公開日:2023年 2月 3日
更新日:2023年 2月 5日
本日はトラコーマについて解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
トラコーマの原因は、クラミジア・トラコマチスの中で、性行為以外で感染する菌株の感染です。
トラコーマの発症は、気温が高く乾燥した地域に多く、北アフリカや中東、インド亜大陸、オーストラリア、東南アジアなどで多く見られる病気です。アメリカではほとんど発症は見られません。
トラコノーマの発祥は、主に子供に多いです。6歳以上の年長の小児や成人は免疫力が高まっている状態であることや、衛生面にも気を配って生活していることからトラコーマを発症することはほとんどないと言われています。
細菌Chlamydia trachomatis
トラコーマの主要な原因はChlamydia trachomatisという細菌です。この細菌は、感染者の目や鼻、喉から拡散し、他の人に伝播することができます。
直接の接触
感染者の目や鼻の分泌物との直接的な接触を通じて、トラコーマは他人に伝播する可能性があります。
昆虫
フェイスフライという昆虫が、感染者から健康な人へと細菌を運ぶ役割を果たしています。
不衛生な条件
清潔な水の不足や衛生的な条件の不足は、トラコーマの感染とその拡散を促進します。特に手や顔を洗うための清潔な水が利用できない地域では、トラコーマのリスクが高まります。
文化的・社会的要因
一部の地域やコミュニティでは、文化的や社会的な要因により、感染のリスクが高まることが報告されています。
トラコーマの発展段階
トラコーマは通常、子供時代に始まり、何年にもわたって進行します。感染が繰り返されると、結膜の内側の線維が硬化し、まぶたが内向きに巻き込まれるトリキアシスと呼ばれる状態を引き起こします。これにより、まつげが角膜に擦れることで角膜が傷つき、次第に濁ってきます。
トラコーマの症状は、眼が赤くなることや流涙、刺激感などです。症状が重い場合は、瘢痕化や視力障害が起こることもあります。
通常、トラコノーマは両方の眼に発生します。結膜が炎症を起こして赤くなり、刺激が起きることで、過剰な量の涙がでます。さらに、まぶたが腫れて、光に対して敏感になります。
後期には、少しずつ血管が発達して角膜を横切り視界が悪くなったり、まぶたに瘢痕ができてまつ毛が内側に向いたりします。トラコノーマを発症した人の約5%の人は、視覚障害が起こったり失明すると言われています。
トラコーマの初期症状
結膜の炎症:最初の症状は、結膜の軽度の炎症や赤みから始まります。これは、病原体が結膜に感染することによるものです。
目のかゆみや刺激感:目のかゆみや刺激感を感じることが多く、これは結膜の炎症によるものです。
目やまぶたの腫れ:初期段階での感染は、目やまぶたの腫れを引き起こすことがあります。
目や鼻の分泌物の増加:感染部位からのクリーミーな分泌物や鼻水が増加することが一般的です。
トラコーマの中期症状
乳頭の形成:結膜の表面に、白やピンク色の小さな隆起(乳頭)が現れます。これは、炎症が進行するにつれて発生するものです。
痛みと光の過敏:強い日光や明るい光に対して過敏になることが多く、これは炎症が進行するにつれて強くなる傾向があります。
視力の低下:炎症が進行すると、視力が次第に低下することが一般的です。
トラコーマの進行した症状
まつげの変位:炎症が続くと、結膜の線維が硬化し、まつげが内向きに変位するトリキアシスが発生します。
角膜の乱視や濁り:まつげが角膜に擦れることで、角膜に傷や擦過が生じ、乱視や濁りが生じることがあります。
失明:トラコーマが最終的な段階に達すると、角膜の深刻な損傷や濁りが生じ、これが失明の原因となります。
トラコーマは進行性の病気であり、初期の軽微な症状から最終的な失明に至るまでの様々な症状が出現します。
トラコノーマの改善方法は、抗菌薬の経口投与や軟膏です。抗菌薬は、アジスロマイシン、ドキシサイクリンやテトラサイクリンなどが使われます。
まぶたや結膜、角膜に傷がついている場合は、改善のために手術をおこなうこともあります。
トラコーマは、Chlamydia trachomatisという細菌によって引き起こされる感染症で、改善が適切に行われないと失明の原因となることがあります。この病気の改善には、進行の段階や症状の重さに応じて異なるアプローチが採用されます。
1. 抗生物質の使用
アジスロマイシン
アジスロマイシンは、トラコーマの改善に最も広く使用されている抗生物質の一つです。多くの場合、一度の経口投与で十分な効果を示すことが知られています。
トピカル抗生物質
目の表面に直接塗布する形の抗生物質も利用されます。これにはテトラサイクリンやエリスロマイシンなどの軟膏が含まれます。
2. 手術
まぶたの手術
トラコーマが進行すると、まつげが内向きに成長して角膜に傷をつけることがあります。このような場合、まぶたの位置を正常に戻す手術が推奨されます。
角膜移植
極端な症例では、角膜の損傷が重く、その結果、視力を回復するために角膜移植が必要となることがあります。
3. 健康教育と衛生の改善
F&E(Facial cleanliness and Environmental improvement)
顔の清潔を保つことと環境の衛生を向上させることは、トラコーマの再発を防ぐための重要なステップです。感染のリスクを減少させるためには、定期的に顔や手を洗うことが推奨されます。
コミュニティ教育
感染の拡大を防ぐために、コミュニティ全体への健康教育が行われます。これには、感染の原因や予防方法、早期発見の重要性などが含まれます。
4. ワクチンの研究
現在、トラコーマに対するワクチンは存在しませんが、ワクチンの開発に関する研究が行われています。ワクチンの導入により、トラコーマの新規感染のリスクが大幅に減少することが期待されています。
トラコーマは、適切な改善を受けることで予防や進行の遅延が可能です。しかし、最も重要なのは、早期の段階での判断と改善の開始です。感染症のリスクを減少させ、既存の感染を効果的に治療するためには、各個人やコミュニティ全体の協力が必要です。
トラコーマは、Chlamydia trachomatisという細菌の感染により引き起こされる眼の病気で、長期間にわたる感染が続くと、まぶたの内側の結膜に瘢痕組織が形成され、その結果、まつげが内向きに成長して角膜に擦れる状態(トリキアシス)が生じます。このトリキアシスは角膜の傷や濁りを引き起こし、最終的には失明の原因となることがあります。トリキアシスの改善のための手術は、この問題を対処するための主要な改善方法となっています。
トラコーマの手術の目的
トリキアシスの修正:まつげが内向きに成長して角膜に擦れるのを防ぐため、まぶたの位置を正常に戻すことが目的です。
角膜の保護:まつげが角膜に擦れることで生じる傷や濁りを防ぎ、視力の低下や失明を防止することを目的としています。
手術の方法
エンタロピーリペア:これは、まぶたが内向きになること(エンタロピア)を修正するための手術です。手術では、まぶたの短い筋肉や結膜を取り除くことで、まぶたを外向きにすることを目的としています。
トリキアシスの外科的除去:内向きに成長しているまつげを直接取り除く方法です。これは、瞬時に症状を和らげることができるが、まつげが再度内向きに成長するリスクがあります。
まぶたの転回手術:この手術では、まぶたの縁を外側に向けるために、まぶたの一部に小さな切開を入れ、瘢痕組織を取り除いた後に縫合します。これにより、まつげが角膜に触れるのを防ぐことができます。
電気脱毛:内向きに成長しているまつげの毛根を電気で焼き、まつげの再生を防ぐ改善法です。しかし、完全な除去を保証するものではなく、数回の改善が必要となることがあります。
トラコーマによるトリキアシスは、失明の重要な原因となることがあります。早期の段階での手術は、病気の進行を遅らせ、視力を保護するための効果的な手段となります。しかし、手術だけでなく、感染の予防や再発の予防も重要であり、総合的な改善アプローチが求められます。
トラコーマは感染症のため、再び感染を起こすこともあります。
予防するために、手や顔を洗うことを習慣にすることが大事です。手や顔を洗うことで感染が広がらないようにすることができます。タオルや手ぬぐい、寝具類やアイメイク用の化粧品は共用しないように気をつけることも予防のためにできることです。
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