公開日:2021年 4月23日
更新日:2023年 6月13日
本日は慢性単純性苔癬について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
慢性単純性苔癬は、皮膚の上の層に起こった慢性の炎症によって痒みが起きる病気です。慢性単純性苔癬は、頭部、腕、首、脚に起きることが1番多いです。
慢性単純性苔癬の原因は、長い期間皮膚をかく行為を続けることです。皮膚をかくという行為が刺激となり、さらに痒みが起き皮膚をかいてしまい、また痒みが起きる、という悪循環が起きます。
慢性単純性苔癬の始まりとなる皮膚をかく行為は、特に理由はなく皮膚をかく行為をすることが原因で始まることもあります。
慢性皮膚炎などの他の病気が原因で皮膚をかく行為をしており、原因の病気が改善されてもそのまま皮膚をかく行為を続けてしまうことから始まることもあります。
慢性単純性苔癬の原因は、何度も繰り返し皮膚をかき続けることや長い時間皮膚に摩擦が起きることです。
慢性単純性苔癬は、皮膚のある部位に痒みを感じてかいてしまうと、皮膚をかく行為が刺激となってさらに痒みが起きるという悪循環で発症します。
慢性単純性苔癬は、心理的なストレスにも関係していると考えられており、不安症の人や大きな精神的ストレスを抱えている人に起きやすいと言われています。さらに色々な種類の慢性皮膚炎を持っている人にも起きやすいです。
慢性単純性苔癬は、肌のかゆみが原因で慢性的な炎症と肌の硬化が生じる皮膚の病気です。以下に原因や関連要因について詳しく説明します。
・皮膚のかゆみと悪循環
慢性単純性苔癬の主な原因は、皮膚のかゆみによる悪循環です。かゆみを感じると、無意識に掻くことで一時的な症状の緩和を図ります。しかし、掻くことで皮膚がさらに炎症を起こし、かゆみが悪化することがあります。この悪循環が繰り返されることで、皮膚が厚くなり硬くなることがあります。
・アトピー性皮膚炎
慢性単純性苔癬は、アトピー性皮膚炎と関連があります。アトピー性皮膚炎では、肌のバリア機能が低下しているため、かゆみを感じやすくなります。これが慢性単純性苔癬の発症につながることがあります。
・精神的ストレス
精神的ストレスも慢性単純性苔癬の原因の一つです。ストレスがかかると、自律神経のバランスが崩れることがあります。これにより、血行が悪化し、皮膚のバリア機能が低下することがあります。その結果、かゆみが生じ、慢性単純性苔癬が発症することがあります。
・乾燥肌
乾燥肌は、慢性単純性苔癬の原因の一つです。肌が乾燥すると、かゆみが生じやすくなります。特に、冬季や室内でのエアコン使用が原因で肌が乾燥することがあります。これが、慢性単純性苔癬の発症につながることがあります。
・皮膚の外傷
皮膚の外傷や摩擦によって、慢性単純性苔癬が発症することがあります。例えば、衣類が肌に摩擦を与えることで、かゆみが生じることがあります。また、虫刺されや皮膚の病気の改善中に、皮膚に外傷が生じることがあります。これらの外傷が慢性単純性苔癬の発症のきっかけとなることがあります。
・アレルギー
アレルギー性の皮膚炎も、慢性単純性苔癬の原因になることがあります。接触性皮膚炎や薬剤アレルギーなど、アレルギー反応が皮膚に炎症を引き起こすことで、かゆみが生じることがあります。その結果、慢性単純性苔癬が発症することがあります。
・その他の皮膚の病気
慢性単純性苔癬は、他の皮膚疾患と併発することがあります。例えば、乾癬や水虫など、皮膚の炎症やかゆみを伴う病気が、慢性単純性苔癬の発症につながることがあります。
・個人差や遺伝的要素
慢性単純性苔癬の発症は、個人差や遺伝的要素にも関係していることが考えられます。遺伝的に皮膚のバリア機能が低下している場合や、自律神経のバランスが崩れやすい体質の場合、慢性単純性苔癬のリスクが高まることがあります。
総じて、慢性単純性苔癬の原因は複数の要因が絡み合っています。かゆみの悪循環を抑えることが重要であり、原因となる要素を特定し、適切な改善法を選択することが求められます。
慢性単純性苔癬は、体のあらゆる部位に起こることがあります。一般的に起きることの多い部位は、胸や背中の上部、腕、首、脚です。場合によっては、肛門や腟周辺に起こることもあります。
初めの段階では、皮膚の見た目は正常で、痒みを感じます。その後、痒みに対してかいたりこすったりすると、皮膚の見た目にも変化が現れます。乾燥したり、厚くなったり、暗い色の斑が現れたりするのです。
この皮膚の変化の過程は苔癬化と呼ばれています。
慢性単純性苔癬は、慢性的な炎症と皮膚の硬化が特徴的な皮膚の病気です。以下に、慢性単純性苔癬の症状について詳しく説明します。
・かゆみ
慢性単純性苔癬の主な症状は、かゆみです。かゆみが持続的に続くことで、無意識に掻いてしまうことがあります。これが悪循環を引き起こし、皮膚の状態が悪化することがあります。
・皮膚の硬化、肥厚
慢性的な炎症と掻痒行為が繰り返されることで、皮膚が硬くなり、肥厚化することがあります。皮膚表面には、正常な皮膚に比べて明らかに異なる皮膚状態が認められます。
・皮膚の色素沈着
慢性単純性苔癬が進行すると、皮膚の色素沈着が生じることがあります。これは、炎症や摩擦によって、皮膚にメラニン色素が沈着することが原因です。色素沈着により、皮膚が黒ずんで見えることがあります。
・皮膚の白癬化
炎症が改善すると、皮膚の白癬化が生じることがあります。白癬化とは、皮膚の表面が白く、粉状になる現象です。これは、慢性的な炎症によって皮膚の角質が過剰に生成されることが原因です。
・皮膚の破れや出血
慢性単純性苔癬が進行し、皮膚が硬く肥厚化すると、皮膚が破れやすくなることがあります。掻くことで皮膚が破れ、出血することがあります。これが感染のリスクを高めることがあります。
・慢性単純性苔癬の発生部位
慢性単純性苔癬は、主に手足、首、頭皮、背中、お尻、足の裏、陰部など、身体の様々な部位に発生することがあります。ただし、発生部位は個人差があり、生活習慣や体質によって変わることがあります。
・不安やストレスによる症状の悪化
慢性単純性苔癬の症状は、不安やストレスが原因で悪化することがあります。ストレスが症状を悪化させるメカニズムは完全には解明されていませんが、ストレスが自律神経や免疫機能に影響を与えることが関与していると考えられています。
・円形、楕円形の皮膚病変
慢性単純性苔癬では、円形や楕円形の皮膚病変が現れることがあります。これらの病変は、かゆみが特に強く感じられる部分であり、掻痒行為が繰り返されることでさらに皮膚状態が悪化することがあります。
・皮膚の乾燥
慢性単純性苔癬の症状として、皮膚の乾燥が挙げられます。皮膚のバリア機能が低下することで、皮膚が乾燥しやすくなります。乾燥は、かゆみを引き起こす要因となるため、慢性単純性苔癬の症状が悪化することがあります。
慢性単純性苔癬を改善するために1番大切なことは、かいたりこすったりしないことです。まず、かいたりこすったりする行為を完全にやめることが必要なのです。
痒みを和らげる方法としては、コルチコステロイドがあります。かいたりこすったりする行為をやめた後、コルチコレステロイドを使ってかゆみと炎症を和らげて、完全に痒みがなくなるまで改善に取り組みます。
場合によっては、抗ヒスタミン薬を使うこともあります。
慢性単純性苔癬は、慢性的な炎症と皮膚の硬化が特徴的な皮膚の病気です。この記事では、慢性単純性苔癬の改善法について詳しく説明します。
・トピカルステロイド
慢性単純性苔癬改善の第一選択肢は、トピカルステロイドです。ステロイド軟膏やクリームは、炎症を抑える作用があります。症状の重さに応じて、適切な強さのステロイド薬を処方します。ただし、ステロイド薬は長期間使用すると副作用があるため、医師の指示に従って使用することが重要です。
・非ステロイド性抗炎症薬
症状が軽度で、ステロイド薬が必要でない場合、非ステロイド性抗炎症薬が選択肢となります。NSAIDsは、炎症を抑える作用がありますが、ステロイド薬ほどの強い作用はありません。NSAIDsはクリームやローションの形で皮膚に塗布されます。
・抗ヒスタミン薬
慢性単純性苔癬の主な症状であるかゆみを緩和するために、抗ヒスタミン薬が使用されます。抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応を抑制し、かゆみを和らげる作用があります。抗ヒスタミン薬は、錠剤やシロップの形で経口摂取されます。
・保湿剤
皮膚の乾燥が悪化の要因となることがあるため、慢性単純性苔癬の改善には保湿剤が重要です。保湿剤は、皮膚のバリア機能を改善し、皮膚の乾燥を防ぎます。保湿剤はクリームやローションの形で皮膚に塗布されます。
・硬化剤注射
皮膚の硬化部分に対して、硬化剤注射が適用される場合があります。この改善法では、皮膚の硬化部分に硬化剤を注入し、皮膚の硬化を緩和することを目的としています。硬化剤注射は、皮膚科医によって行われ、適切な麻酔下で実施されます。
・紫外線や光の利用
紫外線や光を利用して皮膚の炎症を抑制し、慢性単純性苔癬の症状を改善する方法があります。特定の波長の光を皮膚に照射することで、炎症を抑える効果があります。ただし、この方法は一部の人にしか適用されず、医師の判断によって実施されます。
・無意識的な掻痒行為の抑制
慢性単純性苔癬の悪循環を防ぐためには、無意識的な掻痒行為を抑制することが重要です。これには、爪を短く切る、寝るときに手袋を着用する、ストレス管理法を学ぶなどの方法があります。
・ストレス管理
慢性単純性苔癬の症状は、ストレスによって悪化することがあるため、ストレス管理が重要です。ストレス管理法には、リラクセーション技法、運動、十分な睡眠、バランスのとれた食事などが含まれます。
・カウンセリング
慢性単純性苔癬の改善方法一環として、カウンセリングなどが適用されることがあります。これは、ストレスや不安を軽減し、症状の悪化を防ぐことを目的としています。
慢性単純性苔癬は、他の皮膚の病気やアレルギーと併存することがあります。このような場合、併存症の改善が慢性単純性苔癬の症状改善に繋がることがあります。皮膚科医は、病歴や症状を慎重に評価し、適切な改善法を提案します。
慢性単純性苔癬の改善方法は多岐にわたり、個々の症状や体質に応じて適切な改善方法が選択されます。
慢性単純性苔癬は、洋服や髪の毛のこすれやネックレスなどの装飾品などの刺激が原因で痒みが起こり、痒い部分を何度もかくことで起きることも多いです。
日常生活を送る上で、痒みのきっかけになる刺激をできるだけ避けることは、予防のためにも改善のためにも大切です。刺激に敏感な人や乾燥しやすい人はより気をつけるようにすると良いでしょう。
何か心配なことがある場合は、皮膚科に行くことをお勧めいたします。
慢性単純性苔癬の実際の改善例:Aの場合
Aは40歳の男性で、慢性的な掻痒感と皮膚の硬化が見られました。彼は以前から慢性単純性苔癬を患っており、過去に多くの改善法を試していましたが、症状は完全に改善されず、再発を繰り返していました。
Aは皮膚の状態を詳しく調べることから始めました。皮膚は乾燥し、硬くなっており、特に肘と膝の部分で症状が悪化していました。
Aには、まずはトピカルステロイド薬と保湿剤を併用する改善が試みられました。彼は、医師の指示に従い、ステロイド薬を炎症のある部位に塗布し、保湿剤を全身に適用しました。この改善法により、彼の掻痒感は徐々に緩和され、皮膚の硬化も改善されましたが、完全に症状が消えることはありませんでした。
次に、Aはは数週間にわたって紫外線を使った改善方法を受け、症状の改善が見られました。この方法は炎症を抑える効果があるため、Aの掻痒感はさらに緩和されました。
Aは、ストレスが慢性単純性苔癬の症状に影響を与えていることが分かり、瞑想や深呼吸法を取り入れ、日常生活でストレスを軽減する方法を学びました。また、カウンセリングを受けることで、彼の不安やストレスが緩和され、症状の悪化を防ぐことができました。
Aは、医師の指示に従って抗ヒスタミン薬を使用し始めました。これにより、彼のアレルギー反応が抑制され、掻痒感がさらに緩和されました。抗ヒスタミン薬は、慢性単純性苔癬の改善において重要な役割を果たし、症状の改善に貢献しました。
Aは、自分の生活習慣について見直すことにしました。彼は過度の摩擦や皮膚への圧力を避けるように心がけ、洗濯洗剤や衣類の素材を変えることで皮膚への刺激を軽減しました。また、皮膚を清潔に保ち、適切な保湿を続けることで、慢性単純性苔癬の症状をコントロールすることができました。
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