公開日:2022年 5月23日
更新日:2022年 5月25日
本日は食事性低血圧について解説させていただきます。
☆本記事の内容
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
食事性低血圧の原因は、病気や加齢です。
通常、食事をすると、消化や吸収をするために血液の多くが腸の近くに集まり、血流が集中します。
そのままだと心臓の血液の量が減り、血圧が下がってしまうため、体に備わっている血圧を維持するセーフティー機能が働き、心拍を速めたり、血管を収縮させたりして血圧を維持しています。
体に備わっているセーフティー機能によって、脳への血流も維持されているため、食後にめまいなどの症状が現れることはないのです。
しかし、加齢や病気によって、代謝をコントロールする自律神経などがスムーズに働かなくなると、セーフティー機能がきちんと作用しなくなります。
すると、食事をした後に多くの血液が腸の近くに集まり、心臓に血液が戻らなくなることで、急激に血圧が下がってしまうのです。
食後の快適なリラックス感が、突然のめまいや気分の悪さで中断されることがあります。この状態は食事性低気圧として知られ、特に高齢者の間で一般的に見られる現象です。では、この現象の背後にはどのような原因やメカニズムがあるのでしょうか。
1. 胃と腸への血流の増加
食事を摂取すると、消化を助けるために胃や腸に多くの血液が供給されます。このため、他の部位から血液が胃や腸に流れることになり、体の他の部分への血流が減少する可能性があります。
2. 血管の反応性の変化
高齢者や一部の病気を持つ人々は、食事の摂取後に血管が適切に収縮しない可能性があります。通常、食事後の血流の変動に対応して血管は適切に収縮し、血圧を一定に保つように動作します。しかし、この反応性が低下すると、血圧が低下しやすくなります。
3. インスリンの放出
食事の摂取、特に炭水化物が多い食事を摂取すると、血糖値が上昇します。これに応じて、体はインスリンを放出します。過度のインスリンの放出は、血圧の低下を引き起こす可能性があると考えられています。
4. 高齢化と自律神経の変化
年齢を重ねることで、自律神経系の機能が低下することが知られています。この自律神経の変化は、体の血圧調節能力に影響を及ぼし、食事性低気圧のリスクを増加させる可能性があります。
5. 一部の薬物
高血圧や心臓の病気の改善に用いられる一部の薬物は、食事性低気圧の原因となる可能性があります。これらの薬物は、血圧を下げる効果がありますが、食事後にその効果が強まることがあるためです。
6. 水分の摂取不足
食事とともに適切な量の水分を摂取しないと、脱水症状を引き起こすリスクがあります。これにより、食事後に血圧が低下しやすくなります。
7. 大量の食事の摂取
大量の食事を一度に摂取すると、消化のための血流が大幅に増加し、他の体部への血流が減少しやすくなります。
食事性低血圧の症状は、食後に起こるめまいやふらつきです。現れる症状が食事性低血圧かどうかを知るためには、自宅で食べる前と食べた後の血圧を測りましょう。
食べた後に測る時間は、1番血圧が低下しやすいとされている食後1時間頃です。測定した結果、食べた後の最高血圧が食べた前よりも20mmHg以上下がる場合は食事性低血圧の可能性が高いと言われています。
食べた後と食べる前の血圧の状態の差は個人差も大きいものです。そのため、低下する幅が大きいと思った時には医師に相談することが大事です。
食事性低気圧:その症状と身体への影響
食事を楽しむことは、私たちの日常生活の一部です。しかし、食事の後に突然の気分の悪さやめまいを感じることは、食事性低気圧の症状として知られています。この症状は、特に高齢者に一般的ですが、理解することで適切な対策を講じることができます。
1. めまい
最も一般的な症状の一つがめまいです。食後に立ち上がると、頭が軽くなる感じや、周りがぐるぐる回る感覚を感じることがあります。これは、血圧の急激な低下によるものとされています。
2. 気分の悪さ
食後に不快感や強い疲れを感じることもあります。これは、血圧の低下によって脳への血流が不足しているためと考えられます。
3. 顔色の悪さ
食後の血圧の低下は、顔の血色が悪くなることを引き起こすことがあります。特に、顔が白くなることや、冷たく感じることがあるかもしれません。
4. 心拍数の増加
体が血圧の低下に反応して、心拍数が増加することがあります。これは、心臓が血液を体全体に供給しようとしているためです。
5. 意識の喪失
極端なケースでは、食後に意識を失うことがあります。これは、血圧の急激な低下により、脳への血流が著しく減少した結果と考えられます。
6. 転倒
めまいや平衡感覚の喪失のために、食後に転倒するリスクが高くなります。特に高齢者の場合、これは骨折やその他の重大なけがの原因となる可能性があります。
7. 胸の痛みや心臓の不整脈
食事性低気圧は、特定の心臓の病状や不整脈のリスクを増加させる可能性があります。これは、心臓に対する負荷が増加することに起因しています。
8. 疲れや倦怠感
食後の疲れや強い倦怠感も、食事性低気圧の一般的な症状として報告されています。
食事性低血圧の改善方法は、原因や症状などによって違います。加齢が原因の場合は、生活指導や薬です。薬は、全体の血流を増やす薬や腸への血流を減らす薬を使います。
生活指導では、特に食事の内容や食事の方法などに対して指導を行い改善に取り組みます。
病気が原因の場合は、原因となる病気を改善することが大事です。食事性低血圧では、原因によって改善方法が違うため、原因についても確認しておくことが大切になります。
食事性低気圧:改善のアプローチ
食事性低気圧は、特に高齢者の中で一般的な症状として知られています。食後の血圧の低下は、めまいや転倒の原因となり得るため、この問題への適切な対応が重要です。以下に、食事性低気圧の改善に関する基本的なアプローチを示します。
1. 食事の内容の見直し
食事性低気圧の原因の一つとして、食事の内容が挙げられます。特に、大量の炭水化物を摂取すると、血糖値が急上昇し、それに伴ってインスリンの分泌が増加するため、血圧が下がりやすくなります。そのため、食事の中での炭水化物の摂取量を調整することで、症状の改善を図ることができます。
2. 食事量の管理
大量の食事を摂取すると、消化のために腸に大量の血液が供給され、それに伴って血圧が低下する可能性が高まります。したがって、1回の食事量を少なめにし、一日の食事回数を増やすことで、食後の血圧低下を緩和することができます。
3. 水分補給
食前に水や他の無カロリーの飲み物を摂取することで、血圧を一時的に上昇させる効果があります。この方法は、特に食事前に約300mlの水を摂取すると、食後の血圧低下を予防する効果が期待できると報告されています。
4. 食後の活動の調整
食後にすぐに横になることは、血圧の低下を促進する可能性があります。逆に、食後に軽い運動をすることで、血圧の低下を緩和することができると言われています。
5. 圧迫ストッキングの使用
特に下半身の血流を向上させるために、圧迫ストッキングを使用することが推奨されることがあります。これにより、下半身からの血液の返流が促進され、血圧の低下を予防することが期待できます。
6. 薬
症状が重度である場合、薬を検討することがあります。α-アドレナリン受容体拮抗薬やミドドリンなどが、食事性低気圧の薬として使用されることがあります。ただし、薬物療法は医師の指示のもとで行う必要があります。
7. 教育
食事性低気圧のリスクや症状、予防策についての知識を持つことは、日常生活での安全確保のために非常に重要です。医師や看護師、栄養士との協力のもと、日常生活の中で気を付けるべき点を学ぶことが推奨されます。
食事性低血圧の予防方法
1. 食事の内容の見直し
食事の内容は血圧の変動に大きく影響します。特に、大量の炭水化物を摂取した場合、血糖値が急激に上昇し、それに伴いインスリンの分泌も増加します。このインスリンの増加が血管を拡張し、血圧を低下させる一因となります。炭水化物の摂取を過度に増やさないよう心がけ、食事の際、バランスの良い食材を選びましょう。特に、繊維質やタンパク質をバランスよく摂取することを意識することが大事です。
2. 小分けの食事
大量の食事を一度に摂取することは、消化のために腸への血流が増加し、それが全体の血圧低下を招くことが知られています。1日の食事回数を増やし、1回あたりの食事量を減少させましょう。重たい食事の際は、特に注意することも必要です。
3. 水分の摂取
食前に水分を摂取することで、一時的に血圧を上昇させることができます。特に、食前に約300mlの水を摂取することで、食後の血圧低下を抑制することが研究で示されています。
4. 食後の行動
食後に急に横になるのは避け、軽く歩くなどして消化を促進させることで、血圧の低下を抑えることができます。
5. 圧迫ストッキング
下半身の血流をサポートするために圧迫ストッキングの使用が推奨されることがあります。これは、下半身からの血の返流を促進し、血圧の安定に寄与します。
6. 薬物の使用
予防として薬物を使用することも考慮される場合があります。ただし、これは医師の指導のもとで行われるべきであり、常にそのリスクと利益をよく理解する必要があります。
7. 適切な監視
特に高齢の方や食事性低血圧の既往がある方は、定期的に血圧を測定し、その変動をモニタリングすることが重要です。
8. 教育
食事性低血圧のリスクやその予防策についての教育は、再発の予防や初回の発症の予防に非常に有効です。本人がそのリスクを理解し、日常生活の中での対策をとることが最も効果的な予防策となります。
食事性低血圧は、一般的に自律神経機能が下がりやすい高齢者に多くみられます。しかし、高齢者ではなくても発症する可能性はあります。特に、高血圧や糖尿病、パーキンソン病などの病気がある場合は発症しやすいため注意が必要です。
さらに、高血圧を改善するために食前に降圧薬を飲んでいる場合は、食事性低血圧が起こりやすいと言われています。
食事性低血圧を予防するためにできることは、食べすぎないこと、ゆっくり食べること、カフェインをとること、食後にしっかりと休むことです。
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