習慣性流産の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2021年  5月 15日

本日は習慣性流産について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 習慣性流産とは
  • 習慣性流産の原因
  • 習慣性流産の症状
  • 習慣性流産の調べ方
  • 習慣性流産の鍼灸
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

3回以上続けて流産を繰り返す場合「習慣性流産」という

健康な男女が避妊具を使わずに性行為を行っても、一年以上妊娠しない場合、妊娠しづらい状態であり不妊症といえますが、それに対して妊娠はするけれど流産・死産によって新生児が得られず、3回以上連続する流産を習慣流産といいます。

 

原因がなにであれ、2回以上流産していれば習慣性流産の傾向つまり不育症ということができます。

全妊娠に対する流産の頻度は約15%です。

20代で10%代、35歳以上の場合25%以上と上がります。
35歳以上で妊娠した場合、4回に1回は流産するということになります。


流産は決して珍しくありません。
しかし、3回以上続けて流産される方の場合は、流産しやすい原因のある場合が多いので詳しく調べる必要があります。

習慣性流産の原因は分かっていないことが多い

私たち大人が癌や脳卒中など様々な病気で死亡するのと同じく、胎児も病気で亡くなります。

習慣性流産は様々な原因によって起こりますが、未だ分からないことが多く研究段階です。

妊娠はするのに流産してしまうのは、精神的にダメージが大きいですが、決して絶望的なものではなく、85%以上の患者さんが出産にいたっています。

 

流産を繰り返した患者さんが流産を避けることは残念ながら困難です。

流産と向き合いながら、出産を目指すことが大切です。

子宮の奇形や筋腫、ホルモン異常、凝固異常、夫婦の染色体異常が原因として挙げられますが、なぜこのようなことが起きるのかははっきり分かっていません。

 

また、全流産の半数以上は、ご両親に全く異常がないのに胎児側の染色体に異常が生じることによって起こります。

習慣性流産を調べる

第一に夫婦両方とも染色体を調べます。

 

生まれつきある染色体の一部が切断されて他の染色体に結合して発生する構造的なタイプの異常を転座型染色体異常といいます。

ほとんどの染色体異常がこのタイプです。

 

転座があっても染色体に過不足がないタイプの異常を均衡型構造異常といいます。

夫婦どちらかに均衡型構造異常を持っていた場合、精子または卵子に異常が引き継がれ受精卵の染色体の部分的な過不足が起こります。ただし健康に害を及ぼすことはなく日常生活は全く問題ありません。

しかしこの場合、ほとんどが流産になります。

 

転座型染色体異常の場合は夫婦のいずれかが持っていても、染色体に過不足のない受精卵が発生する場合もあるので胎児を得ることが十分可能です。

 

染色体異常の他にも下記を調べていきます。

 

  • 先天性血栓形成素因(血液凝固機能異常)

​※血液凝固能異常があると胎盤内で血栓が作られ流早産、死産の原因になります。

※血液凝固能異常:血液の凝固を助け、出血を止めるために必要なタンパク質を十分に作ることができない状態

 

  • 抗リン脂質抗体

膠原病や※抗リン脂質抗体症候群などの自己免疫異常があると胎盤の発育障害を起こしたり、胎盤内の血栓形成を助長し流早産の原因になる。

抗リン脂質抗体陽性例では、12週間以上の間隔をあけて再検査し、再び陽性であれば抗リン脂質抗体症候群と判断する。

※抗リン脂質抗体症候群:自己抗体ができてしまい血液が固まりやすくなり、動脈血栓や静脈血栓を繰り返す疾患

 

  • 内分泌検査

甲状腺機能異常、※耐糖能異常では不妊や不育の原因となり改善が必要です。

※耐糖能異常:体内のインスリンの分泌量が少ない場合や、インスリンの働きが悪くなり血中の糖の量が増加した場合に生じる

 

  • 不規則抗体

分娩・流産時の胎盤剥離の際、胎児赤血球が母体循環に入り込むことで母体に抗体が作られるが、その抗体がその後の妊娠で胎盤を通して胎児に移行し流早産、死産を引き起こすことがある。

 

  • 子宮の形態異常:子宮卵管造影、経腟超音波

先天的な子宮形態異常、子宮筋腫などは不育症の原因となることがある。

 

 

しかし、これら一連を調べてもを母体側に異常がみられない場合が約 65%を占めています。(これらを原因不明という)

東洋医学での流産の考え

東洋医学の考え方では「腎虚・血虚・気虚」などが原因で妊娠を維持しにくくしているとされています。

 

腎虚⇒腎のエネルギーが不足していること

「腎」は、西洋医学的には、血液を濾過して尿を作るいわゆる機能を含みますが、それ以外に多くの働きを持っています。 東洋医学の「腎」は、成長、発育、生殖に関する働きを生涯にわたって左右する非常に重要な生命力の元と考えられいます。そのエネルギーが不足していると良い受精卵もできにくく、妊娠しても維持しにくいということに繋がります。

 

 

血虚⇒血が足りないということ

身体の潤い・栄養である「血」は胎児を養います。胎児の生育には母体からの栄養・酸素の供給が不可欠ですが、母体の血の不足により胎児血虚になり、妊娠を維持しにくくなります。

 

 

 

気虚⇒気が不足していること

東洋医学では「気」が妊娠を維持していくには欠かせないものとなっています。

胎児をしっかりと子宮の中で安定・成長させるには”気”が大きく作用します。

 

 

習慣性流産の鍼灸

東洋医学でいう不育の原因をなくしていくため、下記の効果を高めるツボを使い施術をしていきます。

 

  • 腎機能の向上させエネルギーを高める
  • 血流をよくする
  • 栄養を維持する

 

受精卵が着床し、受精卵を育てるための子宮は膨大なエネルギーを必要とします。

妊活の段階で

  • エネルギーを高める
  • 血流をよくし、質の良い子宮内膜を作る
  • 栄養素豊富な子宮を作るため気を補っておく

 

ことが重要になってきます。

 

習慣性流産(不育症)に使うツボ

 

  • 関元
  • 中脘
  • 子宮
  • 内関
  • 期門
  • 三陰交
  • 血海

 

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