公開日:2021年 2月 1日
更新日:2024年 4月15日
本日は飛蚊症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
飛蚊症は、目の中に小さな浮遊物や点や糸のようなものが現れる病気です。ハエや蚊が点在しているように見えることや、黒いススや輪、おたまじゃくしのように見えることもあります。これらは、瞬きをしたり目を擦ったりしても消えません。
基本的に飛蚊症は目の状態が悪くて起きます。ほとんどの場合は問題ありませんが、何かの病気の症状の1つとして現れている場合もあるため、注意が必要です。
飛蚊症は目の中の濁りが網膜にうつることを自覚することで起きます。明るい空や白い壁の時は目立ちやすく、暗いところでは分かりずらくなります。
飛蚊症には、心配しなくても大丈夫なものや大きな病気の前兆などとなっているもの、症状は似ていて飛蚊症ではない別の病気のものなどいろいろなケースが考えられます。
飛蚊症は、目のゼリー上の物質である硝子体が老化や変化によって繊維化して影になり網膜に移ることによって起こる病気です。
飛蚊症には年齢の変化によって起こるものと病気によって起こるもの、脳過敏によって起こるものがあります。手術の後や炎症や感染によって起こることもあります。
年齢での変化によって起こるものは、生理的飛蚊症と言います。目の中にある硝子体というゼリー状の物質が、年齢を重ねるにつれて融解して萎縮することで網膜と硝子体の間に隙間ができます。この隙間ができたすぐ後に飛蚊症の症状が出やすくなります。
病気によって起こる飛蚊症は、病気で硝子体に濁りが起きることによって起こります。この硝子体の濁りから病気の初期症状として、飛蚊症が現れるのです。
脳過敏型飛蚊症は後頭野の問題であると捉えています。視界に砂嵐のような映像が現れる病気であるビジュアルスノー(砂嵐症候群)と同じで、見たものは同じであるが処理する脳がおかしいと偽物の飛蚊症が起こるのです。この場合、目の異常はありません。
・硝子体剥離
・網膜剥離
・糖尿病性網膜症
・炎症性眼疾患
・ぶどう膜炎
・外傷
・高血圧性網膜症
飛蚊症の症状は、目の中に小さな浮遊物や点や糸のようなものが起こったり、ハエや蚊が点在しているように見えることです。
飛蚊症があっても、飛蚊症だけでは急に目の状態が悪くなるということはありません。しかし、注意が必要なこともあります。網膜裂孔です。
網膜裂孔は網膜の一部が不均等に引っ張られて小さな穴や裂け目ができる症状です。網膜裂孔が起きると、網膜はく離へが起きる可能性があります。
網膜はく離が起こると、視細胞の機能が急激に悪くなります。急激に視力が落ちるのです。網膜はく離は起きる場所によって、視力の回復が難しいこともあります。
見える範囲の中で一部が欠けて見えていたり、見え方に歪みがあったりする場合、網膜はく離を起こしている可能性が高いです。網膜はく離が起こった人のほとんどは初期段階で飛蚊症が起こります。飛蚊症が起こったら、病院に行き、目を調べておくことが大切です。
点状の影や線状の物体:飛蚊症の最も一般的な症状は、視界に点や線のような影が浮かんで見えることです。これらの影は通常黒色または透明であり、目を動かしても視界から消えないことが特徴です。
蜘蛛のような物体:一部では、蜘蛛のような物体が視界に現れると表現します。これらの物体はしばしば動き回り、目を追ってもなかなか捉えることができません。
瞬きや目の動きによる影響:飛蚊症は、瞬きや目の動きによって症状が変わることがあります。特に目を動かすと、影や点が動くように感じることがあります。
逆光や明るい背景の影響:逆光や明るい背景の下では、飛蚊症の影がより顕著になることがあります。例えば、白い壁や明るい空に対して視界を見ると、影や点が目立つことがあります。
ダブルビジョンやぼやけ:飛蚊症の影や点がダブルビジョンを引き起こすことがあります。また、物体がぼやけて見えると感じることもあります。
網膜外への注目:飛蚊症の影は、通常物体を直接見るよりも網膜の外側に集中していると感じることがあります。そのため、目の中に物体が存在するのではなく、目の外側に物体があるような錯覚を持つことがあります。
一時的な症状と持続的な症状:飛蚊症は一時的なものから持続的なものまで、個人差があります。一部の人は一時的な飛蚊症を経験し、数日から数週間で症状が自然に改善することがあります。しかし、他の人は長期間にわたって飛蚊症を経験し続けることがあります。
視力に影響を与えない場合もある:飛蚊症が視力に直接的な影響を与えることは通常ありません。飛蚊症の影や点が視界に浮かんでいるにもかかわらず、視力自体は損なわれていないことがあります。
飛蚊症の症状が現れた時は、まず目を調べ病気の可能性がないか確認することが必要です。多くの場合は、特別な改善を必要としません。時間経過とともに慣れることによって飛蚊症の重要性が低下する時にしなくなるため経過観察を行います。
他には、レーザーや手術があります。レーザーは、特定の種類の飛蚊症に対してレーザーで硝子体の繊維や物質を分解し分散させる改善方法で、手術は、重症の場合に行われます。繊維化した硝子体を取り除く手術を行います。
飛蚊症では一般的に深刻な状態になることは少なく、症状に慣れることで気にならなくなります。しかし、急激な増加や光の閃光を伴う場合は、網膜剥離など深刻な眼疾患の可能性があるため、その場合は眼科に行くことをお勧めします。
ストレス管理: ストレスは飛蚊症の症状を悪化させることがあります。リラックスした状態を保つためにストレス管理技術を取り入れましょう。瞑想や深呼吸、ヨガなどが効果的です。
十分な休息: 眠り不足や疲労は飛蚊症の症状を悪化させる可能性があります。十分な休息を取ることで、目の疲れを軽減することができます。
目のストレッチ: 目のストレッチや目の運動を行うことで、目の疲れを和らげることができます。目をゆっくりと上下左右に動かす、近くと遠くの物体を交互に見る、まばたきを増やすなどの簡単なトレーニングが効果的です。
良好な姿勢: 良好な姿勢を保つことで、首や背中の負担を軽減し、目の疲れを軽減することができます。デスクワークなどを行う際には、姿勢を意識しましょう。
ガラス体手術:飛蚊症の最も一般的な原因はガラス体の変性であり、ガラス体内の不透明物質が影や点として視界に映ることが多いです。ガラス体手術、またはVitreolysisは、飛蚊症の改善に使用される手術的な方法の一つです。Vitreolysisはレーザーを使用してガラス体内の不透明物質を分解する手術です。手術の結果、不透明物質が小さな断片に分解され、視界に映る影や点の数が減少し症状の改善が期待できる場合があります。
症状の認知と適切なカウンセリング:飛蚊症の症状は人によって受け取られ方が異なるため、医師や専門家から適切なカウンセリングを受けることが重要です。飛蚊症が網膜剥離や網膜裂孔などより深刻な目の病気と混同されることがあるため、自分の症状を理解し、適切な対処法を知ることが重要です。
視力補正:飛蚊症が視力に直接的な影響を与えない場合でも、視力補正が症状の軽減に役立つことがあります。眼鏡やコンタクトレンズを使用することで、視界の焦点を合わせることができ、症状が目立たなくなる場合があります。
自然対応:飛蚊症は一時的なものから持続的なものまで様々であり、自然に症状が改善する場合もあります。特に一時的な飛蚊症は、しばしば数日から数週間で自然に改善することがあります。焦らずに経過を観察し、自然対応することも一つの選択肢です。
サプリメントの摂取:特定の栄養素や抗酸化物質が目の健康に寄与することが知られています。飛蚊症に対して効果があるかは科学的な証拠は不十分ですが、ビタミンC、ビタミンE、ルテイン、ゼアキサンチン、オメガ-3脂肪酸などを含むサプリメントを摂取することで、目の健康をサポートすることができるかもしれません。
マインドフルネス瞑想:飛蚊症の症状が心理的ストレスと関連している場合、マインドフルネス瞑想が助けになることがあります。マインドフルネス瞑想は、現在の瞬間に集中し、心を静めることでストレスを軽減する手法です。これにより、症状が気にならなくなることがあります。
視覚環境の調整:飛蚊症の影響を軽減するために、視覚環境を調整することが役立つ場合があります。明るすぎる照明を避け、適切な照明条件を確保することで、症状が目立たなくなることがあります。
目の病気や硝子体の繊維化など、目の異常で飛蚊症が起こっている場合鍼で改善することは難しいです。
鍼灸を行っても目の病気や硝子体の繊維化で起こっている場合は改善が難しいです。しかし、脳の症状から起こる脳過敏型飛蚊症は鍼灸で改善します。
病院の先生は体のスペシャリストです。そのため体に異常があるかどうかを見ますが、体の異常がなければ違うところからアプローチが可能なのです。そのためセルフケアを試してみる価値はあります。
攅竹を押して眼精疲労をとりましょう。やり方は、眉毛の内側にあるつぼで人差し指で10秒間ぐりぐり押すことです。
目の眉間が赤くなるが問題はありません。目の奥まで響くところを1日朝昼晩の3回ほど押しましょう。
視覚の情報は全て後頭葉で処理されます。アプローチ方法は、頭蓋骨の後ろの面を指4本で押すことです。狙いどころは頭蓋骨です。頭蓋骨を幅広くぐりぐり押しましょう。
少し痛いくらい行うことがお勧めで、1日3回朝昼晩10 秒押しましょう。
飛蚊症と似ている病状が現れる別の病気もあるため、注意が必要です。
飛蚊症と似ている病気の1つ目は硝子体出血です。硝子体出血は、網膜の血管などが破れ、硝子体の中に血が出る病気です。出血が多い場合、急激に視力が下がるため硝子体出血であるという判断ができますが、出血が少ない場合は飛蚊症と同じような症状のように感じられます。
2つ目はぶどう膜炎です。ぶどう膜炎は、ぶどう膜が細菌などに感染したことが原因で炎症を起こす病気です。視力の低下や目の痛みやかすみなどの症状がありますが、飛蚊症と同じような症状も起こることがあります。
【ケース1: 軽度の飛蚊症を経験している場合】
Aさんは40代の女性で、最近飛蚊症の症状を経験しています。彼女は点状の影や線状の物体が視界に浮かぶことに悩んでおり、特に明るい背景の下で症状が顕著になることに気づいていました。視力自体は問題なく、日常生活には支障をきたしていませんが、症状の存在によりストレスを感じていました。
改善の第一段階として、Aさんには基本的な対処法を実践するよう指導しました。ストレス管理技術を学び、十分な休息を取ること、目のストレッチや目の運動を行うことなどを勧めました。また、明るい照明の下での作業を控えるようアドバイスし、視覚環境の調整にも取り組むようにしました。
1ヶ月後のフォローアップで、Aさんは症状の軽減を報告しました。彼女はストレス管理技術を取り入れ、目の運動を継続して実践していたことで、症状が軽減したと感じていました。さらに、視力補正を行うことで、視界の焦点を合わせることができ、症状が目立たなくなったとの報告もありました。
Aさんは今後も基本的な対処法を継続して実践することを決定しました。彼女は日常生活に支障をきたすほどの症状ではなかったため、特別な改善は必要ないと判断しました。ただし、症状が再び悪化したり、新たな症状が現れた場合は、いつでも眼科専門医に相談することを約束しました。
【ケース2: 飛蚊症により日常生活に支障をきたす場合】
Bさんは60代の男性で、数ヶ月前から持続的な飛蚊症の症状を経験しています。彼は明るい背景の下で症状が悪化することに加えて、瞬きや目の動きによっても症状が変化することを報告しています。視力自体は正常ですが、点や線状の影が常に目に映ることにより、日常生活に支障をきたしています。特に仕事や運転中に影響を受けることが多いとのことです。
Bさんにはまず、基本的な対処法を試してもらいましたが、症状の改善は見られませんでした。そのため、ガラス体手術を検討することとなりました。Vitreolysisはガラス体内の不透明物質をレーザーで分解し、症状の軽減を図る手術です。
手術前にBさんには手術のリスクとメリットについて詳しく説明し、理解と同意を得ました。手術は局所麻酔下で行われ、手術時間は数十分程度です。手術後、Bは数日間の安静を保ち、眼科専門医の指示に従いました。手術後の経過は順調であり、数日後には症状の改善を実感していました。
1週間後のフォローアップで、Bさんは症状の大幅な改善を報告しました。手術により、ガラス体内の不透明物質が分解され、視界に映る点や線状の影が減少したことが明らかになりました。明るい背景の下でも症状が顕著になることが少なくなり、日常生活においても違和感を感じなくなったとの報告がありました。
Bさんは手術後も眼科専門医の定期的なフォローアップに参加し、経過を観察しています。手術を受ける前よりも症状が大幅に軽減され、日常生活においても支障をきたさなくなったことに感謝しています。
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