公開日:2022年 5月23日
更新日:2022年 6月18日
本日はアトピー性眼症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
アトピー性眼症は、アトピー性皮膚炎に合わせて発症する目の合併症の総称です。白内障や眼瞼炎、網膜剥離や角結膜炎、円錐角膜などをアトピー性皮膚炎に合わせて発症した場合、アトピー性眼症と言います。
中でも白内障や網膜剥離を発症すると、重たい視力障害につながる可能性もあります。
アトピー性眼症は、アトピー性皮膚炎の中でも顔にアトピー性皮膚炎の症状が強く現れている場合に見られることが多いです。発症する年齢は、10~30代が多いです。
アトピー性眼症の原因は、アトピー性皮膚炎によって、長い間目の周りに刺激を与え続けることです。
アトピー性皮膚炎で目の周りに痒みのある湿疹ができた時、まぶたや目の周りを強くこすったり、叩いたり、引っかいたりする刺激によって角膜や結膜に傷がついてしまい、アトピー性眼症の発症につながるのです。
円錐角膜の原因の多くは目をこすり続けることによって角膜が薄くなることで、アトピー性眼瞼炎の原因の多くは細菌や単純ヘルペスウイルスに感染することです。
網膜剥離は、アトピー素因があることで生まれつき網膜が脆いことが発症と関係していると考えられています。
アトピー性眼症の原因は、以下のように複数の要因が複雑に関与しています。
遺伝的要因:アトピー性の病気は、親や兄弟がアトピー体質である場合、子供がそれを受け継ぐリスクが高まります。特定の遺伝子が関与している可能性が指摘されています。
免疫反応の異常:アトピー体質の人は、アレルギーを引き起こす物質に対して過剰な免疫反応を示すことが知られています。この過剰な免疫反応により、アレルギー物質に接触すると炎症反応が起こりやすくなります。
環境的要因:近年、西洋のライフスタイルや食生活の変化、都市化に伴う大気汚染など、環境的要因がアトピー性疾患の増加に寄与していると考えられています。また、早期の生活環境や感染症の経験も関与している可能性が指摘されています。
スキンバリア機能の低下:アトピー性皮膚炎では、皮膚のバリア機能が低下していることが知られています。これは、外部のアレルゲンや刺激物が皮膚を通じて体内に侵入しやすくなることを意味します。眼の粘膜もこの影響を受ける可能性があります。
アレルゲンの影響:花粉、ダニ、動物のフケなどのアレルゲンに反応してアトピー性眼症の症状が出ることがあります。これらのアレルゲンに対して体が過敏に反応することで、眼の炎症やかゆみを引き起こすことがあります。
アトピー性眼症の原因は、遺伝的、生物学的、環境的な要因が絡み合っており、1つの原因だけで発症するわけではありません。アトピー体質の人は、日常の生活環境やスキンケア、食生活などに気を付けることで、症状の予防や軽減に繋がる可能性があります。
アトピー性眼症はアトピー性皮膚炎によって発症する目の病気の総称です。そのため、現れる症状は発症する病気によって違います。
眼瞼炎の場合はまぶたや目の周りの皮膚に赤みや腫れ、痒みが現れます。症状が進むと、まぶたの皮膚が厚くなり硬くなることもあります。
角結膜炎の場合は、目の充血やまぶたの腫れが現れます。円錐角膜の場合、物がぼやけて見えたり歪んで見えたりします。白内障の場合は視力の低下や視界のかすみなど、網膜剥離の場合は飛蚊症や光視症などの症状が現れます。
症状が進むと、視力が低下し、失明する危険性のある病気もあるため注意が必要です。
目のかゆみ:アトピー性眼症の最も一般的な症状の一つ。強いかゆみが起こることで、つい目をこすってしまい、さらなる炎症や刺激を引き起こすことがあります。
充血:目の赤みや充血は、炎症のために血管が拡張することにより起こります。これは外見上も不快感を伴うことが多いです。
涙の異常:涙の分泌が多くなったり、逆に乾燥して涙が不足することも。涙の品質の変化により、目の乾燥や異物感を感じることがあります。
まぶたの炎症:まぶたの内側や外側が赤くなったり、腫れたりすることがあります。重度の場合、まぶたの皮膚が厚くなることもあります。
光感受性:強い光に対して眼が敏感になることがあり、日常の活動や外出に支障を来たすこともあります。
視力低下:重度の炎症が続くと、角膜や結膜の損傷が生じ、一時的な視力の低下を引き起こすことがあります。
異物感:目に何かが入っているような違和感を感じること。これは眼の乾燥や炎症によるもので、日常生活において非常に不快感を伴います。
白斑:角膜の表面に白い斑点が現れることがあり、これは炎症や慢性的な摩擦、傷によって生じることが多いです。
瞼縁炎:まぶたの縁が炎症を起こす症状。これにより、まつげの異常や目のかゆみ、分泌物の増加などが起こることがあります。
アトピー性眼症の症状は多岐にわたり、その程度や出現する症状は個人差があります。
アトピー性眼症の改善方法は発症する病気によって違います。
アトピー性白内障の場合、通常の白内障と同じように眼内レンズを入れる手術を行いますが、アトピー性白内障は合併症の関係で手術ができないこともあります。
眼瞼炎の場合は、肌を清潔に保ち保湿剤で皮膚のケアを行うことが改善につながります。症状の程度が重い場合は、ステロイド剤や免疫抑制剤などを使って改善を行います。
アトピー性網膜剥離の場合は手術を行い、角結膜炎の場合はステロイド薬や免疫抑制剤を使って改善を行います。
点眼薬:抗ヒスタミン剤: アレルギー反応によるかゆみや充血を軽減します。
ステロイド点眼薬: 強力な抗炎症作用があり、炎症の緩和に有効です。しかし、長期使用には注意が必要です。
免疫抑制剤: 重症の症状に対して、ステロイドではコントロールできない場合に考慮されることがあります。
涙液補給・人工涙液: 目の乾燥や不快感を緩和するために用いられます。
冷湿布: 炎症やかゆみの緩和に役立ちます。冷たい布をまぶたに置くことで、一時的なリリーフを得ることができます。
光線: 紫外線B (UVB) やUVA1照射を利用して、炎症を抑える方法です。一部では効果的であることが報告されています。
免疫法: アレルギー反応を調節するための方法で、特定のアレルゲンに対する耐性を高める目的で行われます。
経口薬: システム的なアトピーの症状に対して、抗アレルギー薬や免疫抑制剤が処方されることがあります。
ライフスタイルとケア
目の衛生: まぶたやまつげの清潔を保つことで、アレルゲンや刺激物の影響を減少させることができます。
トリガーの回避: アレルゲンや刺激物を特定し、それを避けることで症状の発現を予防することが重要です。
保湿: 乾燥を防ぐために、人工涙液や保湿点眼薬を定期的に使用することが助けとなります。
アトピー性眼症は個人によって異なる症状や重症度を持つため、改善方法は個別に適応されるべきです。専門家との定期的な相談と、自身の体調や症状の変化に注意を払いながら最適な方法を選択することが、長期的な健康管理の鍵となります。
主なトリガー
花粉: シーズンに応じた花粉は多くの人々にアレルギー反応を引き起こす原因となります。
ハウスダスト: 中でもダニはアトピー性の病気の主なトリガーとして知られています。
ペットのフケや皮脂: 特に猫や犬などのペットアレルギーは一般的です。
化学物質: 化粧品、洗剤、香水などの化学物質や香料に反応することがあります。
乾燥: 空気の乾燥は眼の乾燥を引き起こし、症状を悪化させることがあります。
トリガーの回避方法
花粉の対策:外出後はすぐに洗顔し、髪の毛を洗う。窓を閉めて部屋を保護する。花粉の飛散が多い早朝や夕方の外出を避ける。花粉情報をチェックし、ピーク時には外出を控える。
ハウスダスト・ダニの対策:掃除の頻度を上げ、特に布団やカーペットなどのダニが生息しやすい場所を中心に行う。高温での洗濯や、布団を日光に当てることでダニを減少させる。アレルギー対応のベッドカバーや枕カバーを使用する。
ペットアレルギーの対策:ペットの入室を制限する。定期的にペットをブラッシングし、浴びせる。高効率の空気清浄機を使用する。
化学物質の対策:無香料や低刺激の製品を選ぶ。新しい化粧品や洗剤を使用する前に、肌でのパッチテストを行う。香水やアルコールを含む製品の使用を避ける。
乾燥対策:加湿器を使用して室内の湿度を一定に保つ。人工涙液や保湿点眼薬を使用して、眼の乾燥を防ぐ。乾燥が気になる場合は、サングラスや保護メガネを着用して、外部からの風を避ける。
アトピー性眼症の症状を予防、緩和するためには、トリガーを回避することが基本的な対策となります。自身が反応するトリガーを特定し、日常生活での注意点を守ることで、症状の発現を大きく抑えることが可能です。
アトピー性眼症は、顔のアトピー性皮膚炎の程度が重く、目の周りをこすったり、叩いたりすることでによって起こる病気です。そのため、発症を防ぐためにはできるだけ目の周りを触らないことが大事です。
無意識にかいてしまうこともあるため、早めに皮膚炎そのものの改善に取り組むことが大事になります。
アトピー性眼症を発症し、改善を行なった後は、再発を防ぐために皮膚のケアをしっかり行うことが大事です。アトピー性皮膚炎ではなくても、目の周りを触りすぎることは目の病気につながるため、気をつけましょう。
・睛明
・二間
・肩ぐう
睛明は、目をスッキリさせる効果のあるツボです。目がスッキリすることで、視力が回復し、明るく見えるようになることが期待できます。
睛明を刺激することは、目の周りの筋肉をほぐすことにもつながるため、めの周りの血行の改善にも役立ちます。
二間は、肩や腕の痛みや指の痛みやしびれ、頭や顔面部の痛みや腫れ、鼻血、歯の痛みなどに効果的なツボです。腸の病気や血便など消化器系の症状に使われることも多いです。
二間は、ものもらいに対して使われることも多いツボです。そのため、アトピー性眼症にも効果が期待できます。
肩ぐうは、肩や腕の疲れや、皮膚炎や湿疹などのかゆみにも効果的なツボです。そのため、アトピー性皮膚炎にも効果を発揮すると言われています。
アトピー性眼症は、アトピー性皮膚炎によって発症する目の症状のため、アトピー性皮膚炎によって起こるかゆみを抑えることで予防や改善につながるのです。
睛明は、目頭の内側のやや上方に上がった場所にあるくぼみにあります。
押すときは、指の腹を使って初めは軽い力で押し、力を入れすぎないように注意しながら少しずつ強くしていき、気持ちの良い感覚のところまで押しましょう。
二間の場所は、人さし指の第二関節の下で、親指側にあるへこんでいる部分です。
押すときは、呼吸をしながら押します。ゆっくり5秒ほどかけて押していき、5秒ほどかけてゆっくり力を抜いていきます。息を吐くときにツボを押すと良いでしょう。
肩ぐうは、肩の先端にあるツボで、腕を真横に動かしたとき、くぼみができる場所にあります。
押すときは誰かに押してもらうことがおすすめです。押す側は、片手で押される側の腕をしっかり支え、もう一方の手の親指を使ってツボをおしていきましょう。
11時から21時
月 | 火 | 水 | 木 | 金 | 土 | 日 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
11時~21時迄 | ◯ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ | ○ |
年末年始