公開日:2022年 11月20日
更新日:2023年 8月 2日
本日はマスク皮膚炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
マスク皮膚炎の原因は、マスクによる擦れと蒸れです。長い時間マスクをつけて生活をしていると、表情や口の動きによってマスクと肌が擦れると、物理的な刺激で角層のバリア状態が悪化し、肌トラブルが起きやすくなるのです。
マスクの中が蒸れることも刺激のひとつになります。蒸れることでも角層のバリア状態が悪化し、肌トラブルが起こりやすいです。
さらに、マスクはつけているときは一時的に潤ったように感じますが、マスクを外した直後に肌の表面の水分が蒸発するため、非常に乾燥します。そのため、マスクを長い時間つけることは肌の乾燥にもつながるのです。
1. 摩擦による刺激
日常的にマスクを着用することで、マスクの材質が直接皮膚と接触し、摩擦が生じます。特に、マスクの縁やゴム部分が頻繁に動くことで、皮膚が繰り返し擦れることになります。この摩擦が、皮膚のバリア機能を低下させ、赤みやかゆみを引き起こす主要な原因となっています。
2. 湿度と汗
マスクの内部は、呼吸によって暖かく湿った環境となります。この高い湿度は、汗や皮脂の生成を促進させ、皮膚のトラブルを引き起こす可能性があります。特に、汗腺の詰まりや乾燥を招き、さまざまな皮膚の炎症の原因となります。
3. 菌の増殖
マスク内の暖かく湿った環境は、細菌や真菌の増殖にとって最適な条件を提供します。これにより、特に顔の皮膚に生息する常在菌のバランスが崩れ、炎症やニキビ、発疹が生じる原因となります。
4. 化粧品やスキンケア製品との相互作用
日常的にメイクやスキンケアをしている方々にとって、マスクはこれらの製品との摩擦を引き起こします。その結果、製品が皮膚の中に深く浸透し、刺激やアレルギー反応を起こすリスクが高まります。
5. アレルギー反応
一部の人々は、マスクの材質や使用されている染料、ゴム、接着剤などに対してアレルギー反応を示すことがあります。これにより、接触性皮膚炎や発疹、かゆみなどの症状が現れます。
6. 乾燥
一部のマスクは、外部の湿度を遮断する性質があります。そのため、マスクを長時間着用することで、皮膚の乾燥を引き起こす可能性があります。乾燥は皮膚のバリア機能の低下を引き起こし、炎症やかゆみの原因となることがあります。
マスク皮膚炎は、マスクの継続的な着用によって生じる新たな皮膚のトラブルです。摩擦、湿度の変動、菌の増殖、化粧品との相互作用、アレルギー反応、乾燥など、多岐にわたる原因が絡み合っています。
マスク皮膚炎の症状は、ニキビや湿疹です。
ニキビは、マスクの擦れにより角層が厚くなることで、毛穴の入り口が詰まり、皮脂が溜まる状態になることで起こります。毛穴の入り口に皮脂が溜まるとアクネ菌が増えて白ニキビが起きやすくなるのです。
湿疹は、マスクの擦れによって角層がダメージを受け、角層のバリアが下がることによって起こります。各層のバリア機能が下がると、通常刺激にならないほどの物質が表皮に入って炎症が起きるのです。
1. 赤み
マスク皮膚炎の最も一般的な症状の一つが赤みです。特に、マスクの端や耳にかけてのゴムヒモの部分など、摩擦が多く発生する部分に赤みが現れやすいです。この赤みは、炎症のサインであり、皮膚の外部刺激に対する反応として現れます。
2. かゆみ
赤みと並んで、多くの人々が経験する症状がかゆみです。皮膚が乾燥することや、摩擦、アレルギー反応などが原因として考えられます。かゆみを感じると、つい掻きむしりたくなりますが、これがさらなる刺激やトラブルの原因となります。
3. 発疹
マスクの内部の温暖で湿潤な環境は、皮膚トラブルの原因となりやすいものです。このような環境下では、発疹や小さなぶつぶつが皮膚上に現れることがあります。特に、頬や鼻、顎の部分に発疹が現れることが多いです。
4. 乾燥とひび割れ
一部のマスクは、外部の湿度や空気の流れを遮断するため、長時間の着用により皮膚が乾燥しやすくなります。特に、冷暖房が効いた室内では、乾燥が進行しやすくなります。この乾燥が進むと、皮膚はひび割れや、細かいシワが目立つようになります。
5. ニキビや吹き出物
マスクの内部は、汗や皮脂がこもりやすく、この環境はニキビや吹き出物の発生を促します。特に、マスクが皮脂や汗で湿った状態で長時間使用されると、毛穴の詰まりが起こりやすくなります。
6. 皮膚のかさつき
乾燥や摩擦、そして化学物質へのアレルギー反応など、複数の要因が絡み合って、皮膚の表面がザラザラとかさつくことがあります。この症状は、特に乾燥肌や敏感肌の人々に多く見られます。
7. 痛み
摩擦や乾燥が進行すると、皮膚に微細なダメージが生じ、その結果として痛みを感じることがあります。特に、マスクの縁やゴム部分が擦れる部分では、この痛みが強くなることがあります。
マスク皮膚炎は、長時間のマスクの着用による摩擦や湿潤、化学物質への反応など、多岐にわたる原因によって引き起こされるものです。症状は人それぞれ異なるため、自分の肌の状態をしっかりと観察し、早期に対策をとることが重要です。
マスク皮膚炎の改善方法は、できるだけマスクによる擦れを少なくすることと、食生活の改善や睡眠の見直しなどを行うことです。
洗顔を行うときは、優しく行いましょう。肌トラブルが起きているときは肌は敏感になっているため、いつも以上に優しくスキンケアを行うことが大事です。メイクも薄めにして肌の負担を軽くすることも重要です。
マスクをつけたり外したりすることで肌は乾燥してしまうため、十分な保湿を行うことを心がけましょう。
毛穴の詰まりを改善するケアを行なったり、ビタミンCを取り入れたりすることも有効です。
マスク皮膚炎を防ぐためには、やさしい素材や自分に合ったサイズのマスクを選ぶことが大事です。皮膚に触れる部分が硬いマスクやゴワゴワしたりチクチクしたりしている素材のマスクは避けましょう。
マスク皮膚炎を防ぐためには、不快感のない肌にやさしい素材のマスクを使うことを心がけることが大事です。
化学繊維に過敏に反応しやすい場合は、綿素材などのマスクを使うこともお勧めですが、最近は感染対策には不織布マスクが良いと言われています。不織布マスクと皮膚の間に、綿素材のガーゼを挟むなどの工夫をすることも良いでしょう。
マスクが小さい場合は皮膚を圧迫し肌トラブルが起きやすくなり、マスクが大きい場合は隙間ができて過度な摩擦が起き、肌にストレスがかかります。自分に合ったサイズや形状のマスクを使いましょう。
マスクを頻繁に触ったり、必要以上につけ外しを繰り返したりすると、何度も摩擦が起きることになるため、気をつけることも大事です。
1. 保湿
マスクの長時間の使用による皮膚の乾燥は、多くのトラブルの原因となります。そのため、まず最初に取り組むべきは、きちんとした保湿ケアです。低刺激の保湿クリームやローションを使用して、皮膚のバリア機能をサポートすることが重要です。
2. スキンケアの見直し
化粧品やスキンケア製品がマスクとの摩擦で皮膚に影響を与えることがあります。ここで、使っているスキンケア製品の成分や使用頻度を見直すことをおすすめします。特にアルコールや香料の強い製品は避け、低刺激のものを選ぶことが良いでしょう。
3. 薬剤の使用
炎症やかゆみが強い場合は、皮膚科にいくことをおすすめします。医師の指示のもと、ステロイドクリームや抗ヒスタミン薬を使用することで、症状の軽減が期待できます。
4. マスクの選択
使用するマスクの材質や形状が、皮膚炎の原因となることがあります。布製のマスクや、柔らかい素材のものを選ぶことで、摩擦や刺激を減少させることができます。また、マスクは定期的に洗濯・交換し、清潔に保つことが大切です。
5. 休憩をとる
長時間のマスクの着用は避け、必要なときだけの使用にとどめるように心掛けましょう。家にいるときや、他者との距離が確保できる場所では、マスクを外して皮膚を休ませることが重要です。
6. 皮膚の清潔さを保つ
汗や皮脂がマスクの内部にこもると、皮膚トラブルの原因となります。そのため、こまめに顔を洗ったり、化粧水で拭き取るなどして、皮膚の清潔さを保つことを心掛けましょう。
7. アレルギーを調べる
マスク皮膚炎がアレルギー反応によるものである可能性も考えられます。疑わしい場合は、皮膚科でアレルギーテストを受けることをおすすめします。
8. 内服薬
症状が強い場合や、体全体に影響が出ている場合は、皮膚科医の指示のもとで内服薬を使用することが考えられます。アレルギーや炎症の原因となる物質を体内でブロックする薬などが用いられます。
マスク皮膚炎は、現代の特有の皮膚トラブルとして注目されています。しかし、適切なケアと改善によって、その症状は大きく軽減することができます。
マスク皮膚炎の改善のための保湿に関する具体的な方法の例について述べます。
適切な保湿クリームやローションの選択:低刺激性で無香料のものを選びましょう。水分をしっかりと閉じ込めるセラミドやヒアルロン酸を含む製品がおすすめです。
クレンジングの見直し:乾燥を招く可能性のあるアルコール成分が少ない、または含まれていないクレンジングを使用することで、皮膚の乾燥を防ぐことができます。
化粧水での保湿:洗顔後、タオルドライする前に化粧水をたっぷりと手に取り、顔全体を包み込むように優しくパッティングします。これにより、肌の奥深くまで水分を届けることができます。
マスクの下のスキンケア:マスクを着用する前に、しっかりと保湿をすることで、マスクとの間の摩擦を軽減させ、乾燥を防ぐことができます。
夜の集中ケア:睡眠中は皮膚の再生が活発になるため、夜用の保湿クリームやスリーピングパックを使用して、集中的に保湿することをおすすめします。
ミストスプレーの利用:外出先などでの乾燥が気になる場合、ミストスプレーを持参して、時折スプレーすることで皮膚の水分を補給することができます。ただし、使用後はマスクの内部が湿潤にならないよう注意が必要です。
週に1~2回のシートマスク:シートマスクは、肌の表面に密着することで、有効成分をしっかりと肌に浸透させる効果があります。特に乾燥が気になる時期や環境では、週に1~2回の使用がおすすめです。
食事と水分摂取:体の内部からの保湿も重要です。十分な水分摂取と、ビタミンEやオメガ3脂肪酸を多く含む食材を積極的に取り入れることで、皮膚の健康をサポートします。
以上の方法を組み合わせて行うことで、マスク皮膚炎の改善に効果的に対応することができます。最も大切なのは、自分の肌の状態をきちんと観察し、必要に応じてケアを変えていく柔軟性を持つことです。
・外関
・三陰交
・曲池
外関は、水の流れを促進して衛気を強くする効果があります。東洋医学では、乾燥は体の中の水の流れが悪いことによって起きるといわれています。
通常は、皮膚の表面は衛気という免疫で保護されていますが、水の流れが悪い場合衛気は低下していきます。皮膚を守るものがなくなるため、乾燥や肌荒れにつながるのです。
外関を刺激することは衛気を強くしてくれるため、乾燥による肌荒れの改善に効果的です。マスク皮膚炎も乾燥は非常に原因と関わっているため、おすすめのツボなのです。
三陰交は、色々な効果がありますが、肌荒れにも効果的です。中でも、生理中起きる肌が荒れ、血のめぐりが悪くて起きる肌の乾燥などに有効であると言われています。
血のめぐりが悪いということは、血が足りなくなっているために起こるケースと血が滞っているために起きるケースがありますが、三陰交はどちらのケースでも効果を発揮するとされています。
曲池は、肌荒れについて効果を発揮するツボです。肌荒れや乾燥肌、ニキビや吹き出物など色々な肌に起きる問題に効果的です。
湿疹や乾燥によってかゆみが起こっている場合にも役立ちます。マスク皮膚炎の発症と乾燥は深く関係しているため、刺激することで症状の改善に効果が期待できます。
外関の場所は、手の甲を上にしたとき、手首のところから指3本置き、人差し指があたる場所です。
押すときは、反対側の手の人差し指を使ってゆっくり息を吐きながら押します。押す時間の目安は約5秒間がお勧めです。左右それぞれ何度か繰り返して押しましょう。
三陰交の場所は、足の内くるぶしから指4本上に上がった場所です。その部分に骨があります。その骨の際にがツボの場所です。
押すときは、心地よいと感じるくらいの力加減で押します。市販の鍼シールをツボの場所に貼っておくことも効果が期待できます。
曲池の場所は、ひじの外側で、ひじを曲げた時にできるシワの先端です。骨にぶつかる手前にあります。
押すときは、ゆっくり押していきます。つぼを押すことを習慣にして毎日行うことで自分の小さな変化を感じやすくなるためマスク皮膚炎に悩んでいる場合は継続することをお勧めします。