公開日:2022年 1月23日
更新日:2023年 12月21日
本日は腎性尿崩症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
腎性尿崩症の原因は、遺伝の場合とそうでない場合があります。遺伝の場合、腎性尿崩症と言われます。この場合ほとんどは男性に発症します。珍しいケースの場合は、男性にも女性にも発症することもあります。
遺伝が原因でない場合は、後天性腎性尿崩症と言われます。この場合、腎臓に影響が現れる薬や病気が原因で発症します。
原因となる可能性のある病気には、多発性嚢胞腎や鎌状赤血球貧血、髄質海綿腎、重度の感染症、アミロイドーシス、シェーグレン症候群、骨髄腫などの特定のがんなどが挙げられます。
原因がわからない腎性尿崩症もあります。
腎性尿崩症は、腎臓が抗利尿ホルモンに正常に反応せず、適切に水分を再吸収できない状態を指します。これにより、大量の希薄な尿が排出されます。腎性尿崩症の原因は主に以下の通りです。
遺伝的要因:腎性尿崩症は遺伝的な病気であることが多く、特にX染色体上の遺伝子変異が関連しています。これらの変異は、腎臓の尿細管がADHに反応する能力に影響を与えます。
腎臓の病気や損傷:慢性腎臓病、腎臓の感染症、尿路障害などが腎臓のADH受容体や尿細管に損傷を与えることがあります。
特定の薬剤の使用:リチウムやタクロリムスなど、特定の薬剤が腎臓のADH受容体に影響を与え、腎性尿崩症を引き起こすことがあります。
低カリウム血症(低カリウム症):カリウムの不足は腎臓の機能に影響を及ぼし、腎性尿崩症を引き起こす可能性があります。
高カルシウム血症(高カルシウム症):血中のカルシウムが過剰になると、腎臓の機能に影響を与え、腎性尿崩症を引き起こすことがあります。
腎臓の閉塞:腎臓の尿細管が閉塞すると、腎性尿崩症の原因となることがあります。
腎性尿崩症の症状は、大量の薄い尿が作られることと、強い喉の渇きです。人によっては、1日に3~20リットルの尿が出ることもあります。尿によって大量の水分が体の外に出てしまうために、強く喉が渇くようになります。
遺伝によって発症している場合は、生まれてすぐに症状が現れます。乳児は喉が渇いていることを伝えることができないため、症状の程度が重い脱水が起こる危険もあります。
腎性尿崩症は、腎臓が抗利尿ホルモンに反応せず、適切に水分を再吸収できないために生じる状態です。この状態によって、以下のような症状が引き起こされます。
多尿:大量の尿が排泄されます。成人の場合、一日に2リットル以上(時には5リットル以上)の尿が排出されることもあります。
多飲:過剰な尿失失による脱水を防ぐために、通常、大量の水分を摂取します。
夜間頻尿:睡眠中でも頻繁に排尿する必要があります。これは睡眠の質を低下させる可能性があります。
尿の希釈:尿が非常に希薄であり、比重が低いことが特徴です。
脱水症状:水分摂取が追いつかない場合、脱水症状が現れることがあります。これには口の乾燥、皮膚の乾燥、倦怠感、頭痛、めまいなどが含まれます。
体重減少:脱水状態により体重が減少することがあります。
成長の遅れ:小児においては、脱水症状や栄養不足により成長の遅れが見られることがあります。
腎性尿崩症の症状は中枢性尿崩症と似ていますが、原因となるメカニズムが異なります。
腎性尿崩症の改善方法は、食事と薬です。さらに、十分な量の水分補給も改善のためには大事です。
食事は、尿の量を減らすための食事をします。そのために、塩分とタンパク質を控えた食事が効果的なことがあります。
薬は、非ステロイド系抗炎症薬とサイアザイド系利尿薬が使われることが多いです。これらの薬は、腎臓で再び吸収されるナトリウムと水分の量を増やす働きをするため、尿の量が少なくなるという効果が期待できるのです。
腎性尿崩症の改善方法は、腎臓が抗利尿ホルモンに適切に反応しないという基本的な問題に対処することを目的としています。この状態の改善には、一般的に以下のようなアプローチが取られます。
水分摂取の管理:多尿による脱水を防ぐため、適切な量の水分摂取が重要です。ただし、過剰な水分摂取は低ナトリウム血症を引き起こす可能性があるため、医師の指導のもとで行う必要があります。
塩分とタンパク質の摂取:塩分とタンパク質を適量摂取することで、尿中に排出される水分量を減らすことができます。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):インドメタシンなどのNSAIDsは、腎臓での水分再吸収を促進することがあり、腎性尿崩症の改善に利用されることがあります。
チアジド系利尿剤:ハイドロクロロチアジドなどのチアジド系利尿剤は、パラドックスにも尿量を減少させることがあります。
低カルシウム血症や低カリウム血症の改善:これらの電解質異常が腎性尿崩症の原因である場合、適切な改善が必要です。
根本的な原因の改善:腎性尿崩症を引き起こしている根本的な原因に対する改善が必要です。
腎性尿崩症の改善は、状態に応じて個別に計画されるべきです。
腎性尿崩症の改善において使用される薬剤は、症状の管理と腎臓の水分再吸収能力の改善を目的としています。以下に、腎性尿崩症の改善に一般的に使用される薬剤を挙げます。
非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs):インドメタシンやイブプロフェンなどのNSAIDsが、腎臓の水分再吸収を助けるために使用されることがあります。これらの薬剤は、腎臓のプロスタグランジン合成を抑制し、一部において尿量を減少させる効果があります。
チアジド系利尿剤:ハイドロクロロチアジドやクロルタリドンなどのチアジド系利尿剤が使用されることがあります。チアジド系利尿剤は、尿量を減少させるパラドックス的な効果を持ちます。
アミロライド:リチウム誘発性の腎性尿崩症の場合、アミロライドが使用されることがあります。アミロライドは、リチウムの腎臓細胞への取り込みを減少させることで効果を発揮します。
低塩食:食事では、塩分の摂取を制限することが推奨されることがあります。これらの方法は、個々の症状や基礎となる健康状態によって異なるため、医師の指導に基づいて適切に使用する必要があります。
また、腎性尿崩症の改善では水分摂取量の管理も重要であり、特にチアジド系利尿剤やNSAIDsを使用する場合は、脱水を避けるための注意が必要です。
程度が重い脱水が現れる前に腎性尿崩症であると判断された場合は、改善に取り組むことで症状が改善することが多いです。
乳児の場合も改善を行うことで正常に発育する可能性が高いです。しかし、遺伝性腎性尿崩症の場合、早く判断をし改善を始めなければ、脳に損傷が起き、知的障害が起きる可能性や何度も脱水症状を起こし体の発育が遅れる可能性があります。