神経因性骨盤臓器症候群【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2021年  5月 15日

本日は神経因性骨盤臓器症候群について解説させていただきます。

足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

神経因性骨盤臓器症候群とは骨盤内の神経の炎症

神経因性骨盤臓器症候群とは、骨盤内の肛門や直腸、そして仙骨神経に沿って慢性的な痛みを伴う疾患です。

お腹の直腸がある辺りを押してみると、仙骨神経に沿って痛みを伴うしこりが見つかるのが特徴です。

神経因性骨盤臓器症候群は、下記で記載する5つの症候の中のいくつかが組合わさり出現します。

肛門痛

長く座っていると肛門の痛みでつらくなってきます。この痛みは「痔」の時のキリキリした痛みとは異なるずんとした鈍痛が特徴です。

仙骨の左右で仙骨神経に沿って痛みを伴うしこりがあります。
この神経を圧迫すると普段感じている痛みと合致します。

 

  • 肛門の動きの異常

便やガスがもれ、下着が汚れるなどの症状がみられます。肛門の運動や感覚は第2・3・4仙骨神経が合わさって会陰に入り、肛門を開閉する筋肉の運動と肛門の感覚を支配しています。この神経が障害されると、しまりが悪くなり便やガスがもれたり、反対に拡がりにくく便秘になったりと、肛門の運動や感覚障害が現れます。

 

排便・排尿障害

便が出にくく、出たとしても残便感が残ります。排便は、第2・3・4仙骨から出ている骨盤内臓神経が、直腸の感覚や運動を支配し起こります。この神経が何らかの理由で支障をきたすと、直腸の動きが鈍くなり、排便、または排尿が困難になります。

 

腹痛・膨満感

過敏性腸症候群と似た腹痛やお腹の張りといった症状が現れます。上記で説明した直腸と肛門の感覚・運動の障害で直腸から降りてきた便が出ないということになると、それより上の結腸が便を出そうとして収縮します。これによってかえって便が出にくくなります。

 

腰痛

第2・3・4仙骨から出ている骨盤内臓神経は坐骨の下から下肢に伸びる神経へと繋がります。そのため骨盤内の神経が圧迫されることで、その下の神経にも支障をきたし、腰痛や下肢のしびれを発生させます。

 

神経因性骨盤臓器症候群の原因と判断

神経因性骨盤臓器症候群は骨盤内の神経が何らかの理由で障害を受けることにより起こるので、画像診断では判断できません。

そのため、慢性的な会陰部の痛みが続き肛門科にかかっても、「痔」と判断されたり、泌尿器科では慢性前立腺炎と判断され改善に取り組んでも一向に改善しないというケースが少なくありません。

おなかやお尻の痛み・排尿便の異常に加え、慢性的な肛門の痛みや、骨盤の痛みをきたし、その痛みが仙骨や尾骨、場合によっては下肢にまでしびれを発生させるのがこの疾患の特徴です。

腰椎部から肛門に続く 仙骨神経 や、その先に続く神経の枝 「陰部神経」 に

沿って圧痛があり、ここから痛みが発生していることが分かっています。

原因の多くは、高齢化による大腸・肛門機能の低下で、特に中年以降の女性に多く見られます。

若い方でも大腸肛門になんらかの病気を過去にされた方や、障害はないけど機能が弱っている方に起こります。

また、食生活の欧米化、ストレス社会なども大きく関係しています。

膀胱や子宮は自律神経の支配を受けているため偏食やストレスが長期間続き、自律神経系に支障をきたすと、骨盤内の仙骨神経や陰部神経が圧迫され炎症を起こし発症することが示唆されます。

神経因性骨盤臓器症候群の改善法

保存療法、薬物療法に加え、症状がひどい場合は炎症を起こしている神経に直接薬を使用する、「神経ブロック療法」をも用います。繰り返し行うことで、痛みを徐々に軽減することができます。

 

また、痛みは身体を完全に休めてではなく、適度な運動を併用して行います。まずは完全に痛みをとることを目標にせず、日常の生活に支障が出ない状態を目標に無理のないよう行います。

 

神経因性骨盤臓器症候群の鍼灸

鍼灸は自律神経の不調からくる神経の問題に非常に有効です。

この場合、骨盤内神経の炎症が原因ですので、薬や保存療法が中々効かない場合、鍼灸をぜひお勧めします。

神経ブロック療法を試す前に、一度ご相談ください。

どこに行っても良くならなった慢性的な症状のお力になれるかと思います。

 

神経因性骨盤臓器症候群によく使われるツボ

  • 膀胱兪
  • 中膂兪

  • 白環兪
  • 胞肓
  • 秩辺
  • 天枢
  • 腹結
  • 関元
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