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公開日:2023年 3月13日
更新日:2025年 9月 4日
本日は軟産道強靭について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
軟産道強靭の原因には、物理的に広がりを妨げているものがある場合と機能的な問題がある場合があります。
物理的に広がりを妨げているものがある場合は、子宮筋腫や子宮頸部の瘢痕などが原因となっていることがあります。
子宮頸部や腟が分娩中に軟らかくならず分娩がなかなか進まない時には機能的な問題があると判断されます。、高齢での初回分娩時などに起こることが多いです。
・高齢初産
年齢が高くなると、子宮頸管や膣組織の弾力性が低下します。特に高齢初産婦では組織が硬く伸展しにくく、軟産道強靭の大きな原因となります。
・炎症や瘢痕
過去の子宮頸管炎や膣炎、または外傷や手術による瘢痕化によって、組織が伸びにくくなることがあります。円錐切除術や子宮頸管形成術などの既往手術もリスク因子です。
・先天的要因
膣や会陰の発育が未熟な場合や、結合組織の性質によっても軟産道が硬くなることがあります。
・ホルモンの影響不足
分娩が近づくと、本来はリラキシンやエストロゲンなどのホルモンによって産道が柔らかくなります。ホルモンの分泌や作用が不十分な場合、産道が十分に柔軟化せず硬いまま残ることがあります。
軟産道強靭の症状は特にありません。しかし、なかなか分娩が進まないため、だんだん子宮の筋肉が疲れてきてしまい、微弱陣痛になったり遷延分娩や分娩停止になったりすることもあります。
軟産道強靭によって陣痛の時間が長くなり母親も赤ちゃんも苦しい状態になってしまうのです。
・分娩進行の遅れ
陣痛が規則的で強いのに、子宮口の開大がなかなか進みません。分娩第1期が長引くのが特徴です。
・子宮口の開大不良
子宮頸管や膣が硬く、弾力がなく伸びにくいです。産道組織が「硬くゴムのよう」または「瘢痕化している」感触があると表現されます。
・胎児下降の停滞
陣痛があっても、赤ちゃんの頭が骨盤内になかなか下降しません。そのため分娩停滞と判断されやすいです。
〈母体の症状〉
分娩時間が長引くため、母体は強い疲労や焦燥感を訴えます。子宮口が硬く開かないために陣痛が強くなり、疼痛の増強も見られます。
〈胎児の症状〉
分娩遷延によって、胎児心拍数の異常が現れることがあります。胎児仮死のリスクが高まり、早急な対応が必要になるケースもあります。
軟産道強靭の改善のゴールは、赤ちゃんが無事に産まれることです。子宮筋腫が原因の場合は、帝王切開を行うことが必要です。
帝王切開を行うとき、子宮筋腫が邪魔になって通常よりも難しい手術になることがあります。また、一般的には帝王切開を行うときに同時に子宮筋腫を取ることはできません。
子宮頸部が硬い場合は、子宮頸部に専用のスポンジや水風船を入れて、人工的に子宮頸部を広げます。
陣痛がきて分娩が始まっても腟の軟産道強靭によってなかなか進まない場合は、子宮収縮促進剤を使うこともあります。
・陣痛促進や子宮口の柔軟化
陣痛促進薬を使用し、子宮収縮を強めて開口を促します。子宮頸管を柔らかくする薬剤を使用することもあります。
・物理的な補助
会陰部を切開して産道を広げる会陰切開や児頭が下降していて、あと少しで娩出できる場合に行われる吸引分娩や鉗子分娩を行います。
腟の軟産道強靭がある場合は、会陰部分も硬くなっていることもあります。会陰部分も硬くなっていると、分娩した時の会陰裂傷が大きくなることがあります。
分娩を行った後、会陰裂傷はすぐに縫い合わせることで特に問題はありません。しかし、傷が大きい時には、時間がかかったり痛みが強くなったりすることもあります。
子宮筋腫がある場合は、事前に超音波で筋腫の位置や数、大きさを見ておくことも大事です。