蜂窩織炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2022年 2月23日

更新日:2022年 5月17日

本日は蜂窩織炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 蜂窩織炎とは
  • 蜂窩織炎の原因
  • 蜂窩織炎の症状
  • 蜂窩織炎の改善方法
  • 蜂窩織炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

皮膚と皮下脂肪にかけて細菌が入り込んで感染する皮膚の病気

蜂窩織炎は、皮膚と皮膚の下にある皮下脂肪にかけて細菌が入り込んで感染する皮膚の病気です。蜂窩織炎は蜂巣炎とも呼ばれます。

 

蜂窩織炎を発症する部位として最も多いのは、足です。しかし、足だけではなくどの部位にでも発症する可能性があります。

 

発症すると、皮膚が赤く腫れ、蚊に刺されたような赤いぶつぶつが広がります。蜂窩織炎は細菌に感染することによって発症する皮膚の感染症です。しかし、人から人に感染することはありません。

蜂窩織炎の原因は、細菌に感染すること

蜂窩織炎の原因は、細菌に感染することです。人間の体は、皮膚の下に皮下脂肪があり、皮下脂肪の下に筋肉がある構造をしています。

 

蜂窩織炎は、皮膚の表面ではなく皮下脂肪に近い皮膚の深い層から皮下脂肪にかけて細菌に感染することで発症します。

 

蜂窩織炎を引き起こす原因となる細菌はいくつかあります。特に多い細菌はレンサ球菌とブドウ球菌です。

 

通常、皮膚は細菌が入り込まないようにガードされているため、皮膚に細菌が付いても皮膚の中に簡単に入ってこない状態になっています。

 

しかし、傷があったり皮膚が弱っていたり感染症を発症したりしている時には、その部分から細菌が入り込んでしまうことがあるのです。

蜂窩織炎は皮膚の深部、特に皮膚と筋肉の間の脂肪と軟組織に生じる急性の細菌感染症です。その名前は皮下組織の蜂の巣状の構造に由来しています。

 

原因となる細菌

 

蜂窩織炎の最も一般的な原因は、細菌による感染です。特に、皮膚常在菌である「黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)」や「溶連菌(Streptococcus pyogenes)」がよく関与します。これらの細菌が皮膚のバリアを突破し、皮下組織に入ると、蜂窩織炎を引き起こす可能性があります。

 

皮膚のバリアの破壊

 

皮膚は体を外部環境から保護するバリアの役割を果たしています。したがって、傷、ひび割れ、膿疱、虫刺され、手術の創部、火傷、潰瘍など、皮膚のバリアが破壊されると、細菌が皮下組織に侵入するリスクが高まります。これが蜂窩織炎の一般的な発症メカニズムです。

 

リスクファクター

 

一部の人々は、生活習慣や健康状態により、蜂窩織炎を発症しやすい傾向にあります。これらのリスクファクターには次のようなものがあります。

 

慢性の皮膚の病気: 乾癬、湿疹、皮膚真菌症などは、皮膚のバリア機能を低下させ、細菌感染のリスクを高めます。

 

循環障害: 関節リウマチ、動脈硬化症、静脈瘤など、血流が不十分な状態では、皮膚の健康と修復能力が低下します。これにより、細菌感染のリスクが高まる可能性があります。

 

免疫系の弱体化: 免疫系が弱体化していると、体が感染に対抗する能力が低下します。HIV/AIDS、糖尿病、慢性ステロイド使用、化学療法、移植後の抑制療法などにより、免疫系が弱体化することがあります。

 

肥満: 肥満は、皮膚の摩擦や発汗による皮膚の湿潤化を引き起こす可能性があり、これが皮膚のバリア機能を低下させて感染のリスクを高めます。

 

高齢: 加齢に伴って皮膚のバリア機能が低下し、さらに一部の高齢者は、慢性疾患、栄養不足、長期入院など、他のリスクファクターを持つ可能性があります。

 

不適切な皮膚ケア: 切り傷、擦り傷、手術の創部などの適切なケアが行われないと、細菌が侵入しやすくなります。

 

したがって、蜂窩織炎の原因は一義的には細菌感染ですが、それが可能になる多くの要因が存在します。

蜂窩織炎は、皮膚が赤く腫れ細かいぶつができる

蜂窩織炎の症状は、皮膚が赤く腫れ、虫に刺されたような細かいぶつができることです。症状が現れている部位は押すと痛みを感じます。皮膚は熱を帯びることもあります。

 

他にも、発熱や悪寒を、頭痛やだるさ、関節痛などの症状が現れることもあります。

 

蜂窩織炎を発症する部位で一番多い部位は足ですが、体のどの部位にでも発症する可能性があります。人によっては、蜂窩織炎を引き起こした場所に近いリンパ節が腫れて、リンパ節を押すと痛みが現れる人もいます。

蜂窩織炎は皮膚の深部の感染で、一連の症状を引き起こします。これらの症状は、軽度から重篤まで変化し、感染部位や感染の広がりにより異なります。

 

1. 皮膚の変化

 

蜂窩織炎の最も明らかな症状は、感染部位の皮膚の変化です。皮膚は赤くなり、腫れ、熱感を伴うことがよくあります。また、皮膚はテンダー(触れると痛みを感じる)になり、触れると熱を感じることがあります。感染が広がると、赤みは増すことがあり、硬化、光沢、または発疹を伴うことがあります。

 

2. 疼痛

 

感染部位は通常、触れると痛むか、持続的に鈍痛を感じることがあります。重度の感染では、この痛みは非常に強くなることがあります。

 

3. 熱や寒気

 

全身症状も現れることがあります。これは感染が全身に広がっている場合、または体が感染に対抗しようとしている場合に特に起こります。これらの症状には発熱、寒気、全身の倦怠感、悪寒が含まれます。

 

4. リンパ節の腫れ

 

感染部位の近くのリンパ節が腫れることがあります。これは、体が感染に対抗しようとしてリンパ系が活性化していることを示しています。

 

5. 感染の拡大

 

感染が改善されずに残っていると、症状は悪化し、感染は広がる可能性があります。皮膚の赤みや腫れは増大し、皮膚にブリスター(水疱)や潰瘍が形成されることがあります。また、特に重篤な場合、感染は血流に広がり、敗血症と呼ばれる生命に関わる状態を引き起こす可能性があります。

 

6. 既存の病状の悪化

 

皮膚潰瘍や足の水腫など、既存の病状がある場合、それらの症状が悪化することがあります。たとえば、足の蜂窩織炎で既に水腫(腫れ)がある場合、感染によってさらに腫れが増す可能性があります。

蜂窩織炎の改善方法は、抗菌薬を使うこと

蜂窩織炎の改善方法は、抗菌薬を使うことです。原因となる細菌がレンサ球菌とブドウ球菌のことが多いため、レンサ球菌とブドウ球菌の両方に対して効果のある抗菌薬が使われることが多いです。

 

症状が軽い場合は飲み薬で改善を行いますが、症状が早く広がっている場合や全身に症状が現れている場合など、場合によっては入院し、点滴を行うこともあります。

蜂窩織炎は一般的に抗生物質によって改善がおこなわれ、感染が広がるのを防ぎ、症状を軽減します。しかし、改善方法は健康状態、感染の重度、感染が広がっている場合のその範囲によって変わることがあります。

 

1. 抗生物質

 

蜂窩織炎の最初の改善法は、通常、口からの抗生物質の投与です。これらは、感染を引き起こしているバクテリアを殺し、その増殖を防ぎます。一般的には、感染が引き起こされる可能性のあるバクテリア、特に皮膚感染に関与する一般的なバクテリアに対して広域型の抗生物質が処方されます。

 

しかし、症状の改善を見せない場合や、症状が悪化する場合、医師は抗生物質を切り替えるか、投与方法(例えば、口からの投与から注射に切り替える)を変更することがあります。また、特定のバクテリアが感染の原因であると特定された場合、そのバクテリアに特化した抗生物質が処方されることがあります。

 

2. 入院と静脈内投与

 

重度の蜂窩織炎、特に感染が広がって全身に影響を及ぼす可能性がある場合、または患者が免疫抑制状態にある場合、入院が必要となることがあります。入院中には、抗生物質が静脈内投与され、スタッフが病状を密に監視できます。

 

3. 手術

 

例外的な状況下で、特に感染が広範囲にわたり、膿瘍(細菌が体内に膿をためた状態)や壊死(組織の死)がある場合、手術が必要となることがあります。この場合、感染した組織を除去し、感染の拡大を防ぎ、抗生物質が感染部位に達しやすくすることが目的となります。

 

4. 家庭でのケア

家庭でのケアは蜂窩織炎の改善において重要な一部をなし、抗生物質の投与に加えて行われることが一般的です。以下にその具体的な例を示します。

 

感染部位の静養: 感染した部位はなるべく静養することが推奨されます。これは、感染が広がるのを防ぐためと、体が感染に対抗するためのエネルギーを確保するためです。

 

感染部位の冷却: 一部では、感染部位を冷やすことが推奨されることがあります。これは痛みを和らげ、腫れを減少させることができます。

 

感染部位の昇圧: 特に下肢に感染がある場合、感染した部位を心臓よりも高い位置に保つことが推奨されます。これは、腫れを減少させ、感染部位への血流を改善するためです。

 

5. 予防法

 

蜂窩織炎の再発を防ぐためには、皮膚の適切なケアが必要です。これには、傷口の清潔さを保つ、皮膚の乾燥を防ぐ、特に足における適切なフットケア(つま先の間や爪の周りを清潔に保つ)などが含まれます。

蜂窩織炎を防ぐためには細菌に感染しない環境を作ることが大事

蜂窩織炎を防ぐためには細菌に感染しない環境を作ることが大事です。皮膚のバリア機能を保ち、細菌が入ってくること細菌が入ってくることができない状態を作ることで細菌に感染しにくくなります。

 

アトピーや水虫などの皮膚の病気がある場合は、病院でしっかりと改善することが大事です。また、皮膚に付いた細菌を落とすために、外出から帰ったときには手洗いをすることも大事です。

蜂窩織炎の改善例

症例

50代の女性が、数日間にわたり右足首周辺の赤み、腫れ、痛みを伴う症状に悩まされ、近くのクリニックに行きました。特定の怪我や傷口を覚えていないものの、しばしばガーデニングを行っていて、小さな傷や虫刺されがある可能性があると説明しました。

 

判断

医師は足を調べ、皮膚が暖かく、触れると明らかに痛むことを確認しました。これらの症状、および病歴と活動歴を考慮に入れ、蜂窩織炎の判断が確定されました。

 

改善

最初の改善として、医師は広範囲の抗生物質を処方しました。その後数日間で改善が見られることを期待され、症状が悪化するか、改善しない場合はすぐに医師に連絡するように指示されました。また、感染部位を高くし、必要に応じて冷やすこと、十分な休息を取ることが勧められました。

 

経過と結果

指示に従い、自宅で休息をとりながら抗生物質を服用しました。数日後、症状が明らかに改善し、赤みと腫れが減少しました。一週間後のフォローアップ時には、症状はほぼ完全に消えていました。今後皮膚を清潔に保つこと、特にガーデニングをする際には適切な保護具を使用することが重要であると指導されました。

 

改善については、個々の症状、健康状態、感染の範囲により、改善の選択肢やアプローチはが異なる場合があります。重症度や感染の範囲、合併症の有無、免疫状態などを考慮して、医師は最適な改善計画を立てます。

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