鼻中隔弯曲症の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 10月23日

更新日:2024年  6月11日

本日は鼻中隔弯曲症について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 鼻中隔弯曲症とは
  • 鼻中隔弯曲症の原因
  • 鼻中隔弯曲症の症状
  • 鼻中隔弯曲症の改善方法
  • 鼻中隔弯曲症のまとめ

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

鼻中隔弯曲症は、鼻の病気

鼻中隔弯曲症は、鼻の病気で、鼻中隔の弯曲の度合いが大きいことで、鼻に関する色々な問題が起きる病気です。現れる症状は、鼻詰まりや鼻血が出やすい、口呼吸やいびきなどです。

 

現れる症状によって、日常生活に問題が起こる場合に鼻中隔弯曲症であると判断されます。

 

鼻中隔の弯曲の度合いが大きいため、鼻の中をのぞいたときには曲がっていますが、外見の鼻の見た目はまっすぐです。

鼻中隔弯曲症の原因は、成長するタイミングのずれ

鼻中隔弯曲症の原因は、成長するタイミングのずれです。鼻中隔は、鼻中隔軟骨、篩骨正中板、鋤骨という軟骨と骨で構成されています。鼻中隔を構成している軟骨や骨の発育の速さはそれぞれ違うため、バランスを崩しやすいのです。

 

バランスを崩してしまうと、発育の過程によって鼻中隔が曲がってしまうのです。成長とするとともに曲がっていくため、鼻中隔の弯曲が小児に起こることはほとんどありません。成人になってから鼻中隔の弯曲がみられるのです。

鼻中隔弯曲症とは、鼻の中央に位置する鼻中隔が通常の直線状ではなく、片方または両方の鼻腔に弯曲または湾曲している状態を指します。これにより、片方の鼻腔が狭くなることが多く、鼻づまりや呼吸の不調、頭痛などの症状が出ることがあります。では、この鼻中隔弯曲症の原因とは何か、詳しく見ていきましょう。

 

先天的な原因:ほとんどの人は完全に直線状の鼻中隔を持っているわけではありません。新生児の時点で多少の歪みが存在することが一般的です。このような先天的な歪みが、成長とともに顕著となり、鼻中隔弯曲症を引き起こすことがあります。

 

外傷:鼻に対する外傷が弯曲の主な原因となることが多いです。スポーツや事故による鼻の打撲、骨折が鼻中隔の歪みを引き起こすことがあります。特に子供や若者は骨が柔らかいため、外傷の影響を受けやすくなっています。

 

成長と発育:個人の成長パターンによっては、鼻骨や鼻中隔の成長速度が異なることがあります。これにより、鼻中隔が歪んでしまうことが考えられます。

 

手術や処置による影響:鼻や顔の手術、特に鼻の手術後に鼻中隔が歪むことが報告されています。手術中の技術や手術後の経過によって、弯曲が生じる可能性があります。

 

病的な状態:腫瘍や異常な骨の成長など、特定の疾患が鼻中隔の歪みを引き起こすことがあります。

 

環境的・生活習慣的な要因:一部の研究では、継続的な鼻をかむ習慣や鼻に異物を入れる習慣が、鼻中隔の歪みを引き起こす可能性が指摘されています。

 

鼻中隔弯曲症の原因は多岐にわたり、先天的な要因から外傷、成長の過程、手術や病的な状態などさまざまな要因が考えられます。

鼻中隔弯曲症の最も多い症状は、鼻詰まり

鼻中隔弯曲症の最も多い症状は、鼻詰まりです。片方の鼻腔に特に詰まりが強いという場合は、詰まりが起きる側の鼻腔に鼻中隔がつき出ていると考えることができます。

 

さらに、曲がった鼻中隔が鼻腔に突き出ている部分の粘膜は薄く引き延ばされており、血管が傷付きやすい状態になっています。そのため、鼻血も出やすくなります。

 

鼻中隔弯曲症によって、鼻呼吸ができなくなり口呼吸になることもあります。口呼吸では、呼吸も浅くなります。呼吸が浅くなると、脳が必要とする酸素の量が足りなくなるため、頭痛や吐き気なども現れることがあります。

 

他にも、大きないびきが起きたりくしゃみを繰り返したり味覚障害や嗅覚障害が見られたり中耳炎などが起きたりすることもあります。

鼻中隔弯曲症は、鼻の中心を成す薄い壁、鼻中隔が正常な位置からずれている状態を指します。この状態が起こると、多くの症状が引き起こされることがあります。

 

鼻づまり:鼻中隔弯曲症のもっとも典型的な症状は、鼻づまりです。鼻中隔が片側の鼻腔に弯曲していると、その鼻腔が狭くなるため、呼吸がしにくくなります。これは、特に夜間の睡眠中に顕著になることが多いです。

 

繰り返す鼻炎や副鼻腔炎:鼻腔が狭窄していると、鼻の分泌物の流れが悪くなります。その結果、細菌やウィルスの繁殖が促進され、鼻炎や副鼻腔炎を繰り返し発症することがあります。

 

頭痛や顔の痛み:鼻腔の狭窄や鼻の分泌物の滞留は、頭痛や顔の痛みの原因となることがあります。特に、前頭部や眉間、頬の部分に痛みを感じることが多いです。

 

鼻出血:鼻中隔が弯曲していると、鼻の内部の粘膜が乾燥しやすく、また摩擦によって容易に傷つけられるため、鼻出血を起こしやすくなります。

 

睡眠障害:鼻づまりによる呼吸困難は、睡眠中の質を低下させます。継続的な鼻づまりは、いびきの原因となることもあります。さらに重度の場合、睡眠時無呼吸症候群のリスクが増加する可能性も考えられます。

 

嗅覚の異常:鼻中隔弯曲症の影響で鼻腔内の空気の流れが悪くなると、嗅覚が低下することがあります。これは、日常生活における食事の味や香りの感じ方に影響を及ぼすことがあります。

 

耳の症状:鼻と耳は耳鼻咽喉系として繋がっているため、鼻中隔弯曲症による鼻の問題は、中耳炎や耳の閉塞感などの耳の症状を引き起こすことがあります。

 

鼻中隔弯曲症は、多様な症状を引き起こす可能性があります。これらの症状は、個人の鼻中隔の弯曲の程度や関連する他の病気によって異なる場合があります。

鼻中隔弯曲症の改善方法は、手術

鼻中隔弯曲症の改善方法は、手術です。行われる手術は、曲がっている部分の鼻中隔軟骨を切り取り、まっすぐな部分だけに整えて戻す鼻中隔矯正術です。

 

手術を希望しない場合や症状が軽い場合は、薬を使って改善を行います。しかし、薬を使った改善方法は、一時的な効果しか期待できず、長い期間薬を使うことで症状が悪くなる可能性もあります。

 

そのため、定期的に病院に行き、注意深く経過を見ていくことが必要になります。使う薬は、症状に合わせて変わります。主に抗ヒスタミン薬や抗アレルギー薬、ステロイド点鼻薬などを使います。

鼻中隔弯曲症の改善方法は、症状の程度や希望に応じて異なります。以下に主な方法を詳しく紹介します。

 

保存的方法:

鼻腔拡張スプレー: 鼻づまりの軽減を目的として、鼻腔内の血管を収縮させる薬剤が使用されます。しかし、長期間の使用は依存性や鼻腔内の粘膜の萎縮を引き起こすリスクがあるため、短期間や必要最低限の使用が推奨されます。

ステロイド鼻スプレー: 鼻の炎症を抑制し、鼻づまりやアレルギー症状を軽減するために用いられます。通常、副作用のリスクが低く、長期間の使用も可能です。

アレルギーの改善: 鼻中隔弯曲症と同時にアレルギー症状がある場合、アレルギーの原因となるアレルゲンを特定し、適切な改善を行います。

 

外科的改善:

鼻中隔矯正手術(セプトプラスティ): 鼻中隔弯曲症の最も一般的な改善法は、鼻中隔矯正手術です。この手術では、鼻中隔の歪んだ部分を切除し、正常な位置に固定することで、鼻腔の通路を改善します。手術は通常、全身麻酔または局所麻酔下で行われ、多くの場合、入院は不要です。

レーザーセプトプラスティ: この方法では、レーザーを使用して鼻中隔の歪んだ部分を修正します。通常のセプトプラスティと比較して、手術時間が短く、回復も速いとされています。

 

関連病気の改善:副鼻腔炎や鼻炎など、鼻中隔弯曲症と合併する場合があります。これらの病気に対しても適切な改善が必要です。

 

鼻中隔弯曲症の改善は、症状の程度や原因に応じて、保存的方法から外科的方法まで様々な方法が考えられます。

レーザーセプトプラスティは、鼻中隔弯曲症の改善の一つとして使用される手術法です。鼻中隔弯曲症の主な症状である鼻づまりを改善するため、特定のレーザー技術を使用して鼻中隔の歪んだ部分を修正する方法です。

 

方法:

準備:鼻腔に局所麻酔薬を塗布または注射します。これにより、手術中の痛みや不快感を軽減します。鼻腔内をよく視認できるように、鼻鏡(鼻腔内を覗くための器具)を挿入します。

レーザーの使用:使用するレーザーは、通常、二酸化炭素 (CO2) レーザーやホリウム:YAGレーザーなど、組織を蒸散させる特性を持ったものです。レーザーは、鼻中隔の歪んだ部分や突出している組織を正確に切除または蒸散させることができます。レーザーは、高温で組織を焼き切ることで作用します。

終了:手術が終了すると、必要に応じて鼻腔内にガーゼや特別なスポンジを挿入して、出血や腫れを防ぎます。これらの材料は、数日後に医師によって取り除かれます。

 

効果:

鼻づまりの軽減:歪んだ鼻中隔を修正することで、鼻腔内の空間が広がり、鼻づまりが軽減されます。

回復期間の短縮:従来のセプトプラスティに比べて、レーザーセプトプラスティは侵襲が少なく、回復期間も短いとされています。

出血や腫れの軽減:レーザーによる組織の切除は、同時に血管の閉塞も行われるため、出血や腫れが少ないと報告されています。

痛みの軽減:従来の方法に比べ、痛みが少ないとも言われています。

注意点:レーザーセプトプラスティは、鼻中隔弯曲症のすべての患者に適しているわけではありません。手術の適応や方法の選択には、耳鼻咽喉科専門医に行くことが大事です。手術後は、数日間の安静や特定のケアが必要となることがあります。医師の指示に従うことが重要です。

 

レーザーセプトプラスティは、鼻中隔弯曲症の方法の一つとして、近年注目されています。従来の手術法に比べ、痛みや回復期間が短いという利点がある一方で、手術の適応や成功率、合併症のリスクなどについては、専門医との相談が不可欠です。

 

合併症やリスク

全ての手術にはリスクが伴います。レーザーセプトプラスティも例外ではありません。以下は、この手術に関連する可能性のある合併症やリスクです。

出血: 手術中または手術後に鼻腔内からの出血が生じる可能性があります。ほとんどの場合は軽度で、自然に止血しますが、稀に改善が必要な場合があります。

感染: 手術部位が感染するリスクがあります。これは、発熱、痛み、腫れ、赤みなどの症状として現れることがあります。

傷跡: レーザー照射部に傷跡が残ることがあります。通常、鼻腔内に隠れているため目立つことはありませんが、気になる場合は医師に相談すると良いでしょう。

 

手術後のアフターケア

レーザーセプトプラスティの後、以下のケアが推奨されることがあります。

 

安静: 手術後は、数日間の安静が必要です。激しい運動や重労働は避けるようにしましょう。

鼻腔の清潔: 手術後、鼻腔内にはガーゼや特別なスポンジが入れられることがあります。これらは、指定された期間後に医師によって取り除かれます。また、鼻腔内の洗浄やケアが指示される場合があります。

薬物治療: 手術後の炎症や痛みを和らげるために、鎮痛剤や抗生物質が処方されることがあります。医師の指示に従い、正確に薬を服用しましょう。

 

レーザーセプトプラスティは、鼻中隔弯曲症の方法として効果的な方法の一つです。

鼻中隔弯曲症によって、アレルギー性鼻炎が悪化する

鼻中隔弯曲症によって、アレルギー性鼻炎が悪化することもあります。これは、鼻中隔が弯曲していることでもともと狭い鼻腔が、アレルギー性鼻炎による粘膜の腫れでさらに狭くなってしまうためです。

 

さらに、慢性副鼻腔炎も悪化することがあります。慢性副鼻腔炎は、鼻中隔弯曲症がきっかけとなって発症することもあります。

 

これは、鼻腔が狭く、よく鼻詰まりを起こすことによって鼻腔の通気性が悪くなり細菌が繁殖しやすい環境になるため、粘膜が炎症を起こしやすくなるためです。

鼻中隔弯曲症に効果的なツボ

鼻通

・迎香

・印堂

鼻通

鼻通は、鼻の色々な症状を和らげる効果があります。そのため、鼻中隔弯曲症によって鼻詰まりなどの症状に困っている時に効果が期待できるツボです。

 

鼻中隔弯曲症によって慢性副鼻腔炎を発症した時にもおすすめのツボです。

迎香

迎香と言うツボの名前は、鼻の症状で臭いを感じられなくなっている時に香りを迎える効果があることが由来になっているとも言われており、鼻の症状に効果を発揮するツボです。

 

鼻中隔弯曲症によって鼻が詰まったり嗅覚に異常を感じたりしている時にオススメのツボです。

印堂

印堂は、自律神経を整える効果があり頭痛などに対しても効果を発揮すると言われています。

 

鼻中隔弯曲症で鼻腔の狭窄や鼻の分泌物の滞留があることから頭痛や顔の痛みが現れている場合に押してみることをお勧めします。

ツボの位置と押し方

鼻通

鼻通は、小鼻の横にあるくぼんでいる場所にあります。

 

押すときは、静かに押します。刺激が強いような感覚がある場合は、力加減を弱くすることが大事です。

迎香

迎香の場所は、小鼻の付け根の一番でっぱっている場所です。

 

押すときは、下に向かって押しましょう。下に向かって押すことで鼻の通りをよくする効果がより期待できます。

印堂

印堂の場所は、眉間の中央です。

 

鼻中隔弯曲症では、前頭部や眉間に痛みが現れることもあるためお勧めです。ただし、押すとき強く押しすぎないように注意して気持ち良い力加減で押しましょう。

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