公開日:2021年 7月23日
更新日:2021年 8月 9日
本日は鉄過剰症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
鉄過剰症の主な原因は、輸血です。鉄過剰症は鉄を代謝する遺伝子の変異によって起こる遺伝性のものもありますが、遺伝子変異による鉄過剰症の多くは北欧にルーツを持つ人に起こり、日本人に起こることは非常に少ないです。
日本人に起こる鉄過剰症のほとんどは遺伝性ではなく二次性で、輸血依存が原因なのです。輸血を繰り返すと体の中に鉄がたまる速さが速くなります。
1~2回程の輸血では問題ありませんが、月に1〜2回毎月輸血を続けると、数年で鉄過剰症を発症すると言われています。
繰り返し輸血を必要とする病気には、骨髄異形成症候群や再生不良性貧血などがあります。サラセミアや鎌状赤血球症などの遺伝性貧血も長期的に輸血が必要な病気です。
溶接などの仕事をしていると仕事中に鉄粉を吸い込んでしまうことがあります。このように職業的に鉄の吸収が過剰になってしまい、鉄過剰症を発症してしまうこともあります。
鉄過剰症では、体にあらゆる症状が現れます。これは、鉄が体にたまると細胞に沈着し、細胞がダメージを受け、臓器に障害が起きることが原因です。
鉄過剰症によって障害が起きやすい臓器は、肝臓、心臓、膵臓、甲状腺、内分泌臓器、中枢神経などです。鉄が沈着する臓器によって色々な症状が現れます。
肝臓に沈着した場合は肝炎や肝硬変、肝臓がんなどが現れ、心臓に沈着した場合は心筋症、不整脈、心不全などが現れます。膵臓の場合は糖尿病や膵臓がん、甲状腺の場合は甲状腺機能低下症が現れます。
下垂体の場合は下垂体機能不全など、生殖腺の場合は性機能不全などが現れ、関節の場合は関節の腫れや痛みが現れます。他にも、皮膚の色素沈着や無月経、体毛のが抜ける、性欲が減るなど非常に色々な症状が現れるのです。
鉄過剰症の改善方法は、瀉血や鉄のキレート、食事の改善です。
瀉血とは、体の中の血液を体の外に出すことです。血液を外に出すことで、体の中の鉄を減らすことができます。この改善方法は、輸血依存が原因でない場合や貧血のない慢性C型肝炎の場合に使います。
鉄のキレートは、主に輸血依存による鉄過剰症で1年以上の生存が見込まれる場合に行われる改善方法です。注射や経口薬で鉄キレート剤を体の中に入れ、体の中の鉄を減らします。キレート剤が鉄と強く結合し、鉄の働きを抑え外に出すのです。
鉄過剰症の改善には食事の改善も必要です。
鉄が多く含まれる肉類やレバー、貝類、大豆などの食品は避けるようにしましょう。食べるものに気をつけるだけでなく、調理法を工夫することで食事から摂る鉄の量を減らすことができます。
特に遺伝性の鉄過剰症や肝炎によって鉄の吸収が進んでいることが原因で起こる鉄過剰症を改善するために食事の改善は効果的です。
日本人の鉄過剰症のほとんどは輸血依存が原因です。輸血を続けている人は常に鉄過剰症の危険性を意識しておくことが大切です。鉄過剰症は、鉄キレート剤を使い体の中に過剰に鉄がたまらないようにすることで予防することもできます。
日本には遺伝性の鉄過剰症は非常に少ないです。しかし、家族で鉄過剰症を発症している人がいる場合は遺伝性の鉄過剰症の可能性も考えられます。
原因はわからないが疲れやすい、肝機能障害がある、という場合は、病院に行き調べてみることをお勧めします。また、繰り返し輸血を受けていて気になる症状がある場合も調べてみることをお勧めいたします。
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