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公開日:2022年 10月23日
更新日:2025年 9月 5日
本日は急性散在性脳脊髄炎について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
急性散在性脳脊髄炎の原因の多くは、ウイルスに感染することやワクチンを接種することです。
免疫力が強くなり過ぎてしまい、自分自身の体を攻撃してしまうことで脳や脊髄、目などの神経を傷つけて病気が発症すると考えられているのです。
原因になる病原体は、インフルエンザウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、水痘、帯状疱疹ウイルス、EBウイルス、アデノウイルス、サイトメガロウイルスなどと、マイコプラズマ、カンピロバクター、溶連菌などがあります。
ワクチンを接種した後に発症している中で原因となっていることが多いワクチンはインフルエンザとヒトパピローマウイルスのワクチンです。
しかし、他にも、B型肝炎ウイルスワクチン、日本脳炎ワクチンなど色々なワクチンで急性散在性脳脊髄炎が発症していることが報告されています。
ADEMの本質は、自己免疫性の炎症です。本来、免疫はウイルスや細菌などの外敵を攻撃します。しかしADEMでは、感染やワクチン接種をきっかけに、免疫が誤って自分の脳や脊髄の神経組織を攻撃してしまうのです。この誤作動によって、脳や脊髄のあちこちに炎症が散らばることから散在性と呼ばれます。
最も多いのは、インフルエンザや麻疹、風疹、水痘、EBウイルス、マイコプラズマなどの感染後に発症するタイプです。特に小児では、風邪や発熱の数日から数週間後にADEMを発症するケースが目立ちます。
まれに、ワクチン接種後にADEMが報告されています。これは、ワクチンの成分そのものが原因ではなく、免疫を刺激したことが引き金になり、自分の神経組織に似た部分を外敵と勘違いして攻撃してしまうためだと考えられています。近年のワクチンは改良され安全性が高まっており、発症は非常にまれです。
すべての人が感染やワクチン後にADEMを起こすわけではなく、免疫の反応性が強い体質や遺伝的に自己免疫を起こしやすい背景などが関わっていると考えられています。
急性散在性脳脊髄炎の症状は、頭痛や吐き気や嘔吐、発熱などです。症状が重くなると、手足のしびれや痙攣、歩きにくさ、意識がもうろうとする、目が見えにくくなる、感覚の鈍りなどの症状が現れます。
他にも、行動の異常、話ができなくなるなどの症状も現れることがあります。
急性散在性脳脊髄炎の発症は、ウイルスに感染したりワクチンを接種したりした後、数日から4週間の間に起こります。症状も急激に現れます。
ほとんどの場合、最初は見られません。しかし、約1割の人は3ヶ月以上後に再発することがあると言われています。
全身症状は、発熱、頭痛、強い倦怠感、吐き気や嘔吐などです。感染後に風邪が改善したと思ったら急に悪化したという経過をとることもあります。
神経症状は、意識障害、けいれん発作、言葉が出にくい、理解できない、感覚障害、運動麻痺、視力障害などです。
脊髄症状は、下半身の麻痺、歩行困難、排尿障害や便秘などです。
急性散在性脳脊髄炎の改善方法は、確立されていません。今のところは、入院をして、ステロイドを大量投与する方法が改善に有効であると言われています。
一般的な方法としては、初めに大量のステロイドを静脈注射し、その後量を少しずつ減らしながら投与していきます。
なかなか効果が見られない場合は、免疫グロブリンを大量に投与したり、血液の体外循環装置を使って病気の原因になっている物質を含んだ血漿を体の外に出して新鮮な血漿を補充する方法を行なったりすることもあります。
・ステロイド
最も一般的で第一選択の改善方法です。メチルプレドニゾロンという強力なステロイドを、数日間点滴で大量に投与します。炎症を素早く鎮め、免疫の暴走を抑えます。投与が終わると徐々に量を減らしながら飲み薬に切り替えます。多くの方は、症状が改善します。
・免疫グロブリン
ステロイドで効果が不十分な場合に使われます。健康な人の血液から作られた抗体を点滴で投与します。異常な免疫反応を中和して、自己攻撃を抑える働きがあります。小児や重症例でも有効なケースがあります。
・血漿交換法
さらに症状が重く、ステロイドやIVIGで改善しない場合に行われます。血液を体の外に取り出し、血漿から異常な自己抗体や炎症物質を取り除いてから体に戻す方法です。免疫反応をリセットするような働きがあります。
3. 症状への対処
けいれんが強い場合は抗けいれん薬、脳圧が上がっている場合はマンニトールなどで脳浮腫を軽減するなどの方法が行われます。麻痺や歩行障害が残った場合には早期からリハビリが行われます。
急性散在性脳脊髄炎は命に関わることもある病気で、後遺症が残る可能性もある病気ですが、発症を防ぐことは難しいです。そのため、疑いのある症状が現れた場合は、早く気がつき、専門的な知識のある病院に行くことが大事です。
ワクチンを接種した後やウイルスに感染した後、4週間の間は、疑いのある症状が現れていないかどうかを注意して見ておきましょう。