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公開日:2022年 8月 3日
更新日:2025年 10月10日
本日はスミス・マギニス症候群について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
スミス・マギニス症候群の原因は、遺伝子の欠損や変化です。RAI1遺伝子に変化が起きることでいろいろな症状が現れるのです。
RAI1遺伝子の変化は遺伝などで起きるのではなく、偶然に起こるものです。そのため、親がスミス・マギニス症候群を発症している場合に子供に発症するということはありません。
発症しやすい生活環境や条件などは特にありません。
主な原因は17番染色体短腕の欠失です。多くの人は17p11.2欠失を持っています。この領域にはいくつかの重要な遺伝子がありますが、とくにRAI1という遺伝子の欠失が中心的な役割を果たしています。
RAI1遺伝子は神経発達、概日リズム、知的機能、行動制御に深く関与しています。遺伝子が1コピーしかないことで、脳の発達と機能に障害が生じると考えられています。
SMSの約10%では、染色体の欠失ではなくRAI1遺伝子そのものの変異が原因です。このタイプでも臨床症状は典型的なSMSとほぼ同じですが、表現型に軽重の差があることがあります。
遺伝形式の多くは新規変異で、生まれつき発症します。両親は通常保因者ではなく、再発リスクは低いです。まれに親が染色体異常をもつ場合は家族内発症もあります。
スミス・マギニス症候群の症状は、特徴的な顔立ちと行動特性、発達の遅れ、睡眠障害です。場合によっては、てんかんや末梢神経障害が現れることもあります。
特徴的な行動特性では、自傷行為が見られたり、外耳道や鼻腔などに物を入れたりすることが多いです。自閉傾向があることもあります。
発達はゆっくりであることが多く、言語もゆっくり覚えていくことが多いです。
SMSの多くの人にみられる中心的な症状は、発達の遅れ、首すわりや歩行、言語などの発達が平均より遅れるため、歩行開始は2歳前後になることが多いです。
知的障害が見られ、学習能力に個人差が大きくみられます。言語理解は比較的よくても、表出が遅れるケースが多いです。筋緊張低下は乳児期に見られ、運動発達に影響します。聴覚視覚の異常の見られます。難聴や視覚異常を合併することもあります。
睡眠障害は、SMSの重要な特徴の一つが、体内時計の異常です。夜中に何度も起きる、朝方に強い眠気がある、日中に眠ってしまうなどが起きることで、日中の強い眠気と夜の不眠を伴い、生活リズムが大きく乱れます。
SMSには特徴的な顔貌があり、年齢とともに明確になる傾向があります。幅広い顔、平坦な中顔面、太い眉、上向きの鼻、厚い唇と特徴的な口元、小さい顎、短い指です。
行動面の特徴も非常に特徴的で、多動や衝動的な行動、自己刺激行動、自傷行為、感情の起伏が激しい、他人の注意を引こうとする強い欲求が見られます。
モワット・ウイルソン症候群の改善は、現れている症状に対して行ないます。
てんかんが現れている場合は、抗てんかん剤を使って改善を行います。先天性の心疾患がある場合やヒルシュスプルング病、尿道下裂などが起きている場合は手術を行うこともあります。
スミス・マギニス症候群は、全ての人に同じ症状が現れるわけではありません。人によってある症状やない症状があり、現れる症状が違います。症状の経過も人によって様々です。
それぞれに合った方法で改善を行なっていくことが大事なのです。さらに、十分な教育や支援を受けることができるように周りが協力することも大事です。
SMSは全身性の病気のため、まず基礎的な医学管理が非常に重要です。先天性の心臓の病気には心臓外科や循環器科で改善、尿路奇形には泌尿器科での外科的、薬物的管理、難聴には補聴器や鼓膜換気チューブなど耳鼻科的介入、眼の異常は眼鏡や手術など眼科管理、消化器症状には食事や薬などで対応します。
改善のポイントはメラトニンの補充です。夜間にメラトニン製剤を投与し、体内時計を整えます。β遮断薬も昼間のメラトニン分泌を抑えるために併用されることがあります。
SMSでは知的発達に個人差があるため、早期の発達支援がとても効果的です。主な支援は、言語表出の遅れを補うこと、手先の巧緻性、感覚統合を高めること、筋緊張低下による運動発達の遅れへのサポート、認知レベルや行動特性に合わせた学習環境づくりをすること、視覚支援ツールによる理解促進などです。
SMSの行動面の特徴は、周囲の理解と支援が非常に重要です。自己損傷行為や問題行動を減らす、感情の高ぶりに対するクールダウン環境の設定、家族や支援者への行動理解と対応トレーニングなどを行い、場合によっては抗不安薬、抗精神病薬などの薬も検討します。叱るのではなく、行動のパターンを読み取り、予防する支援が基本です。
スミス・マギニス症候群の症状の特徴的な行動特性として、自傷行動がある場合もあります。そのため、怪我には注意をすることが必要です。
スミス・マギニス症候群では、症状も改善方法も人によって様々です。周りの理解も非常に大切です。
成長するためにはいろいろなサポートやケアが必要になります。しかし、スミス・マギニス症候群を発症している人の中には、周りの環境に大きな興味を持って、楽しく生活をしている人も多くいます。
個人に合った改善方法や接し方で支えていきましょう。