公開日:2021年 2月23日
更新日:2021年 5月15日
本日はクローン病について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
クローン病は炎症性腸疾患の1つです。主に小腸や大腸などの消化管に炎症が起きることによって、びらんや潰瘍ができる慢性の病気がクローン病です。
クローン病の原因はわかっておらず、症状は、主に腹痛や下痢、発熱、血便や肛門の近くの痛みや腫れ、体重の減少などです。色々な病気を合わせて引き起こすこともあります。
クローン病は若い人によく起こると言われています。発症のピークは、20歳前後の人です。しかし、最近ではさらに低年齢化が進んでおり、小中学生で発症することもあります。
現在はまだ原因がわかっておらず、根本的な改善方法は確立されていません。そのため、改善を続けて行うことが必要になります。
クローン病は原因不明ですが、人に感染したり遺伝したりする病気ではありません。
クローン病は原因不明の病気です。
遺伝で起こることはありませんが、起こしやすい遺伝を持っている人が、疲れや寝不足、感染症や抗原を持っているものの食事など、免疫に負担がかかる状態が重なると起こると考えられています。
しかし、しっかりした原因は明らかになっていないことが現状です。
クローン病の症状は、感染性の腸炎と似ていて症状の区別することが難しいですが、症状が長い間続いたり症状が繰り返し起こったりすることによってクローン病が疑われることになります。
痔瘻や肛門周囲膿瘍でクローン病に気が付く人も多くいます。色々な症状を合わせて引き起こすことがあり、中には口内炎や皮膚の炎症、関節痛などを合わせて起こす人もいます。
クローン病の最初の自覚症状で1番多い症状は、腹痛と下痢です。発熱が見られる場合も多くあります。血便の症状が現れる人もいますが、血便が見られる人はそれほど多くはありません。
症状の中心は、腹痛や下痢、発熱などで、感染性腸炎と似ています。中には、下血が現れる人もいます。
特徴は、腸の縦の方向に縦走潰瘍ができたり、腸の粘膜に敷石を敷いたようにみえる潰瘍敷石状病変や、連続していない潰瘍が現れることです。炎症が続いて起こることによって、腸管の内側が狭くなる狭窄という状態が現れることもあります。
クローン病と潰瘍性大腸炎の違うところは、潰瘍の広がりが直腸から大腸全体までの広がりであるものが潰瘍性大腸炎、潰瘍が腸管の全ての層に深く進むものがクローン病です。
そのため、消化管のどこにでも炎症が起きる可能性があり、クローン病では腸と腸の間や腸と皮膚の間、腸と膀胱の間、腸と膣との間などにろう孔ができる場合もあります。
クローン病を改善するための基本的な方法は、5-アミノサリチル酸製剤を使う方法と吸収が良い成分栄養剤を使う方法です。
最近ではブデソニド内服という新しいステロイド剤も保険が適応されるようになったため、ブデソニド内服も使われるようになりました。
基本的な改善方法では効果が見られない場合や非常に強い炎症がある場合、年齢が若い場合、肛門病変などの炎症が強い場合、狭窄や瘻孔などの腸管のダメージが起きやすい場合には、生物学的製剤を早い段階で使うこともあります。
免疫を調節する薬であるチオプリン製剤を合わせて使うこともあります。狭窄がある場合は拡張術をすることもありますが、条件によってはできないことも多いため、その場合は外科での改善を行います。
ただ、クローン病は外科による改善では根本的に改善することはできません。そのため、手術をしてもその後、継続して内科での改善も行うことが必要です。
クローン病は、炎症が落ち着くまで数年かかります。炎症が落ち着くまでの間、炎症のコントロールが難しい場合、再燃や狭窄、瘻孔形成など腸管ダメージが進んでしまうことがあります。
炎症が進んでしまわないようにするには、改善をしっかりと続けて行うことが必要です。主治医とよく相談して改善を行っていきましょう。
クローン病では、腸管に負担がかからない食事にすることで、症状があまり出なくなるということがあります。
しかし、栄養が不足してしまってはいけません。極端な制限をして栄養不足にならないように注意して腸管に負担のかからない食事をすることが大切です。
すでに狭窄がある場合は繊維の少ないものを選ぶようにすることや1回の食事の量が多くならないようにすることなどに気をつけることで腸閉塞などの通過障害の予防につながります。
自分の症状に合わせて、栄養相談を受けて自分にあった食事を選ぶことをお勧めします。
クローン病の発病の原因はまだわかっていませんが、再燃に食べ物の影響もあると考えられています。
一般的には、低脂肪、高エネルギー、低残渣、高ビタミン、高ミネラルである食べ物ものが比較的に安全な食べ物であるといわれています。しかし、全ての人に共通する食べて良い食品と食べてはいけない食品はありません。自分に合った食べ物を見つけることが大事です。
動物性の脂肪を避けて脂質は1日30g以下にすることや不溶性食物繊維を避けることが一般的に共通して推奨されている食べ物の選び方です。
一般的に避けた方が良いと言われている食べ物は、牛、豚、バター、ラードで、鶏を除くこれらの動物性の脂肪は下痢を起こしやすく再燃を引き起こしてしまうと言われています。
きのこ、ごぼう、もやしなどの非水溶性食物繊維も腸粘膜を刺激したり腸管につまりやすくなったりしてしまうため避けた方が良いといわれており、繊維が固く脂質が高い種や実であるごまやピーナツも避けた方が良いと言われています。