目の鍼灸について【眼精疲労・症状・ツボ】

公開日:2020年2月5日

更新日:2021年 5月 15日

本日は目の鍼灸について解説をさせて頂きます。

目の鍼灸について詳しく知りたい方

  • なかなか目の疲れが楽にならない。
  • ホットアイマスクをしているが、効かない。
  • 眼精疲労がつらい。

 

こういった目の症状について鍼灸ができることを説明いたします。

 

○本ページの内容
  • 目の病気についてわかる
  • 目に対する鍼灸の効果、理論が分かる。

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

目の問題は非常にデリケート

 

眼科の領域で、鍼灸の効果があるのは下記のものです。

 

  • 眼精疲労
  • 仮性近視
  • 結膜炎
  • 疲れ目
  • かすみ目
  • 麦粒腫(ものもらい)

 

 

ただ、臨床報告においては、上記以外の症状にも効果があると多数報告されています。

目の病気はたくさんありますが、ここでは代表的な疾患を紹介します。

 

結膜炎

 

目の結膜に起こる炎症性疾患で、アレルギー性結膜炎感染性結膜炎があります。

 

アレルギー性結膜炎

春から夏に多く、花粉などが影響します。

 

感染性結膜炎

アデノウイルスやクラミジア、グラム陽性球菌などの細菌によって発病します。

 

 

 

鍼灸による対処法(ツボ)

結膜炎は、目の洗浄、点眼薬が最優先になりますが、鍼灸によるアレルギー対策と目周囲の血流を改善させることで、早期の回復を実現させております。

 

具体的に効果があるのはアレルギー性結膜炎で、百会、上星を使ったアプローチを行います。

これにより、アレルギーによる好酸球の活性化を落ち着かせ、結膜炎のかゆみを楽にしていきます。

 

また、目の周辺に鍼灸を行うことで、消炎効果が起こり、目の充血と発赤を改善させます。

 

 

アレルギー性は季節ごとに繰り返すことが多い病気です。

 

角膜炎

 

コンタクトレンズなどによって角膜上皮バリアに炎症を起こし感染が起きた状態をいいます。

 

症状

目の痛みや、涙がでたり、充血が起こります。

 

鍼灸による対処法(ツボ)

一般的に点眼薬で対処することが最優先です。

 

鍼灸では、目の周辺のツボ(サンチク)を使うことで、角膜炎による炎症を落ち着かせていきます

 

また、アレルギー対策には百会を使い、自己免疫の正常化を狙います。

麦粒腫(ものもらい)

 

瞼にみられる黄色ブドウ球菌などによる膿点です。

 

鍼灸による対処法(ツボ)

抗菌薬の点眼や、軟膏の塗布が最優先してください。

 

通常1週間くらいで回復します。

 

医学が発達していない時代は、鍼灸で対応していました。

当院では、希望者のみ対応しておりますが、ほとんど対応することがありません。

 

一般的に合谷、天宗、殷門を使いますので、ご参考くださいませ。

白内障

 

水晶体がさまざまな原因で混濁し、視力が低下する病気です。

 

原因

 

加齢によるものが多いですが、糖尿病やアトピーなどの全身性疾患、網膜色素変性症などの眼内疾患に併発したり外傷や先天性に発病することもあります。

 

 

症状

視力が徐々に悪くなり、眩しく感じることがあります。

視野が霞がかかったような感じになるそうです。

鍼灸による対処法(ツボ)

一般的には、手術によって早期に回復可能です。

 

混濁した水晶体を摘出することにより視力が改善されます。

 

白内障の手術の半数は日帰り手術ですんでいます。

 

医学が発達していない時代では、【眼科医殺しの灸】といわれたツボがあり、鍼灸師たちはそのツボを使って、白内障を回復させていたそうです。

 

眼科医殺しの灸】とは太陽というツボですのでご参考くださいませ。

緑内障

緑内障は眼圧が高まることで、視神経が障害され、視野欠損などの視覚障害が現れます。

 

進行すると失明してしまう恐れがある病気です。

 

眼球内は 眼房水という液体が循環します。

眼房水は毛様体という組織で作られて、シュレム管から排出されます。

 

この眼房水の循環に異常が起きることで、眼圧が高くなります。

 

眼房水は常に循環しており、眼の中の圧力(眼圧)は一定に調節されています。

【眼圧の平均値10~21mmhg】

緑内障が疑われる症状3つ

 

1.眼圧が高い

2.視野が欠けている

3.視神経に障害が出ている

 

緑内障の分類

 

・原発開放隅角緑内障

・正常眼圧緑内障

・原発閉塞隅角緑内障

 

原発開放隅角緑内障

シュレム管のフィルターになっている部分が詰まり、房水が流れにくくなることが原因で眼圧が上昇し発症する緑内障です。

 

排出口は開いているのに奥の排出管が目詰を起こしている状態です。

 

この場合、眼圧上昇は軽度~中等度であることが多く、視野欠損はゆっくりと進行していきます。

 

進行が緩やかなため、自覚症状がでにくいです。

正常眼圧緑内障

正常眼圧緑内障は、眼圧の値は日本人における正常範囲内(正常上限:20.0mmHg)であるにもかかわらず、視神経が障害されることで発症します。

 

こちらは眼圧に異常がないのに、緑内障の状態であるタイプです。

 

はっきりとした原因はわかっていませんが、近視や加齢、網膜や視神経への血流不足が関与しているともいわれています。

 

血流不足が原因の場合、鍼の効果がおおいに期待できます。また、当院でも回復した事例がございます。

原発閉塞隅角緑内障

 

遺伝的な要因や年齢的な変化で隅角が狭くなり、線維柱帯から房水が排出されにくくなることが原因で、眼圧が上昇し発症する緑内障です。

 

加齢に伴うものは水晶体の厚みが増加して、虹彩と水晶体の間を房水が流れにくくなり、虹彩が前方へ押し出され隅角が狭くなることが原因です。

 

この場合、徐々にではなく突然発症することがあります。

 

急性緑内障発作が起こった場合は早急に病院に行くことをお勧めします。失明する危険性があります。

眼科による対処法

・薬

・レーザー

・手術

・点眼(現在使われている主な目薬は大きく分けて6種類あります。)

副作用

目薬も飲み薬と同様に副作用があります。角膜が荒れたりまぶたが下がってきたりすることが挙げられます。

鍼灸で眼圧が下がる理由

鍼灸で、眼圧を下げることができます。

 

当院では、利用者様からの要望で、眼精疲労と白内障の鍼灸を行ったところ、眼圧が下がり、大変喜ばれたことがあります。

 

鍼灸の臨床報告にも、緑内障の改善例など、多数発表されております。

 

しかし、2020年現在、鍼灸でなぜ眼圧が下がるのか科学的に解明されておりません。

 

 

脈絡叢とシュレム管周辺の血流の改善が回復のカギ

眼房水には、水道でいう、蛇口と排水口の役割をするところがあります。

 

  • 蛇口【脈絡叢】が開きすぎてしまい、過剰に流入している。
  • シュレム管の流れが悪くなり、眼房水の排出が妨げられている。

 

眼房水の圧力が高まる理由はこの2つが関わっていると当院はみております。

 

 

 

実際の目の鍼灸施術

脈絡叢とシュレム管の直接的な鍼灸はありませんが、ツボや目周辺の刺激で、眼内の環境を改善させております。

 

  • 三叉神経【眼神経】の神経アプローチで、目の周辺を刺激して、眼球内外の血流を回復させる。
  • 網膜中心動脈、静脈の血流が改善させることで、脈絡叢やシュレム管周辺の循環が回復する

 

上記の2つは科学的根拠はありませんが、このような好循環が生まれることで眼房水の減少を起こしていると考えております。

眼精疲労

 

ものを見るとき、目の水晶体という部分の厚みが変化してピントが調節されます。

 

水晶体の厚みを変化させるのは、水晶体の周りにある毛様体筋と呼ばれる筋肉です。

この毛様体筋の疲労が、目のピントを合わせずらくなり、目が疲れやすくなります。

 

パソコンやスマホを近くをみるときは、特に毛様体筋が緊張します。

 

 

 

眼精疲労の原因

 

長時間のスマホやパソコンの利用は毛様体筋がゆるむことが少なく、緊張状態が持続していることが多いため、毛様体筋に大きな負担がかかり疲れ目の症状が現れるのです。

 

 

鍼灸の対処法(ツボ)

眼精疲労を回復させるためには目の周りの血行をよくすることで改善します。

 

自宅でできる方法としてはまぶたに温かいタオルをのせたり、まぶたにシャワーを数分当てることで効果が期待できます。

 

 

 

さきほど、ご紹介した緑内障のアプローチを行うことで、眼精疲労の回復は可能です。

 

重度の眼精疲労に悩まれている方は、鍼灸をお勧め致します。

嚢胞性黄斑浮腫

 

黄斑浮腫は、糖尿病の合併症、白内障の術後、加齢によって、黄斑部が浮腫んでんでしまう病気です。

当院では、白内障の術後に発生した嚢胞性黄斑浮腫に鍼灸を行い、無事、全回復させた経験があります。

→嚢胞性黄斑浮腫の詳しい解説はこちら

 

目と東洋医学

 

 

東洋医学では12経絡といって、体に12の経路があると考えられています。

 

12経絡は道路でいえば高速道路みたいなもので、それぞれ名前がついています。

 

肝臓、心臓、脾臓、肺、腎臓、胆嚢、小腸、胃、大腸、膀胱。

 

 

 

道路には、いくつもインターがあるように、ツボと呼ばれるのはインターのことです。

 

この12のルートの中で、目に関連するのは肝です。

 

肝の正常化が目の回復を促す

 

【東洋医学による肝の役割】

血液を蓄え、体内の血液量を調整することです。

 

また、各臓器を調節し、胆汁を分泌するなどの機能もあります。

(注:西洋医学的な肝臓の働きとは異なります)。

 

肝の血が不足すると…

 

  • 目が疲れる
  • 筋がつっぱっる
  • こむら返り
  • 爪の色が悪くなる
  • 爪に細かい縦シワができる

 

肝の血が不足したり、気が無くなると、上記のような体の弊害が起きます。

鍼灸は眼科でも取り入れいてるところがあります

北部眼科

https://hkb.or.jp/eye/medical/hari.html

 

研究発表

・正常眼圧緑内障に対する鍼灸の長期効果について

https://dbarchive.biosciencedbc.jp/yokou/pdf/2009/200903444660154.pdf

・視力回復に及ぼす鍼の効果

https://doi.org/10.3777/jjsam.43.120

実際の眼精疲労の回復事例

  • 年齢・性別

30代男性

 

  • 2重に見えた時期

4ヶ月前

 

  • 複視になったきっかけ

113時間のパソコン作業

 

  • 眼科の対応

目の状態は異常が無い。視力も落ちていない。ルテイン、アントシアニン配合のサプリを処方されるが一向に良くならない。

 

  • ほかの対策

マッサージや眼精疲労に効く機械を購入するが効果がない。

 

  • 銀座そうぜん鍼灸院の来院経緯

サイトをみて

 

 

 

体のサインから、重度の眼精疲労と判断

  • 銀座そうぜん鍼灸院の対応・施術

 

カウンセリングをしたところ、重度の眼精疲労でした。

 

 

眼精疲労は段階があります。

  1. 眉間の鈍痛、集中できない。
  2. 目の周りがピクピク動く(眼瞼ミオキミア症状)
  3. 目の異常な充血、ドライアイ
  4. 物が2重にみえる(複視)、目の周囲が異常に浮腫む.

 

 

→眼瞼ミオキミアの解説はこちら

 

 

 

ツボを使って、早期の回復を目指す!

 

眼精疲労に効くツボをご紹介します。

 

  • 手三里
  • 四白
  • 大迎
  • 頭維

 

5回の鍼灸で2重にみえる症状は無くなりました。現在、眼精疲労の調子をみて、定期的に鍼灸を請けており、仕事も休まずできているとのこと。

眼精疲労のツボ
眼精疲労へのツボ
  • 鍼灸の考察

目の周りの浮腫がひどく、カラダの回復が起きない環境があった。眼精疲労の鍼灸より先に顔のリンパ還流の改善を優先させた。症状の割りに早期の回復が見込めたことはMさんにとって非常に良かった。

眼精疲労の鍼灸のまとめ

眼精疲労や眼痛でお悩みの利用者様も多く来院されます。

精疲疲労は5つに分けれます。

 

  1. 眼輪筋、側頭筋による眼精疲労
  2. 眼神経による眼精疲労
  3. 眼圧、ドライアイによる眼精疲労
  4. 精神的要因から起きる眼精疲労
  5. レーシック、白内障の術後による眼精疲労

 

 

目の疲れは神経痛のため、軽度の方は温熱で楽になります。重度になると目薬も効かなくなります。

 

当院に来院される眼精疲労の利用者様は、ロキソニン、バファリンで痛みを凌いでいた方が殆どです。また、眼精疲労は脳の過覚醒を悪化させます。

 

脳の過覚醒がつづくと、目のけいれん(眼瞼ミオキミア)を起こします。

 

 

目のけいれんの詳しい解説はこちら

 

銀座そうぜん鍼灸院では、眼精疲労の回復、眼圧の減少を得意としております。お気軽にご相談くださいませ。

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