飛蚊症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 2月 1日

更新日:2021年 5月 15日

本日は飛蚊症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 飛蚊症とは
  • 飛蚊症の原因
  • 飛蚊症の症状
  • 飛蚊症の改善方法
  • 飛蚊症と似ている病気
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

飛蚊症は、物を見ている時黒い虫のようなものが動いて見える状態

飛蚊症では、自分の視野の中に虫やごみ、糸くずや水玉のようなものが現れます。黒いススや輪、おたまじゃくしのように見えることもあります。これらは、瞬きをしたり目を擦ったりしても消えません。

 

ほとんどの場合は問題ありませんが、何かの病気の症状の1つとして現れている場合もあるため、注意が必要です。

飛蚊症は目の中の濁りが網膜にうつることを自覚することで起きます。明るい空や白い壁の時は目立ちやすく、暗いところでは分かりずらくなります。

 

飛蚊症には、心配しなくても大丈夫なものと、大きな病気の前兆などとなっているもの、症状は似ていて飛蚊症ではない別の病気のものなど、いろいろなケースが考えられます。

 

飛蚊症は多くの人に起こる症状です。心配して不安になりすぎないためにも大きな病気を見逃さないためにもきちんと知っておくことが大切です。

年齢変化によって起こる飛蚊症と病気によって起こる飛蚊症

飛蚊症の原因には、年齢の変化によって起こるものと病気によって起こるものがあります。

 

年齢での変化によって起こるものは、生理的飛蚊症と言います。目の中にある硝子体というゼリー状の物質が、年齢を重ねるにつれて融解して萎縮すると網膜と硝子体の間に隙間ができます。この隙間ができたすぐ後に飛蚊症の症状が出やすくなります。

 

病気によって起こる飛蚊症は、網膜裂孔や網膜剥離、眼底出血、ぶどう膜炎などの病気で硝子体に濁りが起きることによって起こります。この硝子体の濁りから病気の初期症状として、飛蚊症が現れるのです。

飛蚊症で1番多い原因は、後部硝子体はく離です。
 
目の中に詰まっている硝子体というゼリー状の物質は、ドロドロした濃い状態から年齢とともにサラサラした液体状の状態の部分が増えてきます。そのことによって硝子体全体が少しずつ収縮するようになります。
 
 
硝子体が収縮すると、硝子体の一部が目の奥にある網膜からはがれます。これが後部硝子体はく離です。はがれた硝子体の影が網膜に映ることで黒い虫のようなものが見えるのです。
1. 角膜や水晶体の異常:
飛蚊症の原因の一つは、角膜や水晶体に異常が生じた場合です。例えば、角膜に傷があると、その傷が視界に映り込んで点や線として認識されることがあります。また、水晶体に白斑ができたり、脱水が進行したりすると、視界に模糊した物体が浮かび上がることがあります。
 
2. 眼のガラス体の変化:
飛蚊症の最も一般的な原因は、眼の中にあるガラス体と呼ばれる透明なゼリー状の物質の変化です。ガラス体は目の中を充填しており、光を網膜に届ける役割を果たしています。年齢とともにガラス体は変性し、液体の一部が凝固して固まることがあります。これが飛蚊症の主な原因となります。
 
3. ガラス体の液体の分離:
ガラス体は液体であり、網膜にしっかりと付着していることが理想的ですが、時折ガラス体が網膜から分離してしまうことがあります。この状態をガラス体剥離と呼びます。ガラス体が剥離すると、網膜に引っ張りを与えることがあり、それが飛蚊症の原因となることがあります。
 
4. 網膜剥離:
網膜が目の内側から剥がれる網膜剥離も飛蚊症の原因となります。網膜剥離は重大な状態であり、速やかな治療が必要です。網膜剥離が進行すると、飛蚊症だけでなく、視力の低下や視野の欠落などの深刻な問題を引き起こす可能性があります。
 
5. 眼内出血:
眼内出血は、ガラス体や網膜の血管からの出血によって引き起こされることがあります。眼内出血があると、血液がガラス体に混じり込み、飛蚊症のような症状が生じることがあります。
 
6. 眼内炎症や網膜の病気:
眼内の炎症や網膜の異常は、飛蚊症の原因になることがあります。炎症や網膜の病気によって、視界に影や点が現れることがあります。
 
7. 薬物の副作用:
特定の薬物や薬物の副作用も飛蚊症を引き起こすことがあります。特に抗生物質や抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などが原因となることが知られています。
 
8. 糖尿病網膜症や加齢黄斑変性:
糖尿病網膜症や加齢黄斑変性などの網膜に影響を与える病気は、視界に異常な影や模様を現れる原因となることがあります。
 
9. 白内障手術後の合併症:
白内障手術後に、ガラス体に不透明な物質が残ることがあります。これが飛蚊症の原因となることがあります。
 
10. ストレスや疲労:
飛蚊症はストレスや疲労によって悪化することがあります。心身のストレスや疲労が目の症状に影響を与えることはよく知られています。

網膜裂孔と網膜はく離には注意

飛蚊症があっても、飛蚊症だけでは急に目の状態が悪くなるということはありません。しかし、注意が必要なこともあります。網膜裂孔です。

 

網膜裂孔は網膜の一部が不均等に引っ張られて小さな穴や裂け目ができる症状です。網膜裂孔が起きると、網膜はく離へが起きる可能性があります。

 

網膜はく離が起こると、視細胞の機能が急激に悪くなります。急激に視力が落ちるのです。網膜はく離は起きる場所によって、視力の回復が難しいこともあります。

見える範囲の中で一部が欠けて見えていたり、見え方に歪みがあったりする場合、網膜はく離を起こしている可能性が高いです。

 

網膜はく離が起こった人のほとんどは初期段階で飛蚊症が起こります。飛蚊症が起こったら、病院に行き、目を調べておくことが大切です。

1. 点状の影や線状の物体:

飛蚊症の最も一般的な症状は、視界に点や線のような影が浮かんで見えることです。これらの影は通常黒色または透明であり、目を動かしても視界から消えないことが特徴です。

 

2. 蜘蛛のような物体:

一部の患者は、蜘蛛のような物体が視界に現れると表現します。これらの物体はしばしば動き回り、目を追ってもなかなか捉えることができません。

 

3. 瞬きや目の動きによる影響:

飛蚊症は、瞬きや目の動きによって症状が変わることがあります。特に目を動かすと、影や点が動くように感じることがあります。

 

4. 逆光や明るい背景の影響:

逆光や明るい背景の下では、飛蚊症の影がより顕著になることがあります。例えば、白い壁や明るい空に対して視界を見ると、影や点が目立つことがあります。

 

5. ダブルビジョンやぼやけ:

飛蚊症の影や点がダブルビジョンを引き起こすことがあります。また、物体がぼやけて見えると感じることもあります。

 

6. 網膜外への注目:

飛蚊症の影は、通常、物体を直接見るよりも網膜の外側に集中していると感じることがあります。そのため、患者は目の中に物体が存在するのではなく、目の外側に物体があるような錯覚を持つことがあります。

 

7. 一時的な症状と持続的な症状:

飛蚊症は一時的なものから持続的なものまで、個人差があります。一部の人は一時的な飛蚊症を経験し、数日から数週間で症状が自然に改善することがあります。しかし、他の人は長期間にわたって飛蚊症を経験し続けることがあります。

 

8. 視力に影響を与えない場合もある:

飛蚊症が視力に直接的な影響を与えることは通常ありません。飛蚊症の影や点が視界に浮かんでいるにもかかわらず、視力自体は損なわれていないことがあります。

 

以上のように、飛蚊症は視界に現れる点や線、蜘蛛のような物体が主な症状です。これらの影や点は通常黒色または透明であり、目を動かしても視界から消えないことが特徴です。飛蚊症は一時的なものから持続的なものまであり、逆光や明るい背景の下で影響が顕著になることがあります。

飛蚊症が現れた時は、目を調べ病気の可能性を確認する

飛蚊症の症状が現れた時は、まず目を調べ病気の可能性がないか確認することが必要です。

 

年齢が原因で起きる飛蚊症の場合、黒い影は目の動きと一緒に動くことが多いです。目安として黒い影の動きを見てみると良いでしょう。黒い影が動かない場合やどんどん増えるような場合は、病気の可能性もあるため病院にいく必要があります。

 

飛蚊症だけでなく、視力が下がったり目が痛かったり、見える範囲が狭くなって行ったり欠けたり、など黒い影が見えること以外の症状がある場合にも病院に行くことをお勧めします。

飛蚊症は、飛蚊症が起こること自体が病気ではありません。ほとんどの飛蚊症は病気ではありません。しかし、目の病気が原因となっていることもあります。

 

症状として飛蚊症が現れる病気に注意をして、何か異常があればすぐに病院に行き調べることが大切です。本当に飛蚊症かどうかを相談し、飛蚊症と判断されたときには詳しく調べることをお勧めします。

1. 基本的な対処法:

飛蚊症は一時的なものから持続的なものまで様々であり、症状が軽度で視力に影響を与えない場合は、特別な改善を行わなくても問題ありません。ただし、いくつかの基本的な対処法を実践することで、症状を和らげることができます。

 

ストレス管理: ストレスは飛蚊症の症状を悪化させることがあります。リラックスした状態を保つためにストレス管理技術を取り入れましょう。瞑想や深呼吸、ヨガなどが効果的です。

 

十分な休息: 眠り不足や疲労は飛蚊症の症状を悪化させる可能性があります。十分な休息を取ることで、目の疲れを軽減することができます。

 

目のストレッチ: 目のストレッチや目の運動を行うことで、目の疲れを和らげることができます。目をゆっくりと上下左右に動かす、近くと遠くの物体を交互に見る、まばたきを増やすなどの簡単なトレーニングが効果的です。

 

良好な姿勢: 良好な姿勢を保つことで、首や背中の負担を軽減し、目の疲れを軽減することができます。デスクワークなどを行う際には、姿勢を意識しましょう。

 

2. ガラス体手術(Vitreolysis):

飛蚊症の最も一般的な原因はガラス体の変性であり、ガラス体内の不透明物質が影や点として視界に映ることが多いです。ガラス体手術、またはVitreolysisは、飛蚊症の改善に使用される手術的な方法の一つです。

 

Vitreolysisはレーザーを使用してガラス体内の不透明物質を分解する手術です。レーザーは目に優しく、通常局所麻酔で行われます。手術の結果、不透明物質が小さな断片に分解され、視界に映る影や点の数が減少し、症状の改善が期待できる場合があります。

 

3. ガラス体除去手術(Vitrectomy):

重度の飛蚊症やガラス体の変性による深刻な症状を経験している場合に対しては、ガラス体除去手術、またはVitrectomyが検討されることがあります。Vitrectomyは、眼科専門医がガラス体を一部または全体的に取り除く手術です。

 

Vitrectomyは一般的に局所麻酔下で行われ、眼内カメラやミクロ手術器具を使用して実施されます。手術の目的は、不透明物質や影響がある部分のガラス体を取り除き、視界を改善することです。手術後は回復期間が必要となりますが、症状の改善が期待できる場合があります。

 

4. 症状の認知と適切なカウンセリング:

飛蚊症の症状は人によって受け取られ方が異なるため、医師や専門家から適切なカウンセリングを受けることが重要です。飛蚊症が網膜剥離や網膜裂孔などより深刻な目の病気と混同されることがあるため、自分の症状を理解し、適切な対処法を知ることが重要です。

 

5. 視力補正:

飛蚊症が視力に直接的な影響を与えない場合でも、視力補正が症状の軽減に役立つことがあります。眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、視界の焦点を合わせることができ、症状が目立たなくなる場合があります。

 

6. 自然対応:

飛蚊症は一時的なものから持続的なものまで様々であり、自然に症状が改善する場合もあります。特に一時的な飛蚊症は、しばしば数日から数週間で自然に改善することがあります。焦らずに経過を観察し、自然対応することも一つの選択肢です。

 

7. サプリメントの摂取:

特定の栄養素や抗酸化物質が目の健康に寄与することが知られています。飛蚊症に対して効果があるかは科学的な証拠は不十分ですが、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、オメガ-3脂肪酸などを含むサプリメントを摂取することで、目の健康をサポートすることができるかもしれません。

 

8. マインドフルネス瞑想:

飛蚊症の症状が心理的ストレスと関連している場合、マインドフルネス瞑想が助けになることがあります。マインドフルネス瞑想は、現在の瞬間に集中し、心を静めることでストレスを軽減する手法です。これにより、症状が気にならなくなることがあります。

 

9. 視覚環境の調整:

飛蚊症の影響を軽減するために、視覚環境を調整することが役立つ場合があります。明るすぎる照明を避け、適切な照明条件を確保することで、症状が目立たなくなることがあります。

 

飛蚊症の改善法は症状の原因や重症度によって異なります。重篤な場合や日常生活に支障をきたす場合は、眼科専門医の判断と指導を受けることが重要です。特にガラス体手術やガラス体除去手術は重要な改善法であり、症状の軽減に寄与する可能性があります。ただし、どの改善法を選択するかは個々の症状に応じて決定されるべきです。

 

最後に、飛蚊症が日常生活に与える影響は個人差がありますが、適切な対処法を実践することで症状の改善が期待できます。

飛蚊症と似ている病状が現れる別の病気

飛蚊症と似ている病状が現れる別の病気もあるため、注意が必要です。

 

飛蚊症と似ている病気の1つ目は硝子体出血です。硝子体出血は、網膜の血管などが破れ、硝子体の中に血が出る病気です。出血が多い場合、急激に視力が下がるため硝子体出血であるという判断ができますが、出血が少ない場合は飛蚊症と同じような症状のように感じられます。

 

2つ目はぶどう膜炎です。ぶどう膜炎は、ぶどう膜が細菌などに感染したことが原因で炎症を起こす病気です。視力の低下や目の痛みやかすみなどの症状がありますが、飛蚊症と同じような症状も起こることがあります。

 

他にも、頭痛や目の痛みなどが起こる血管新生緑内障や、目のけがや白内障の手術の後などに起こる感染症で、飛蚊症と同じようなの症状が起きることもあります。

 

どのような場合でも、病院で調べる必要があるため、飛蚊症の症状が現れたらまず病院に行くことをお勧めします。

飛蚊症の改善例

ケース1: 軽度の飛蚊症を経験している場合

Aは40代の女性で、最近飛蚊症の症状を経験しています。彼女は点状の影や線状の物体が視界に浮かぶことに悩んでおり、特に明るい背景の下で症状が顕著になることに気づいていました。視力自体は問題なく、日常生活には支障をきたしていませんが、症状の存在によりストレスを感じていました。

 

改善の第一段階として、Aには基本的な対処法を実践するよう指導しました。ストレス管理技術を学び、十分な休息を取ること、目のストレッチや目の運動を行うことなどを勧めました。また、明るい照明の下での作業を控えるようアドバイスし、視覚環境の調整にも取り組むようにしました。

 

1ヶ月後のフォローアップで、Aは症状の軽減を報告しました。彼女はストレス管理技術を取り入れ、目の運動を継続して実践していたことで、症状が軽減したと感じていました。さらに、視力補正を行うことで、視界の焦点を合わせることができ、症状が目立たなくなったとの報告もありました。

 

Aは今後も基本的な対処法を継続して実践することを決定しました。彼女は日常生活に支障をきたすほどの症状ではなかったため、特別な改善は必要ないと判断しました。ただし、症状が再び悪化したり、新たな症状が現れた場合は、いつでも眼科専門医に相談することを約束しました。

 

ケース2: 飛蚊症により日常生活に支障をきたす場合

Bは60代の男性で、数ヶ月前から持続的な飛蚊症の症状を経験しています。彼は明るい背景の下で症状が悪化することに加えて、瞬きや目の動きによっても症状が変化することを報告しています。視力自体は正常ですが、点や線状の影が常に目に映ることにより、日常生活に支障をきたしています。特に仕事や運転中に影響を受けることが多いとのことです。

 

Bにはまず、基本的な対処法を試してもらいましたが、症状の改善は見られませんでした。そのため、ガラス体手術(Vitreolysis)を検討することとなりました。Vitreolysisはガラス体内の不透明物質をレーザーで分解し、症状の軽減を図る手術です。

 

手術前にBには手術のリスクとメリットについて詳しく説明し、理解と同意を得ました。手術は局所麻酔下で行われ、手術時間は数十分程度です。手術後、Bは数日間の安静を保ち、眼科専門医の指示に従いました。手術後の経過は順調であり、数日後には症状の改善を実感していました。

 

1週間後のフォローアップで、Bは症状の大幅な改善を報告しました。手術により、ガラス体内の不透明物質が分解され、視界に映る点や線状の影が減少したことが明らかになりました。明るい背景の下でも症状が顕著になることが少なくなり、日常生活においても違和感を感じなくなったとの報告がありました。

 

Bは手術後も眼科専門医の定期的なフォローアップに参加し、経過を観察しています。手術を受ける前よりも症状が大幅に軽減され、日常生活においても支障をきたさなくなったことに感謝しています。

 

このように、飛蚊症の改善は個々の症状によって異なります。軽度の症状では基本的な対処法や自然対応で改善が期待できる場合もありますが、持続的で重度の症状にはより積極的な改善が必要となることがあります。

 

最適な改善法を選択するには、眼科専門医との十分な相談と判断が必要です。また、改善後も定期的なフォローアップを受けることで、経過を把握し、必要な場合には適切な追加の改善方法を検討することが大切です。

 

飛蚊症は一般的な目の問題であり、多くの場合は重篤な問題ではありませんが、症状によっては日常生活に影響を及ぼすこともあります。早期に専門医の判断を受け、適切な改善を受けることで、生活の質を向上させることができるでしょう。

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