薬剤性肺炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年  6月23日

更新日:2023年 10月 4日

本日は薬剤性肺炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 薬剤性肺炎とは
  • 薬剤性肺炎の症状
  • 薬剤性肺炎の原因
  • 薬剤性肺炎の改善方法
  • 薬剤性肺炎のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

薬剤性肺炎は、薬によって起きる肺障害のこと

薬剤性肺炎は、薬によって起きる肺障害のことです。薬剤性肺炎には色々なタイプが含まれており、中には急性の肺炎や亜急性の間質性肺炎、好酸球性肺炎などがあります。

 

原因となる薬はいろいろあり、抗がん剤や抗リウマチ薬、漢方薬、消炎鎮痛薬や抗菌薬などの病院で使われる薬だけではなく、一般用医薬品や健康食品などが原因となることもあります。

薬剤性肺炎の原因となる薬はいろいろ

薬剤性肺炎の原因となる薬はいろいろあります。抗がん剤や抗リウマチ薬、漢方薬、消炎鎮痛薬や抗菌薬などの病院で使われる薬や、一般用医薬品、健康食品などが原因となることもあります。

 

場合によっては、一般的な肺炎を改善するために使われる抗菌薬が原因で薬剤性肺炎が起きることもあります。

 

薬剤性肺炎が発症するメカニズムでは、薬が持っている潜在的な毒性によって起こるケースと、薬に対してのアレルギー反応によって起こるケースがあります。

薬剤性肺炎は、特定の薬剤が肺に悪影響を及ぼすことで発生する肺炎で、重篤な呼吸不全を引き起こすことがあります。その原因は多岐にわたり、様々な薬剤が関与しているため、現場では慎重な処方が求められています。

 

まず、薬剤性肺炎の原因となる薬剤の種類について見ていきましょう。薬剤性肺炎を引き起こす薬剤には、抗がん剤、抗生物質、抗炎症剤、心血管薬、抗精神病薬などがあります。これらの薬剤は、それぞれ異なるメカニズムで肺に影響を及ぼし、肺炎を引き起こす可能性があります。

 

抗がん剤による薬剤性肺炎は、がんの改善薬が正常な肺組織に悪影響を及ぼすことで発生します。抗がん剤はがん細胞を攻撃することで腫瘍の成長を抑える効果がありますが、同時に正常な細胞も傷つける可能性があります。これが肺組織にダメージを与え、肺炎を引き起こす原因となります。

 

抗生物質による薬剤性肺炎は、細菌感染の改善に使用される抗生物質が肺に影響を及ぼすことで発生します。抗生物質は細菌を殺菌することで感染を抑える効果がありますが、一部の抗生物質は肺の免疫反応を変化させることで肺炎を引き起こすことがあります。

 

抗炎症剤による薬剤性肺炎は、炎症を抑えることで痛みや腫れを和らげる効果がありますが、一部の抗炎症剤は肺の免疫反応を変化させることで肺炎を引き起こすことがあります。

 

心血管薬による薬剤性肺炎は、高血圧や心臓の病気の改善に使用される心血管薬が肺に影響を及ぼすことで発生します。一部の心血管薬は肺の血管を収縮させることで肺炎を引き起こすことがあります。

 

抗精神病薬による薬剤性肺炎は、精神疾患の改善に使用される抗精神病薬が肺に影響を及ぼすことで発生します。一部の抗精神病薬は肺の免疫反応を変化させることで肺炎を引き起こすことがあります。

 

薬剤性肺炎の原因はこれだけではありません。肺炎の発症には、年齢や体質、既往症、使用する薬剤の量や期間なども関与しています。

症状は、息切れや呼吸困難、痰のない咳、血痰、発熱、倦怠感など

薬剤性肺炎の症状は、息切れや呼吸困難、痰のない咳、血痰、発熱、倦怠感などです。他にも、皮疹や口腔内粘膜疹などが見られることもあります。

 

症状が軽い場合は、特に自覚症状は現れません。そのため、場合によっては胸部X線などによって薬剤性肺炎を発症していることが発見されることもあります。

 

症状が重い場合は、呼吸不全になることもあります。

 

調べてみると、経皮的動脈血酸素飽和度が下がっていたり、胸部の音を聞いた時乾性ラ音が聞き取れたりすることもあります。

薬剤性肺炎は、特定の薬剤の投与によって引き起こされる肺の炎症反応であり、様々な症状が見られます。主な症状には、呼吸困難、咳、発熱、胸痛などがありますが、薬剤や個々の患者の状態によって異なる症状が現れることがあります。

 

呼吸困難

薬剤性肺炎の代表的な症状の一つが呼吸困難です。肺の炎症反応により、肺胞が損傷し、ガス交換がうまく行われなくなるため、酸素の供給が不足し、呼吸困難が引き起こされます。呼吸困難の程度は軽度から重度まで様々であり、重症化すると生命を脅かすこともあります。

 

咳も薬剤性肺炎の代表的な症状の一つであり、肺の炎症により気道が刺激されることで起こります。咳の症状は、乾いた咳や痰を伴う咳があり、痰は透明から黄色、緑色、または血痰となることがあります。

 

発熱

薬剤性肺炎により肺に炎症反応が起こると、体温が上昇することがあります。発熱は通常38度以上の体温上昇を指し、体温の上昇幅や持続時間は個々の患者や病状によって異なります。

 

胸痛

胸痛は薬剤性肺炎において比較的珍しい症状ですが、肺の炎症が胸膜に及ぶと胸痛が引き起こされることがあります。胸痛の特徴や程度は様々であり、胸のどの部位に痛みが現れるかも異なります。

 

その他の症状

薬剤性肺炎による肺の炎症反応が全身に影響を及ぼすことがあり、全身倦怠感や食欲不振などの症状が現れることがあります。また、薬剤性肺炎に関連して他の臓器に障害が生じることもあり、肝臓や腎臓の機能障害などが見られることがあります。

 

薬剤性肺炎の症状は、原因となる薬剤や体の状態によって異なります。また、症状が軽度である場合もあれば、重症化し生命を脅かすこともあります。

薬剤性肺炎の改善方法は、原因であると疑われる薬をやめること

薬剤性肺炎を改善するためには、最初に原因であると疑われる薬をやめることが大事です。症状が軽い場合は原因となっている薬をやめるだけで改善することもあります。

 

しかし、自分が発症している病気があり、その病気を改善するために必要である薬が原因になることもあります。その場合は、他の種類の薬に変えることが必要になります。

 

また、原因になった薬は再び使わないようにすることも大事です。

 

症状が中等度以上の場合や原因となっている薬をやめただけでは改善しない場合、ステロイドを使います。症状が重くなると、ステロイドを大量に使う方法で改善を行なった後、ステロイドの内服を行うことも多いです。

薬剤性肺炎の改善方法は、原因となった薬剤の特定と中止、酸素の補充や人工呼吸器の使用病状によっては副腎皮質ステロイドの使用などが含まれます。改善方法は状態や病因によって異なるため、医師の判断が必要です。

 

原因薬剤の特定と中止

薬剤性肺炎の改善の第一歩は、原因となる薬剤の特定と中止です。症状が発現した時点で、使用していた薬剤を詳細に検討し、病状との関連性を評価することが重要です。原因となる薬剤が特定できた場合、その薬剤を中止し、代替薬の使用を検討します。

 

・酸素の補充や人工呼吸器の使用

薬剤性肺炎の改善において、重要な要素で、状態によっては、酸素の補充や人工呼吸器の使用が必要となることがあります。また、栄養状態の改善や体液バランスの調整も大切です。これにより体力を回復させ、病状の改善を図ります。

 

副腎皮質ステロイドの使用

薬剤性肺炎に対する改善として、副腎皮質ステロイドの使用が検討されることがあります。ステロイドは強力な抗炎症作用を有しており、肺の炎症を抑えることができます。ただし、ステロイドの使用には副作用のリスクが伴うため、慎重な判断が必要です。ステロイドの使用が適切であるかどうかは、患者の症状や病状によって異なります。

 

その他の方法

薬剤性肺炎の改善方法には、その他にも様々な改善方法が検討されます。免疫調整薬や抗線維化薬の使用が考えられることもあります。また、特定の病因による薬剤性肺炎の場合、それに対応した改善が必要となることがあります。たとえば、感染症による薬剤性肺炎の場合、適切な抗感染症薬の使用が必要となります。

 

薬剤性肺炎の改善方法は、状態や病状によって異なるため、個々に合った計画の立案が重要です。

薬剤性肺炎の改善に使われる薬は、主に以下のようなものがあります。

 

副腎皮質ステロイド

薬剤性肺炎において最も一般的に使用される薬剤です。副腎皮質ステロイドは、強力な抗炎症作用を持ち、肺の炎症を抑制することができます。プレドニゾロンやメチルプレドニゾロンなどが使用されることが多いです。

 

免疫調整薬

ステロイドに反応しない場合や、ステロイド依存となった場合には、免疫調整薬が検討されることがあります。免疫調整薬は、免疫反応を抑制することで炎症を和らげる作用があります。アザチオプリンやシクロスポリンなどが使用されることがあります。

 

抗線維化薬

薬剤性肺炎が進行し、肺に線維化が見られる場合には、抗線維化薬が使用されることがあります。抗線維化薬は、肺の線維化を防ぐことで呼吸機能の低下を抑える効果があります。ピルフェニドンやニンテダニブなどが使用されることがあります。

 

その他の薬剤

薬剤性肺炎の原因や病状によっては、抗生物質や抗ウイルス薬、抗真菌薬なども使用されることがあります。

 

これらの薬剤は、薬剤性肺炎の改善に効果があるとされていますが、副作用や相互作用もあるため、慎重な使用が必要です。

薬の投与を始めて2~3週間から2~3ヶ月で発症することが多い

通常、薬剤性肺炎は、薬の投与を始めてから2~3週間から2~3ヶ月で発症することが多いです。しかし、場合によっては、薬の投与を始めてから数年経ってから発症することもあります。

 

薬剤性肺炎は、薬を投与している時に薬が原因でもともとの薬の効果だけでなく予期していなかった有害な反応が起きて発症する肺炎のため、どのくらいの期間で反応が起こるかについては決まっていないのです。

薬剤性肺炎に効果的なツボ

・肺兪

・尺沢

・雲門

・腎兪

・関元

肺兪

肺兪の兪には輸送するという意味があり、肺兪が肺に繋がって肺に気を送る場所であると考えられていたことから肺兪という名前がつけられています。

 

肺兪の効果は、内臓の機能や全身の機能を整えることです。内臓や全身の機能が整うと、肌が健康を保ってくれます。

 

さらに、呼吸器に現れる咳や息苦しさなどの症状を和らげる効果やインフルエンザなどの予防、風邪によって現れる症状を和らげる効果もあります。

尺沢

尺沢は、呼吸器に現れる色々な症状に効果を発揮します。花粉症の症状に対しても効果があると言われています。

 

特に、咳や痰に対して効果を発揮するツボで、喉の痛みに高い効果を発揮します。扁桃の腫れや痛みを和らげる効果もあるため、扁桃のツボと呼ばれることもあります。そのため薬剤性肺炎にも効果が期待できます。

雲門

雲門は、肺に関係するツボを集めて結んだ経絡である肺経に属するツボのため、肺に関係する症状を和らげる効果があります。

 

雲門が使われることの多い症状は、咳や喘息などです。また、雲門は胸部と肩に通じる場所にあるため、胸部と背部のこりにも高い効果があります。

 

咳がなくても肩こりによって息苦しい時にも効果を発揮します。そのため、薬剤性肺炎にも効果が期待できます。

ツボの位置と押し方

肺兪

肺兪は、肩甲骨の内上角の高さで、第3胸椎から左右外側に指幅約2本分進んだ場所にあります。左右両側にあるツボです。

 

背部にあるため、ツボを押すときは自分で押すよりも家族や友達などに押してもらうことをお勧めします。また、お灸などをしてもらって温めることも非常に効果的です。

尺沢

尺沢は肘を曲げた時にできるシワの上にあります。肘を曲げて親指側にある筋肉の外側のへこんだ場所を探しましょう。

 

お灸を行うことも効果的なツボです。お灸がないときは自分で力加減に注意して優しく押しましょう。強く押しすぎると痛い場所にあるツボのため、力加減は自分で加減することをお勧めします。

雲門

雲門の場所は、鎖骨の下縁から肩に向かって進んだ時のくぼみです。鎖骨の下から指で外に向かって触り、肩の骨にぶつかった時にあるへこみにツボがあるのです。

 

押すときのイメージは、体の奥へ向かってツボを押すイメージです。ゆっくりと気持ちが良く感じるくらいの力で押すことをお勧めします。

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