公開日:2021年 6月 10日
更新日:2024年 9月 2日
本日は多汗症について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
多汗症の原因となることは色々あります。
全身性多汗症の原因は、運動、環境、発熱、更年期障害や甲状腺機能亢進症などの病気、パーキンソン病などの神経障害、薬の副作用、感染症などです。はっきりと原因がわからないことも多いです。
局所性多汗症の原因は、精神的な緊張、辛いものを食べること、神経障害、皮膚の病気などです。局所性多汗症の場合もはっきりと原因がわからないことも多いです。
多汗症は、日常生活に大きな影響を与える悩ましい症状の一つです。多くの人々がこの問題に苦しんでおり、その原因は一概には言えません。多汗症の背後には、生体内部のメカニズムと外部の環境因子が絡み合っています。
まず、多汗症の本質を理解するためには、人間の汗腺という細胞群の役割を理解することから始めましょう。汗腺は私たちの体温を調節するために重要で、これが正常に働かないと多汗症という症状が発生します。
多汗症の一般的な原因は大きく分けて二つあります。一つ目は、何らかの問題や病気によって引き起こされる二次性多汗症です。二つ目は特定の原因が見当たらず突然発生する一次性多汗症、または特発性多汗症と呼ばれるものです。
二次性多汗症は、他の状況や病気が背後に存在します。例えば、甲状腺や糖尿病、心臓の病気、閉経、肺の病気、パーキンソン病、癌、精神的ストレス、薬剤反応などがあります。
特発性多汗症は、具体的な原因が特定できない状態で、手のひら、足の裏、脇の下、頭部や顔など特定の部位で過度の汗をかきます。これは遺伝的な要素が関与している可能性があります。
他にも、ストレスや緊張、暖房の使い過ぎや身体活動、スパイシーな食べ物やアルコール、ニコチンなどは、汗の生成を増加させる可能性があります。また、症状は時間帯や季節により悪化する場合もあります。
多汗症の症状は、日常生活に支障が出るほどの多量の汗をかくことです。多量の発汗が原因で、足や脇の不快な臭いや指先の冷え、手足の水ぶくれなどの症状がらわれることもあります。
多汗症の症状は色々な精神的苦痛にもつながります。仕事や勉強に集中できなくなったり、汗の臭いで対人関係に影響が出たりすることもあるのです。
精神的苦痛が大きかったり大きなストレスを抱えてしまうと、精神疾患を引き起こしてしまう可能性もあります。
多汗症は日常生活に影響を与える可能性のある一般的な症状であり、多くの人々が何らかの形で経験します。それが厄介なだけでなく、日常生活のあらゆる側面を阻害する可能性もあります。しかし、何が正常で何が異常なのかを理解することで、適切な対処法を見つける一助となります。
多汗症は文字通り過度の汗を意味しますが、その症状は人により異なります。一般的な症状には以下のようなものがあります。
過度の汗:最も一般的な症状で、通常、特定の部位(手、足、脇の下、顔)で発生します。これらの部位はエクリン汗腺が特に集中しているところで、体温調節に一役買っています。
汗の発生パターン:多汗症はしばしば特定のパターンに従います。例えば、ストレスや緊張の状況では多汗症が悪化することがあります。また、一部の人々は睡眠中に多汗を経験することがあります。
汗の出方の一貫性:多汗症の人は通常、一定の間隔で過度の汗をかきます。それは日常的な活動中に断続的に、あるいはほぼ絶えず発生することがあります。
皮膚の問題:過度の汗は皮膚の問題を引き起こすことがあります。これには皮膚の白化、皮膚感染、じんましん、皮膚のかゆみなどが含まれます。
心理的影響:多汗症は個人の心理的な健康にも影響を及ぼす可能性があります。社会的な場面や職場での自己意識、恥ずかしさ、ストレスや不安の感情を増大させることがあります。
これらの症状は、他の状況によって引き起こされる可能性があります。したがって、これらの症状が続く場合は、医師に相談することが重要です。
多汗症を改善するためには、原因がはっきりとわかっている場合は原因となっていることを改善します。病気などが原因で多汗症を発症している場合には、原因となっている病気を改善することで多汗症の改善につながるのです。
原因がわからない場合は、薬を使ったりボツリヌス注射を行ったりして改善します。症状が軽い場合は、アルミニウムローションで汗腺を塞いである程度汗をかく量を抑えることもあります。
ストレスは交感神経が優位な状態になるため発汗を促進する作用があります。きちんと睡眠をとり規則正しい生活をすることも改善には大切です。
多汗症は日常生活に影響を与えることがありますが、適切な改善方法と管理によりその影響は大幅に軽減されます。
制汗剤: 最も一般的で手軽な方法は、制汗剤の使用です。制汗剤は、汗腺の開口部を塞ぎ、汗の生成を減らす役割を果たします。アルミニウム塩を主成分とした制汗剤が広く利用されており、通常、夜間に汗をかかない部位に塗布されます。
薬剤: 特定の薬剤が多汗症の症状を軽減することがあります。抗コリン薬は神経伝達物質の作用を阻害し、汗腺の活動を抑えます。しかし、副作用があるため、使用は医師の指導の下で行われます。
イオントフォレーシス: この方法は、微弱な電流を利用して皮膚の汗腺を一時的にブロックします。手や足に多汗症のある人々に特に効果的で、家庭で行うことができます。
ボトックス注射: ボトキュリウス毒素は神経伝達をブロックし、汗腺へのシグナルを遮断します。これにより、汗の生成が抑制されます。効果は数ヶ月続きますが、繰り返しの注射が必要です。
手術: 他の方法が効果的でない場合や症状が極端に重い場合、手術が検討されます。内視鏡的交感神経切除術(ETS)は、多汗症を引き起こす特定の神経を切断または遮断する手術です。
ライフスタイルの変更: ストレス管理、適度な運動、バランスの良い飲食、適切な衣類の選択などのライフスタイルの調整も、多汗症の症状を軽減するのに役立ちます。ストレスや緊張は汗を引き起こす一因となるため、リラクゼーションテクニックやマインドフルネス瞑想などを用いてストレスを管理することが推奨されます。また、適度な運動は体温調節を助け、汗の生成を制御します。
ストレスなどで交感神経が優位になることで起こる多汗症の場合は、日常生活の中で少し気をつけるだけで、多量の汗をかくことを防ぐことができる可能性があります。
まず、気をつけることは食生活です。辛い食べ物や酸味の強い食べ物は交感神経の働きを優位にします。多汗症で悩んでいる場合は、刺激物をたくさん食べることは避けましょう。食事はバランスの良い食事をすることが大切です。
次に気をつけることは生活習慣です。アルコールを飲みすぎないことや禁煙すること、十分な睡眠時間を確保することなどを日常生活の中で気をつけて、交感神経の働きを優位にしすぎないようにしましょう。
交感神経を優位にしすぎないためには、リラックスすることが大切です。心も体もリラックスできる時間をつくるようにしましょう。緊張状態が続かないように、心と体を休める時間を大切にすると良いでしょう。
・神門
・太渓
・労宮
・合谷
神門は、自律神経の働きを整える作用のあるツボです。自律神経の働きを整えることは、発汗を調整することにつながります。そのため、神門を刺激することで多汗症の改善が期待できるのです。
不安を感じた時や落ち込んだ時に、精神を安定させる効果があります。そのため、不眠症などの改善も期待できます。
太渓は、体温調節の働きを促す作用があります。体温調節が働くことによって多汗症に効果が期待できます。さらに、血流を促す効果もあるため、冷え性の改善や美容に対しての効果も期待できます。
太渓は冷え性の中でも、特に足の冷えに効果的です。腹部の冷えに対しても作用するため、腸の働きが良くなることで便秘や生理痛にも効果を発揮します。
労宮は、心の疲れに効果があります。労宮は、自律神経の働きを整える作用があるため、ストレスや不眠、全身の倦怠感などの症状に対して効果的です。自律神経の働きを整える作用によって多汗症にも効果が期待できます。
さらに口の渇きや口内炎、口臭などの改善のためにも使われることがあります。
神門は、手首の横じわの小指側のくぼみにあります。探すときは、手首のしわを小指側に撫でていきます。そのとき、骨のでっぱりの手前で指がとまる場所を目印にツボをとりましょう。
押すときは、親指を当てて押します。残りの指で手首をつかみ、痛気持ちいいと感じるくらいの強さがお勧めです。
太渓は、アキレス腱と内くるぶしの間にあります。
内くるぶしの位置は人によって違うため、アキレス腱と内くるぶしの間を指で押さえながら少しずつずらしていき、探すことをお勧めします。そのとき、指がおさまるくぼみに太渓があります。
押すときは、親指を重ねてしっかり押しましょう。
労宮は、手のひらの中央にあるツボです。薬指を曲げたとき、人差し指と中指の先の間にあります。
労宮をストレスを感じた時に押すと、痛みを感じます。労宮だけを押すのではなく、労宮を中心に手のひら全体を押すことも効果的です。
ケーススタディ1:制汗剤とライフスタイルの調整
たとえば田中さんは、中学生の頃から手汗に悩んでいました。社会的な場面で握手をすること、紙や電子機器を扱うことに困難を感じていました。最初に試した改善法は制汗剤でした。皮膚科専門医から推奨された特定の制汗剤を使用することで、田中さんの手汗は大幅に改善しました。さらに、ストレス管理のためのテクニックを学び、手汗のトリガーを避けるライフスタイルの変更も行いました。
ケーススタディ2:薬
鈴木さんは、顔と頭部の汗に長年苦しんでいました。彼女は社会的な場面での恥ずかしさや不快感を経験し、自己意識を感じていました。制汗剤は彼女の症状には効果がなく、医師は抗コリン薬を処方しました。副作用には口の乾燥や視覚障害がありましたが、鈴木さんはこれらを容認し、その効果を体験しました。
ケーススタディ3:ボトックスと手術
高橋さんは、重度の脇の下の多汗症を経験しました。彼は多くの制汗剤を試しましたが、ほとんど効果はありませんでした。次に試した方法はボトックス注射でした。これは一時的な解決策であると感じたにも関わらず、彼は注射の効果を体験しました。しかし、効果が数ヶ月しか持続しなかったため、彼は更なる解決策を求めました。その結果、彼は内視鏡的交感神経切除術(ETS)という手術を選択しました。この手術は彼の症状を大幅に改善し、持続的な解決策となりました。
ケーススタディ4:イオントフォレーシス
佐藤さんは、足汗に長年悩んできました。特に夏や運動後には、不快感が顕著でした。彼は制汗剤と薬を試しましたが、どちらも彼の症状に対して十分な効果はありませんでした。そこで、彼の皮膚科医はイオントフォレーシスを推奨しました。この方法は微弱な電流を使用し、皮膚の汗腺を一時的にブロックします。数週間の改善の後、佐藤さんの足の汗は大幅に減少しました。
これらのケーススタディは、多汗症の改善方法が一人ひとりによって異なり、個々の症状、ライフスタイル、個人的なニーズに適応する必要があることを示しています。
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