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公開日:2023年 1月13日
更新日:2025年 9月 1日
本日はディジョージ症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
ディジョージ症候群の多くの原因は、染色体の異常です。ただし、通常は遺伝はしません。
なぜ染色体の異常が起きるのかということについては、ほとんどの場合は明らかではなく、自然に発生すると言われています。発症に性別の差はありません。
主な原因は遺伝子の欠失です。ディジョージ症候群の最大の原因は、染色体の一部が欠けていることです。欠けているのは 22番染色体の長腕です。この部分には多くの遺伝子が並んでいて、体の発達や免疫機能に関わる重要な遺伝子が含まれています。
欠失の結果、臓器や免疫システム、顔や心臓の形成に必要な働きがうまくいかなくなり、さまざまな症状が現れます。欠損は、多くの場合、偶発的に起こる遺伝子のエラーです。
親が正常でも、受精時の細胞分裂の過程で22番染色体の一部が失われることもあります。一部のケースでは親から子に遺伝することもあります。
ディジョージ症候群では、色々な異常が現れます。生まれつき、心臓には異常を持って生まれることが多く、副甲状腺はないこともあります。副甲状腺があることもありますが、あっても未発達です。
副甲状腺がなかったり未発達であったりするため、カルシウムの量が少なく、筋肉のけいれんが起こります。
ディジョージ症候群は、特徴的な顔つきになります。耳が低い位置にあり、あごの骨は小さく引っ込み、目と目の間があいているという特徴があるのです。口蓋裂がみられることもあります。
胸腺はないかあっても未発達です。胸線は、T細胞の正常な発達に必要であるため、ディジョージ症候群では、T細胞の数が少なく、色々な感染症に対する抵抗力が不十分な状態になります。
そのため、生まれてすぐに感染症にかかり、再発を繰り返すことも多いです。ただ、T細胞がどのくらい機能するのかということについては、人によって違います。場合によってはT細胞の働きが自然に良くなることもあります。
・心臓の異常
ファロー四徴症、大動脈弓の異常、心室中隔欠損など、生まれつきの心臓の病気が多く見られます。
・免疫不全
胸腺の発育不全によりT細胞の数が減少し、感染症にかかりやすくなります。重症例ではワクチンや軽い風邪でも重症化することがあります。
・低カルシウム血症
副甲状腺の形成不全でカルシウムを調節できないために、けいれんや筋肉のけいれんなどが起こりやすいです。
・顔貌の特徴
小さな下あご、耳や口の形の特徴、鼻が細長い形をしているなどの特徴が見られます。これらは必ずしも全員に見られるわけではありませんが、判断の手がかりになることがあります。
・発達、精神面の問題
言語や運動の発達の遅れ、学習障害、注意欠如や多動症傾向、統合失調症など精神的な病気のリスクが高いことも知られています。
・その他
成長障害、腎臓や消化管の奇形、難聴や耳の感染を繰り返すなども見られます。
ディジョージ症候群の改善方法は、カルシウムとビタミンDのサプリメントを使うことです。ディジョージ症候群を発症した状態でも、ある程度T細胞をもっていれば、改善に取り組まなくても、十分に免疫系が機能を果たす可能性があります。
感染症が起きたらすぐに感染症の改善をすることと、筋肉の痙攣を防ぐためにカルシウムとビタミンDのサプリメントを使うことで症状を抑えることができることがあるのです。
場合によっては、胸腺組織または幹細胞の移植を行うこともあります。T細胞がまったくない場合は、胸腺組織を移植することが必要になるのです。
・心臓病の改善
心臓外科手術やカテーテルが必要になることがあります。
・免疫不全への対応
胸腺が未発達なため、感染症にかかりやすいのが特徴です。軽度の免疫不全の場合定期的な経過観察や感染症の予防が中心になり、重度の免疫不全の場合骨髄移植や胸腺移植が検討されることもあります。
・低カルシウム血症の改善
副甲状腺の形成不全により低カルシウム血症が起こります。カルシウム剤や活性型ビタミンDの投与で血中カルシウム濃度を安定させます。
・発達、学習支援
言語や運動の発達が遅れることがあるため、リハビリが有効です。学習障害がある場合は、特別支援教育や個別の教育プランが役立ちます。
・精神的サポート
思春期以降には、不安障害や統合失調症などの精神的な病気のリスクが高いことが知られています。
ディジョージ症候群は、免疫不全によって生まれてすぐに感染症にかかり、感染症を繰り返すことも多いです。
ただし、人によっては、T細胞がどのくらい機能するのかということに大きな差があります。場合によってはT細胞の働きが自然に良くなることもあり、免疫不全より心臓にかかわる異常の方が程度が重いこともあるのです。
心臓の異常の程度が重い場合は、手術を行うことが必要になることもあります。