こります。

 

瞼を持ち上げるために必要な眼瞼挙筋と瞼板を繋いでいる挙筋腱膜とミュラー筋という組織が緩くなり、きちんと眼瞼挙筋の力を瞼板に伝えられないことで眼瞼下垂が起きてしまうのです。

 

腱膜性眼瞼下垂の原因は、加齢や長い期間ハードコンタクトレンズを使用していること白内障の手術などです。

主な眼瞼下垂に、上眼瞼皮膚弛緩症というものもあります。これは、皮膚が被さることによって起こる眼瞼下垂です。

 

瞼の皮膚がたるむことで、瞼が開いていても覆いかぶさった皮膚が瞳孔にかかるため、見にくくなったり瞼が重くなったりします。上眼瞼皮膚弛緩症の主な原因は、加齢です。

 

先天性眼瞼下垂という眼瞼下垂もあります。これは、生まれつき眼瞼挙筋の働きが弱かったり、眼瞼挙筋に欠損があったりすることによって起こる眼瞼下垂です。

眼瞼下垂の主な原因

眼瞼下垂は、一般的にまぶたが正常な位置よりも低下して、目を完全に開けることが難しくなる状態のことです。この症状が起こる原因は様々で、先天的なものから後天的な要素、さらには複数の要素が複合して起こる場合もあります。

 

先天性の眼瞼下垂は生まれつきの状態で、まぶたを持ち上げるための筋肉である眼瞼挙筋が正常に発達していないことが原因となります。この状態は、一部の遺伝性の病気や先天的な病気の一部として現れることがあります。

 

次に、後天的な眼瞼下垂は年齢とともにまぶたの筋肉が弱くなるという自然な老化過程からくるものもあります。このタイプの眼瞼下垂は、特に中高年以降に多く見られます。しかし、これだけが後天的な原因ではありません。神経系統の病気であるミオキミアやベル麻痺、ホルモン異常や眼球周辺の感染症なども、眼瞼下垂を引き起こす可能性があります。

 

また、一部の眼科手術や顔面への外傷も、眼瞼下垂の一因となることがあります。これらは筋肉や神経に直接ダメージを与え、まぶたの正常な機能を阻害する可能性があります。

 

その他の要素として、ストレスや過度の疲労も眼瞼下垂を引き起こす可能性があります。これらは、筋肉の緊張や疲労を増加させ、まぶたを開けるのが難しくなることがあります。

眼瞼下垂では、物が見えにくくなる

眼瞼下垂では、物が見えにくくなります。これは、瞼が下がるため、黒目の一部もしくは大部分が覆われることによって起こる症状です。

 

者が見えにくいため、見ようとして顎が上がることで肩凝りや頭痛につながることもあります。

 

眼瞼下垂の症状は、片側だけに現れることもあれば両側に現れることもあります。先天性の場合は、約8割が片側のみに症状が現れると言われています。

 

後天性の場合、一般的に数年かけて少しずつ症状が現れます。しかし、脳梗塞などが原因の場合、急に症状が現れることもあります。

眼瞼下垂の主な症状

まぶたの下垂:眼瞼下垂の最も一般的な症状は、もちろんまぶたが下がることです。この症状は、一部または全体のまぶたが影響を受けることがあります。また、一方の目だけが影響を受ける一側性眼瞼下垂と、両方の目が影響を受ける両側性眼瞼下垂があります。重度の眼瞼下垂では、まぶたが瞳を覆ってしまい、視界が制限されることがあります。

 

瞼の疲れや重さ:眼瞼下垂では、まぶたの重さや疲れを感じることが多いです。これは、まぶたを開けるための筋肉が過度に働く必要があるためです。

 

頭痛や眉間の痛み:眼瞼下垂により、視界が制限されると無意識に眉を上げることで視界を確保しようとします。これが長期間続くと、筋肉に過度な負荷がかかり、頭痛や眉間の痛みを引き起こすことがあります。

 

涙目:一部では、まぶたが正常に動かないために涙が適切に排出されず、涙目になることがあります。

 

視力低下:まぶたが視線を遮ることで視力が低下することがあります。これは特に、まぶたが瞳を部分的に覆ってしまう重度の眼瞼下垂で見られます。

 

斜視または二重視:眼瞼下垂は、視線の調整を困難にすることがあり、これが斜視や二重視を引き起こすことがあります。

 

幼児における発育遅延:幼児期に眼瞼下垂が発生した場合、視覚的な発育に影響を与える可能性があります。子どもが物を見るために頭を後ろに傾ける必要がある場合や、まぶたが瞳を覆い隠してしまうほど重度の眼瞼下垂である場合、視覚刺激が不足してしまい、視力や視覚認知の発達が遅れることがあります。最も懸念されるのは弱視の発症で、これは視力が正常に発達しない状態を指します。

 

コサージュ症状:これは、眼瞼下垂の人がより良く見るために顔を上げ、頭を後ろに傾けるという特有の姿勢をとることを指します。これは視力を改善しようとする自然な反応ですが、長期間続くと首や肩に痛みを引き起こすことがあります。

眼瞼下垂の改善方法は、手術

眼瞼下垂の改善方法は、手術です。手術は日帰りで行うこともできますが、日常生活に支障があることもあるため、短期入院で行うことが多いです。

 

眼瞼下垂が先天性の場合は、瞼の筋機能を回復する手術を行います。ただし、重症ではない場合は、急いで手術する必要はありません。

 

人によっては、経過を観察して自然に改善するまで待つこともあります。なかなか改善しない場合や重症の場合は、手術で改善を行います。

 

眼瞼下垂が後天性の場合は、瞼を開きやすくするための手術を行います。症状が重い場合は、おでこの筋肉を使って瞼を持ち上げる手術などで改善を行います。

主な改善方法

保存的改善:症状が軽度で生活に大きな支障をきたさない場合や、他の状況が手術を許さない場合、まずは保存的を試みることがあります。これには、筋肉を強化するための目のエクササイズや、まぶたを持ち上げるための特別なテープや装置を使用する方法があります。

 

薬:特定の状況下では、薬が有効な場合があります。例えば、ミオスチーニア・グラビスという自己免疫に関する病気が眼瞼下垂の原因となっている場合、抗コリンエステラーゼ薬が症状の改善に寄与します。

 

手術:眼瞼下垂の症状が重度である、または保存する方法や薬による改善が見られない場合、まぶたを持ち上げる筋肉を補強または修正する手術が選択されることがあります。手術の方法は状態や眼瞼下垂の程度によりますが、眼瞼挙筋短縮術やフロントリス法などがよく行われます。

 

Botox注射:一部では、ボトックス注射が有効な場合があります。これは神経に作用し、筋肉の緊張を一時的に緩和することで、まぶたの位置を改善します。

 

これらの方法の選択は、眼瞼下垂の程度、健康状態、生活状況など、多くの要素に基づいて行われます。そのため、改善方法の選択や改善に向けた準備には、専門医との詳細な話し合いが必要となります。

 

物理的な方法:特定の眼瞼下垂に対して、物理的な方法が有効な場合もあります。眼球周囲の筋肉を訓練することで、まぶたの動きが改善することが期待できます。ただし、これは一時的な解決策であり、症状の本質的な改善には至らない場合もあります。

 

神経刺激:ある種の神経の病気が眼瞼下垂の原因となっている場合、神経刺激が選択されることがあります。これは、特定の神経に電気的刺激を与えることで、神経機能を改善し、筋肉の動きを回復する療法です。

 

生活習慣の改善:眼瞼下垂がストレスや過度の疲労によって引き起こされている場合、生活習慣の見直しが求められます。十分な休息、バランスの良い食事、適度な運動などは、全般的な健康状態を向上させ、眼瞼下垂の症状を軽減する可能性があります。

 

心理的なサポート:重度の眼瞼下垂は、視覚障害だけでなく、自己意識や自尊心にも影響を与える可能性があります。そのため、心理的なサポートやカウンセリングが重要な改善の一部となる場合もあります。

眼瞼下垂の手術をした後、注意すること

眼瞼下垂の手術を行った後は、ほとんどの場合内出血や腫れが起きます。個人差はありますが、腫れが強い場合は前を見るのが難しいくらい晴れることもあります。

 

腫れや内出血は約1ヶ月ほどで改善します。一般的には、約3週間である程度改善しますが、数ヶ月腫れが続く場合もあります。

 

手術をする前より眼球が露出している面積が広くなるため、ドライアイが起きることがあります。特に手術をする前からドライアイの人が注意が必要です。

 

手術をした後はできるだけ安静にし、6〜10日後に抜糸を行います。抜糸をした後は化粧をすることもできるようになります。手術の後、半年間は後戻りする可能性もあるため、数ヶ月ごとに病院に行くことをお勧めします。

眼瞼下垂に効果的なツボ

攅竹

絲竹空

魚腰

攅竹

攅竹は、目の疲れや眼精疲労に効果を発揮するツボです。刺激をすることで瞼の上のたるみの解消にもつながるため眼瞼下垂にも効果が期待できます。

 

他にも、頭痛や鼻づまり、頭重感などにも効果的です。

絲竹空

絲竹空は目の疲れを改善するツボです。目の奥の痛みやクマ、目眩、充血、眼瞼下垂や眼瞼痙攣などにも効果を発揮します。

 

美容の面でもおすすめのツボで、目じりのシワやシミ、リフトアップに効果的です。

魚腰

魚腰は、ドライアイや瞼の引きつり、目の充血や腫れ、痛み、目のかすみなどに効果を発揮するツボです。パソコンやスマートフォンの使い過ぎで、目がしょぼしょぼしたり重くなったりした時にもおすすめです。

ツボの場所と押し方

攅竹

攅竹は、左右の眉頭の内側のくぼんでいる場所にあります。

 

押す時は人差し指で真上から垂直に押します。力を入れ過ぎるとしわの原因になるため人差し指で軽く叩くくらいの刺激にしましょう。

絲竹空

絲竹空は眉毛を眉尻に向かってたどっていき、骨の外側にあるくぼみにあります。

 

押す時は親指を使って押します。左右同時に押しましょう。目を閉じた状態で押すことが大事です。

魚腰

魚腰は、眉の真ん中あたりのくぼんでいる場所にあります。

 

押す時は親指か人差し指を使って、優しく押しましょう。上に向かって押すことがポイントです。

おすすめ記事