遺伝性難聴の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  9月23日

更新日:2023年  11月 2日

本日は遺伝性難聴について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 遺伝性難聴とは
  • 遺伝性難聴の原因
  • 遺伝性難聴の判断方法
  • 遺伝性難聴の改善方法
  • 遺伝性難聴の症状

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

遺伝性難聴は、遺伝によって生まれつき起こる難聴

遺伝性難聴は、遺伝によって生まれつき起こる難聴です。約1000人に1人の割合で生まれつき難聴の子供が生まれると言われています。遺伝性難聴の子供はその約半数であると考えられています。

 

難聴以外の症状がない場合、非症候群性難聴と言います。遺伝性難聴の約7割の人が非症候群性難聴であると言われています。難聴以外の症状がある場合は症候群性難聴と言います。

 

遺伝性難聴の多くは、進行性です。そのため、日常生活を送る上で長い期間影響が出ることも多いです。

遺伝性難聴の原因は遺伝

遺伝性難聴の原因は遺伝です。遺伝子が関係して起こる難聴の中でも約7割以上の難聴の遺伝形式は、劣性遺伝であるといわれています。

 

そのため、父親も母親も難聴がなかったとしても遺伝性難聴の子供が生まれる可能性もあります。遺伝性難聴の中でも父親も母親も遺伝性難聴ではないことも多いと言われています。

 

さらにミトコンドリア遺伝子に異常が起こることが原因で起きる難聴もあります。

遺伝性難聴は、遺伝的な要因によって引き起こされる聴力の損失を指します。このタイプの難聴は、特定の遺伝子の変異や異常に起因しており、以下のような主な原因があります。

 

1. 常染色体優性遺伝

このパターンでは、親の一方が難聴の原因となる遺伝子の変異を持っている場合、子供に難聴が遺伝するリスクがあります。親が難聴であっても、一部の子供にのみ遺伝することがあります。

 

2. 常染色体劣性遺伝

最も一般的な遺伝形式で、両親が難聴の原因となる遺伝子の変異を持つキャリアである場合に起こります。両親がキャリアの場合、子供に難聴が発生する確率は25%です。

 

3. 性染色体遺伝

性染色体上の遺伝子変異によって引き起こされる難聴もあります。特にX染色体上の遺伝子変異は、X連鎖遺伝性難聴を引き起こすことがあります。

 

4. ミトコンドリアDNAの変異

ミトコンドリアDNAの変異も、遺伝性難聴の原因となることがあります。ミトコンドリアDNAは母親からのみ遺伝します。

 

5. 症候性難聴

遺伝性の症候群の一部として難聴が現れることもあります。例えば、ウェーバー症候群、ウシェール症候群、ペンドレッド症候群などがこれに該当します。

 

6. 先天性要因

出生前の要因、例えば母親が妊娠中に感染症にかかったり、特定の薬剤や有害物質に曝露されたりすることが原因で、遺伝的な難聴が生じることがあります。

遺伝性難聴の可能性がある場合の調べ方

遺伝性難聴の可能性がある場合は、大きく3つに分けて調べます。

 

まず、耳鼻咽喉科的なことを調べていきます。その中で聴力も調べます。そこで耳鼻咽喉科的に調べた結果とその他の病気を含めて遺伝的な要因の確認をします。

 

次に、側頭骨CTや平衡機能を調べていきます。視力や尿も調べ、内耳の奇形やその他の機能を確認します。最後に、心電図と甲状腺機能を調べ、DNAの解析をしていきます。

 

このようにして難聴の原因が遺伝子であるのか否かということを調べ、判断します。

遺伝性難聴の症状は、その遺伝形式や関連する特定の遺伝子の変異によって異なりますが、以下のような主な症状が挙げられます。

 

聴力低下: 遺伝性難聴の最も一般的な症状で、軽度から重度までの聴力低下があります。これは一方の耳だけに影響を及ぼすことも、両耳に影響することもあります。

 

先天性難聴: 生まれながらの聴力損失。遺伝性難聴の中には、出生時から存在するものがあります。

 

進行性難聴: 幼少期や成長過程、あるいは成人後に徐々に聴力が低下するケース。このタイプの難聴は時間とともに悪化することがあります。

 

耳鳴り(ティニタス): 耳鳴りや耳の中での鳴り、ブザーのような音がする感覚が伴うことがあります。

 

平衡感覚の問題: 一部の遺伝性難聴では、内耳の平衡感覚に関連する部分が影響を受けるため、めまいやバランスの問題が生じることがあります。

 

言語発達の遅れ: 先天性または幼少期に始まる遺伝性難聴の場合、聴力の問題が言語発達に影響を及ぼすことがあります。

 

遺伝性難聴は、その原因や遺伝パターンによって症状の出現時期や進行の仕方が異なります。

ほとんどの遺伝性難聴の改善には、補聴器を使う

遺伝性難聴の改善方法は、難聴のタイプによって様々です。伝音難聴の場合は手術によって改善を行うことで回復する可能性があります。しかし、感音難聴の場合は、症状の度合いによっては回復が難しいこともあります。

 

ほとんどの遺伝性難聴の改善には、補聴器を使うことで改善の効果があるとされています。難聴が進んだ場合は、人口内耳を使うこともあります。

 

聴力以外の症状が現れる症候群性難聴の場合は、カウンセリングをするなど症状に対して改善を行なっていきます。

遺伝性難聴の改善方法は、難聴の原因、種類、および重症度に基づいて異なります。改善の主な目的は、聴力の機能を最大限に活用し、コミュニケーション能力を向上させることです。以下に、一般的な改善法を紹介します。

 

1. 聴力補助装置

補聴器: 軽度から中等度の難聴には、補聴器が有効です。補聴器は聴力を増幅し、日常生活におけるコミュニケーションを支援します。

骨伝導補聴器: 特定の種類の難聴において、骨伝導を利用して音を内耳に伝える補聴器が適している場合があります。

 

2. コクリアインプラント

重度の感音性難聴の場合、コクリアインプラントが適用されることがあります。これは、外科手術によって内耳に直接電極を埋め込み、音を電気信号に変換して聴神経に刺激を与えるデバイスです。

 

3. 遺伝カウンセリング

遺伝性難聴であるという判断を受けた場合、遺伝カウンセリングが推奨されます。これにより、難聴の遺伝パターン、リスク、家族計画に関する情報が提供されます。

 

4. 言語および聴覚リハビリテーション

専門家によるリハビリテーションが、コミュニケーション能力の向上に役立ちます。

 

5. 社会的支援と教育プログラム

難聴児向けの特別な教育プログラムや社会的支援が、子どもの言語発達と社会的スキルの向上に役立ちます。

 

6. 医学的介入

症候性難聴の場合、関連する症状や健康問題に対する医学的介入が必要になることがあります。

 

遺伝性難聴の改善は、個々のニーズに応じた包括的なアプローチが必要です。定期的な聴力評価と聴力保護が重要であり、早期の介入が聴力維持と言語スキルの発達に役立ちます。

遺伝性難聴のある子どもたちに対する特別な教育プログラムや社会的支援は、彼らのコミュニケーション能力、社会的スキル、および学業の発達を支援することを目的としています。以下に、これらのプログラムと支援の具体的な内容を説明します。

 

1. 早期介入プログラム

生後早期から開始されるこれらのプログラムは、言語発達、聴覚スキル、およびコミュニケーション能力の向上を目指します。聴覚障害のある幼児向けに、個別の教育計画(Individualized Education Plan, IEP)が作成されることが一般的です。

 

2. 言語法

専門家による個別セッションが提供され、発音、言語理解、会話スキルなどを改善します。視覚的手段(手話、リップリーディングなど)を取り入れた方法も行われることがあります。

 

3. 聴覚法

専門家によるセッションで、聴力を最大限に活用する方法を学びます。補聴器やコクリアインプラントの使用者には、これらのデバイスを最適に利用するための指導が含まれます。

 

4. 特殊教育学校またはクラス

聴覚障害のある子どもたちのための特別な学校やクラスが設けられている場合があります。これらの教育環境は、個別の学習ニーズに対応し、適切な教育支援を提供します。

 

5. 社会的スキルの育成

グループ活動や社交スキルトレーニングを通じて、社会的スキルの発達を促します。ピアサポートグループや聴覚障害児のためのレクリエーションプログラムも提供されることがあります。

 

6. 保護者および家族へのサポート

保護者に対する教育セッション、カウンセリング、サポートグループを通じて、子どものニーズに対応するための情報とリソースを提供します。

 

7. 聴覚障害児向けの技術的支援

補聴器、FMシステム、コクリアインプラントなどの聴覚補助技術の提供とサポート。

 

これらの教育プログラムと支援は、聴覚障害のある子どもたちが、コミュニケーション能力を磨き、社会的および学業上での成功を収めるために不可欠です。

遺伝性難聴では、難聴以外の症状が現れることもある

遺伝性難聴では、難聴以外の症状が現れることもあります。主に現れる症状は、めまいや耳鳴り、耳閉感などです。

 

遺伝性難聴は基本的に根本から改善する方法はありません。そのため、そのような症状がある場合は、現れている症状に対して改善を行なっていくことが必要です。

遺伝性難聴に効果的なツボ

聴宮

翳風

聴会

聴宮

聴宮というツボの名前は、聴覚の要所という意味から付けられたと言われています。聴宮は、主に耳に現れる症状の改善に効果を発揮するツボで、耳鳴りや難聴などの症状によく使われています。

 

さらに、顎関節症や疲れ目などにも使われるツボです。目の症状で悩みがある場合は、睛明などと一緒に聴宮を刺激することもお勧めします。

翳風

翳風は、美容効果の高いツボとして知られています。顔のむくみを改善したり、美白やリフトアップに対して効果があったりするためです。

 

美容効果だけではなく、耳の不調にも効果的で、耳鳴りや中耳炎などを和らげるためにも使われることが多いです。そのため、遺伝性難聴にも効果が期待できます。

聴会

聴会は、耳に現れる症状に対して効果を発揮するツボです。耳門と聴宮と並んでいる場所にあるため、耳門と聴宮と一緒にマッサージすることもお勧めです。

 

耳門と聴宮と聴会を一緒にマッサージすることで、脳の血行を促す作用があると言われているためです。脳の血行を促すことで脳が活性化されるため、記憶力が下がっている時にも良いでしょう。

ツボの位置と押し方

聴宮

聴宮は、耳数という耳の穴の前にある軟骨の前にあるツボです。口を開けた時に、へこむ部分にツボがあります。

 

押す時にも、軽く口を開けた状態で押すことで、よりツボの位置が明確にして押すことができます。

翳風

翳風は、耳たぶの後ろにあるくぼみにあります。押すときは、左右の親指を使って右と左のツボを同時に押します。

 

スマートフォンやパソコンなど画面を長い時間にわたって見ると、翳風がある場所の筋肉が硬くなる事があります。画面をたくさん見た時にも刺激をすることをお勧めします。

聴会

聴会は、耳の前にあるツボです。口をあけた時、耳の前にできる左右のくぼみの中にあります。

 

押すときは、中指を使って左右のツボを同時に押します。押した後、翳風も一緒に押すことでより高い効果が期待できます。

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