公開日:2022年 10月23日
更新日:2024年 12月 6日
本日は愛情遮断症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
愛情遮断症候群は、子供の成長の過程で必要な愛情を小児期に十分受けることができないことが原因で、成長障害や発達障害が現れる病気です。
愛情遮断症候群は、愛情が足りないことで成長や情緒の発達が不安定になり、身体面や情緒面にいろいろな症状が現れます。
愛情遮断症候群では子供に精神的に安心できる環境を作ってあげることが大事になります。そのため、周りの友人や親戚が協力することも必要な病気です。
愛情遮断症候群は、乳幼児期に発症することが多い病気です。そのため、身長と体重の成長の記録をし、身体的に成長が障害されているかどうかを確認することで早期発見にもつながります。
愛情遮断症候群の原因は、子供が養育者から十分な愛情受けられない状態であったことです。
子供が成長し発達していく過程では、愛情を受けるということが必要不可欠な要素です。子供の精神状態は、十分な愛情を与えたり、その時々の欲求に対して対応したりすることで、安定します。
精神的に安定していることで、子供は活発に遊んだり食事をしたり充分な睡眠を取ったりして健康的に生活することができます。健康的な生活は、成長や発達に非常に重要なのです。
しかし、愛情遮断症候群では愛情が足りないことで精神的に不安定になってしまい、成長や発達に障害が現れるのです。
母親に極度の育児ノイローゼがあったり、望んでいなかった妊娠であったり10代での妊娠であったり、貧困問題があったり、シングルマザーであったり、養育者が薬物中毒であったりすることなどが背景にあることもあります。
また、養育者自身が子供時代に十分な愛情を受けて育っていないということが子育てにも影響することもあります。
・養育環境の不適切さ
ネグレクトや虐待など原因で愛着行動が混乱し、他者との関係構築が困難になります。
・養育者の不在や不安定な養育
親の死別、入院、離婚、長期間の仕事による不在など、重要な存在と離れる経験を繰り返すことで、愛着形成が阻害されます。
・養育者の精神的な病気
養育者がうつ病、不安障害、パーソナリティ障害などの精神疾患を抱えている場合、子どもとの安定した愛着関係を築くのが困難になります。
・アルコールや薬物依存
子どもが放置されたり、情緒的に不安定な環境にさらされます。
・貧困や社会的孤立
子どものニーズに応える余裕がなくなり、愛着関係が阻害されます。
・先天的な要因
発達障害があったり、未熟児や低出生体重児の場合、身体的な健康問題が影響する。
・早期の分離経験
新生児期や乳児期に母親や主要な養育者と長期間分離される経験で養育者への信頼を築くタイミングを失い、愛着形成が阻害される。
・幼少期のトラウマ体験
急激な環境変化が子どもの安全感を奪い、愛着行動が混乱します。
・養護施設での生活
長期間、養護施設で過ごす場合、1対1の親密な養育関係が築かれにくい。
愛情遮断症候群の症状は、低身長や体重増加不良、脂肪のつき方の異常、筋肉の発達の異常などです。
愛情遮断症候群は、喜怒哀楽に対しての表情が乏しくなったりかんしゃくを起こしたり、養育者に寄っていかなくなったりなどの情緒面の症状も現れます。
さらに、精神的に不安定で不安を抱えている状態のため、睡眠の質が下がり何度も夜泣きをすることもあります。
・感情面の症状
① 情緒不安定
突然泣き出したり怒り出したりするなど、感情のコントロールが難しい。小さな出来事にも過剰に反応する。
② 無感情または感情の平坦化
喜怒哀楽が乏しく、他人との感情的なつながりを感じさせない。他者に共感しない態度が見られる。
③ 恐怖や不安
養育者や周囲の人々を信用できず、常に不安感を抱えている。突然の変化や新しい状況に対して過剰な恐怖を感じる。
・行動面の症状
① 過剰な警戒心
常に周囲の状況を観察し、危険を回避しようとする。信頼できる人物に対しても距離を置く。
② 他者への過度の依存
特定の人物に極端に執着する一方で、他者との関係を避ける場合もある。過剰に愛情を求める行動が見られる。
③ 破壊的行動
家具やおもちゃを壊すなど、破壊的な行動を取る。自分や他人を傷つける自己破壊的行動。
④ 他者への攻撃性
他の子どもや大人に対して意図的に暴力を振るう。社会的規範を無視した行動が多い。
・社会性の問題
① 人間関係の問題
他者と信頼関係を築くのが難しい。友人を作ることが困難で、孤立する傾向がある。
② 社会的規範の欠如
他者の気持ちや社会的ルールを理解しようとしない。嘘をついたり、盗みを働くなどの行動が見られる。
③ 過度の愛想笑いまたは愛想の欠如
他者に気に入られようとするために過剰に愛想を振りまく。逆に、全く感情を示さず冷淡に振る舞う場合もある。
愛情遮断症候群の改善方法は、子供に適切な愛情や栄養を与えることです。
しかし、養育者が病的であることに気付いていない場合や、精神状態が不安定であることもあります。そのため、親戚や友人など周りの協力も非常に大事になります。
症状が強い場合には、一時的に子供を保護することもあります。一時的にストレスが少ない環境で栄養のある食事を取り、健康的な生活を送ることで改善することもあるのです。
・愛着療法
養育者と子どもが一緒にセッションを受け、適切な感情の表現や応答の仕方を学ぶ。養育者が子どものニーズに敏感に反応することで、子どもが安心感を得られるようにする。
・認知行動療法
子どもが他者や世界に対する不信感を解消できるよう、段階的にポジティブな経験を積ませる。社会的スキルや自己コントロールを学ぶ。
・遊戯療法
子どもが自由に遊べる環境を提供し、セラピストが遊びの中から問題を特定。養育者と一緒に遊びを通じた関係修復を目指す。
・トラウマフォーカス療法
トラウマに関連する記憶や感情を段階的に探り、適切に整理する。
・不安や恐怖感の軽減
抗不安薬や抗うつ薬が、過剰な警戒心や心配を軽減し、治療や日常生活に取り組みやすくなる。
・衝動性や攻撃性のコントロール
ADHD薬や気分安定薬が衝動性を軽減し、子どもの行動を安定させる。
・抑うつの改善
抗うつ薬が気分を改善し、ポジティブな思考や行動を促進させる。
・抗不安薬
ジアゼパム、ロラゼパムなどで恐怖心や不安感を軽減し、子どもがリラックスできるようにします。
・抗うつ薬
フルオキセチン、セルトラリンなどで抑うつや不安感を軽減し、感情の安定を促進します。
・気分安定薬
バルプロ酸、リチウムで感情の急激な変化や攻撃的な行動を抑制します。
・ADHD薬
メチルフェニデートで衝動的な行動を抑え、注意力を向上させます。
子供が愛情が足りていない環境に置かれていることを疑うポイントとして、おむつかぶれがひどいことや皮膚が汚いこと、汚い服を着ていることなどがあります。
愛情遮断症候群は育児放棄によって発症することもあるため、子供の環境を周りが見ておくことも大事です。
場合によってはおすわりや自立歩行の遅れなどの運動発達の遅れも見られる場合があるため注意しましょう。
・上星
・労宮
・天柱
上星は、緊張に効果を発揮するツボです。愛情遮断症候群で緊張が強くリラックスできないときにおすすめです。
上星を押すことで、血流が改善し鼻の通りが良くなる効果もあるため、鼻詰まりやいびきなどに対しても使われます。頭痛を和らげたり、頭が重い感覚の時にスッキリさせたりするときにも効果的です。
労宮の効果は、ストレスを和らげたり、胸の痛みを改善したり、緊張や不安を和らげたりすることです。特にイライラしたときにおすすめのツボです。
定期的に労宮を押すことは、ストレスを溜めないためにも役立つと言われています。
天柱は、自律神経のバランスを整える効果があります。愛情遮断症候群では精神的に不安定な状態になります。そのようなときに刺激をすることで気持ちを和らげる効果が期待できるのです。
他にも、肩こりやストレス、疲労回復にも効果的です。
上星は、前髪の生え際から2cmほど後ろに下がった場所にあります。押すと痛みを感じる場所のため、痛い所を探して押しましょう。
ただし、押したときに痛すぎると良くありません。気持ち良いと感じるくらいの力加減で押すことが大事です。
労宮は、拳を握ったとき、中指と薬指の間にあるツボです。
押すときは、深呼吸をしながら押すと良いでしょう。押す回数は、5秒間押す動作を5回繰り返すことがオススメです。労宮を押すとき、労宮だけではなく、労宮を中心に手のひら全体を押すこともオススメです。
天柱は、首の後ろにあります。後頭部のうなじの生え際部分の外側が天柱の場所です。
つかれているときやストレスを感じるときに定期的に押すことをオススメします。押しながら首を回すことで、ツボを押している指が奥まで入りやすくなるため、より効果が期待できます。