公開日:2022年 1月 8日
更新日:2022年 1月28日
本日は先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症の原因は、遺伝子の変異です。遺伝子の変異によって、細胞の表面で重要な働きをしているGPIアンカー型タンパク質が少なくなることで発症するのです。
細胞膜上にあるタンパク質の中にあるGPIアンカー型タンパク質とよばれる共通の構造を持つタンパク質の一群は体の中で重要な働きをしています。
GPIアンカーは、タンパク質の細胞膜への結合に使われている糖脂質のことで、細胞の中でアンカーの部分とタンパク質の部分が別々に合成され結合して細胞の表面で働いています。
GPIアンカーの合成と修飾に必要な27個の遺伝子のうちの1つの遺伝子に変異が起こることで活性が低下して、細胞の表面で重要な働きをするGPIアンカー型タンパク質が少なくなるのです。
乳幼児期からてんかん発作や知的発達の遅れ、運動発達の遅れがある場合、先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症の可能性があると言われています。
先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症の主な症状はてんかんと知的障害、運動発達の遅れです。
場合によっては、手指の先端が短いことや爪の低形成、難聴や他の臓器の奇形などの症状が現れることもあります。特徴的な顔貌や高アルカリホスファターゼ血症、ヒルシュスプルング病などが現れることもあります。
変異がある遺伝子の種類や変異の影響がどのくらいあるのかによって症状は違います。変異のある遺伝子によってはてんかんが現れないこともあるのです。
先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症の根本的な改善方法は、今のところわかっていません。これは、先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症が最近見つかった新しい病気であることも関係しています。
最近は、アルカリホスファターゼが下がることで十分なビタミンB6を神経細胞の中に取り込めなくなり、けいれん発作がおこることがわかっています。そのため、ピリドキシンを使うことでけいれん発作の症状が改善する可能性もあります。
先天性グリコシルホスファチジルイノシトール欠損症では、特に食事や運動の制限はありません。けいれんや精神運動発達の遅れがあるため、転倒などには注意しましょう。
知的発達の遅れについては、個人の発達の速度に合わせて指導を受けることをお勧めします。生活全般の支援について住んでいる地域や病院に相談に行くことも良いでしょう。