交感性眼炎の鍼灸【原因・定義・症状】

公開日:2021年 8月11日

更新日:2023年 9月11日

本日は、交感性眼炎について解説させていただきます。

☆本記事の内容

  • 交感性眼炎とは
  • 交感性眼炎の原因
  • 交感性眼炎の症状
  • 交感性眼炎の改善方法
  • 交感性眼炎のまとめ
足のしびれ、痛み

銀座そうぜん鍼灸院の宗前です。

このページを書いている私は、鍼灸師として13年、担当した利用者様数80,000人を誇り、病気の休職者300人を社会復帰できるまで回復させてきた実績があります。

 

交感性眼炎は、片方の眼球に損傷が起きた後反対の眼球にも障害が起きる

交感性眼炎は、片方の眼球に損傷が起きた後もう片方の眼球にも障害が起きる現象のことです。片方の眼球に損傷が起きてからもう片方の眼球に損傷が起きるまでの期間は数週間から数ヶ月です。

 

交感性眼炎は眼球を損傷することでぶどう膜に対しての自己免疫反応が起きることで起こるといわれており、手術などをした後に起きることがあります。

 

交感性眼炎で現れる症状はぶどう膜炎の症状と似ており、かすみ目や光のまぶしさ、飛蚊症などの症状が起きます。

交感性眼炎の原因は、片方の眼球の外傷や手術

交感性眼炎の原因は、片方の眼球の外傷や手術です。交感性眼炎は、外傷や手術によって眼球が損傷を受けることでぶどう膜に対する自己免疫反応が起こることでおこるのです。

 

眼球に損傷を受けると、ぶどう膜の中のメラノサイトの一部が血液の中に入ることがあります。血液の中にメラノサイトの一部が入ると、免疫反応を起こし、血液によって損傷を受けていない側の眼球へ届きます。

 

すると、損傷を受けていない側の眼球の中にあるメラノサイトも異物であると間違えて判断してしまい障害が起きるのです。

交感性眼炎(SO)は、片方の眼が外傷や手術によるペネトレーティング傷害を受けた後に、もう片方の健常な眼に炎症が発生する稀な病気です。この病気は非常に希少であり、外傷後のすべての症例のわずか0.2%〜0.5%にしか見られません。

 

免疫応答の異常:SOの主要な原因は、免疫系の異常な反応に起因すると広く考えられています。具体的には、ペネトレーティング傷害が原因で眼内の特定の抗原が露出すると、免疫系がこれを異物として認識し、免疫応答を引き起こします。傷害を受けた眼の免疫特異的なT細胞が活性化され、これが健常な眼に移動して炎症を引き起こす可能性が考えられます。

 

遺伝的要因:一部の研究では、特定のヒト白血球抗原(HLA)タイプ(特にHLA-DR4)とSOの発症との関連が指摘されています。これは、遺伝的背景がこの病気の発症リスクに影響を与える可能性があることを示唆しています。

 

外傷の性質:すべての眼の傷害がSOを引き起こすわけではありません。ペネトレーティング傷害、特に眼球の後部(脈絡膜や網膜)に影響する傷害がSOのリスクを増加させるとされています。手術後の症例、特に網膜手術後の症例でもSOのリスクが報告されています。

 

発症のタイミング:SOの発症は外傷後数週間から数年後にまで及ぶことが知られていますが、最も一般的な発症時期は2〜12週間です。このタイミングの変動は、個々の免疫応答や外傷の重症度、改善の有無などの多くの要因に依存していると考えられます。

 

交感性眼炎の原因は、眼のペネトレーティング傷害後の免疫応答の異常に基づいています。これは、眼内の抗原が免疫系によって認識されることに起因すると広く信じられています。個々の遺伝的背景や外傷の性質、発症までのタイミングなど、多くの要因がSOの発症リスクに影響を与える可能性があります。研究が進むにつれて、この病気の原因や改善法に関する理解がさらに深まることが期待されます。

症状は、飛蚊症やかすみ目、光がまぶしく感じることなど

交感性眼炎の症状は、飛蚊症やかすみ目、光がまぶしく感じること、充血、視力の低下などです。

 

交感性眼炎は初めに損傷を受けた側の眼球に症状が現れます。そして2週間から3ヶ月ほど経過した後、損傷を受けていない側の眼球にも障害が現れ始めます。

 

損傷を受けていない側の眼球に現れる症状も損傷を受けた側の症状と同じく飛蚊症やかすみ目、光がまぶしく感じることなどです。

交感性眼炎(SO)は、片方の眼に生じた外傷や手術が原因で、もう片方の眼に炎症が起こる比較的希少な眼の病気です。以下は、交感性眼炎の主な症状とその詳細についての情報です。

 

視力低下:SOの最も一般的な症状の一つは視力の低下です。これは炎症による角膜、水晶体、網膜の影響によるものです。角膜の浮腫や乱視、水晶体の混濁などが視力低下の原因となり得ます。

 

眼の痛みと赤み:外傷を受けていない眼にも充血や痛みが現れることがあります。これは、炎症の結果として発生するもので、特に病状が進行している初期段階でよく見られます。

 

光恐怖(フォトフォビア):光に対する過敏反応であり、これは炎症による角膜や虹彩の影響によるものとされています。

 

流涙:炎症の影響で眼が刺激され、涙の分泌が増加することがあります。

 

前部眼内炎:これは、虹彩や線維膜に炎症が生じることで、虹彩の運動が制限されることがある。

 

黄斑浮腫:網膜の黄斑部に浮腫が生じ、これが視力低下の原因となることがある。

 

視野欠損:網膜や視神経の炎症が進行すると、視野に欠損が生じることがあります。

 

虹彩の結節:虹彩の表面に小さな結節が形成されることがあり、これは虹彩炎の特徴的な所見として知られています。

 

交感性眼炎の症状は多岐にわたり、病状の進行や免疫反応によって異なることがあります。最も一般的な症状としては、視力の低下、眼の赤みや痛み、光恐怖などが挙げられます。

交感性眼炎の改善方法は、ステロイド

交感性眼炎の改善方法は、ステロイドを飲んだり点滴したりして使うことです。症状が強い場合は、たくさんの量のステロイドが使われることもあります。

 

交感性眼炎では長い期間ステロイドを使って改善を行なっていくこともあるため、副作用が起きることも考えられます。その場合は、シクロスポリンなどの免疫抑制剤を使うこともあります。

交感性眼炎は、免疫応答が異常に活性化された結果として片方の眼に炎症が生じる病気です。改善の主な目的は、炎症のコントロールと視力の維持・改善です。

 

ステロイド眼内注射:強力な抗炎症作用を持つステロイドは、交感性眼炎の主な改善法の一つです。炎症を迅速に抑えるため、初期の改善方法として使用されることが多い。注射は通常、眼科医のクリニックで行われ、局所麻酔の下で眼の白目部分に薬剤を注入します。

 

経口ステロイド:重症の場合や、長期間の改善が必要な場合には、経口ステロイドを用いることがあります。維持法として低用量で使用されることが一般的です。

 

免疫抑制薬:ステロイドだけでは十分な効果が得られない場合や、ステロイドの副作用を懸念する場合には、免疫抑制薬が使用されることがあります。これには、シクロスポリンやメトトレキサート、アザチオプリンなどがあります。

 

生物学的方法:TNFα阻害薬などの生物学的薬剤も、交感性眼炎の改善に有効であると報告されています。これらは、特定の免疫反応をブロックすることで炎症を抑制します。

 

外科的方法:重症のケースや、薬での効果が不十分な場合には、外科的方法が検討されることがあります。網膜剥離や白内障の手術などが該当します。

 

フォローアップ:交感性眼炎の改善方法は、定期的なフォローアップが不可欠です。定期的に眼科に行くことで状態の変化や合併症の早期発見が可能となります。

 

交感性眼炎の改善方法は、病状や病態に応じて選択されます。ステロイドや免疫抑制薬、生物学的薬剤など、さまざまな方法が存在しますが、最も重要なのは早期の判断と適切な改善の開始です。

交感性眼炎は、片方の眼に負傷や手術などの刺激があった後、もう片方の眼にも炎症が起こる希少な病気です。免疫反応が関与しており、適切な改善を行わないと両眼の視力が失われる可能性があります。以下は、交感性眼炎の改善に使用される主な薬剤とその効果、目的についての説明です。

 

ステロイド

種類: プレドニゾロン、デキサメタゾンなど

効果: 強力な抗炎症作用を持ち、眼内の炎症を迅速に抑えることができます。

目的: 炎症の進行を阻止し、視力低下のリスクを減少させるため。

 

免疫抑制薬

種類: シクロスポリン、メトトレキサート、アザチオプリン、マイコフェノレートモフェチルなど

効果: ステロイドと同様に炎症を抑える効果がありますが、その作用機序や副作用プロファイルが異なります。

目的: ステロイドの副作用を避けるため、またはステロイドだけでは不十分な場合の追加の改善方法として使用される。

 

生物学的薬

種類: 抗TNFα薬(インフリキシマブやアダリムマブ)、インターロイキン阻害薬など

効果: 特定の免疫反応をブロックすることで、炎症を抑制します。

目的: 免疫反応を特定のターゲットに絞って制御し、伝統的な改善法で効果が得られない場合や副作用を減少させるために使用される。

 

以上の薬剤は、症状や病態に応じて眼科医によって選択されます。継続的な改善方法や経過観察が必要となることが多いので、定期的な眼科に行くことが推奨されます。

片方の眼球に損傷を受けたら眼科へ

交感性眼炎は片方の眼球に損傷が起きることによって発症する病気です。そのため、片方の眼球が非常に強い損傷を受けている場合は交感性眼炎を予防するために損傷を受けた眼球を手術によって取り出すこともあります。

 

交感性眼炎が起きることは非常に珍しいです。しかし、眼球に外傷を受けた場合は発症する可能性があります。まず眼科に行くことをお勧めいたします。

交感性眼炎に効果的なツボ

二間

睛明

地五会

二間

二間は、人さし指の関節のへこみにあり、大腸系の二番目のツボであることから名前がついたツボであると言われています。

 

二間は、麦粒腫に効果的であるため、目の炎症である結膜炎あ角膜炎にも効果が期待できるツボです。そのため、交感性眼炎にも効果が期待できるのです。

 

他にも、肩や腰、腕の痛みや指の痛みやしびれ、歯の痛みや腸の病気や血便などの消化器系の症状に対しても使われることのあるツボです。

睛明

睛明は、視力の回復や目のかすみに対して効果を発揮するツボです。交感性眼炎では、目のかすみや充血、目の痛みなどが症状としてあらわれます。そのような症状を改善する効果が期待できるのです。

 

長い時間パソコンを見るデスクワークの人にもおすすめのツボです。

地五会

地五会は、目に現れる症状に対して効果を発揮するツボです。そのため、交感性眼炎に対しても効果が期待できるのです。

 

目の充血や痛みにも効果的で、交感性眼炎によって現れる症状を和らげる効果が期待できます。

ツボの位置と押し方

二間

二間は、人さし指の関節のへこみにあるツボです。人さし指の第二関節の下の親指側のへこみがツボの場所です。

 

二間は、お灸や鍼のシールなどを貼ることもおすすめのツボです。押して刺激をすることも効果的ですが、お灸で温めるとより効果が期待できます。

睛明

睛明は、目頭と鼻の付け根の間のくぼみにあります。

 

押すときは、目を閉じてつまむようにし、円を描くようなイメージでゆっくりと押します。押している時にさらに目を強く瞑ることもおすすめです。

地五会

地五会の場所は、足の薬指と小指の骨の間のくぼみです。ツボを探すときは、人差し指で足の薬指と小指の骨の間のあたりを押し、痛みを感じる場所を探すと良いでしょう。

 

押すときのイメージは、グリグリと押すイメージで、押しまわすような刺激をすることがお勧めです。

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