公開日:2019年 12月23日
更新日:2021年 5月 15日
今日はチック症について解説させていただきます。
チック症とは、まばたきや咳払い、顔をしかめる、口をゆがめる・とがらせる、舌を突き出す、鼻をピクピク、首振りや奇声などが自分の意思とは関係なく起こる不随意運動の一種で、素早い動作が繰り返し起こる病気です。
日本の行政では発達障害の定義に含まれています。
多くの場合は成人するまでに消失していきますが、大人になっても症状が続く場合もあります。本記事では、チック症の原因、改善法や困りごと、鍼灸でのチック症の改善法、日常生活におけるチック症との付き合い方をお伝えします。
チック症が起こる根本的な原因はまだ解明されていません。現時点で引き起こされる要因は不安や緊張、興奮、疲労などが誘因とされています。
ストレスや不安・疲労の強度が高いほど悪化しやすく、落ち着いている状態のときは軽減する傾向にあり、この疾患は環境的な要因で起こる可能性が高いとされています。
また、テレビやスマホの見過ぎにより目が疲れてしまったことをきっかけに、チック症が発症したという例もあるので、ある意味現代病と言えるでしょう。
瞬きのチック症の場合他にも、結膜炎で目がかゆくて目をパチパチとしていたのがクセになってしまい、チック症へと発展した場合など原因はさまざまあります。
性格的には敏感に感じやすかったりするタイプの方が、なりやすい傾向にあります。
チック症の症状では突発的な体の動きや発声が、本人の意思とは関係なく繰り返し起きてきますが、大きく二つのタイプのチックがあります。
運動チック
音声チック
その他、足をくねくねしたり、相手の身振りや言葉を意図せずに真似してしまったり、自身の言ったことを何度も反復したり、普通なら人前で発言するのははばかられるような汚い言葉を発してしまうという複雑性のチック症状もあります。
ただの「クセ」と認識をされてることが多いチック症ですが、判断には、症状と持続時間を中心に、カウンセリングなどで判断されます。
上記に記載のチック症の症状の特徴を家族や周囲の多角的な意見を含めて聞いていきし、運動チックまたは音声チックの症状が見受けられるか判断していきます。
これらに加えて、強迫性障害、注意欠陥多動性障害、学習障害、睡眠障害、気分障害などの併発性が高率にみられる場合「トゥレット症候群」と言い、本人の社会生活をいっそう困難なものします。
ADHDや強迫症などの病気はチックとともに発生することが多いため、合わせて調べられることが多いです。
トゥレット症候群は報告された神経科医の名前をちなんで付けられました。
「トゥレット障害」などとも呼ばれます。
多種類のチックを併発し、更に1年以上続くなど、慢性化している場合は、「チック症」ではなく「トゥレット症候群」と診断されます。
比較的軽い症状の場合、身体的・心理的ストレスを出来る限り減らす環境を整える方法を医師との相談の上で考えていきます。症状の程度によって、薬、精神法や行動などの改善を行います。
本人を安心させることが何よりも最善となります。非常に難しいかもしれませんが、学校の先生や友達など、周囲に病気への理解が得られていれば、科学的な方法は用いず改善されるケースもあります。
チックが原因となり自身を過剰に卑下してしまい、うつ病や不安症を併発してしまいそうな場合、チックを止めるための薬を使用します。ただし、薬の使用は最低限にとどめ、チックが減るのに合わせて、薬の用量も減らしていきます。
重度で、学校生活や仕事に支障をきたすなど、特に問題となる場合、クロナゼパムやジアゼパムなど、生活に支障が来すような重度のケースでは、抗精神病薬などが用いられることもあります。
※クロナゼパムやジアゼパム:抗てんかん、筋弛緩、抗不安作用がある。
チックの根本的な原因はまだ解明されていません。
現代のところ、緊張や不安が長期によって続き、また過剰な興奮などといったストレスが症状の誘因となることが多いと考えられています。
本人のストレスを減らす環境に身を置くことが大切ですので、本人に症状を指摘しすぎたり、叱責したりすることは、セルフイメージ低下につながり、症状を悪化させてしまうこともあります。
ご家族や周りのストレスも伴いますが、互いに早く改善することに気を取られず、「心配することはない」と本人を安心させてあげることが改善においてとても非常に大事です。
チックは重症になると自身を叩く、殴るなど大きな怪我に繋がる事もあります。
本来なら「苦労」する必要のない事で、「苦労」してしまい、本人の自尊心を大きくすり減らします。
元々繊細な子が様々な事にさらに神経をすり減らし、首肩・背中・腰・全身が凝り固まってしまいます。
そこで、当院では行っていませんが小児鍼はそれらの症状を改善し、本人の不安を取り除く施術が施されています。
大人でチック症が出た場合、小児期に判断されていなかったものの継続・重症化、あるいは再発である場合がほとんどだといわれています。
その場合、当院では対応症状になりますので、一人で抱え込まずにご相談ください。
また大人になってから初めて症状が出た場合、チック症ではなく以下のような別の病気やその後遺症、薬の副作用の可能性があります。