石灰沈着性腱板炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年  10月 3日

更新日:2021年  10月18日

本日は石灰沈着性腱板炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 石灰沈着性腱板炎とは
  • 石灰沈着性腱板炎の原因
  • 石灰沈着性腱板炎の症状
  • 石灰沈着性腱板炎の改善方法
  • 石灰沈着性腱板炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

石灰沈着性腱板炎は、肩の疼痛や運動制限が起こる

石灰沈着性腱板炎は、肩腱板の中に沈着したリン酸カルシウム結晶によって急性の炎症が起き、肩の疼痛や運動制限が起こることです。

 

突然夜中に非常に激しい肩関節の疼痛が起きる症状から発症することが多いです。男性より女性に多く、中でも40~50歳代の女性に多いです。

原因は、肩腱板内に沈着したリン酸カルシウム結晶

石灰沈着性腱板炎の原因は、肩腱板の中に沈着したリン酸カルシウム結晶です。肩腱板は肩関節の主な筋肉です。その周りに石灰物が沈着すると滑液包などに炎症が起こってしまいます。

 

痛みの原因は、リン酸カルシウムや石灰が沈着してしまうことなのです。しかし、石灰が沈着する細かい原因はわかっていないのが現状です。

 

この炎症によって、肩の動きのある動作をするとき痛みが起こるのです。石灰は、初めは濃いミルク状ですが時間が経つとどんどん固く形状が変わります。硬くなると、練り歯磨き状になり、その後石膏状になります。

 

石灰がたまり膨らんでくるにつれて痛みもどんどん強くなっていきます。そして、腱板から滑液包の中に破れ出る時に激痛が起きます。

 

水分不足で脱水状態の場合、発症しやすいということも言われています。

石灰沈着性腱板炎は、肩の痛みの原因の一つとして知られており、炎症と石灰の沈着が起こる病気で、原因には複数の要因が関係しています。以下に、石灰沈着性腱板炎の原因について詳しく説明します。

 

 

肩関節の過剰使用:肩関節の過剰な使用が原因となることがあります。例えば、スポーツや仕事の動作など、反復性の肩関節への負荷が繰り返されることにより、腱板に慢性的な炎症が生じることがあります。

 

加齢:加齢に伴い、腱板の変性や萎縮が進行することがあります。その結果、腱板に石灰が沈着しやすくなり、石灰沈着性腱板炎を発症することがあります。

 

筋力不足:肩の筋肉が弱くなると、肩関節に負荷がかかりやすくなり、腱板に慢性的な炎症が生じることがあります。

 

栄養不良:栄養不良により、腱板が弱くなり、炎症が生じやすくなることがあります。特に、ビタミンDやカルシウムの不足が石灰沈着性腱板炎のリスクを高めることが知られています。

 

睡眠不足やストレス:睡眠不足やストレスなどが続くと、免疫力が低下し、腱板に炎症が生じやすくなることがあります。

 

女性ホルモンの影響:女性ホルモンには、骨の生成を促す作用があるため、女性ホルモンの変動が原因となることがあるとされています。

 

以上が、石灰沈着性腱板炎の原因についての主な要因です。ただし、石灰沈着性腱板炎は複雑な病態であり、原因には個人差があります。

石灰沈着性腱板炎の症状は、激しい肩の疼痛や肩に起こる運動制限

石灰沈着性腱板炎の症状は、激しい肩の疼痛や肩に起こる運動制限です。疼痛や運動制限は、肩関節が動くいろいろな動作で現れます。

 

痛みで腕を動かすことができなくなったり、夜中痛みで目が覚めたり、髪を触るときや洗濯物を干すときに痛みを感じたり、エプロンの紐を縛るときや洋服のリボンを縛るときに痛みを感じたりするようになります。

 

石灰沈着性腱板炎には急性型と亜急性型、慢性型があります。急性型は発症した後1~4週強い症状が現れます。亜急性型は1~6ヵ月中等度の症状が続き、慢性型は運動をした時などの痛みが6ヵ月以上続きます。

石灰沈着性腱板炎は、肩関節の痛みや機能障害を引き起こす病気であり、炎症と石灰の沈着が起こります。症状は、軽度の場合から重度の場合まで様々で、個人差があります。以下に、石灰沈着性腱板炎の症状について詳しく説明します。

 

 

肩の痛み:石灰沈着性腱板炎の最も一般的な症状は、肩の痛みです。痛みの程度は、軽度の場合は軽い痛み程度で、重度の場合は激しい痛みを伴います。痛みは、肩の動かし方や、寝返りをうつときにも感じられることがあります。

 

肩の運動制限:石灰沈着性腱板炎の進行に伴い、肩の可動域が制限されることがあります。肩を上げたり、回したりすることが困難になります。肩を動かすためには、痛みを伴うことがあります。

 

炎症:腱板には炎症が生じているため、炎症が起こります。肩の痛みや腫れ、赤みがあります。

 

関節の張り:石灰沈着性腱板炎が進行すると、肩関節が硬くなり、関節の張りを感じることがあります。

 

石灰沈着:石灰沈着性腱板炎の特徴的な症状は、腱板に石灰が沈着することです。

睡眠障害:石灰沈着性腱板炎の痛みや不快感が強い場合、睡眠障害が生じることがあります。特に、肩を支える側で寝ると痛みが強くなり、十分な睡眠がとれなくなることがあります。

石灰沈着性腱板炎の改善方法は、安静にすることと薬

石灰沈着性腱板炎の改善方法は、安静にすることと薬です。薬は、消炎鎮痛剤を飲み薬で使ったり、水溶性副腎皮質ホルモンと局所麻酔剤を滑液包内注射などで使うったりします。

 

腱板に針を刺して沈着した石灰を破りミルク状の石灰を吸引する方法もl改善するためによく使われる方法です。石灰を吸引することによって激しい痛みをできるだけ早く和らげることができます。

 

亜急性型や慢性型の石灰沈着性腱板炎の場合、改善を行なっていても石灰沈着が石膏状に固くなり、時々強い痛みが起こることがあります。硬く膨らんだ石灰が肩の運動をしている時に周りと触れて炎症がなくならず痛みが続くのです。

 

痛みが強く肩の運動に問題が起こる場合は、手術を行なって摘出する方法で改善を行うこともあります。

石灰沈着性腱板の改善では、炎症を抑えること、石灰を除去すること、そして再発を防ぐことが主な目的となります。

 

1.安静

症状が軽い場合や、炎症が治まるまでの間は、安静にすることが重要です。特に、腕を動かすような運動や負荷を避けるようにしましょう。

 

2.炎症を抑える薬の使用

炎症を抑えるために、非ステロイド性抗炎症薬が使用されます。これによって、痛みや腫れを緩和することができます。ただし、NSAIDsには副作用があるため、医師の指示に従って使用するようにしましょう。

 

3.物理的な方法

筋肉や腱の緊張を緩和し、痛みを軽減することができます。代表的なものには、電気や温熱を使う方法があります。

 

4.注射

石灰沈着性腱板の症状が重い場合には、注射が使用されます。ステロイド注射やプラズマリッチ血漿注射、ヒアルロン酸注射などがあります。これらの注射によって、炎症を抑えることができます。

 

5.超音波

超音波によって、腱板に石灰が沈着した部分を集中的に照射することで、石灰を除去することができます。超音波には、高周波のものや圧力波のものなどがあります。

 

6.手術

石灰沈着性腱板の症状が重い場合や、上記の方法が効果的ではない場合には手術が必要になることがあります。手術は、石灰を取り除くことや、腱板を切除することなどがあります。手術後は、手術部位の保護や、リハビリテーションが必要となります。

 

7.リハビリテーション

石灰沈着性腱板の改善後には、リハビリテーションが必要です。リハビリテーションによって、腕の動きを回復させ、石灰沈着性腱板の再発を防止することができます。具体的なリハビリテーションには、以下のようなものがあります。

 

・ストレッチ

腕や肩などの筋肉を伸ばすことで、筋肉の緊張を緩和し、痛みを軽減することができます。

 

・筋力トレーニング

筋力トレーニングによって、筋肉を鍛え、腕の動きを改善することができます。

 

・マッサージ

マッサージによって、筋肉や腱の緊張を緩和し、痛みを軽減することができます。

 

・温める方法

筋肉や腱を温めることで、血流を促進し、炎症を抑えることができます。

 

石灰沈着性腱板の改善方法には、症状に合わせて適切な改善方法を選択し、早期に改善を行うことが重要です。

疼痛がなくなった後再び痛みが起こらないようにするために

石灰沈着性腱板炎では、安静にし薬を使って改善を行なった後、疼痛がなくなったら再び痛みが起こらないようにすることが必要です。

 

そのためにはホットパックをしたり温かいお風呂に入って温めることが効果的です。

 

拘縮の予防や筋肉の強化をするためには、リハビリをしたりして少しずつ運動を行うことも大事です。

石灰沈着性腱板の改善例

石灰沈着性腱板の実際の改善例を3つ紹介します。

 

・治療例1

右肩の痛みが数ヶ月前から続いており、最近では肩を動かすことができないほどの痛みが出るようになったと訴えて来院し、石灰沈着性腱板が疑われ、石灰の沈着が確認されました。鎮痛剤とNSAIDsの投与、物理的な方法、針を使った注射を行いました。

 

注射は、超音波を使って針を腱板に刺し、石灰を取り除くために圧力をかける方法です。3回の注射を行ったところ、痛みはかなり軽減され、肩の可動域も改善しました。

 

・治療例2

左肩の痛みが1年以上続いており、最近では左腕が上がらなくなってしまったと訴えて来院し、石灰沈着性腱板が疑われ、腱板の石灰が確認されました。手術を勧め、開放手術による石灰の取り除きを行いました。手術後の経過は順調で、痛みは完全に消失し、左腕の可動域も回復しました。

 

・治療例3

右肩の痛みが半年以上続いており、最近では夜間の痛みも出るようになったと訴えて来院し、石灰沈着性腱板が疑われ、針を使った注射を行いました。注射は、超音波を使って針を腱板に刺し、石灰を取り除くために圧力をかける方法です。3回の注射を行ったところ、痛みはかなり軽減され、肩の可動域も改善しました。

 

以上が、石灰沈着性腱板の実際の改善例です。改善方法は、症状や病歴などに基づいて個別に決定されるため、一般論としては当てはまらないことがあります。

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