公開日:2022年 12月 3日
更新日:2022年 12月 9日
本日はワレンベルグ症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ワレンベルグ症候群の原因は、延髄に障害を受けることです。延髄の中でも特に外側部分において障害を受けることによって発症します。
多くの場合、延髄外側の後下小脳動脈や椎骨動脈などの血管性の病変によって発症します。ただしワレンベルグ症候群は、高血圧や糖尿病といったリスクとなることがなくても発症することもあります。
延髄の外側には、温痛覚に関わる神経や眼球に対しての交感神経、嚥下や発声に関わっている運動神経が存在しています。そのため、延髄の外側に障害が起きると温痛覚、眼球、嚥下や発声などに障害が起きます。
ワレンベルグ症候群の症状は、非常に複雑な運動障害や感覚障害です。血管性病変として発症するため、突然頭痛が起きたり嘔吐したり回転性のめまいやふらつきが現れたりします。
運動麻痺は起きませんが、体幹のバランスが取れなくなるため歩いた時にふらつきが見られたり血管性病変が起きた方向に傾いたりすることとも多いです。
嚥下や声帯運動にも障害が現れるため、飲み込みの障害や発声障害などの症状も見られます。
温度や痛覚の感覚にも障害が現れますが、現れ方に特徴があり、顔面では血管性病変と同側、体幹や上下肢では反対側に感覚障害が見られます。
他にも、ホルネル症候群と呼ばれる縮瞳、眼瞼下垂、眼球陥没、顔面の発汗低下と皮膚の赤みなどが見られることもあります。
ワレンベルグ症候群は、アテローム血栓性脳梗塞や心原性脳梗塞として発症することが多いため、改善するためには脳梗塞として改善を行います。
アテローム血栓症に対しては抗血小板薬を使い、心原性脳塞栓症では抗凝固薬を使うのです。抗凝固薬ではワルファリン、NOACsなどの薬が使われます。
アテローム血栓症や心原性血栓は、糖尿病や高血圧、心房細動などがあることで誘発されることもあるため、このような基礎的な病気な病気を改善することも大事になります。
ワレンベルグ症候群は、嚥下障害も現れるため、嚥下機能を含めた改善を行うことも必要です。急性期には絶食をして経管栄養を行い、慢性期には誤嚥をしないように嚥下のリハビリテーションを行うことが重要です。
ワレンベルグ症候群は脳梗塞から発症することも多いです。脳梗塞の発症には、加齢や男性、脳梗塞の家族歴など修正することができないリスクとなることがありますが、修正することができるリスクとなることもあります。
高血圧や糖尿病、脂質異常症や心房細動、喫煙や慢性腎臓病、肥満、運動不足、過剰な飲酒、過剰な塩分摂取、ストレス、食生活の欧米化などです。
このようなことに気をつけて脳梗塞のリスクを減らすことでワレンベルグ症候群のリスクを減らすことにもつながります。