眼瞼ミオキミアの鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2019年 12月23日

更新日:2025年  3月15日

本日は眼瞼ミオキミアについて解説させていただきます。

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

眼瞼ミオキミアは、目元のけいれんを引き起こす

眼瞼ミオキミアとは、目元のけいれんを引き起こす病気です。

 

特に痛みをともなうことはありませんが、1日の中で数回~数十回にわたって、ピクピクと目元(下瞼)辺りのけいれんが続きます。

 

この眼瞼ミオキミアは、目の疲労感・ストレスなどからくる筋肉の一時的な収縮や、膨張した血管による顔面神経の圧迫が主な原因となります。基本的に症状は一時的なもので、自然に改善する程度のものです。

 

ただし、ひどい場合は薬の注入・外科手術が必要になることもあります。いずれにしても、病院に行くに越したことはありません。今回は、眼瞼ミオキミアの原因・判断後の対処法・改善方法について解説します。

眼瞼ミオキミアの原因は
筋肉の一時的な収縮

眼瞼ミオキミアの原因は、筋肉の一時的な収縮です。

目元のけいれんが断続的に起こるという症状が多くみられます。

こうした下瞼のピクつきはしばらくすると止まりますが、顔面神経の圧迫が原因で起こる場合、数日~1ヶ月ほど経ってもけいれんが続くこともあり得ます。

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    眼瞼ミオキミアを誘発する筋肉の収縮・顔面神経の圧迫が起こる理由

眼瞼ミオキミアを誘発する筋肉の収縮・顔面神経の圧迫という2大要因。

そもそもこれらは、なぜ起こるのでしょうか。

 

私たち人間が目の開閉を行う際、「眼輪筋(がんりんきん)」が働いています。この筋肉は眼瞼を司るものであり、睡眠不足・ストレスなどによって働きが弱まります。

 

あるいは、息抜きのできない環境下に置かれるなどして、脳に多大な負荷をかけた場合、眼輪筋・顔面神経が圧迫されて正常に機能しなくなることもあります。このような理由から、目元のけいれんが起こってしまうのです。

眼瞼ミオキミアの多くは、日常生活の負担や神経の一時的な興奮が関係している

・眼精疲労

パソコン・スマホの長時間使用で目の筋肉が疲労し、まぶたの神経が過敏になる。

 

ストレスや緊張

精神的なプレッシャーが続くと、顔面神経の興奮が高まりやすくなる。

 

睡眠不足

自律神経のバランスが崩れ、顔の筋肉がピクピクしやすくなる。

 

カフェインの過剰摂取

コーヒー・エナジードリンクなどの摂りすぎで神経が興奮状態になる。

 

・ビタミン不足(特にB群)

神経の働きに必要なビタミンが不足すると、神経伝達が乱れやすくなる。

眼瞼ミオキミアと判断された後の対処法

眼瞼ミオキミアと判断された後にとるべき対処法はいくつかあります。

 

ここで意識したいのは、「とにかく作業の手を止めて目を休めること」です。

睡眠不足やストレスが発生するのは、多忙な人である証拠。仕事は一時休戦し、目にやさしい時間を作ってあげましょう。

 

軽度の眼瞼ミオキミアの場合は、自力で症状を抑えることも難しくありません。

下記に、おうちで手軽に行える対処法を挙げてみました。

眼瞼ミオキミアのセルフ対処法
  • パソコン・ゲームなどを行う際は30分に1回の休憩を挟む
  • ホットアイマスクで眼輪筋をあたためる
  • 15分~20分の昼寝をとる(ストレス解消効果あり)

他にも、睡眠不足や過労が最大の引き金になるため、しっかり休んで睡眠をとることも大事です。目や体を酷使しないように、1日の中で目を閉じて休む時間も意識しましょう。目の筋肉が過緊張すると、まぶたの神経が過敏になるためスマホやPCの使いすぎを控え、1時間に1回は画面から目を離す習慣をつけましょう。

 

コーヒー、エナジードリンク、緑茶などカフェインの取りすぎに注意することやビタミンB群をしっかり摂ることも大事です。

眼瞼ミオキミアが自然に改善しない場合効果的な薬と改善方法

眼瞼ミオキミアは、基本的に自然に改善しますので、特筆すべき薬理効果や方法などはありません。

 

セルフケアで改善しないとなると、別の病気を疑う必要があります。症状が一向におさまらない人は「眼瞼けいれん」である可能性が高いです。

 

この場合は、放っておけば症状がおさまるわけというわけではありません。病院で専門的な改善を行いましょう。

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    眼瞼けいれんに効果的な薬と改善方法

眼瞼けいれんに効果的な成分としては、「ボツリヌスA型毒素」が挙げられます。

海外では、症状の抑制効果がたしかなものだと証明済み。

日本でも1997年に導入を認められており、眼瞼けいれんの薬として注目されています。

ボツリヌスA型毒素を注射することによって、症状は徐々に軽くなっていきます。

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    眼瞼ミオキミアとそれ以外の病気の見分け方

眼瞼ミオキミアとそれ以外の病気を見分けるためには、症状の出具合を確認しましょう。

もしも短時間でけいれんがおさまるのなら、ほかの病気を疑う必要はまずありません。

また、症状があらわれる範囲にも着目すべきと言えます。

断続的なけいれんが目元に集中する場合は、眼瞼ミオキミアです。

しかし、顔面など広範囲に症状が発生するようであれば、それ以外の病気です。

比較材料として、下記を参考にしてください。

目の病気
病名 症状
眼瞼ミオキミア 短時間のうちに断続的な目のけいれんが起こる
眼瞼けいれん 長期にわたって目のピクつきが続く。
重度の場合、自力で目を開けることができなくなる
顔面けいれん 顔の片側または全体のけいれんが続く。
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    ストレス性の眼瞼ミオキミアは長引くこともある

ストレスが原因で眼瞼ミオキミアになった場合、症状が長引くこともあります。

 

その際にとるべき方法は、心理的な方法に尽きます。睡眠薬・精神安定剤の投与も選択肢の1つではあるものの、やはり自力で対処したほうが健康を害する心配はありません。

 

また、ストレス性の眼瞼ミオキミアは、自覚するまでに時間のかかることがほとんどです。

 

病気に気づくまでにも心の負荷は溜まっているわけですから、目元の異変を感じ取ったらすぐに病院に行くことをおすすめします。

 

自宅ではヒーリング音楽を流したり、森林浴・日光浴といった癒し効果の高い方法を実践することも忘れないでください。心の疲れからくる眼瞼ミオキミアに対しても、十分に注意を払いましょう。

注意するべき場合

眼瞼ミオキミアのほとんどは良性ですが、神経系の病気のサインであることもあります。

 

顔面けいれんの場合は、顔の片側全体がピクピク動き長期間続きます。多発性硬化症脳腫瘍などの場合、神経圧迫や脳の異常で眼瞼けいれんが出ることがあります。重症筋無力症の場合はけいれんではなく、まぶたが下がる症状が現れます。

 

片側だけが長期間ピクピクする、広範囲にけいれんが広がる、しゃべりにくい、飲み込みにくいなどの症状があるときは、病院に行くことをお勧めします。