公開日:2023年 8月 1日
更新日:2024年 11月 2日
今日は冷房病について解説させていただきます。
☆本記事の内容
・冷房病とは
・冷房病の原因
・冷房病の症状
・冷房病の改善方法
・冷房病のまとめ
銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。
このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。
冷房病は、夏に冷えによって足腰の冷え、だるさ、肩こり、頭痛、食欲不振、神経痛、下痢、不眠などの色々な症状が現れることです。
私たちの体は夏になると体内での発熱を抑制し、さらに熱を逃がしやすいように毛細血管を広げ放熱しやすくし、汗をかいて体温を下げようとします。そのため、冷房の効いた室内にいても血管が縮みにくく体の中の熱が逃げすぎて冷えたり、外に出た時との激しい温度差によって自律神経のバランスが崩れてしまいます。
自律神経は体温調節や発汗などのコントロールをしているため、バランスが崩れることによって冷えに対しての抵抗力が弱くなるのです。
冷房病の原因は、屋内と屋外の気温差によって自律神経に異常が起こることです。
人間の体は夏になると、体内での発熱を抑えて、熱成分を体の外に逃がしやすい体質に変化させます。そのため、夏場に仕事するオフィスなど冷房の効いた室内では、血管が収縮しにくく体内の熱成分が放熱し過ぎて体が冷えたり屋外との激しい温度差によって自律神経のバランスが崩れたりするのです。
エアコンがよく効いた屋内と気温が高い屋外を行き来する事になるため、気温差が大きくなればなるほど、体温の調節機能を行う自律神経には大きな負担がかかります。
冷房病の症状は、足腰の冷え、だるさ、肩こり、頭痛、食欲不振、神経痛、浮腫、微熱、火照りなどです。四肢末端が冷えることで手足がしびれることもあります。
内臓を含めた全身の血流が悪化し全身がなかなか温まらず、発汗しにくくなることで、体の中に疲労物質や老廃物が貯留する可能性もあると言われています。また、体温が1度下がるごとに免疫力は30%以上低下するとも言われています。
低い温度で設定されたエアコンである環境やエアコンが効きすぎた環境では、室内の空気が乾くことで鼻粘膜や気道粘膜などが乾燥しやすくなり、鼻汁、咳嗽などの風邪のような症状が現れたり、粘膜にウイルスなどの病原体が付着し夏風邪に繋がったりすることもあります。
自律神経システムは身体の血流を調整しているだけでなく、胃腸の蠕動運動の機能やホルモン分泌の調節などを司っているため、冷房病によって自律神経が乱れるとあらゆる心身の不調に繋がります。
そのため、吐き気や腹痛、胃痛、下痢、生理痛の悪化、神経痛などの症状も現れます。
冷房病の特別な改善法はありません。改善するためには、普段の生活習慣を見直すことが大事です。
できるだけ寝る時などを含めて冷房温度と外気との室温差は5℃以内に抑えるように気をつけたり、栄養バランスの優れた食事メニューを取り入れたり、適度な運動を行ったりすることが大事です。
暑い時期にも温かい食べ物や飲み物などの食品を摂取することやお風呂に浸かることなども大事です。良質な睡眠を確保することは冷房病の症状を改善することが期待できます。
頭痛や神経痛などの痛みに対しては鎮痛剤を服用することもあります。他に、保温効果を有する当帰芍薬散や人参湯などの漢方薬もおすすめです。
冷房病を防ぐためにできる対策として大事なことは、体を冷やさないようにすること、身体から熱成分が放散しないように全身を常に温かい状態に保つことです。
全身を温める時には、効率的に全身を温かくするために主に頚部、手首、足首など太い血管が走行している部位を特に重点的に温めると良いでしょう。
また、室内外の温度差やエアコンの冷風を直接的に身体に当てないようにすることが重要です。エアコンの設定温度のお勧めは、室温と屋外との寒暖差が5℃以内くらいにすることです。
・気海
・大椎
・気端
気海は、全身の血行を促し体を温める効果があります。エネルギー代謝が高まり、元気の源とも言われているツボで、腰痛や生理痛の緩和、下半身の冷えや虚弱に対しても効果のあるツボです。
冷房で冷えた時に押すことで、冷房病の予防にもつながります。
大椎は、全身を温めることができるツボです。そのため、冷房で冷えている時にお勧めです。さらに、首や肩のこりをやわらげる効果もあります。
発熱、頭痛、感冒、咳嗽、喘息、うつ、皮膚発疹などにも効果的なツボです。
気端は、足先の冷えに効果を発揮するツボです。気端を刺激することで、足先から血流を促すことができ、冷えの改善に効果を発揮するのです。
そのため、冷房病の改善に対しても、冷房病の予防のためにもお勧めです。
気海の場所は、おへそより指2本分下です。
押す時は軽い力で押しましょう。指の腹を使って優しく押すのがお勧めです。
大椎は首の付根の近くにあるツボです。首を前に倒したとき、首と背中の付け根に飛び出る骨の下にあります。
押すときは、ゆっくりと押しましょう。また、お灸をすることもお勧めです。
気端は、足の指の先端にあるツボで、片足に5カ所ずつあります。
押すときは、親指と人差し指でツボをつまむように持ち、こねるように刺激していきます。少し痛みがあるくらいの力の入れ方がお勧めです。
冷えに対しては、押すときに同時に足指を曲げ伸ばしすることもお勧めです。より血流促進が期待できるでしょう。