反応性関節炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 12月11日

更新日:2021年 12月19日

本日は反応性関節炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 反応性関節炎とは
  • 反応性関節炎の原因
  • 反応性関節炎の症状
  • 反応性関節炎の改善方法
  • 反応性関節炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

反応性関節炎は、微生物感染で起こる末梢関節炎及び脊椎関節炎

反応性関節炎は、微生物に感染することで、免疫反応によって起こる遷延性の末梢関節炎及び脊椎関節炎のことです。

 

反応性関節炎では、クラミジア菌、サルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア菌、キャンピロバクターなどの微生物に感染した後、関節炎と尿道炎、結膜炎の3つの症状が現れるのです。

 

以前は、ライター症候群とも呼ばれていました

 

発症は女性より男性に多く、20代前後に発症することが非常に多いです。しかし、小児から高齢まで幅広い年齢層で発症する可能性があります。

反応性関節炎の原因は、微生物に感染すること

反応性関節炎の原因は、微生物に感染することです。原因となる微生物は、クラミジア菌、サルモネラ菌、赤痢菌、エルシニア菌、キャンピロバクターなどです。

 

微生物に感染することによって、体を守るために免疫反応が働き、交差反応として遷延性の炎症が関節に起きると考えられています。

反応性関節炎は、一般的に細菌感染症が原因で発症する関節炎の一種で、細菌感染症による免疫系の異常反応によって引き起こされます。

 

反応性関節炎の主な原因は、以下の細菌感染症が挙げられます。

 

腸管菌感染症:腸管菌は、食中毒を引き起こす細菌です。感染症によって、腸管菌による毒素が放出され、腸管炎や下痢を引き起こします。腸管菌感染症は、反応性関節炎の主な原因の1つです。

 

クラミジア感染症:クラミジアは、性感染症や尿路感染症の原因となる細菌です。感染症によって、クラミジアが関節に感染し、関節炎を引き起こすことがあります。

 

水痘、帯状疱疹:水痘や帯状疱疹は、水痘・帯状疱疹ウイルスによるウイルス感染症です。感染症によって、ウイルスが神経に感染し、神経痛や水痘、帯状疱疹を引き起こすことがあります。このウイルス感染症は、反応性関節炎を引き起こす原因の1つです。

 

サルモネラ感染症:サルモネラは、食中毒を引き起こす細菌の1つです。感染症によって、サルモネラが関節に感染し、反応性関節炎を引き起こすことがあります。

 

これらの細菌感染症によって、免疫系は異常な反応を引き起こし、自己の細胞を攻撃するようになります。この結果、関節組織が炎症を起こし、痛みや腫れが発生します。反応性関節炎は、感染症によって引き起こされるため、感染症にかかった人に発症することが多く、特に若い年代で多く見られます。また、遺伝的要因や環境要因も関与する可能性があります。

特徴は、関節症、尿道炎、結膜炎の3つの症状が現れること

反応性関節炎の症状の特徴は、脊椎関節症、無菌性尿道炎、結膜炎の3つの症状が現れることです。

 

関節炎は微生物に感染した後、4~6週間後に発症することが多いです。末梢関節炎は、1つ〜数ヵ所までの関節炎で非対称性に現れます。多くは、膝や足関節などの下肢の関節に見られます。

 

仙腸関節炎は基本的には片側にのみ起こり、腱や靭帯と骨の付着部の炎症は足底腱膜起始部、アキレス腱付着部起こることが多いです。痛みがあることもあります。

 

尿道炎には程度の軽い排尿困難が起こります。排尿するときには痛みが起こったり粘性膿性分泌物が現れたりします。

 

反応性関節炎の症状には、関節の痛みや腫れ、赤み、熱感、動かしにくさなどです。以下で、これらの症状について詳しく説明します。

 

関節の痛み:反応性関節炎では、多くの場合、関節に痛みが生じます。痛みは、局所的なものから全身的なものまでさまざまです。痛みの強さは人によって異なり、時には非常に強い痛みを引き起こすこともあります。

 

関節の腫れ:関節には炎症が生じ、腫れが生じることがあります。腫れは、指や膝などの関節部分が膨らみ、触れると柔らかい感触があることがあります。腫れが生じることで、関節の可動域が制限され、動かしにくさが生じることがあります。

 

関節の赤み:関節に炎症が生じると、赤みが生じることがあります。特に関節部分が腫れたり熱くなったりした場合には、赤みが生じることが多いです。

 

関節の熱感:関節に炎症が生じると、局所的に熱くなることがあります。触れると温かさを感じる場合があります。

 

関節の動かしにくさ:関節に炎症が生じると、関節の可動域が制限され、動かしにくくなることがあります。このため、関節の可動域を拡大するためのリハビリテーションが必要となることがあります。

 

その他の症状:反応性関節炎には、疲れやだるさ、発熱、眼の痛みや充血など、その他の症状も生じることがあります。これらの症状は、病気の進行や重症度によって異なります。

 

以上が、反応性関節炎の主な症状についての説明です。反応性関節炎は、症状が重篤化する前に早く発見して適切な改善を行うことが必要です。

反応性関節炎の改善では、炎症を抑えることを最優先に考える

反応性関節炎の改善では、炎症を抑えることを最優先に考えます。これは、免疫反応によって炎症が起こっているためです。

 

改善に使う薬で一般的なものは、非ステロイド性抗炎症薬です。症状が遷延化する場合は、サラゾスルファピリジンやメトトレキサートなどの抗リウマチ薬が使われることもあります。

 

症状が強く現れたり慢性化している場合には、現れている症状に対しての改善も行っていきます。

反応性関節炎の改善方法には、非ステロイド性抗炎症薬、疼痛止痛薬、病気の進行を抑制するための免疫抑制剤などがあります。

 

非ステロイド性抗炎症薬:NSAIDsは、関節炎による痛みや炎症を抑えるために用いられます。これらの薬剤には、アスピリン、イブプロフェン、ナプロキセン、メロキシカムなどがあります。NSAIDsは、通常、痛みや炎症の緩和に効果的であり、症状が軽度の場合にはNSAIDsだけで改善が行われることがあります。

 

疼痛止痛薬:疼痛止痛薬は、痛みを軽減するために用いられます。これらの薬剤には、アセトアミノフェン、トラマドール、オピオイド系の鎮痛剤などがあります。疼痛止痛薬は、NSAIDsと併用することで効果が増幅されることがあります。

 

免疫抑制剤:免疫抑制剤は、病気の進行を抑制するために用いられます。これらの薬剤には、メトトレキサート、アザチオプリン、シクロスポリン、タクロリムスなどがあります。免疫抑制剤は、免疫系の活動を抑制することで、炎症を抑える効果があります。これらの薬剤は、重症化した反応性関節炎の改善に用いられることがあります。

 

生物学的製剤:生物学的製剤は、免疫系に作用するタンパク質を利用した治療薬であり、タンパク質の特定の標的を抑制することで炎症を抑える効果があります。これらの薬剤には、アダリムマブ、エタネルセプト、インフリキシマブなどがあります。生物学的製剤は、反応性関節炎の改善において、NSAIDsや免疫抑制剤に効果がない場合や、重症化した場合に使用されることがあります。

 

生活習慣の改善:反応性関節炎の改善には、生活習慣の改善が重要です。運動やリハビリテーション、食事やストレスの管理などが含まれます。適度な運動は、関節の可動域を維持し、関節炎の症状を軽減するために重要です。また、健康的な食生活を維持することで、病気の進行を抑制することができます。ストレスは、関節炎の症状を悪化させるため、ストレスマネジメントが必要です。

 

感染症の改善:反応性関節炎は、感染症が原因で引き起こされるため、感染症の改善を行うことも必要です。感染症が改善した後も、反応性関節炎の症状が持続することがあります。

 

改善方法は、病気の進行度合いや症状の重さに応じて異なります。軽度の場合には、NSAIDsの使用が効果的である場合がありますが、重度の場合には免疫抑制剤や生物学的製剤の使用が必要となることがあります。どのような方法で改善を行うのかは、医師の指導の下で適切に決定される必要があります。

 

さらに、反応性関節炎の予防も重要です。感染症にかかった場合は、早期に改善を行うことが必要です。手洗い、適切な調理法、安全な水の利用など、感染症の予防にも取り組む必要があります。

遷延化したり慢性化したりすることも多い

反応性関節炎は、薬での改善とともに、炎症が起こっている部位に負荷をできるだけかけないようにすることで症状が落ち着くことがほとんどです。

 

しかし、遷延化したり慢性化したりすることも多いため、無理をせず、医師と相談しながら改善を進めていくことが大事です。

反応性関節炎の改善例

反応性関節炎は、症状や病気の進行度合いに応じて改善方法が異なります。以下では、反応性関節炎を発症した人に対して、行われた改善方法について説明します。

 

20代の男性Aさんは、数週間前に腸管感染症を発症しました。その後、膝や足首などの関節に痛みや腫れが起き、痛みは強く、動かすことができない状態でした。Aさんは反応性関節炎を発症していると判断され、痛みや炎症を抑えるためにNSAIDsを投与されました。

 

初めは、イブプロフェンとナプロキセンを使用していましたが、症状が改善しなかったため、メロキシカムに切り替えられました。NSAIDsは、関節痛や炎症の緩和に効果的であり、Aさんの症状が改善されることが期待されました。

 

Aさんは、痛みの強さにより、アセトアミノフェンを投与されました。アセトアミノフェンは、鎮痛効果があり、NSAIDsと併用することで効果が増幅されることが期待されました。

 

NSAIDsや疼痛止痛薬を使用しても、Aさんの症状が改善しなかったため、生物学的製剤の投与が検討されました。Aさんには、エタネルセプトを使用することが決定され、投与が開始されました。エタネルセプトは、免疫系に作用するタンパク質を利用した薬であり、タンパク質の特定の標的を抑制することで炎症を抑える効果があります。投与後、Aさんの症状は改善し、関節の腫れや痛みが軽減されました。

 

Aさんは、痛みや腫れのため、関節の可動域が制限されていたため、リハビリテーションが行われました。リハビリテーションでは、関節の可動域を回復させるために、ストレッチングや運動療法が行われました。また、リハビリテーションは、筋力トレーニングやバランストレーニングなども行われ、関節の痛みや腫れを改善することが目的とされました。

 

Aさんの反応性関節炎は、腸管感染症が原因で発症したため、感染症の改善も同時に行われました。抗生物質の投与が行われ、腸管感染症は改善されました。

 

Aさんには、ストレスの軽減や健康的な食生活など、生活習慣の改善が勧められました。ストレスの軽減には、ストレスマネジメントや適切な睡眠時間の確保が行われました。また、健康的な食生活についての指導があり、食事内容や栄養バランスに注意が払われました。

 

以上が、Aさんに対する反応性関節炎の改善例です。NSAIDsや疼痛止痛薬などの一般的な改善方法に加えて、生物学的製剤の投与やリハビリテーション、感染症の改善、生活習慣の改善などが行われました。

 

改善方法は、病気の進行度合いや症状の重さに応じて異なりますが、症状の改善に向けて、医師が適切な方法を検討し、改善を行うことが大切です。

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